ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《災難の瀬戸際/Brink of Disaster》/岡本倫『パラレルパラダイス』第49話*第4巻発売






パラレルパラダイス(1) 特装版: プレミアムKC (10Pの描き下ろし漫画、設定資料などを収録した36ページの小冊子が付属)←電子版もあるでよ

旅の始まり。 : 続・黒のノエル

「夢を 見てた……」

「長い…… 夢を……」
「…‥陽ちゃん……」

「おれは どのくらい寝てたんだ?」
「1ヵ月くらい」

「うっ……」ズキン

「いってぇ……」

          _     __
        /⌒\  { >、
       /^\  /^\V  \
         {   >、   >、  ∧
         \/  \_/  ーァ〈_
         \ _ /   / ア^>、
              \   /  /    〕iト _            __r‐‐=ァ
                 -〈  /     ___/ ⌒ 〕iト、 _ __ __ ,r‐<  ̄ |   {i      「左手…… ないのか……」
               `ー{   /⌒   /⌒ ア「^7⌒「  \ L__ |l
                   \__/      '    / 7 V ∧    |  } |l
                  ^\   /    / /  ∨∧   |  | |l
                      \{     ' ,     }//}    |  }∧
                      \   { {     }//  _ノ_/ ∧
                              ̄\ >、_ _厶斗匕⌒\   o \
                              ̄ \⌒〉    \   o >
                                ∨        ̄  ̄

「……右脚もないよ  落ち方が 悪くて……」
「……そうか」

「先生 呼んでくるね」

              [,、、、ニニニニニニニニニニニニニニニニ ,、、、]     |
                l l l,l  |lニlニlニlニlニl,| |、|  ,__;ノ,__;ノ,__:ノ,__l,l l l     |
                l l l,l  |lニlニlニlニlニl,| |、| .i'ー! !ーl i'ー! !ーll,l,l l     |
               l l ll.  |lニlニlニlニlニl,| |、| .| | | | | | | |ll l l     |
              l l l!─────,、 lニ d |、| ,| | | | | | | |,l!l l     |
                [``! 田 田 田 | .|ニl,| |、| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l"´],    |
              l `l, 田 田 田 |`|ニl,| |、| |lニl lニl lニl lニl'´ l     |
               l l,ll,─lニl─────────────‐ll l ,l    |
                '、l,lj───────────────‐l,l、l_j    _,,|
                       ,、-─────────-, ___l゙\'、
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                                             :::::::::        \

「幸い 脊髄など神経系に損傷はない 頑張ってリハビリすれば もちろん以前よりは不便だが日常生活に戻ることも出来る
 今は いい義手や義足があるからね  なんにせよ 意識が戻って良かった」
「……」


「君は 彼女に感謝した方がいいよ」

        /    :,'   / / /   /   /   l !  l    | ∧     ∧
        \__   / ─┐l lケ /─┐/>  l{ 勹|||ト l  __ |  :'   | ∧
       i   ,' し'レ  ┘ イ-'L三 _,':!    '!  :j リ L.l| |  ! ̄卞| | _ ',
       | イ        |iリ ‖   | | \ ||  ,':/!: ‖ `| -:ト !  |    !
       レ'    ,'     ∨-' 二三__三 ┘|_/リ l  /|-壬┼─| |` ト、   |
                 | 歹イ:::::::::::泝        ̄_ レ匕イ   リ/:,  :, / /Y
       /     |     | / /::::::::::::::_}          テ≧ミト `'レレ  // //,'   「君の意識が戻らない間 ずいぶん献身的に君の看護をしてくれた」
.      /   /  |     | 廴{:::::;ん          /::::::::::::抃  斤升 イ/ ,
      '              | 匕:壬:ソ        {イ:::::::ん リ ,'   フイj/
     ,   l  /|       |     ̄            ヒ 三:y'  /| /  イ
     ,    |  i |         ::::::::::::           ̄ `   .::|     ヘ         「………」
        i   .:!       }               '    ::::::::::: ,':::::|    ∧
    l l   | |  |         、         __           ∧::::i       ∧
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「悪いな 仁科…… 色々迷惑かけたみたいで」
「ううん」

