ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

ヤングジャンプ掲載版『極黒のブリュンヒルデ』登場人物概要/上巻(仮)

          . -─- .
        /     三\
       /        三ヽ
      ./             三}
    ∠二_______二三ト、
       | | ◎ | | ◎ /   三\         【注意:以下の内容は連載最終回のネタバレを含み、】
       { ミー‐'  `ー‐彡     三ヽ
         \   _    三   三}
         Υ <+++>ヽ  ≠   .三ト、       【かつ個人的解釈も多分に盛り込まれています。】
          ヽ  ̄__ -‐        三}
            ̄二|    , -‐   三|
          /   '  /  , -‐ 三|       【多分に漏れや抜けがあります。異論は認める。】
        / , -┤ /   /   三|
.       (__/  /  (__./       /
          /              /
  • 【村上良太】:主人公。信濃大付属高校二年(推定17歳)、天文部部長。十年前に死なせてしまった(と思い込んでいた)幼馴染クロネコの言葉(宇宙人の存在)を証明する為にNASA研究員を目指していたが、クロネコの面影を持つ寧子と出会ってからは彼女達を生き長らえさせる為に文字通り粉骨砕身し知恵を絞り、最終的にクロネコを守るためにヒトとしての命を終え神となった男。のち、神ロキとしての肉体を自ら破壊した。現在、宇宙人が一掃された【エッダ】の記憶バンクに精神のみが留まっている状態(外界を見守るくらいは出来るが接触も会話もできない)。そのままただ独り其処に存在し続けることになる筈だったが……二重の意味でそれは裏切られる事になる。その後「三人」がどうなるかは、単行本加筆修正版のみぞ知る。
    • 完全記憶能力【ライトワンス】により見聞きしたものを忘れずにいる事ができる反面、辛い記憶までも鮮明に残ることに苦しんでいた。その異能は先天的な物ではなく、十年前クロネコと共にダムから落ちて「死亡」した際にヴィンガルフで施された改造によるもので……実際のところクロネコに関する事以外の当時記憶は朧げだった模様。その実態は【エッダ】との精神接続により、「神殺し」の為にロキを乗っ取る鍵となること。魔女達とドラシルの関係にしてもそうだが、生死をの境を彷徨えば(精神の在り処の置き換え)記憶の混濁くらいあっても不思議ではない……?
      • 同時に完全記憶能力の弊害として、常人なら忘れる事で保たれる脳の容量がパンクするほど情報を蓄積してしまう。その故に「長生きできない」と予言した魔女・奈波の人格記憶が今わの際に書き込まれた事で更に容量を圧迫しており、第2部終盤直前で頭が割れそうになるほどの頭痛に苛まれることとなった。そして奈波自身の手により彼女の記憶を消す事で僅かに命を繋ぐことになった。
    • 朝っぱらから枕元に包丁突き刺す御母堂(職業不明ながら偉いさんとの付き合いがあるらしい)といい二歳の頃に事故で父と弟を亡くしている事といい怪しい叔父(母の実弟)である小五郎といい、家庭事情が長らく疑われていた(どことなく造形似てるイチジク所長が父親かもとか)が……第2部終盤にてヴィンガルフ上部組織高千穂の長にして全ての発端であるドレスデン遺跡発見者の末裔である黒幕「神祇官」の息子(弟である勇太=マキナのリザーブ)である灯台下暗しな事実が判明。
    • 当初、土砂崩れからの落盤事故にて死亡する運命にあったが佳奈の予知しカズミの情報操作で転入した寧子の破撃により窮地を救われる(なお、事前の警告から自分が死ぬ/それに他人を巻き込む可能性は考慮していたが超能力≒魔法の存在は信じていなかった)。以後、命の恩と魔女達のあまりに過酷な境遇への同情(そして何より寧子がクロネコに酷似していること)によってか「鎮死剤」なくして二日と持たないばかりか同胞の刺客に彼女達を生き延びさせる、かつ少女達の憧れた普通で平穏な学校生活を送らせるために奔走することになる。第1部では主に佳奈の死亡予知を阻止する対策を考案する軍師・作戦参謀役を務める。また家庭教師のバイトをしておりその給料で買った食料で魔女達を養っていた。
    • 寧子の事をクロネコではない(実際のところは本人である。それに気づく機会もあったが「魔法で時間が巻き戻る」というウルトラCにて忘却)と思いつつその面影を追う事を止められず、反面幾度かあったラッキースケベ案件において「腋の下のホクロ」を確認する事を怠ってしまうほどのオッパイ星人。小鳥の巨乳に目を奪われ、カズミの貧乳をdisる(そして蹴られる)こともしばしば。
      • クロネコに対して一途であり過ぎた為に、好意を抱かれたカズミからのアプローチやそれに対する寧子の嫉妬暴発、遅れて加入した初菜からの猛攻に対してもすげない対応を続けた(でもムッツリ)。しかし第4章瑞花編のラストやキス案件のことを鑑みるにカズミや初菜のことも全く意識していないではなかった。
