ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

忍殺CMのえもいわれぬ言語的衝撃、はさておき

「ひぐらし」並に多岐に渡る「まおゆう」コミカライズの一角。同じ描き手ですごいギャップ。

「世界がひとつとは限らない。魔王と勇者(わたしたち)の物語は世界の数だけ存在するのだよ」

―――と、まったくそんなレベルで多岐に描写・演出が多岐やね。2ch初稿/まとめサイト⇒書籍版⇒コミカライズ数多。今次アニメもまたその一部。例えば西尾維新作『刀語』のアニメは原作から削ってなお長広舌の会話主体だったと記憶しているが、はたしてアニメ『まおゆう』は台詞を絞りつつも、彼方此方の視点を挿入し補う形を取った。アニメならではの演出や独自の描出も幾らか。原作小説のアニメ化というより、アニメなりに描き出された並行する物語と捉えられなくもない。実際多くのアニメ化は良くも悪くもそういう部類だ。あとはおよそ、質の問題になろう。

 原作良く、キャスト良く。キャラを魅力的に見せようという気概に手抜き無く。時期的に『中二病』やら、CM込みで『狼と香辛料』また『コードギアス』やらを想起させるが些細。第一印象は悪しからず。道程、あるいは結末を見届けた後、気が向けばこれを語ることとしよう―――なんて、上からっ。
 あるいは、キャストが似通おうと話が進むにつれ、どころかのっけから独自の雰囲気で引き込んだ『氷菓』という例もある。残る懸念は何クールでどこまでの話をやるのかだが……1話2話は書籍版の目次と相違無い、というのは何を意味するのだろう。