ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《豚の呪い/Curse of the Swine》/岡本倫『パラレルパラダイス』第67話









パラレルパラダイス(1) 特装版: プレミアムKC (10Pの描き下ろし漫画、設定資料などを収録した36ページの小冊子が付属)←電子版もあるでよ

生と死の横断: 続・黒のノエル

―――新年明けてから既に3話経過しようというに更新ががが、そしてダイアリー→ブログへの転換期限ががが。

 ともあれ、今回および次回から推量される情報は結構ある。エルザの性癖というか願望のことは次記事に預けるとして……ついに出てきた「魔女ガリア」らしき人影と道化師アルルに関連性があるかどうかも一旦置きたいが……少なくとも足元を見る限りでは二重人格説は薄めに思う。あまり魔法的なものが出てこない(人間側が使えない)ファンタジー世界なんで「変身」「分身」とか「中の人」とかされるとお手上げなんだが、ヴァルカンと会う前に一時離脱して話の後に再合流したことの(読者視点での)怪しみはミスリードっぽくないかと。ミスリードと言えば、サンドリオ編に入ってからというものずっと、マヤ及びレジスタンスのことをどれだけ信じたものやらという疑わしさもだ。いやまあ、マヤが何の裏もなく邪神討伐で世界を救おうとしてる良い人ではないにしろ魔女ガリアそのものではない……らしい? でもマヤとヴァルカンが二人がかりでルーミを謀ってたら「ガリア」もまた別の人、名前そのままでも全く意図の異なる可能性だってある。つくづく誰の何をどれだけ信じるか、だ。

 ところでところで。住民に置き去られたサンドリオ旧市街の地縛神ことヴァルカン。トカゲあるいはサンショウウオwith眼帯。ミースの八咫烏ことジーニアス、リールのウソツキイルカ(本物はリルドール母様)に続いて動物型である。ただ、神殿跡に転がってる壊れた石像は「女性」をかたどっているんだよな……この異世界人類一般からして「男性」は幻の存在なんでそうじゃない方が自然といえばそうなんだけど、なんらかの事情で動物態を取っている≒本来はリルドール同様の女神なのではという憶測が働いたり(もしくはイルカ同様の騙り神)。ただこれは同じく動物態のジーニアスを疑うことにも繋がってしまい大変にややこしい。そもそもリルドールが「リールの地縛神」と言いつつ「人魚の男性と婚姻して娘ノアを産んでる」と思われることも拍車をかける。信徒・信仰の多寡により神魔妖怪が力量や姿を変化させるというのはフィクションにありがちだがこの点、ヴァルカンとジーニアスは境遇からして違うしリルドールは何百年と住民に隠されていたんで何とも言いにくい。信徒は人間でなくてもいい……? 人間以外の種族が複数存在するのはサユリさん(獣人?)リリアの弓(エルフ)ノア(人魚)などから明らかだし、寿命や生存圏の狭さを考えるに非人類以外のが数いる可能性は否定できない。

 カイ≒化鯨ケートスからして元は人間だったにしても盟約により人喰いの怪物であるし、魔女も頭数はともかく人間とはいえない部類。ただ実際問題として、非人類種にしろ魔女にしろ、既に文明の衰退した人類をあえて滅亡させる必要性ってあるのか? もしも力の維持に「人のキモを食べなければならない」のが魔女の共通要素だとしたら、ガリアのやろうとしてることってむしろ自殺行為じゃない? ニンジャ殺すべしならぬ魔女滅ぶべし、もしくは人外種からみても危険な魔女を滅ぼすために餌である人間もろとも死んでもらう……邪神の復活で人外種が死なないという想定を真とすればありえなくもない……ない? 神と人とそれ以外と、いまだにわからないことばかりであることだ、と次話へ続く。