        • そして遂に寧子=クロネコの真実に気づき、死の淵からクロネコとして復活した彼女と再会。しかしその直後の戦いで「再会以降の黒羽寧子」としての記憶までリセットされた彼女(仮称・寧子サンダー)に対しどう接するべきか長らく懊悩し続けることになる。カズミの代理デート⇒ラブホ案件の後「大っ嫌い」だと断言されたこと(加えて初菜に「私達の気持ちを軽く考えないで」と言われた事)を切欠にカズミと付き合い始めるも、事ある毎に寧子を意識しているのは明らかだった。
        • また第1部終盤より提起された魔女ドラシルの「孵卵」問題について、第2部では全く手の施しようがなかった上に自分自身の手で小鳥をイジェクトしたことも手伝い無力感に苛まれていた(そもそも1部終盤は小手先の知恵や作戦でどうにかなる状況ではない)。そこに寧子サンダー、カズミとの関係や初菜を高屋に任せた(放り出した)ことも重なり、第1部で上がりあがった株がズンドコ急落していった。序盤もげろもげろと言われ⇒もうお前もげなくていいよと頼りがいに溢れてた頃は遠い……。
          • はたしてマキナによる寧子サンダー誘拐およびマキナリザーブとしてヴィンガルフへの拉致が重なってのロキ眼前での邂逅。致命傷を負わされた彼女の第3スイッチを押して尚復活ならず喰われる⇒中から魔法で復活! したクロネコに対し、紆余曲折経て「クロネコを失うくらいなら自分が死んだ方がマシだ」と宣言したことでカズミを間接的に振ることになった……はずなのだが。(2260/32000字)
  • 【黒羽寧子(クロネコ)】:【破撃】の魔法使い。推定17歳。視界内の物質に対し強大な破壊力を持つ(直接触れていれば例外らしい)が、その代償として記憶を少しずつ欠損し続けるさだめを背負った娘。その正体は良太の幼馴染であるクロネコ当時腋の下にあったホクロは成長により位置がズレていた。本来はSランク魔女であり、飛翔も再生も瞬間移動(ただし他人を連れて移動できない)もできるという万能さで「この宇宙で一番」と嘯く。姉にほぼ同等にして表裏の力を持つヴァルキュリア・藤崎真子がいるが、何故名字が異なるかは不明。
    • 良太に「宇宙人が居る証拠を見せる」と連れていったダムからの落下事故で「死亡」し、ヴィンガルフで魔女に改造。そしてSランク・ヴァルキュリアとしてのクロネコ時代⇒(おそらくマイクロブラックホール生成実験で)記憶と力を失い当初の寧子へ。その後Bクラス以下の魔女として処分される為の搬送中(ヘクセンヤクトか、スパイだった茜女史の仕組んだ?)事故により多数の同胞と共に佳奈を連れ脱走。持ち出せた鎮死剤の量は少なく、その限りある時間で死にゆく人を救えばそれだけ自分達の命が意味を持つ、という信条のもとに(時にカズミに鎮死剤すら代償に払って)潜伏救命活動を行い……ある日、佳奈が予知した良太の落盤事故死、加えてプール事故による女子生徒(アニメ版だと柏木)の死を止める為に信濃大付属高校に転入してきたことが物語の発端となる。以降良太と同じクラス。
    • 「寧子」としての性格は自己犠牲の精神が強い脱走魔女にあって特にその傾向が顕著で、自分が死ねば他人が助けられると思えば行動するのにほぼ躊躇しない(脱走事件で「宇宙人の受精卵」と共に託された「世界を救えるのはお前しかいない」という茜女史の遺言も影響していると思しい)。良太と同胞と助け合うことでなんとか切り抜けていくことになるが、佳奈の予知の中での出来事ではあるが何度も死ぬ(一度は「死ぬ運命が実現」した後に時間が巻き戻ってすらいる)。その儚さを放っておけないという点から、天文部は村上ハーレムであると同時に寧子親衛隊+αでもある()。
      • 記憶の欠損はその時々によって大小さまざまであり、小学生並の算数や漢字の知識がなかったり(そもそも十年の研究所時代にある程度座学があったのか自体不明)最近行ったカラオケという言葉自体を忘却する反面、(魔女になる以前のクロネコの)星座知識がさらりと出てきたりもする(それを思い出す場面で隣に居ただろう良太少年の顔が黒く塗り潰されている)。ただ物覚えも良いので学習知識は割合早期にリカバーがきく。語彙の不足から幼児的な天然ボケをかます事も。
      • 嫉妬心と照れが存外に強く、主に良太がカズミにアプローチされたり小鳥に見蕩れたりした際に魔法を暴発(その癖「私じゃない私じゃない」と言い訳する)させたりジト目になったりする。それでいて自分が良太に惹かれていっていた事には無自覚で指が触れただけで動機が激しくなったり「間接キスを気にしない歌」を歌ったり、佳奈に「恋でしょ?」と指摘されるまで病気かと疑っていた。また良太とカズミのキスを目撃した際は、「みんなが幸せになるのは良い事だ」と祝福しながらも独り涙をこぼすことも。
        • 「黒羽寧子の忘れちゃいけないノート」という手記をひっそり書き残しており、同胞達のことは紹介的な記述に留まるが良太に関する頁は……その、アレだ……明らかに佳奈に指摘された後で書かれたな、うん。
