ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《心の傷跡/Traumatize》/『極黒のブリュンヒルデ』第62話

(前回感想はこちら)
(第1〜3話の無料閲覧はこちら)


彼と 彼女の 消えない痛み

前回の粗筋

    |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、
    |┃.    ,イ/〃        ヾ= 、
    |┃   N {                \
    |┃  ト.l ヽ               l
 ガラッ.|┃ 、ゝ丶         ,..ィ从    |
    |┃  \`.、_    _,. _彡'ノリ__,.ゝ、  |     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ    <  話は聞かせてもらったぞ!
    |┃.    |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ     |   人類は滅亡する!
    |┃三  ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐'  ,ン       \____________
    |┃      l     r─‐-、   /:|
    |┃三     ト、  `二¨´  ,.イ |
    |┃     _亅::ヽ、    ./ i :ト、
    |┃  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、
    |┃    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l

―――なるほど、あの属性をこういう風に繋げてくるのか(感嘆)。新規参入の娘を早急に枠に組み入れる、むしろ捩じ込むというか「溶接」というか。双方向に分かち難く結びつける、ある意味強引、ある意味必然。どちらも互いを知らないから……いや、知ってても良太にとっては選択できない事かな。結果、なんとはなしに非友好的な展開を想定していたものの全くそうはならなかった訳だが……“奈波(AAA相当【操憶】)が仲間に加わらなくてさえ、AAA【スカジ】瑞花の予知を向こうに回さねばならなかったのに”、“いつ誰が敵に回るかわからない状況下だというのに仲間が増えるということは、この先更に厄介な状況・敵が待っているということでは”なんてメタメタしい事を考えなくもない。逆に言えば初菜が居なければ打破できない/彼女の力を借りればなんとかなる、かも……そもそも天文台メンバーにとって、「力や手段が足りない」「だから協力し助け合う」は最初から当然のことなのだよね。

 また話数の垣根を無くし、かつ視点が頻繁に交代する単行本5巻、及び第4章収録分で特にそう感じたわけだが……掲載1話1話毎においても対比対照を感じさせる構成の上手さ。岡本倫ドSと言えば首チョンパ筆頭にスプラッターでエグい描写や激甚な展開、『きみだら』に限らず性癖ぶっ飛びが目立ちがち(偏見)だが、そういった面も連載を追っかける上で魅力の底上げになっている(単行本オンリーも独自の味わいがあるのだろうけど)。


旧知/新参

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「ごめんくださーい ……おかしいな・・・誰もいないのかな・・・失礼しますよ〜・・・!?

                                ,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
  イ三二二ニニニゞ                    ( j〉    」´ ̄ ̄``ー-、ヽ    .,.:,..:..    .,.:,..:..
               ... ,...               ``ー─'"´  ̄ ̄ ̄ ̄
         ,ィゞ          .,.:,..:..                               .,.:,..:.. ... ,...
             ー====-                         ー====-
  ... ,...                       .,.:,..:..                        ... ,...    .,.:,..:..
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        ,イ、,r'⌒ヾ    ヽ ヾ ``''ー- -、-‐''"´ヽ;;: :;:; ;:; :;:;  ;:  .           .,.:,..:..
       ,r/  (::;;:;:;;/ー-、  j  `,   _ /ィ´  ;:; :; ;:; : ;:               ,ィゞ
       ヽ 「i''ー'"´   ,r-‐'ー''''"´ ̄
                                              ,ィ!´ ̄``i''ー─- 、、、,,_
                イ三二二ニニニゞ                    ( j〉    」´ ̄ ̄``ー-、ヽ    .,.:,..:..    .,.:,..:..
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      l    f,.ニニニヽ u /:|   _∠,   滅亡したぁぁぁーーー!!!
       ト、  ヽ.__.丿  ,イ |     /
     _亅::ヽ、 ー   / i :ト、    ´ ̄|
  -‐''「 F′::  `:ー '´  ,.'  フ >ー、   l/、  ,ヘ
    ト、ヾ;、..__     , '_,./ /l       ∨
   ヽl \\‐二ニ二三/ / /

「ちょっ・・・え!? ど・・・どうしたの!? 大丈夫!?」

「なんや・・・ヴァルキュリアちゃうんか・・・」「は?」

「あほくさあほくさ みんな もうええで」パンパン
「あたたたた・・・」「これ・・・意味あるの?」
「当たり前やん!! また急にヴァルキュリアが薬奪いに来たらどうすんねや!!
鎮死剤切れで死んだふりしとけばあいつも仕方なしに帰るわ!!」

