ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

今週の遊戯王アークファイブ

―――新たに生まれる次元の名として、ようやっとのタイトル回収。いやさGXでは特にしてないし、5D'sは結果的に6D'sだったりするのが本シリーズだが。

 プロフェッサーもとい赤馬零王の人生来し方と次元分裂後に思い出した記憶からするに、このようにせざるを得なかったと一応の理解はできる。ただ同時に、そうしてしまったが故に後妻を苛み(舞網CS前後の厄さは大体旦那のせいになった?)且つ息子の不信を買い、またそのやり方が故にアカデミアに対抗する遊矢への信頼も育むことになった。会ったこともない姉を復活させる為に悪魔の分身と呼ばれた彼を倒し、仲間の身内を消し去る手伝いをしろと言われて何故社長が従うと思ったのか。
 まずそもそもからして、過去の統一次元とそこで起きた災厄について覚えているのはプロフェッサーただ独りである(それにしたって次元分裂の際には忘却されていた)。推量するに分裂した時点で各次元の過去は再構成されており、それぞれの歴史記憶の上に住人は生き続けている。「生まれ変わり」の含意するところがどこまでか定かでないにしても、遊矢ユズはじめ男女同位体が誰の血も引かずにひょっこり出現したということは多分ないはず……ないといいなあ。ともあれそんな状態で「真実を取り戻す」と言われたって誰もそれに共感できるわけがないし、女子同位体に近しい人間であれば反発して当然。更に言えば遊矢がユートと合体したのも元を辿ればアカデミアのエクシーズ次元侵攻があったからで、放っておけば覇王龍の眠りを妨げることがなかったと仮定すると藪蛇を出したのはプロフェッサー側である。そうせずにはいられなかった、を否定するつもりはないがその「真実」が他の誰にも受け入れられる話でないとわからない訳もなく、であればこそ理想郷を作ると謳ってアカデミア兵士を動かしていたのだろうに。

―――せめて覇王龍ズァークへの恐怖が各次元住人の潜在意識に刻まれていて、遊矢が逆鱗を発動するたびに目撃者達が恐慌に陥るとかいった描写があれば暴走を危ぶむ者と分断もありえたろうに……シンクロ次元の観客なんて統一次元の再現じみて歓声あげてたからな。ぶっちゃけ逆鱗状態を不安視してたのは遊矢自身だけ、精々ミエルくらいで彼女はシンクロ次元行きから全く出番が無い。あと、未だに正体が不明なP召喚に遊矢が覚醒した第1話。この時の口上が「我がしもべのモンスターたちよ」だったのは前々から言われてるが、この勝負もプロフェッサーが彼是しなければ親父もうっかり失踪せず発生しなかったと仮定するに……なんとも応報感。


 はたして次回、もはやラスボスらしさの欠片もない御仁相手に社長と主人公で二対一。てっきり虫入ったユズ相手に戦うことを強要される胸の悪い展開があると思ったのだが、ドクトルがさっくり粛清されて四人の洗脳があっさり解けてしまったしな……おおよそ覇王烈龍の顔見せと時間稼ぎ目的か。その間にDホイール壊されたユーゴやスタンガン喰らった黒咲さんがやっぱり不憫だこと。