    • 第1部終盤で真子に致命傷を負わされ、最後の賭けとして押されたハーネスト第3スイッチにより「クロネコ」として覚醒。その性格は良太をしてすら「誰だよお前!?」となるほど好意が開けっ広げ、かつ敵対する相手への容赦がない。真子とほぼ互角の力でドラゴンボールじみたド派手な戦闘を繰り広げた果て、極大アンチマターを相殺する為に禁断のマイクロブラックホールを生成した代償に、再び記憶と力を「封印」される。
      • しかし真子は二大魔法の余波を受けて尚生きており、そのトドメとして「寧子」がマイクロブラックホールを使ったことで第1部は終結する。彼女の持つ記憶すべてを代償に……。
    • 第2部における黒羽寧子(寧子サンダー)はクロネコどころか第1部で育んだ想い出すらないほぼマッサラな状態であり(かといって会話や体を動かすのに支障があるでなく、エピソード記憶と知識記憶の幾らかがもっていかれた感。それでいて局所的には寧子の面影のある言動もある。魔法の暴発とか)、カズミが吹き込んだラブコメの記憶喪失一発ネタにありがちな恋人関係の捏造(良太とカズミがキスする仲であるということ。それ自体は嘘ではないが)すらあっさり信じてしまうほど。そしてそれが随分と長く尾を引いて良太との関係を一方的に険悪なものにする。それはカズミの代理デートで血迷った良太にラブホテルに連れ込まれた意味を悟った(or良太がカズミと本番するつもりだったと誤解した)ことで頂点に達し、ウォッチャー黒服襲来の後に直接「大っ嫌い」と言い捨ててしまう。それを切欠に良太はカズミと付き合いだすが……時同じくして彼女は過去の自分が遺した「忘れちゃいけないノート」を発見し、そこに綴られた良太への思いの丈と、そんなにも大切な想いを忘却してしまったことへの悲しみ(申し訳なさ?)に涙した。
      • 以降、カズミと付き合いだした良太に「好きになる努力をしてみようと思う」と言ったり修学旅行の夜に過去の自分の想いを代理告白したり、過去と現在の板挟みになってる感が強い。またそれ以前にも「せめて 自分が何者なのか知ってから死にたい」「ずっと夢の中みたいで、今本当に生きているのかどうかもわからないから」とアイデンティティに悩む発言があった。同時に、記憶があってもなくても自分の事を友達として扱ってくれた仲間達に感謝を抱いていた。
      • 修学旅行の夜、代理告白の直後に再襲来したマキナにより誘拐。小野寺所長を経由?し「神を滅ぼす」ロキを復活させる為の贄として引っ張り出された(村上君と思い出のオムライス!)事で良太と再会するも、目覚めたロキに致命傷を負わされる。そして良太に第3スイッチを押すよう頼んでから喰われる。
        • はたして、結果的にクロネコが再度の復活の果たすのだが、イチジクの言う「万に一つ」の奇跡を二連続で掴んだのか、それとも良太が押す事に何らかの必然性が生じる余地があるのかは不明(アニメだと寧子自身の手でスイッチが押されている)。
    • 幼女クロネコ⇒魔女クロネコ⇒黒羽寧子⇒復活クロネコ⇒(黒羽寧子)⇒寧子サンダー⇒再復活クロネコと作品のメインヒロインでありながら記憶・性格の変遷が激しい。本作を良太とクロネコの物語として捉えた場合、最初と最後で整合が取れる反面、黒羽寧子と寧子サンダーの存在は何だったのかという疑問が残ってしまう。彼女達を全くの別人格と捉えるか、記憶の有無によって現れた別の側面と捉えるかで。この点について連載と既巻の範疇で詳細な言及記述は残念ながら存在しない。(2863字)
  • 橘佳奈】:【予知】の魔女。14歳で、もう直ぐ15歳(誕生日の日付不明)。ゴスロリ調の衣装と魔法の代償である「(合成音声を発するキーボードを動かす)左手以外ほとんど動かせない」為に人形じみた雰囲気を持つが、気性は時に攻撃的で毒舌家。自虐的に天文部のマスコットを自称したこともある。基本的に体が動かないので主に寧子の世話が不可欠で、食事も呑み込むくらいしか出来ない為にケーキも肉じゃがもミキサーにかけられて悲鳴を上げる不憫。ひっそりと劇中の発育が著しい。
    • 彼女の予知は常に「人が非業の死を遂げる」というもので、時間にして数秒先から二日以内(だいたい起きる刻限は把握できる)、あまり遠方の出来事は予知できない(その割に劇中の有効範囲は相当に広い。たぶんスカジ瑞花との比較であろう)し全ての人死にを感知できるわけでもない。発動してから行動変化で予知の内容も変わり、それによって寧子の救命活動およびヴィンガルフからの刺客対策の要となる。あと両者に関係のない場面でも発動するので、寧子を中心に「焦点を合わせている」とかいった事は無い模様。希少な例だが複数の予知が重なることもある。
    • 研究所時代に処分されかけた際に世話をしてくれていた寧子に命懸けで庇われた事(なお寧子はその時の事を忘れてしまっている)、脱走事件の際に動けない自分を連れ出してくれた事などの恩から、基本的に寧子の意志と生命を優先する傾向にある。その故に良太とは寧子を守る同志的な共感を抱く。