「おれは別に鎮死剤切れにならないけど・・・」
「親心や! 1人だけ生きてたら真っ先に殺されるで!!」
「ままままぁ・・・そそそ備えあれば憂いなしですよね!」
「なんであんたドモってんのや?」「……」「ん?」 

「あんた初菜やんか!! まだ生きとったんか!!」「えっ?」
「ああ血塗れで分からなかった その下品なしゃべり方はカズミか」

「下品言うな!!」
「おお 佳奈と寧子も生きてたんだ 佳奈なんて真っ先にのたれ死ぬと思ったのに」
『……久々に会ったってのに なんなのその言い草・・・』

「その男はなに?」「うちらの協力者や」
「……いいのかなぁ・・人間巻き込んで・・・」
「ええんやこいつは!! うちらのために命落とす覚悟できてるもんな!!」 
「なぁ!」
「……おれが自分で言うのはいいけど お前がそれを言うなよ・・・」

「ふ〜ん・・・死ぬ覚悟ね・・・そう」

「あなたは? 見たことないけど」
「はははははい!! 姓は鷹取 名は小鳥と発します!! 以後お見知りおきを・・・!!」
(やっぱり・・・小鳥のことはこの子も知らないのか・・・)
「けどあんた・・・今までよう鎮死剤残ってたなぁ どうしてたんや?」
「ああ・・・ あの事故の時 うっかり寝ちゃっててさ」「はぁ?」
「熱くて目が覚めたら もうみんな逃げ出した後で誰もいないの
そしたら装甲車の中に 誰にも気付かれずに残った鎮死剤の箱がごっそり・・・
ま 残り物には福があるって事よね」
……

「そしたらまだ鎮死剤は残ってんのか!」「昨日まではね」
ヴァルキュリアに襲われて丸ごと持って行かれた 残ってたのは持ち歩いてた10日分だけ」
「あちゃ〜・・・」
「なんやのもう!! そしたら結局 うちらの負担が増えるだけやんか!!」

「……負担か」「負担やろ? なんか文句あんのか?」
「いや・・・会った頃のカズミなら 鎮死剤を分けたりせずに門前払いにしてたはずなのに・・・*1
今は負担するのが前提なんだな」
「なっ・・・」
「だったらなんやっちゅうんや!!」
「いや別に」

『ねぇ ちょっと温泉に入りたいんだけど ペンキを落としたい』「私も・・・」
「えっ? 温泉あるの?」
「村上はうちらが戻るまで ここの床掃除な」「はぁ!?」

……どうなることかと思って2週後を迎えたらば。なんというか、コメディじみた出迎え方になったもので(呆)。実際の所、カズミの案は真子が瞬間移動で来たら死んだフリさえ間に合わない気がしてならず、いや佳奈が警報を発すれば……そうなったら良太がもう少し真面目な作戦を提案するだろう、多分。つまるところヴァルキュリアに直面した緊迫感からの息抜き気分転換として真面目な()お遊び……? そこに初菜がやってきたのは偶然にして幸いだったかもわからんね。来たのが関係者以外だったら説明に困るし、よしんば小五郎だったりしても物凄い馬鹿を見る目で……ブルブル

 初菜の経過説明にも、なんとも言えない空気が残ったり。手に入れた「ごっそり」*2を一人でちまちま消費してれば、真子が解放されない分には普通に最後*3まで余裕だったかもしれんね。つまり寧子達を守りきれず死なせてしまった良太が一人生き残ってからが初菜√(NORMAL END)……?
 あと彼女も脱走魔女の例に漏れず学校生活に憧れがあり身元偽装転入をしたようだが、それを誰が仲介したかは明示されていない。脱走事故以降天文台で会うまで消息知れず連絡取れず*4、まずカズミが手配したのではない筈。千絵姉さんの可能性はまあ無くはない。もし他に【操網】魔女が居たとして……多分捕まってイジェクトされたか力尽きて崩落してしまったか。そこら辺を良太達に説明するとなると、もしかすると「人類で一番の友達」にも触れる可能性が……魔女と魔法を見て放置されている彼女の身が危うくなる展開が発生するか、それとも言及されずフェードアウトか……後者の方が無事に済む可能性は当然高いが、若干やりきれなさが残るなとも。


