ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《ラシーダ・スケイルベイン/Rashida Scalebane》/岡本倫『パラレルパラダイス』第98話













(前回の感想はこちら) (感想記録モーメント2

越えてはいけない一線。: 続・黒のノエル

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―――肩車して後ろ向きに乗り2本のゴボウを持った歌舞伎顔の男肩のうしろの2本のツノのまんなかのトサカの下のウロコの右! なんて冗句はさておいて。魔法も使える知性ある高位ドラゴンというとゲーム的にもたいがい絶望的な相手だが、なんとか乗り切れたか。死亡フラグありありだった故、安心もひとしお。

 ガリアとはそこまで、ジーニアスをして「倒すのは無理」というほどだったか否か。弱点に気づいた瞬間からのあっという間加減からするとそんな風に思わないでもない。ルーミのカリバーンやキアの手榴弾でラッキーヒットがありえなくもなかったのでは、と(特に後者は頭を一度吹っ飛ばしている)。ただカルに始まり、「一撃必殺になる弱点がはっきりわからない」モンスターに対する不利は序盤からのこと。 あるいはジーニアスが想定していたほどには、ガリアが自身の弱点に対する記憶力(長命化した元人間の精神力)が保たなかったとも取れる。ルーミとキアの攻撃手段を「阻害した」のは無自覚だったことになるけど……これが男が居なくなってから数十年から数百年くらいの期間内だったら、陽太が気づこうか気づくまいが同じことだったかもわからんね。つまるところ、持てるポテンシャルを全て発揮してはいなかったのが突け目か。あと魔法攻撃のチャージ中、完全に無防備だったせいもあり。そもそもガリアが弱かったらルーミ達があんな重傷を負うようなことにはなってないよね。結果論はここまでにしよう。
 また割と意外のようなそうでもないような、老いて朽ち崩れるガリアに対し、陽太は憤怒とか嫌悪とかを感じていない印象だった。一応自分の顔見知り以外は犠牲が出なかったのと(次週扉絵で、リールの船乗りコンビも生き延びてたことが判明)、仁科のことで頭が埋まってきてた芽もあるか。


 はてさて、彼女が遺したもの。柱文にはフラグメントとかエレメントとかあるが、後者ならこれまでガリア=サンドワーム(龍)の魔力および喰らってきた犠牲者達の生命力的なエネルギーの結晶なんだろか。転じてそれを悪用すれば同じようにヒトの枠から逸脱しやしないか(特にモモの死を恐れ拒む方向性)と危惧したのだが、そうそう早々にそんな回収の仕方はされなんだ模様。あとキアにあんなことを言ったものだから、ガリア戦後に生き残った連中で大乱交スマッシュ棒シスターズ(クソ下品な表現)になるかと思ったらそんなこともなかったぜ。記事作成が遅くなった上に土曜発刊を控えて、まあたジリジリ周回遅れが続く気がする……。


追伸:逢坂良太さんと沼倉愛美さん、ご結婚おめでとうございます。