「マイナスをつかさどる王 猿魔王ゼーマン」

　今回も双子兄妹の視点ザッピング。心臓(予定)の兄はダグナーの攻撃に破壊耐性で耐え、爪の妹は疑心暗鬼に陥っていたドルルモンレグルスを解放した上に精霊世界のゼーマンをも舌先三寸で古妖竜を解放させんとす。
　現世の決闘に盛り上げ所が薄い(あのタイミングで巨大化が効果を発揮できないとは！)一方、マイナス云々の反転現象を逆利用する天才少女の度胸。しかしそれは格好悪くとも守り抜くという少年の決意に支えられている―――その辺のフレーバーはさて置いて合流はよ。無印DMやGX、ZEXALでも一対多や途中参加や引き継ぎが無いでもないな。ルールが公正公平かはさておき。

　他方ZEXALのUMA対アリトの推定決着は明日か。なにやら真正面がっぷり四つのぶつかり合いに水を差す要因をアストラルが感得しているが、はてさて。ギラグなどはバリアンが真っ向勝負をするリスクを度々指摘してたが……主人公側からすれば対ナンバーズ／ナンバーズハンター／カオスエクシーズ戦の度にアストラルの消滅を賭け戦い続けてきたので、漸く敵が同じ土俵に立ったとも言える。助言者付きのデュエルやリアルチートドロー創造の是非はさておき。初期ではその条件に反しノリが軽い所もあった気がするが、２期は「大切なものを失う」不安にかられアストラルを守ろうと失策しかける事もしばしば。つまりはカードゲームアニメによくある必要以上の重荷である。それ抜きだと皆１期中盤までのヴァンガードみたくなるかもしれんし、勝利是正義のデュエル脳社会も疾うに浸透した「シリアスな笑い」概念だろうけども。

　はたして決着の際アリトが消え去った場合、『龍騎』でゾルダを倒してしまったとショックを受ける真司みたくUMAがまたウジウジし出すや否や。実力は成長してもメンタル面は未だ歴代の到達点には及ば……そりゃ途上だから当たり前か。