      • 序盤にカズミが仄めかした「本当は動ける」「動くと寧子が死んでしまう」というのは直接的な因果ではなく、ハーネストの第3スイッチを押す事で体の自由を取り戻す代償として予知魔法が使えなくなるという事。つまり「自己犠牲の精神が強すぎる寧子は放っておくといつでも死にに行きかねない」という意味合いであったかと推量。自分でトイレにも行けない不自由(基本的には寧子だが、一度だけ良太も世話をした事がある)を堪えながら寧子を守る為に生きていた。
        • しかし第1部の終盤、イチジク&真子に攫われた小鳥を救出に赴く仲間達の死亡予知を続けざまに見てしまいそれを変える手段もなく、最終手段として第3スイッチを押してもらい寧子達の窮地に駆け付ける。第2部序盤で体力不足を描写してたのに、何故麻痺の解除直後で間に合った上にああも見事なナイフ暗殺術が決められたのか追及してはいけない。
    • 物理的に前に出られず基本的に落ち着いた物腰から、天文台で最年少でありながら擬似家族的に見た場合おかん的ポジションだったが、体が動くようになった第2部では年齢相応に末っ娘らしい扱いを受ける機会が増えた。また良太の家庭教師先である結花と同じクラスになり(面識自体は第1部の海水浴から)、孵卵ドラシルの危機を共に生き延びた事や結花が佳奈をどこまでも「信じる」とした事で友情が築かれた。その割に最終決戦ではイブ結花は放置なんだがな……。
    • またその一件の際、使えなくなっていた予知魔法が復活。一度発動すればハングアップしてしまう為に変更後の未来を確認できないが、より詳細な未来図を俯瞰することができるようになった。
      • もとより凶事を告げる事しか出来ない魔法(同系列でもっと優秀な使い手が多数いた)、それを捨てて自由を得ても体力が無くて寧子を守れない事、どころか予知が復活してもドラシル孵卵問題に対しては如何ともし難いという辛苦続きで……最も自分の魔法に悩み続けた魔女という向きもある。
        • そういった性質、弱音の部分を構成上唯一受け止め相談できるポジションである良太との関係性は、あくまで寧子を守る同志としての感情に留まった模様。カズミが風邪引いたデートの中止連絡を佳奈に頼んだのは一面で正しく、良太と寧子の両者を慮る妹分という意味では人選ミスと言えた。もしも彼女がそのまま中止を告げ、しかし良太がそのままデートに(先払いした映画だけでも)誘った場合、どうなっていたのか……妄想。
    • 第2部の冒頭から登場しV機関(ヴィンガルフ)の少女誘拐を追っていた女性記者・橘美奈は実姉であることが判明。紆余曲折経て直接対面するも「魔女になる以前の記憶が無い」「魔女の精神はドラシルのもの」という言葉や仲間への引け目もあってか一度は拒絶。寧子の説得により対話に至り、距離を縮めるには旅行ということで良太達の修学旅行と同じ便?で石垣島へ。しかし、それが二人の最後の想い出となることになった……プレゼント……。
      • その後、二者択一で救命された良太と差し向かいで話す機会もないまま彼がヴィンガルフに攫われたのもアレだ……でも救出作戦(そして魔法能力とは全く無関係な西部警察的活躍)で少々ぶりのやりとりが「感謝しろ この記憶バカ!! 簡単に捕まりやがって!!」「……悪かったよ・・・」なのはなんだかんだ距離の近さだと思う好意的解釈。
      • また、彼女もまた魔女に改造される(行方不明になる)以前、「宇宙人に会いに行く」というクロネコと符合する言葉を残していた模様。残念ながらその辺り(魔女の素体誘拐の経緯や素体の娘ら自身の性質云々)を掘り下げる機会はついぞなかったが。
    • 修学旅行で「寧子」の告白を受けた際、漸く良太の中で「クロネコと黒羽寧子と寧子サンダーは別の記憶を持つ別の人間」だという結論が出た一方、「記憶があろうとなかろうと性格がどうだろうと寧子は寧子」であるというのが佳奈の一貫したスタンス。第1部終盤では無かった会話場面が第2部ではあり、クロネコの不遜な物言いに「記憶を無くす前はそういう性格だったね」とあっさり受け入れるあたりブレない。
    • 生存戦略上、極めて重要なポストである反面スペック的には他の娘達のような「Bクラス詐欺」が適応されない、ある意味一番普通の魔女でもあった。(2348字)
  • 【カズミ・シュリーレンツァウアー】:【操網】の魔女。推定17歳。一面では最も普通の女の子(俗的な意味で)。ドイツ人とのハーフ。関西弁。驚異的演算能力(研究所時代アチーブメントテストでの殺人を拒否した為Bクラス扱いだが実はSクラスに匹敵する)により、ネットワーク上のセキュリティを悉く無効化し、操作改竄し、様々な方面から天文台の仲間を間接支援する役割を担う。胸が小さい(Aカップ)事を気にしており仲間達にたびたびセクハラを敢行する習性も。