「オヤジは?」
「出張中 さっき連絡したけど 病院に来れるのは 明日になるって」
「………そうか」
「………」


「陽ちゃん どうして飛び降りたの?」
「は?」

「何が辛かったの? どうして私に 何も話してくれなかったの?」
「ちょっと待てちょっと待て!」

「違う! おれは突き落とされたんだ!! 自分で飛び降りたわけじゃない!」

「突き落とされたって 誰に?」
「誰にって…‥」

「ズタボロな巨大人形に……」
「……」

「そんなの 誰も見てないよ  陽ちゃんが後ろ向きに窓から自分で落ちたんだよ」
「……」

                  _,,、、-‐‐‐‐- 、.,_
              _、-'' `          ´''‐ ,_
            _、‐`                  ´'‐,_
          、 `                     ^ _
         、`                         ´ ,
        ,`  ,,. '  ̄ `ヽ          ,. '  ̄ `ヽ   ´_
       ,`   / ゝ_ヽ ',             / ゝ_ヽ ',    ',
.       ,′  ! l (  )l  l            ! l (  )l  l    '.
       ;    、ヽ 二 ノ  ,'           、ヽ 二 ノ  ,'     :
       !     ヽ . _ .. '    。 。     ヽ . _ .. '     i   (あいつは……他の人には見えないのか……)
       !                               i
       ,    υ、     _,,.. -──‐- .、.._.     ρ     ;
.        '.     `ヽ,. ‐''"凵凵凵凵凵凵凵``'‐.、ゝ´     ,′
       ´,        \ 冂冂冂冂冂冂冂冂 /         ,'
        ´_        `'ヾ丶二二二ゝ,.-'´           _`
         ^、          `゙''ー-‐'''"´          、`
          ' _                       _ `
           ´-._                      、‐`
             ´‐、,_                 _,、‐'`
                ´''‐- 、、.,,_____,,..、、-‐ ''`

「また飛び降りるの?」
「はぁ!?」

「飛び降りるわけないだろ!! バカ!! 本当におれは突き落とされたんだ!!」
「……」

「それじゃ 約束してくれる? もう飛び降りたりしないって」
「当たり前だ 頼まれたってしないよ」
「……約束だよ」

                    _
                    / /}_,ィ⌒ヽ
               /   |    /
.               厂  /   /                   /`i
           /    /     {⌒レ'⌒ヽ                 i  |
.           __/   /       |   |  _        /`|  |
          /   /         }〉  {'⌒ヽ \_   ___」  |  !
.        /  /             /   ハ _ノ / |  \/ │ 人  \
.         /  /                     /、 |  V   i_ノ  〉    ヽ        「約束する」
.       ′ /                 /   | {   {   〈  / l   │
        {                   /   \ \  \ ∨      |
       ‘,                   /         ヽ \ノ\ノ       |
        }                  /        ,     |      │
       |                   /         ′     |       |
.       /                 /                   \       !
.     /            /                         \
.   /            /                  \            \
.  /              /                     ーr'           \
/                  /                      \          \
                                             \          \

(……やっぱ 発情しないか……)

「ねぇ 夢を見てたって言ってたよね どんな夢?」
「えっ?」
「……」///

「とても口には出せないくらい恥ずかしい夢だ 自己嫌悪だわ」
「えっ?」

(眠ってたのが1ヵ月くらいなら…‥ 大体あの世界で過ごしていた時間と一致するのか……)

(それじゃ今 この瞬間も…… あいつらはまだ化鯨(ケートス)と闘っているんだろうか……)


(バカかおれは  あれは夢だ おれに都合のいい 夢の世界だ)

          ヘ、
          " ゞー========‐‐‐‐---

          〃  ̄ ` ゛゙゙ ''''' 、
         " ゝ、 ____________, ,,,
          乂三三三三三三爻′
            ′`` ```````'ヽ,゛
                       .i:
                      .l:
                       .l:
                        ,l:
                          J

(だからもう…… ルーミ達には 会えない……)

(全部…… おれの夢なんだから……)


「痛ててっ」
「陽ちゃん!?」

「なぁ ちょっと調べたいことがあるんだけど」
「えっ?」

         >≦三三三三三三三三三 ≧s。
        .ム三三三三三 ◎ 三三三三三}i,
        .|三三三三三⊂ニニ⊃三三三三三|
        .|ニ三三三三三三三三三三三三ニ|
        .|三i.=====================.i三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三|                    |三|
        .|三i.=====================.i三|
        .|三三三三三三ニ=ニ三三三三 三.|
        .|三三三三三ニi{::□::i}三三三三三|
         .乂三三三三三 ニ=ニ三三三三三ノ
          .>====================<

化鯨(ケートス)…… そうか化鯨(ケートス)メデューサの首で石にされたのか)

(でも…… あの世界にメデューサなんているのか?)

