ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

『美大受験戦記 アリエネ』第39話――《テル=ジラードの鉄筆/Tel-Jilad Stylus》


ついに決着の時、来たれり。そして―――

(第38話の感想はこちら)

 第39話「面相ニャリー」(8月20日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。35話より回想再登場のネコ耳兄さんの薫陶に背中を押され、漫画描きとして歩んできて、美大を目指す受験生としての全ての力で今、筆を走らせる―――。


(うん・・・やっぱり面相はしっくりくる……)
(漫画で使い慣れた道具だし・・・この件で散々、
ネコ耳兄さんにしごかれたもんなぁ・・・)


「ひとーーつ!! 漫画とは何だーー!?」
「漫画とは『キラキラの美少女』だろがドアホーーーー!!」

「ふたーーつ!! 美少女の最重要アイテムとは何だーー!!」
「つやつやの髪の毛だろーが、このくされニャンギラスがーーーーっ!!」

「つやつやの髪を描くためにはなーっ・・・
何はなくとも面相筆!!」
「この細い筆で『入り』と『抜き』を駆使して・・・
美少女の髪がつやつやのキラキラだニャーーー!!」


(…………うーん・・・きつかったなぁネコ耳兄さん・・・
でも・・・おかげで・・・面相ならいける・・・)

(感じたものを・・・伝えられる気がする・・・)


『終了―――』


(できた。 できたぞ……これが今の僕の「全力の絵」だ……)
(いよいよ決着がつく……これで僕が東山光河に勝てば・・・
夢さんは僕とつきあってくれるって言ってくれた・・・)

(だけど・・・一番心配なのは・・・
もし夢さんが上位3位に入れなかったら・・・)

夢さん(かのじょ)予備校(ここ)を辞めさせられちゃうってことだ・・・)


 そして直ぐさま講評へ突入。上位から順となったが……大方の予想を裏切り、1位を獲ったのは天野雄一……ピクシブのカリスマ、ネットの魔人が後半のねばりと頭一つ抜け出たデッサン力を見せた。
 2位は特待生・東山光河。実力ではダントツの彼にしてはイマイチの出来で、一日遅れのやっつけ感がぬぐえず、心ここにあらずとの評。逆に言えばそこまでマイナスしてもこの順位で、今日の成長を合わせても届かなかった有は衝撃を受ける。ある意味当然の結果として「勝てば夢とつきあえる」という約束はナシになった。だが、一番の大事はこの先に控えている……。


「さっ、そして第3位は・・・」


 現役予備校生が、その保護者達が見つめる中、俵屋先生がカンバスを手に取らんとする。
 後方で葛飾夢の父が見ている。池田水菜が傍らの親友を心配げに見つめる。歌川有は眼を閉じて神に祈った―――はたして裁定や如何に。夢は予備校を、絵を続けられるのか。有は彼女と一緒に居る事が叶うのか。すべては次回……

 本 当 に そ れ で 全 部 決 ま っ て し ま う も の な の か ?

(後日付記:40話感想はこちら)