ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《審問官の罠/Inquisitor's Snare》/岡本倫『パラレルパラダイス』第72話












パラレルパラダイス(1) 特装版: プレミアムKC (10Pの描き下ろし漫画、設定資料などを収録した36ページの小冊子が付属)←電子版も

別れの海。: 続・黒のノエル

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―――前作極黒にあたっては女の子が「融解」したりヒロインと主人公が文字通り八つ裂きにされたり、新しい死亡表現が試みられているなと思い。本作パラパラにあってカル毒殺は別にしても崩月という哀しみを描き……一周回って懐かしみを覚えなくもないエルフェン1巻の頃(≠連載開始時)からの読者です。いや、たぶん「死んで」はいないと思うけど。もしくは「肉体は」死んでも、サンドリオのガーディアンを嘲った正体不詳の誰かさんの意志魂魄的なものは消えていないだろう、という予断。転じて、彼女……マヤと名乗ったレジスタンス幹部がガリアであればさもありなん、「ない」としたら逆に謎が深まる怪しさ大爆発であることだ。およそ邪神と契約した長命存在が、たとえば「自分はここで死ぬが【ガリア】が必ず神を目覚めさせるだろう。全ては【黒き夜明け】のために」的なノリで退場するとはとても考えづらい。ひとえにカイの往生際の悪さを見ているせいもある。
 これから何が起こるか。ヒヅチたちが長年かけ用意していた(リルドール母様のそれに比べてファンタジー性が薄い)封印に捕らえられた彼女が「死んでみせた」ことで、誰に何が起こるか、何をするのか。単純に死んだフリで、いかにも機械的な封が解かれるor途切れるのを待つ→しかるのち初菜よろしく首を戻すとか。本命はアルルに何かしら「仕込み」、対抗でルーミの的外れた怒りを誘発……直前のアマネとのやりとりを思えば後者は薄めかな。


 はたして次回はどうなる、の一方でサンドリオ四人どころか既出全ガーディアン中で(故ハル、ティア、バニーユなどクール系に比べても)最も寡黙というかまだ一度もセリフがない娘のキャラが気になる気になるという話。
 現時点ではヒヅチの側にいることが多く意志を表したり発言することがない、のは物理的に喉、精神的に発声に障りがある可能性もなくもない。また属性・職分としては前衛で西洋剣ではなく刀を武器とする……が前回陽太を落下から助ける際に得物が折れてしまい今回は木刀で間に合わせと思しい。バニーユもルーミに2丁拳銃を切断されてるしエルザは崩月しちゃったし、「敵」と戦う前から戦力ダウンがひどいな……脱線脱線。

 ともかくもあのタイミングで言葉でなくジェスチャー、ボディランゲージ。表情も穏やかな感じで本質は優しげ加えて天然なのかも、と思わせる。そこはかとなく「はちみつくまさん」とか「ぽんぽこたぬきさん」とか言わせたくなってくる不可思議。またそんなこんなで、今月に入ってからというもの長く周回遅れていた更新がやっと追いついた件。