    • 「好きな男との子供を作って自分の生きた証を残したい」という、他の魔女達と違って明確な、しかし鎮死剤の残量からすれば無謀極まる夢を抱き、共に脱走した同胞を情報操作で「憧れの学校生活」に送り込む際に鎮死剤を要求する事で生き延びていた。それでも薬が底をついてしまった時点で持ち込まれた、寧子の失火を機に良太が考案したドレスデン製薬メーカー襲撃(鎮死剤奪取)作戦へ収穫の半分と報酬として協力。自らも崩落寸前にありながら同じく薬の切れかけた佳奈と最後の一錠を分け合う事で全員生還を成し遂げる。報酬片手に良い笑顔で階段駆け降りる姿に私は心奪われた(余談)。以降、寝床にしていた廃屋近辺でダム工事が再開こともあり天文台に合流。経歴を偽造しオーストリア留学生として信濃大付属高校・良太寧子と同じクラスに編入してくる。
      • いつの時点からか「好きな男との子供を作りたい」夢の相手として良太を見定め彼是とアプローチを重ねる内に、本気で彼の事を好きになる。また元々は単独行動の独自判断で生き抜いてきたが、良太達と共に危機を潜り抜ける内に(第4章で己の死亡する未来が予知された際)自分自身で決断できないほど良太に依存心を強めていく。そして劇中誰よりも先に良太に好意を告白し(後に作戦上の演技だと取り繕ったが、その直前あの朴念仁を見蕩れさせるという偉業を成し遂げる)、彼に特別意識されている寧子にも宣戦布告した。背伸びちゃうわ、必死にがんばっとんねん……。
      • 最高の予知魔女【スカジ】こと瑞花による小鳥(グラーネ)探索作戦の余波で死亡する運命にあったが、瑞花自身の配慮と良太達の作戦によりそれを回避する。その際、寧子を死なせ小鳥を差し出せば「良太の子供を産む事ができる」という瑞花(精神体)の誘惑に乗せられたように見せるもそれは演技であり、いかなる可能性においても仲間を見捨てる事は決して無かった。小五郎に依頼した鎮死剤生産の成功まで薬が持たないと知った際は「誰を生き残らせるか」というクジ引きを提案するも、ダチョウ倶楽部仲間にことごとく譲られた事に涙腺決壊。「最後の夏休みを皆で楽しむ」事を選択した。
    • 鎮死剤の問題はじめ、身近に迫るを死を思えば必然暗くなりがちな空気を「そらそうやろな」と解したり、小鳥と並んで天文台のムードメーカー的存在でもある。己でもそれを自覚しており、カラ元気でも明るく振る舞おうと努めてきた。
    • 第1部の終盤直前、寧子がクロネコである事にいち早く気づき、良太がそれを知る前に勝負を決めようとしたり、第2部の端から寧子サンダーに「半ば」虚偽を信じ込ませたり、高屋に言い寄られる初菜を煽ったり、果ては修学旅行費の為に初菜の胸を高屋に売り渡したりと「比較的」利己的な行動が目立つ。だがそれらは究極的に良太の子供がほしいという一心から来ており、やっと取り付けたデートが風邪で流れた当日良太とクロネコがラブホテルに入った事実を知り絶望しかける。「一番大切希望が潰えたら、それでもう生きる意味を失うことと同じ」だからである。
      • 紆余曲折経て彼氏彼女の関係となって以降も、多少扱いが変化したとはいえ良太の心中にクロネコが厳然と存在することは否定できず、その故に修学旅行の夜に良太が寧子サンダーの前で「過去に囚われるのをやめる」と口にした際は随喜の涙を流して子作りを敢行しようとした。なおマキナ。
        • マキナのリザーブとして囚われた良太を救う為のヴィンガルフ突入作戦では情報サーバーに直結して佳奈と初菜を支援。自身が無防備である事を承知でAAAランクの操網魔女フレイヤとの電脳戦を凌ぎつつ、最後まで良太達を助けようとした。小野寺の命令で警備員に射殺される筈だったが、フレイヤより強力な魔女を死なせるのは惜しいと土屋邑貴に救われる。その際「自分のものになるなら助ける」と言われたが、「良太達を助けてくれるなら自分は助けなくていい」と契約を交わす。結果的に、その約束は全うされることになった……のだが。(1854字)
  • 【鷹鳥小鳥】:【転位】の魔女。15歳⇒16歳(第2章終了時点)。自分と対象の位置を入れ替える(その際に互いの持つ運動エネルギー等を打ち消す余禄もあるが、それが言及されたのは一度きり)。一度使うだけでハングアップしてしまう上に、「助けたい人の身代わりになる」くらいしか出来ないと自嘲した傍から村上の案で「自分を拘束し捕まえたい相手と入れ替わる」というブレイクスルーが発生、第1部中盤の切り札的な存在となる。巨乳かつ発育途上。カズミによるセクハラ被害率トップ。甘味などに飢えている魔女達の中でも特に食欲が旺盛。
    • 彼女の合流経緯は明らかになっている部分となっていない部分とでかなり複雑である。まず寧子達と同じように処分される為に護送されていたかが怪しい。茜女史とヘクセンヤクトの起こした事故は彼女に宿る特殊なドラシル【グラーネ】(あと他の魔女達のドラシルも)をヴィンガルフの手の届かない所で再利用できないよう崩落させる事が目的だったと思われる。しかし第1部でグラーネがイジェクトされたにも関わらず、第2部で短期間の内に新たなグラーネ魔女が孵卵=ラグナロクで人類滅亡秒読み段階になっていた事を鑑みるにその有効性は疑わしい。第1部のグラーネがアンチマターとMBHの激突した戦場後から回収されたならまた話は違ってくるが、明確にそれを示す描写は無い。