       彡州州州州州州州i从
       ノ州州州州州州州i从
        ノ州州州州州州i从
        爻州州州州州州i{
         从州州州州州(
         癶州州州州州}h、
           从州州州州州}h、
           }州州州州州州州ハ
           从州州州州州州州!
              }州州州州州州ア```'' 、、
              }州州ア''''ァ"^^ ヽ \   ` 、
         ,、、、彡ア ノ  ノ!ミ 、、,, ',ヾ、、 ヽ、、ヽ
        ノ 彡''´ ノ  ノ 人 ヽ  ヽ`ヾ 从:i:i:i:心
       / イ´ / ソ  /  }{ヾ、,,ヽ  ヽ:i:i:i:i:〉ゞ=个'゙
     /   / ,イ、  ノ,ィzzx ノ ',,、、、、 ヽ
     彡 /:i:∨:i:i:i:iイ:i:i:i:i:i:i:ハ /:i:i:i:i:i:iY从}
    ⌒/:i:i:i:}:i:{:i:i:i:i:}:i:i:{:i:i:i:i:i:i}!:{:i:i:i:i:i:i:iリ
.      マ:i:i:} ̄マ:i:ア⌒寸:i:i/⌒マ:i:i:i:ア
         ̄                `¨´

(そういえば あいつの腕 石だったな だから どこかにはいるんだろう)

「……」

「私 ちょっとトイレ行ってくるね」
「あ ああ」

「へぇ…… メデューサは…… 場所によっては 大陽と同じように豊穣を表す意味があるんだな」

『夜の海岸は 魔物が出るから危険よ』

「ひょっとして……」

化鯨(ケートス)の弱点はメデューサ…… それはつまり 大陽ってことじゃないのか?)

(化け物は 夜にしか現れない それはつまり……日の光を浴びると石になるから……)

(うなじが弱点とか…… あれは攻撃を単調にさせるためのブラフだとしたら……)

「日の出は近い! 足止めするだけで化鯨(ケートス)は倒せるんだ!! うなじばかり攻撃してたら全滅させられる! あいつらに教えないと!!」


「……」

「ってバカか おれは…… だから あれは夢の話だろ」

「まずいまずい いい加減 この現実を受け止めないと……」

                        | |: : : : : : : : : : :|: :|: : : :.j{
                        | |: : : : : : : : :O |: :|: : : j{
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                        |---- 、O:_/: : : j{: : : j{
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                       j{-ノ- 、 : : : : : : : : j{:_:_:.ノ|
                      j{-- 、: : : :‐------{: : : : : 〉
                      ``丶:/≧=------┴=≦::|
                        厂 ̄ ̄ ̄`ヽ::::::::::::::::::::ト、
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                    /-/ 、: : : : : \:./:::::::::/: : : :/
                    /__/: : : : \: : : /::::::::::::人_:/
              / / `丶: : : : : :/::::::::::::/ ̄ ̄
             / /: : : : : : :  ̄∨::::::::::::/
              //: : : : : : : : : : : : :}:::::::/
            人{________ノ:/
                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「しかし…… あのズタボロ人形はなんだったんだ?  あれだけが どうしても辻褄合わない……」

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                `ー一ヽ三ニ-‐ '' "´

(いた……)

(あいつが!! あいつだ!!)

                                 _.. -─‐-..._
                             .。s≦          ヽ
                            /                ヽ
                          / .。s≦¨¨ ̄ ̄>、  ヽ  \
                         >''´          ヽ  !    ヘ
                       r ´  _,,..-ァ_... -‐、      ヽ     ',
               、          _.. <´ゝイ::::::::::::::::::ヽ              ',
                 { ヽ_,,,... -‐ ´  > ´:::γ⌒ヽ::::::::::::\            |
               }'/ __ 、..:::::> ´ { : ::::::::乂__.ノ::::::::::::::::::`<       |
               //..::    ̄¨¨){ ヘ: ::::::::::::::::::::::::::::::::γ⌒ヽ::ヽ      ./
              ,.' /¨  ` ‐-.、 i マ ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::乂__.ノ:::::::マ   |/
              __,.ィ!  ´- `''‐--、! ヘ マ ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',  |     クイクイッ
          r''´, -,'    ヽ_  ,'  ',. マ ',::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  |
          | .(._{     }──'{  ヽ ヽ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::。s≦´    ,'
              ', ( ヽヽ ..._.ノ .!  マ   マ ヘ ` ¨¨二 ̄ ̄ __,,,..。s≦、
           .ゝヽ_`¨'''ニ) ! {   ',   ヽミニ=--  -‐''´       ¨ヽ
      _.。s≦:,.'  ヽ ニ/〉 !. ',   `''ヽ          _,,.. -‐  -─<
      /; ; ; ; , '    /: ,'  .|.  マ     `二ニ=- _... -‐    ‐''´ ̄     >、
    /; ; ; ; ; /    /: : :/  .',  ヽ                         ヘ
  / ; ; ; ; ; ; {  _, < : : : ,'    マ、  ゝ-- ...,,,_         __,,,...  -──/
/; ; ; ; ; ; ;_。s≦: : : : : : : ,'| マ.   ヽヽ、         ̄¨¨ ''‐-‐'' ´    _..。s≦¨ヽヽ
; ; ; ; , <´ : : : : : : : : : : : /} マ    `''  -──    _... -─  '' ´      __ヘ
; ; / : : : : : : : : : : : : : : /:: !  マ                 _... -‐ ''´      ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : /:: : マ  ヽヽ、      _... -‐ ''' ¨ ̄                >

