《ベイロスの檻の罠/Baloth Cage Trap》/『極黒のブリュンヒルデ』第6話
「大丈夫だ」
「10時間あるなら なんとかなる」
主人公、面目躍如。しかしその上を行く敵の罠!?(予知)
―――答えは「製薬メーカーを狙う」でした! 見事に予想外ッ。
「鎮死剤」の包みに印字された番号から薬を製造しているメーカー、及び製造工場の割り出し。研究所の場所は分からず、分かってもプロが待ち構えて勝負にならず……しかし其処ならば薬を手に入れられる可能性がある、と。重ねてお見事。完全に見落としていた。
そこまでの思考を完遂したのは主人公の頭脳と……「完全記憶能力」、らしきもの。過去にクロネコと縁があっただけでなく、進学校トップの成績は単に頭の回転が速いばかりでない才知。同時にトラウマも忘却できない……ん? でも第1話の時点でクロネコの記憶が曖昧になってなかったか?
ぼくは泣いた 泣いて泣いてそのときの記憶を失うほど泣いた
これがクロネコの死を知らされた時のモノローグ。そして10年後、名前も正確に思い出せず、残ったのは愛称とホクロだけ……これは矛盾か? しかし落下事故から目覚めた彼は頭部に包帯を巻いている。記憶に障害があってもおかしくないし、『エルフェンリート』を鑑みると自覚以上にトラウマを封印していても驚かない……当局の人が何らかの技術でもって記憶の隠蔽を施した可能性もあるかな。宇宙的! 幼少期の時点で一度見たものを忘れないという能力を知られていて、相応の処置がされたとか憶測の域だが。もしも2コマ出てた看護婦の人が再登場したら……まあ妄想だが。
閑話休題。狙うべき標的が定まり、実行に移す上で被害を抑えるべく呼ばれたのがカズミちゃん……「パソコンが得意な友達」の魔女である。前回の状況でも連絡をつけないなら、かなで嬢*1か佳奈がそうなのではと考えてはいたが―――そりゃあ連絡つけられないと納得のいく御仁である。まだ顔が見えないが。異能でもって素因数分解、通常のセキュリティは彼女を前に意味を成さない。ただし協力の対価は「薬」。ある意味これまでで一番「魔女」らしい人物*2である。関西弁ハッカーか……眼鏡が欲しいところだな(何
一方、これまで何度の取引があったのか、人助けの為*3に彼女に依頼して命を切り売りしてきた寧子と佳奈。残り短い命でも、これからを生きていける人間を助ければ何倍にもなる……実際に命の限りを実感しないと体得できない覚悟やも。ただ、そうまでして助けられても人間はただ人間に変わりないとも思えてしまう辺り、儚くて切ない。
かくして分捕った薬の半分を報酬に協力を取り付けたところで、不意に佳奈の予知が発動。劇中では初めてだが……「自分を殺して」と言う時でさえ無表情を崩さなかった彼女が恐慌し、涙を流した。前回、寧子を残して寧子に己を殺させるより(融け死ぬ様を見せるより)融け死ぬ事の方が恐ろしいのだと推量したが……とんだ見当外れだったかもしれない。薬をギリギリまで飲まずに苦しんだ寧子の為に主人公に怒った、彼女の仲間想いを見誤った。
――これで彼女が、例の刺殺ヴィジョンをこれから見てしまうとしたら、発動条件も未だわからないが、一体どうなってしまうのだろう……ただ、未来は変えられる。それだけが、頼り。
さて置き、予知が発動した同じ頃……恐ろしい事態が待ち構えている示唆が。薬の番号とメーカーの地図を調べた事が検知され、研究者らしき男が「網にかかった」と―――罠だーーっ!!?
ネットの検索に網を張るとかアメリカかと。主人公も逆探を避ける方策はしていたが……まだ甘かったか。未来が危ない。にしても、それこそカズミちゃんに対しての罠だったんじゃなかろかこれ。
そして「6001」……ついに登場した敵性の魔女である。かねてより予想を重ねた、
“命を盾に従わされている”魔女―――かつ“薬で縛られた生を暴れる事で満たそうとする”魔女。両方が合わさり最凶に見える。予知のビジョン、寧子を真っ二つに引き裂くその力。ギラつく眼光……恐るべき敵が控え、作戦は上手くいくのか? 10時間のリミットは間に合うのか? 岡本倫はやはりドSなのか。
このままでは退くも退かぬも死、あるのみならば……やはり鍵は村上良太なのか。