    • 表向き、カズミと知己だった操網魔女の千絵と行動を共にし、「小鳥が誕生日を迎える為に」と鎮死剤を飲むのをやめた彼女の死後、彼女の手配で信濃大付属高校に転入して天文部に入部してくる。同時にヴィンガルフから脱走魔女に刺客が放たれており、佳奈が寧子/良太の死亡予知を発動していた為に読者と現場の両方から容疑をかけられていた。真実の前にトルネード土下座不可避。ただ良太達の居る高校ましてや天文部に入部してきた事が単に「すっごい偶然です!」で済ませられるかは甚だ疑問である。少なくとも小鳥当人が何も知らなかった事を鑑みるに、千絵がカズミの居所と知って送り込んだものと思われる。
      • 千絵との今わの際の約束で「悲しい時ほど笑顔でいなさい」という言葉を愚直に守り続けた事で、本当の刺客であるキカコと交戦した寧子が死ぬ未来においても無理して笑っていたことが誤解の原因である。また良太が企画した天体観測の際に魔女と明らかになった事で刺客と警戒される中、寧子だけが自分を信じてくれた事で彼女の身代わりになろうとする(ついでに良太が死ぬ)未来が発生。それを阻止するも小鳥の持つ薬は既に切れかけており、もう誰かの薬(命)を奪って生きたくはないと死のうとしたところを寧子と良太の説得により想い留まる。そしてその一週間後の千絵の誕生日を彼女の墓前で祝いながら涙を流した。
    • 第2章にて刺客の容疑が晴れた事で、「彼女のメインエピソードは終了した」という予断が刻まれた。しかしそれは巧妙なミスリードであり、世界の命運を左右する特殊ドラシル【グラーネ】を宿す魔女「1107番」がメインヒロイン黒羽寧子ではなく鷹鳥小鳥であるという驚愕の真実が第4章の最中にて明らかとなる(界隈に曰くの『小鳥ショック』)。
      • 第2章以降の刺客は実のところ彼女を捕獲しイジェクトする事を主目的として行われ、しかし奈波・瑞花と続けざまに失敗。ついにイチジク所長が独断で(魔女探知の能力も併せ持つ)究極のハイブリッド、ヴァルキュリア・藤崎真子が投入されるに至る。そして直後に真子が監視の魔女を皆殺しにしてヴィンガルフの制御から解放される……そこまでが完全にイチジク所長の企みであった。
        • 彼は自分に心酔している真子と共に天文台へ乗り込み、小鳥を誘拐。その真の目的はグラーネに脳を喰わせた亡き妹の精神を復活させ、かつ孵卵に伴うラグナロク=地球上全生命体滅亡の果てに誕生する不滅の女神イズンとすることであった。しかしグラーネに宿る妹・怜那の意識は(表向き)覚醒せず、救出を試みたカズミや初菜が死んだと聞かされた小鳥のグラーネは覚醒・孵卵が加速し世界絶滅の危機となる。結果として小鳥に願われた村上が逡巡の果てに彼女をイジェクト。怜那として兄に「あのまま死なせてほしかった」「もう誰かを悲しませる事はしないで」、小鳥として良太に「寧子さんを守って」と言い遺して死亡。地球上の……全生命体の中で……私が一番幸せでした……(ノД`)・゜・。
    • こいつに ドーナッツを腹一杯食わせてやりたいんですが かまいませんね!!
    • 以降、仲間達の回想やミラクルジャンプの読切にのみ姿を残すことになるが……第2部の佳境にて寧子サンダーがマキナに誘拐された先、ドレスデン地下の宇宙人遺跡にて瓜二つの「鷹鳥小鳥」(仮称・小鳥サンダー)が登場し衝撃をもたらす。当然というべきか亡くなった小鳥としての記憶は無く、同様の個体が複数いる「グラーネ専用の孵卵器」≒クローンであることが示唆される。このことが上述脱走事件における小鳥グラーネの疑問点に繋がる。第1部においてイチジクは器として優秀でない(怜那として目覚めない)小鳥からグラーネを別の素体へ移し替えようとしていたようであるが、その候補として頭蓋を抉られた少女が登場してもいる。寧子がその娘を小鳥かと見間違えた事から小鳥のクローン体であった説も一応ありうる? そもそも我々が最初に出会った彼女が一番最初の「鷹鳥小鳥」であったかどうかも定かではない……。
      • はたして「再登場」も束の間、表舞台に顔を出さないままであったが……ヴィンガルフに囚われた良太の救出作戦の際、カズミが「一番セキュリティが厳重な部屋」として仲間達を誘導した先=グラーネの保管庫にて突然の邂逅となる。この彼女がドイツ地下に居たのと同一個体かは不明。同じ組織の施設でも随分と距離があるが、マキナの瞬間移動や神祇官の傍付き魔女である神楽ちゃん(仮)の引き寄せ能力を鑑みればその辺は無視しても構わないかもしれない。
        • そして既に彼女のグラーネ(これが亡き小鳥のものを回収したのか新たに造ったものかも不明)は孵卵寸前であり、ロキ覚醒と同時に人類滅亡の引き金として当人の意志を完全に置き去りにされイジェクトされることがほぼ確定状態にあった彼女が最後に取った行動とは……遺した言葉とは……。
          • 現段階においてその意味を仮想するとしたら、①やはりグラーネが同一のものであった場合②クローン同士であるが故の共鳴的なもの③宇宙人がエッダに記憶を保管するように、ドラシルを通じ(あるいはグラーネ故に特別に)エッダに僅かなりと残された記憶と接続した……くらいのものか。もしもドイツにいた小鳥サンダーと最終局面に居合わせた小鳥サンダーが別人であるとすれば、もしくは更に別の小鳥サンダーが存在していれば、そこら辺を検証する余地がなきにしもあらず……? ただ「数十頁の加筆修正」の内にそこまでを収める余裕があるかも危うい、所詮は憶測である。(2808字)