(あの時…… あいつが見えたときにおれは落ちて あの世界に転生した……)

(ということは……)


「お待たせー」カラカラ

                     _..-'"                                 /
                     _..‐'´                                      /
                   ,..r'"             _,,.. -'''"          ,.       . /        /
                 /          . _,,, -‐''"゛              ,..-'゛       /       .,..-'"゛
            /        __ -‐''"゛                 _..-'"         _..‐"     _..-'"
       __,....=┴ー¬''¨二>¨´                 _.. ‐'″      ,..-'´     _..-'″
._,,.. -‐'''"´          ,/″              _,,,.. -'''"           _ /     .,..-'´
          _,,;;彡_______ ---ー¬''"゙´          ,, ‐″    .,..-'"
      .,-`-ヽ,、                                     ,..-'´
      .l゙    ,>、                                  _..-'"
       イ  /゛./ `\            _,,,、          _..-'″                 /
   _ / |,/  /     .\     ._,,.. -''''"゛         _..-'"            _,, ‐''"゛     /
_,ィニ―'''''"  ./         ,ム -‐''"              _.. ‐'″   _,,,.... -ー'''"´        /
.ヽ      ,./     / ̄           __ =ニ-一¬''''''^゙ ̄゛                 /
  ヽ   /      {        ,_ir‐'''"´                         /
   ゙l, . /           ヽ      /゛  `''、_                      _.. -''"
____,ド           \    | ,.. ‐'″ .\                   _.. -'''"                   _
                 `'ー-'"゛      ヽ.          ._.. -''"                  _,, -''"゛
                               l         _..-'"´               _,.. -'''″
                                l     '|'''ー-..,,,          _,==ニニ´
                                l     l    . l        {     `゙''-、
                                 \,    .l  ,..-.ヽ       l      / \
                                `゙''―-゙‐'´   l       |   . /     .\.
                                            |       ! ./        `'-..__
                                            |       !./
                                            \、   ,/゛
                                           `¨¨¨´

「陽ちゃん? 何をしてるの?  ここ 5階だよ?」

「ズタボロの巨大人形がいるんだ」

「どこに!? どこにそんなものがいるの?」
「お前には見えないかもしれない」

「しっかりして陽ちゃん!!」
「しっかりしてるよ」


(落ちても転生出来ないかもしれない そもそも落ちてこっちの世界で命を落とすとしたら 転生出来ずにただ普通に死ぬかもしれない)

(でも…… 少しでもあいつらを助けられる可能性がるなら……おれはそれに賭けたいんだ!! )

(たとえ それで死んでも…… )