体の傷、心の傷

「なんだよ・・・あの初菜って子の魔法の話を聞いておきたかったのに・・・」フキフキ

「しかしカズミは相変わらず見窄らしい貧乳だね」「なんやて!?」
「そっちの子は下品なほど大きいし」「下品!?」
「あんたはなんなんや!? おっぱい評論家か!?」

「初菜ちゃん その傷・・・」「ああ」
「昨日ヴァルキュリアにやられてまだ治りきってないだけ 明日にはおっぱいもきれいになってる」
「……」
「初菜さんの魔法って・・・」「再生」
「殺されても死なない 例え頭を潰されてもね イジェクトされたり薬切れになるとダメだけど」*5

「ほぁ〜・・・そんなにすごいのにBクラスなんですか・・・」
「まあ結局死なないのは自分だけだからね 研究所にはメリット無いでしょ」*6

「みんな さっきの村上って奴に助けられてたわけ?」「そうなんです」
「村上くんがいなかったら・・・私達全員 とっくに死んでた・・・」
「……ずいぶん他人を信用してるのね」

「いやぁ!! 気持ち悪い!!」

「人間なんてすぐ裏切るわよ 所詮人ごとだもの」*7
「そりゃ単に・・・あんたの人を見る目のなさの問題や」「!?」

「ま しばらくあいつと一緒におったらわかるわ」「……」

「それじゃ じっくり品定めさせてもらうわ」

 じっくり品定めするって言ったじゃないですかやだー!! って結果は御覧の有り様だったけども。
 初登場時の第一印象は「相方」の見た目もあって中学生くらいに見えたのだが、カズミのお株を奪わんばかりの「おっさん臭さ」に一転小鳥以上良太達未満の「学齢」に思えてくる。まあカズミを例に挙げるまでもなく耳年増……とも限らないか。魔女達の「前歴」が何歳頃までとか、未だに全然明らかになっていないものの、全員がそれまで恋愛経験皆無とは限るまい。クロネコが「10年前」以降どうなったか読者に知らされる日はまだまだ遠かろうが、彼が彼女を想う程度には彼女が彼を大切にしてて……結果がアレだったのだが。

 閑話休題。ヘイフリック(細胞分裂回数)限界とかに触れず大雑把に強力な【再生】能力。だが治るとしても痛いモンは痛い。そして痛むのは身体のみならず。「見る目がない」というのは正味カズミの「旦那自慢」の裏返しだろうけど、実際良太の適応力・器量は半端無いけれど、翻って普通の女子高生に抵抗無く受け容れるのも無理がある。他の魔女よりも殊更グロく反面殺傷力の無い能力を備えればこそ、初菜だってそんな事は最初からわかってて諦めてて、いざそうなれば仕方ないと理解していても……それでも「裏切られた」と口にしたのは、きっとそういうこと。そう思ってしまう程度には、信じたかったということ。


Flashback

「ふぅ・・・すっきりした」オーイ「ん?」

ウォーイ タースケテクレー
「何やってんだお前!?」
ナガメイイカトオモッテノボッタラ コワクテオリラレナクナッタノダー タースケテクレー「……」
「ったくふざけんなよ・・・風呂に入ったばっかなのに・・・」

「お前・・・マジでふざけんなよ・・・」
「ホントに来たんだ」「は?」「なんでもない」
「降りるぞ 立てるか?」
「うん あっ!」ズルッ

ぼくはこの日 取り返しのつかない間違いを二つ犯した
ひとつは ここで引き返さなかったこと

そして 二つ目の間違い
あの時どうしておれは・・・ あいつの手を握ってしまったんだろう

「お前……いい加減にしろよ・・・風呂に入ったばっかりなのに・・・もう汗だくだ……」「……」
「絶対に・・・手を離すな・・・必ずなんとかするから・・・」
「へ〜・・・」

「うん 合格」

「自分の命を危険にさらしてここまでする人間なんて見たことない
みんなが言うとおり あなたは信用するに足る人みたいね
私の手を離して 私の魔法は「再生」 ここから落ちても死なないから
あなたも両手が使えれば足場まで戻れるでしょ? 早く私を離して」
「バカ言うな・・・」

「落ちても死なないとか・・・この状況で誰がそんな都合のいい話を信じるか・・・」
「え・・・ いや・・・ホントだけど・・・」
「いいか 例え2人でここから落ちても・・・」