  • 【斗光奈波】:【視憶】(目を見た相手の記憶のスキャンと消去)・【操憶】(加えて記憶の書き込み、捏造)の魔女。年齢不詳(とはいえ小鳥より上ではあるまい)。沙織、キカコに次ぐ脱走魔女への第三の刺客……というより【1107番】(グラーネ)の捜索を主目的に派遣された。その能力ゆえに他の同胞とすら隔離された孤独な研究所時代であり、「誰かの記憶の中の自分を消す」ことでしか生きていけないと思い続け、同時に自分の事を忘れないでいてくれる存在≒友達を切に求めていた。孤独な過去ゆえか、数多の人間の記憶を覗いてきたにも関わらず寧子並に天然……というより世間知らずな金銭感覚、加えて中途半端に羞恥心の欠如。
    • 定期的に信号なくしてはイジェクトしてしまうビーコンを装着され、城ウォッチャー黒服(ヴィンガルフ室長)を監視役にグラーネ捜索の任に就き、街中ですれ違った結花の記憶から良太(魔女に協力していると思しい高校生)の存在を読み取った直後、単独行動を願い出るも当然のように拒否される。しかし隠していた【操憶】能力により周囲の人間を操り魔法を遮るサングラスを奪い、彼の記憶をも操作。一時的な行動の自由を得ると共に、ヴィンガルフ上部組織(高千穂)の存在とその目的(神殺し)を知ってしまう。
      • この時点で彼女は任務を果たし「ご褒美」を貰うつもりは未だあり、グラーネを宿す小鳥の居所を探る為に結花の記憶を操作し良太に接触。彼に説得を受けるも記憶を全て消去(ただ【ライトワンス】ゆえに効いておらず、良太は赤ちゃんプレイを強いられる事になった)。
        • 良太達からの二次接触、小鳥の転位による拘束に成功したかと思いきや寧子の記憶が操作されてしまう。しかし記憶を改変された証拠を提示されてなお奈波のこと「友達」として信じようとする寧子に絆され、もう記憶を消したくないと戦意を喪失。
          • 天文台にて小五郎を交えてビーコンを取り外そうと試みるが「たとえこれで死んでも覚えていてくれれば今より生きている事になる」という意志を寧子の哀願により否定され、改めて天文台の皆と友誼を結ぶが……が……(落涙
    • 以後、良太の記憶の中にのみ存在する情報存在として内側から彼と視界を共有。「絶体絶命だと思った時」に出現して僅かな助言を行う(アニメ最終話では良太を小鳥の元へ導く)。第2部では若干条件を緩和……したかと思いきやそれでもあまり登場する機会は多くなかった。しかし寧子の第3スイッチが万に一つの突破口であることやウォッチャー黒服の恥ずべき?過去を暴露したりと、局面を乗り切る情報を提供してもくれていた。
  • アフロディーテ】:第2部にてマキナに寧子サンダーを攫われた良太の前に突然現れた自称「女神」。ヴィンガルフへの案内の対価として自分をもてなせと要求する一見普通の女子高生(ハーネストを持たない普通の人間)。しかし通常知り得ない事を幾つも知っており、良太は彼女とデート?する事になる。
    • 良太の【ライトワンス】に彼自身の脳が耐えられなくなりつつある事を警告。残り時間がある内に寧子サンダーを助け出すべく作戦を共に思案するがほどなく良太の頭痛が限界に達し、しかし突如として村上家に現れた(その時点でもう死んでいるはずの)マキナに彼女は(良太を庇って)殺害された……はずが。
    • その正体は、上述の死期(同時に己の死期)を告げる為に現れた奈波の変身。つまりアフロディーテなる人物は存在せず、その姿や声は良太のみにしか届いていなかったのである。当然彼女を殺してみせたマキナも幻影。「複数居る小鳥のクローン体」「マキナのリザーブ」という前振りがために登場したタイミングでは判断し難かったが、デート中のところをカズミ初菜に目撃された段において彼女に実体がない可能性も示唆されていた。それを込みでなお、確定する前段階までは幾つもの仮説憶測が界隈を賑わせた。また付け加えるに、アフロが着ていた制服は夏冬の違いこそあれ「第四巻書き下ろし描写において奈波がすれ違った、仲良くクレープを食べに行く女子高生達」のそれに近しい。
      • 良太の内側からであれば良太の記憶を消す事ができ、彼女自身の人格記憶(そして彼女に関わる良太の記憶)を消すことで彼の命を長らえることが目的であり、その前に「普通の女の子として良太と遊んでみたかった」という理由での変装デートであった。当然良太は反対するが、それでは寧子を助けることができないと、また「私のことで誰も悲しませたくない」と余さず消すことを曲げなかった。そして彼女が知り得る限りのヴィンガルフの情報をノートに書き記させた後、少女は自らの存在を良太の中から消し去った……。
        • 「この思い出が……永久に消えてしまうのは悲しいけど……仕方ないね」「おれは忘れない!!」「おれは……今まで見た全てのことを覚えているんだ。絶対にお前のことを忘れない!!」「お前が何をしたって……何があったって絶対おれは奈波を忘れない。絶対にだ!!」「……ありがと」―――(2040字)