                _, -─-、 -― ―ー 、
                 ,  '´                 ヽ、
            /                   \
           /  / /      .i  ヽ ヽ \.    ヽ
         / //  /   / /  ト |  i  ヽ  ヽ     ヘ
           / //   / i  / / / .ハ i  !  ||  ハ    ハ
.          / //  ./  i  / イ .ll  | | |  .|i  ||   ハ    ハ
       ,' , i l  | ! |  レ l|`ト!、_|__.|_|_ /リ イ|    ハ      i
       | | | |   N_,戈´!ヽ!V  ヒ! レレ'メノリ l.     i      |           「陽ちゃん!!」
.         ', ! i ヽ ヾ、ゝ弋      __    |    | i   |
.         \!\\ゝ _, -      '´ ̄ `ミ、o. |    | i | ハ i
            | !  io'⌒ ,    .:::::::::::::::    | |  i | i l ハ .ヘ
            |.'  / |:::::::                 | |  i | |  l ハ ヘ         「さっき 約束したよね!!」
.          /  / ,|   ___. -― 、         ! !   |.| |  l ハ  ヘ
          /  /  ノl   ヽ.:.:.:._:.:_:.}  ,-、   .l |  l | |i   i|  ハ 、ヘ
       //⌒Yヽ ヽ   V   .ノ  / ノ-、 l l  .l | | |  i|  ハ ヘヘ
      /, ィ‐ 、 | } ! \   ̄ ̄  /-く  V/l  ////|  i|  i ト、 ト、\
.     ,〃| ´, ィ‐-| | | ノ  i \    ,-' 、  \ ',/  //, --― 、i .| l } }  } }
.   // ,.| ´ __ト' ヽ'⌒ マ^`iニ,へ  \_ ` } /./     \!リ リ .ノノ
  /  l/ ! ´  , }  }    ./ ( _  \   / ノ/  _ ____    ヽ. /
.     !  ハ  イ-'、 ,ノ   /    !Y{`     ./ /./, '    `ヽ、  ヘ
       \    } /__/  /|     / ´/ /'  /      ヽ  .}
       /    ィ'/  |/   .{      /   i .| /        ヘ |
.      /    /    .!     /    |   レ'   __,____     ヘ.|

「絶対にもう 飛び降りたりしないって……  約束したよね!!」

―――ようやく地球側での陽太のリアルを掘り下げるかと思ったら、そんなことはなかった……? なにも速攻で異世界に舞い戻ろうとしなくてもよくないかという目線と、このまま時間を置くと「父親」が登場しなければならないという目線。なお傍目からはインフルエンザ治療薬で噂される副作用(あるいは『二科てすらは推理しない』続編『二科てすらは見つからない』に登場したようなドラッグ)飛び降り、腕脚を失ったショックで再飛び降りに見えるかもしれないという。「男の居なくなって女は触れると発情する異世界を救うべく旅に出ていた」なんて説明できないし説明しても増々頭の心配をされること必至。幼馴染が本当に何も知らないと仮定して、相談もされず悩み抜いた果衝動的に自殺を図られたという構図(実際一ヶ月間そういう考えでいたかもしれない)より逆方向に酷。第1話の「仲良くなんかない」はさておき「兄妹のように育った」親しさは本当のようだから尚のこと。

 そもそも他の人間には見えない幻覚に突き落とされたという時点でもう大概アレ……の一方で、「太多陽太」にしか見えない(あるいは「見せない」)ということ「男および男と交尾した女にしか見えないノア」に続き何か意味ありげに思わなくもない。異世界では「男だから」特別なのはまあ事実で、しかし何の由縁もなく無作為に陽太が引っ張り込まれた訳ではないだろうという憶測への付け足し。陽太視点からしても物語の始まりからここまでは訳がわからないことだらけで、現実に戻ったら戻ったで自殺未遂や幻覚症状扱いは不本意なんだろうけども。いや錯乱気味に思われる自覚くらいはあるか。
 それに時期を見計らって視界に現れたようなテルテル坊主の怪人の挙動も謎だ。放っておけば今しばらくは異世界の事を夢だと思い込もうとして日常に回帰しようとしたかもしれんのに、あからさまに陽太を挑発してみせた。いやま、目的が陽太を殺すことであれば「再び異世界に行くつもりで飛び降りてくれれば落下して死亡」なんだが……たぶん前回同様に女神的なやつが介入すると承知の上でやっているとすれば……再び陽太を異世界に引っ張り込むために現れた? 何のために? 誰のために? 地縛神リルドールの言で少しばかり異世界の事情がわかりだした反面、こいつが何者かはまったく定かでないのだった。

 まあ次回そのまま飛び降りて異世界トンボ返り、でなかった場合は挑発して死なせる目算に傾くが……いやトンボ帰りしても地球側の肉体は普通に怪我するんだよな。んー、


……小説『タイム・リープ あしたはきのう』(電撃文庫)って階段落ちがトリガーだった気がするんだけど、落下先にクッション的な物を事前に用意するとかなかったっけか。どうも記憶が曖昧だ。まずもって、そんな気遣いだかリスク回避ができるんなら何故今回こんなショッキングな重症になってるかって話でもあるしな―――そんなこんなで第4巻発売日の更新でしたとさ。