絶 対 に こ の 手 だ け は 離 さ な い


―――そしてまた、撃墜マークが増えたのだった()。おおよそ、互いが互いを知らないが為に避けがたく起きた事件であり、理解と同時に誤解を産んだ気がしてならない。 初菜は人間を、正確には村上良太を知らなさ過ぎ見誤った。おっさん臭さの反面、その性急さには幼ささえ感じる。捻くれてしまって、とは言うまい。改造以降の扱いや脱走事故以降の日々の過酷さは想像を絶するものであろうし、原因はどうあれ寧子や小鳥の純真さアホの子加減の方が奇跡的なのだ。良太はそんな彼女達のお守りをしてきた男であり、その自己犠牲精神に頭を悩ませてきた天文台のお父さんである。そんな彼が、確証も無く落ちても死なないから手を放せと言われて放す筈も無く、仮に事前に再生能力を見せてもらっていたとしても……「あの状況」では絶対無理だろう。“逆に良太が足を滑らせて落ちた”場合は……。

 ともあれかくまれ、良太が初菜を放せない以上依然としての危機ではある。想像できる範囲では、佳奈からの予知情報を受けた小鳥が二人と入れ替わり、自力で降りてきて落着。トラウマ直撃したお父さんが猫娘の頭頂に結花にしたより痛く拳骨とか。かくして放っておけない枠と争奪戦レース枠が同時に、と想いの方向性がズレた悲喜劇……なんてやってる余裕があればいいのだが。まずもって、鎮死剤の残りはいかほどか。カズミは負担が増えると言ったが、むしろ初菜の10日分に縋っても2日強しか命数が伸びない。ブレイクスルーはよ、切実に、はよ。

 ヴィンガルフ、高千穂、ヘクセンヤクト、ヴァルキュリア、鎮死剤。各々緊急性緊迫性高まりつつ、寧子の過去に懸念増えつつ……良太の中で重く沈み込んでいた喪失感が、5巻で寧子の記憶磨耗に直面して以来、また蘇り。「落ちて死なない」なんて都合の良い話があるわけない。転じて落ちたクロネコは死んだ(自分が殺した)に違いない。だから黒羽寧子がクロネコであるはずがない……この一件がどのように尾を引いて、いつ芽吹いてしまうのかという危惧……同時に、クロネコと一緒に落ちた村上良太は本当にそれ以前と同じ村上良太なのかと、不意に。

*1:だが待ってほしい、確かに良太視点で第一印象ではそういう事になってはいるが、その時点でカズミにも余力余裕はなく、無理おして作戦成功に賭けてくれねば・佳奈と薬を分け合わねば良太達も間に合わなかったのだ。つまり何が言いたいかというと10話のカズミちゃん様マジ天使。そして今回の照れ顔かわいい。

*2:これから処理する魔女を運ぶというのに、必要以上の量が載っていたという事実は若干の含みを感じる。30〜40時間以内に全て済ませるのならそもそも持ち込む必要すら無いのではと。事故は仮に茜女史単独では無理として魔女狩りの手引きがあったとして、かの組織は可及的速やかに魔女達を野垂れ死なせたかったはずだから、やはり茜女史(またはイチジク所長の協力)が脱走魔女を死なせまいと用意しておいた公算が高いか? その辺を良太視点で思い至れるか、魔女狩り乃至イチジク所長視点で明らかになるかどうか。

*3:たとえ寧子達が全滅しても、脱走魔女の最後の一人としてか。あるいは、魔女狩りの女性曰く「ドラシルの孵卵」まで生き延びるという意味でか。

*4:寧子佳奈カズミにシノが持ってたトランシーバーはもしかしなくても装甲車から持ち出したもの(ただその場合、よりヴィンガルフに探知されるリスクが高いような)かもしれないが、それを用いた様子も無し。

*5:倒した竜の血を浴びて、ただ一箇所の弱点を除き不死身の肉体を手に入れた英雄がいたなあと。もし彼女がそういう位置だとしたら若干予想外というか、死亡フラグの増し増し。え、もしかして良太がヒロイン?

*6:もし仮に、ヴァルキュリアはじめAAAランクコードネーム持ちが対宇宙人戦力だとして、また魔法の発現種類に任意の操作が加えられるのならば、ハイブリッドには全員、そうでなくても前衛には持たせておきたい能力だと思うのだが。奈波の「最期」を見る限りイジェクト死間際でも魔法は使えるし、薬(魔力)さえあれば延々戦い続けられる兵士というのは有用……反逆された場合を考えて研究を凍結してるのか? もし真子を絶対に失えないのなら、万が一に備え是非にも発現させたい保険になるのに。

*7:ところがどっこいぎっぎょん、他人事(対岸の火事)じゃなくなりつつあるんです……! これが現実……っ!