ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

「東方決闘鉄」第15話――《大天使レイディアント/Radiant, Archangel》


―――「だって……仕事が終わった後に飲むお茶は、ちゃんとおいしいもの」(博麗霊夢)

 前回の紅魔組エピソードに続くは、魔界組とそれに対峙する霊夢のエピソード。
 「おい、デュエルしろよ」と言わざるを得ない精神攻撃フェイズを挟みつつ、決して短くない46分が長いとは思えなくなってきた……東方有頂天の歴々の影響か、それとも別の動画が原因か。今なら本作を最初から見返すのも余裕かもしれない。

 マイリストコメントによれば霊夢は今回の異変では脇役で、スポットが当たるのは先とのことだが――第15話の主役は事実上彼女であったかと。「空を飛ぶ程度の能力」、および博麗霊夢の在り様の解釈は二次創作それぞれで錯綜しているし、エデン氏の解釈にとやかく言うところも無い。

 かねてより今次異変の構図は半ば*1、アニメ『魔法少女リリカルなのは』無印との類似を想起しうる。プレシア(神綺)、アリシア(アリス)。フェイト(麟)にアルフ(魔理沙)……リニス的なものも麟に導入されているかはエデン氏のみぞ知る。私にはそう見えたというだけの話だ。
 霊夢は体制側守護者としてクロノ的であり、結界使いとしてユーノ的であり、また異邦者ブロント高町なのは的要素を分かち持つ*2。これまで「八雲」とか名の上がらない彼女の後見が誰で、どうなっている*3のかが気になるがさて置こう。何か根本的な前提を違え、且つタガの外れている*4神綺が投げつける言葉に揺るぎもしない巫女のそれは余裕か、無心か……「彼女にスポットが当たる時」を待ちながら想像を巡らす。


 閑話休題。《極楽鳥》を帰した事で弱体化したのではという意見もあった麟はしかし、デッキを遅滞無く回してアドバンテージを稼ぎ霊夢の全力を受けて尚それを打破する強さを見せた。シナジーの絡み合う完成度が異様に高い5CG。いや今回赤の呪文は使ってないか。分割カードはあったけど。
 はたして神綺の目論見とは別に、彼女が何を胸に秘めているのか。巫女の勘が危ぶむように、全てが終わった後に彼女は魔理沙ブロントに会えるのか。「あまり親しくない」という霊夢との会話を介して麟に魔理沙の本気が届き、麟を介して霊夢にも魔理沙の友誼が伝わった。この不器用な姉の未来は何処にありや?


―――美鈴を破り、パチュリーと小悪魔を破り、咲夜を破り、巫女が敗れ、魔法使いは足止めを受けている。そんなこんなで次回は、順番からし“紅魔館の主”フランドール・スカーレットブロントさんの決闘が始まると思われる。そのデッキはいかなるものか、“悪魔の妹”が異変を起こした理由とは?
 憶測は幾らもあるようで無い。ただ作り手の腕と想いを信じるならば―――?

 今はただ、待つばかり。続きを楽しむ為に、やるべき事を片付けながら。

*1:あくまで「半ば」。後半分、あるいは前半分は言わずもがな次元が混乱した紅魔組の未だ明らかならざる理由。

*2:空を飛ぶ少女としての属性、魔法の世界に飛び込んだばかりの素人としての属性、天才としての属性など。他方でかの魔法少女は魔法で人の役に立つことに固執しているイメージがあるが、人の輪から浮いて異変を解決する機構である巫女は役割に忠実でいて執着しているイメージでない。これもまた私見であるが。

*3:「次元の混乱」的な意味で。

*4:ような気がする。道具とか人形とかその辺で。先入観。