ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

「Dive into the Mirror」⇔「Alive A Life」(第13・14話)

◎ 仮面ライダー龍騎 - YouTube重甲ビーファイター東映特撮 YouTube Official

 「終わりの空気が明るいか否か」……構成的に、配信される毎週2話毎にエピソードが一応閉じているように見えて、状況は継続し続けている。ビーファイターも1話毎の事件は大体解決するが、ジャマールの脅威自体は消えてない。日常に潜むミラーモンスター/ライダーバトルの危機と、怪人に脅かされる平和(侵攻前後は平和が守られている)という違いか。

―――さて、仮面ライダーライアこと手塚の登場である。記憶喪失から復帰して初心に帰ったのと北岡先生に言われた事があってか、孤高を深める蓮と遭遇。コイン占いを気にしたのは蓮が先だが、声をかけたのは手塚が先。重要な人間に出会うという己の占いを当たると、相手が「そう」と確信してライダーだと明かす辺り、なかなか特殊なパーソナリティ。
 
 今回の惨殺空間はエレベーターか。鏡があれば何処だって死に場所になるというのは、やはり恐ろしいルールだな。真司と吾郎ちゃんの口笛空間()、令子と北岡弁護士の舌鋒空間の生温かさったら。北岡先生も「つまらない」って笑ってたけど、真司の「人を守る為に戦う」というのは作劇上どうしても手遅れ感が拭えない。モンスター反応に気づいて向かった時点で、余程運が良くなければ既に被害者は出てるわけだから。モンスターを倒しこれ以上の被害を出さないようにする事はできるが、真司に出来るのはそこまでなのだ。しかも倒す前にゾルダの介入で一度逃がしてしまったし。

 はたして前々回配信分で情報を共有せず、前回はそれどころじゃなかった為にゾルダの正体を知らない真司に優衣の電話が途中圏外で、ある意味当然の帰結として吾郎ちゃん=ゾルダが脳内結合。更に吾郎ちゃんを引き止める真司を北岡が目撃してトドメをさせてなかった事を知る。なんとも複層的かつ一方通行。「話」は「本人」も聞いてたけど、さ。
 13話ラストの演出は狙撃砲のバイポッド代わりに立てたガードベントでダメージを抑えつつ(14話では物陰に隠したマグナギガが迎撃)、躊躇いがちに放たれたストライクベントで跡形も無く吹っ飛んだ体を装った……つまり死んだフリをやり返したわけか。戦いを止めると主張する真司への嫌がらせも兼ねての事だろうが、ドSだなー。14話冒頭は事情知ってれば演技で茶番だが、俯瞰的に事情把握できないが故の擦れ違いが頻発するのが龍騎。北岡=ゾルダと知らない真司を罪に問えないと強調する弁護士は、明確に意図的だが。


「……俺は、馴れ合いの家族ごっこをするつもりは無い。特にお前とはな」
「馴れ合いって……何が悪いんだよ。戦うよりマシだって……あ〜あ冷めちゃってる」

「だが運命は変わらないわけじゃない。むしろ変えるべきものだ―――今背負い込んでるものに、決着をつけるのはアンタだ」

「……巧いっすね、口笛」

「自己紹介も無しに戦いか? 気が短いね」
「その方がいい。お前もそのつもりで来たんだろう」
「すこぉし違う……俺はライダーの運命を変えようと思っている」

「言ったろう? 俺の占いは当たる……だが、決まった運命ほど変えたくなる。もし……俺がライダー同士の戦いを、止めると言ったら?」
「そういう奴はひとり知ってる―――ひとりで沢山だ」

「綺麗事で戦ってる奴は自分の手が汚れると脆いよ。アイツ、もう終わりかもね」
「俺が……モンスターじゃないかよ……」

「本当に、誰かを殺せるつもりか」
「……俺に迷う資格は無い」

「あんた……! 生きてたんだ……よかった……よかったよほんと……」
「―――ったく見てらんないね。なんでこんな馬鹿がライダーなわけ?」
「確かにこいつは馬鹿だが、俺やお前よりマシな人間かもな」


―――ウイングナイト対スティングは、宇宙人の侵略に対抗すべしと当の宇宙人に騙されたクリスをレンが押し留める形だったが、ナイト対ライアは逆だな。逆なのはドラゴンナイト作劇の方だが。確かここは喘息を起こしたクリスにレンがファイナルベントを途中で逸らして見逃してたが……こちらでもライアが優勢からファイナルベントで跳ね飛ばし……「まともに当てなかった」? そして負傷をおしてファイナルベントを敢行する蓮……。

 期を同じくしてライダー戦において心身傷ついた二人、特に真司の戦線復帰が14話、なのだがどうにも再生してくれない。要、後日加筆ゾルダ(吾郎ちゃん)を倒して(殺して)しまったと思ってる真司、誰かを殺す事への迷いを指摘された蓮―――消沈する真司と話した蓮は誤認を理解しつつ去ったとみせて、彼の手引きで真実は知れる事になったか……ん? 「お前はわかってない」って、シザース須賀を喰ったのはボルキャンサーだが、デッキを破壊したのは蓮だよな。その辺どうなのだろう。

 心理作戦精神攻撃の一環だったとはいえ、真司が味わった恐怖や呵責は、戦いが続く限り、何時現実となってもおかしくないもの。吾郎ちゃんが生きていると知った真司の安堵は、そのまま再度の決意の固さに。龍騎の変身を見届け、ピンチにバットマンよろしく助けに入る蓮の方は「やりたきゃやってみろ」と言いつつ葛藤が残ったか。恋人の命を、その為の戦いを早々諦められやしない……そして次回はトラストこと仮面ライダーガイ登場。ブラッド・バレットの華麗なフィニッシュデース!