ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

こんなに”どうしようもない僕に天使が降りて”くるわけがない。

「天使が消えない」 (『天使のいない12月』中篇SS)リンク先webarchive→impatient?

 ちょっとばかり疲れた。
 何かをやって疲れたとか、何かがあって疲れたとかではない。
 ただ、気がついたら疲れていた。
 強いて原因を挙げるのであれば、この十数年生き続けたことに対して疲れを覚えていた。
 木田時紀としてこの世に生を受けて以降、自分という存在を持ち続けていることに疲れを感じていた。
 何もかも億劫で、面倒で、退屈で、厄介で、無為そのものだった。
 苛立ちを覚えている間はまだ良かった。
 現在に不満を感じているというのは、現在にまだ未練と希望を持っていたということだろうから。
 でも今はせいぜい諦めぐらいしか残っていない。
 そんな状態だから、疲れたと思ったのだ。
 その言い方が正しいのか、考え方が合っているのか、そんなことはどうでもいい。
 もう、全てに、飽きていたのだ。
 自分自身に。

「――帰るぞ、エミ公。腹が減った」(木田時紀)


「生きるものたち」 (同作者の同題材の別√短編SS)
「Thoughtless Web」→Text→Leaf天使のいない12月→「生きるものたち」
「恋はできない」
「月光華園=COCHA-DO=」 →SS→ETC→「恋はしない」「恋はできない」
■「天国がどこまでも遠い12月」
(ttp://www113.sakura.ne.jp/~shura/touko.txt)R18中篇SS