  • 【若林初菜】:【再生】の魔女。推定17歳。体を両断されようが頭が潰れようが足首以外を粉々にされようが、イジェクトされない限りは死なない不死性を(ひいては「魔女の精神がドラシルに宿る」という言葉への傍証、また他者治癒を開陳して以降は一日一度きりの保険としての役割も)背負う。劇中の人物にあって最も死から遠く、しかし誰より死ぬことを恐れていた少女。幸か不幸か、「命を賭けて自分を守ってくれる男」に短い筈だった人生の中で二人も出会えてしまった娘(筆者は高屋の事をどうにも「好きになれなかった」ので偏向は否めない)。また(佳奈の回想に見る)研究所時代からカズミとは距離が近く、なんやかやと一番の親友らしく落ち込む彼女を気遣う場面が多かった。佳奈と同じく、さりげなく短期間に胸部装甲が増量。魔法の性質上新陳代謝⇒成長が早かったのかもしれない。
    • 登場当初、「良太と出会い仲間になる以前の(出会わなかった場合の)カズミ」的な側面を多分に持っていた。小説版で友情?を築いた愛菜を鎮死剤を奪いに来た真子から庇って体を両断されるも再生。そのグロい様をありありと見てしまった彼女が「気持ち悪い」と逃げ出してしまった為に人間不信が加速していたのである。また彼女との馴れ初めにおいて「憧れの学校生活」が良い面ばかりでないと知ることになった魔女でもある。また主要キャラで唯一、漫画とアニメ版とで出発点が異なる(虐殺された真子の監視役に含まれていたが再生魔法故に生き残り&ビーコンを破壊され、同僚の薬をかき集め天文台にやってくる)。
      • 天文台に集った同胞の信任を得ている人間=良太を試すべく、「鉄塔に登って降りられなくなったフリ」をした上で足を滑らせる(これが故意でも彼女自身は平気であったのだろうが)。しかしそれが十年前のトラウマを刺激し決死の覚悟で彼女を助けた(佳奈の予知と小鳥の存在が無ければ死んでいた)良太に信頼と好意を抱くこととなった。そして試したことへの謝罪と同時に告白して良太の初キスを奪う戦果を上げる。また「命短し恋せよ乙女」と周囲を煽って(応援して)もいた。
        • 良太の気持ちがあくまでクロネコ(寧子)に向いている事を知ってもアプローチ自体は止めず、同時に「私が勝手に好きなだけ」というスタンスを固めてもいた。それでいて佳奈とはベクトルを異にした毒舌家でズケズケと言葉を突き刺し、良太に「ドS女」と呼ばれることも。でも時には「私だって辛かったんだもん……」と涙が出ちゃう。女の子だからね仕方ないね。
    • 脱走事件の際、気絶して護送車から逃げ遅れるも同時に隠されていた大量の鎮死剤を持ちだす幸運と不運(小説版では同胞に置いていかれたことを随分と気にしていた描写がある)。その大半をヴァルキュリア真子に奪い取られるが、上述のクジ引きの際、自らは辞退しつつも薬の手持ちを隠匿しており自分だけは薬の完成ギリギリまで耐える目算を立てていた……が、再度の真子&イチジクの襲来時には逃げ出すことなく真子のハングアップを試みたり、その時点では自分が生き残れる保証の無かった他者治癒を良太に行うなど、己の利益のみを追求することは無かった。
    • 己の人間離れに誰より自分自身で慣れ過ぎている側面があり、真子の魔女探知を避けるべくハングアップ状態を強いられた際は人間の死に易さに我慢できずハングアップを解除しようとした。また作劇上特別の意味もなく車に轢かれてもあっけらかんとしていたり、不良に人質に取られても自分からナイフに刺さりにいったりもした。
      • しかし内心無自覚に死への恐怖感が強くあり、第2部ではそれが佳奈による孵卵告知により噴出し号泣。加えて高屋の告白を受けて精神への負荷からドラシルの孵卵を早めてしまう。マキナの出現含めた紆余曲折経て、奇跡的な生還(加えて高屋の蘇生)を果たし、体を食い千切られても告白への回答を求めた高屋との交際を受け入れる……のだが。
        • 基本、ヴィンガルフに残ったAクラス魔女でも他者の治癒では使い捨て扱いになるにも関わらずドラシルの孵卵からも生還し得た驚異的スペックについて、しかし事変直後のヘクセンヤクト以降での言及はない。
          • この能力上、皮肉にも「良太の為に死ぬことが出来ない」が為に彼に好意を表明している魔女の中で唯一生き残ったとも言える。そうこ氏の最終回記事でも言うように残される彼女に添う為に高屋が配置されたとも言えるし、また良太ほかの面子では引き出し得ない表情をさせるための存在とも言える。その意味で佳奈と同じくらい1部・2部で扱いが変化した娘である。ヴィンガルフ突入作戦〜最終決戦時は魔法無効化圏内が長かった事もあり特段の活躍もなく、人としては死に逝く良太を涙ながらに引き留めようとする(そして神となった良太の存在を現世にて感じる)役以上になれなんだが、はたして単行本加筆でどうなるやら。(1992字)
  • (……連載最終回を読んだ後から書き出した勢いと、減衰後のゆるゆる加筆でどうにかここまで。ウス=クナイ本の事典を一冊仕上げた犬良氏には尊敬の念しか)ないです。