ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

第2話「甘ちゃんヒーロー ブルートレイン」/荻野 純 『γ-ガンマ-』

◎ (第1話感想はこちら) / ジャンプSQ.[γ-ガンマ-]荻野純試し読み (4/22まで)

―――今月もセンターカラー表紙で姉妹が大変お麗しい。ところでユリさん、先月表紙及び本編に比べて胸部盛っちゃいませんか。地球防衛軍の広報用か、それとも姉君の仕業か()。

 さておき、前回はスパイダーマンリスペクトにウルトラ光の巨人に戦略級魔法少女と混在ぶりを示したけれど、今回は人間サイズがメイン。元プレジデントマン氏やブルートレイン、また彼が取り逃がした怪人(or異能者)の物言いからするに……「ヒーロー」と「悪の怪人」は突如として力を得るという点で近似し、それを如何に振るうかという点で別れ……降って沸いた「力」の出所・根源は実は同じなのかもしれんと。あるいは魔法少女ウルトラマンも、“リリィキュアル”も?

 例えばマジンガーZに機械獣、ゲッターロボにメカザウルス。つまり各々ヒーローにそれぞれ戦うべき敵が居るという物語が並存している、というよりは各々がたまさか戦う事になった敵と戦い続けている? 元プレジデントマンは能力的に対吸血鬼に向いており、その撃滅に力を使い尽くしたが、彼(だけ)がそうしなければならなかった訳ではない、と? 前回ホーネットマンを破り魔法少女に倒された宇宙人が「光の巨人が相手をするレベル」と判断された事を鑑みるに、能力の相性であり純粋に力量であり、適材適所を天命と捉える事もあろうが……まあ今の所は憶測の域を過ぎまいね。


「私の立場でヒーローに戦いを強制したり 勝てなかった事を責めたりなんて出来ないから
後悔しない様にしな としか言えないよ」
「「後悔しない様に」ですか・・・」
「あんたが取り逃がしたやつらが力をつけて
後々大事件を起こすとも限らないって事」「!」

「守るべきモノを間違えちゃダメだよ
「殺さない」ってポリシーも大事だけど・・・
場合によっては敵を殺してでも人々を守るくらいの 覚悟はしないと」

「お願いやらせて 後悔したくない」
「お姉ちゃんだって後悔したくない
今 ユリちゃんを止めなかった事 後悔したくない」

「私は死なない 絶対 後悔させない」

 不殺云々後悔云々を此処では論ずるまい。時期的に『龍騎』におけるゾルダを倒して(殺して)しまった(と思い込まされた)ような事が起こるとどうなるんだろう、とは思うけれど。『幽遊白書』に登場した「鴉」っぽい能力の爆弾魔。もしかすると彼もヒーローになり得た存在なのかもしれない(これからだってなれるかもしれない?)というのも妄想に留まる。

 はてさて、それにしてもユリさんは今月もちっちゃ可愛かった(重要)。かつ雄々しく、けれど悲痛でもあり。前半お姉ちゃん溢れんばかりの妹ラブは、その余りに大事な所で躊躇したブルートレインに向けられたすげえ据わった眼と厳しい言葉に。あの人も色々複雑な立場なんだろうねい……。

―――そうだ、「立場」と言えば……ユリさんが基地の爆発から避難ルートを守った時、もっと言えば前回宇宙人の攻撃から元プレジデントマンと子供を庇った時、指揮系統とか軍規(隊規)とかどうなってんだ? 今まで「地球防衛軍」にはヒゲの「隊長さん」までしか出てないが、北鹿姉妹には避難誘導しか命じられてない。しかし結果的に元リリィキュアル・北鹿酉里は、軍もヒーローも間に合わない場面における人々を守る「最後の盾」として機能している。組織風土として独断専行独自裁量上等なのか、「彼女が特別」なのか。
 そう頻繁にある事ではないのだろう。しかしゼロでもないのは既に見た通り。そしていざそういう状況になった時、いつだって彼女は自分を顧みず「力の残り滓」を振り絞ってしまう。力を使い切り引退した筈だのに、彼女にそれを強いる―――前回ラストに曰く、「ヒーローの呪縛」。うーむ、徒然に書き散らしたものの、当分明らかになる気はしないな。

 今のところは、ちっちゃ可愛い(大事な事だから以下略)ユリさんに姉ちゃん共々萌えてヒーローの戦いに燃えてればいいんじゃないかな。うん。
 本編後ヒーローインタビュー特別記事のスカート捲られも可愛い(神は細部に宿る)。