《全ての太陽の夜明け/All Suns' Dawn》/『極黒のブリュンヒルデ』第53話
「もうすぐ 2時か・・・」「……」
「1日なんてあっという間でしたね・・・もうそろそろ2時ですけど・・・私たち大丈夫でしょうか・・・」
「……きっと 平気 村上くんを信じよう」
「……そうですよね」
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―――死亡フラグなんて無かった、のか? 本当に、そうなのか?(こわごわ)
STRANGE DAWN
「・・・そうだ 外の様子を確認しないと 寧子さんも来てください」*1
バ ン ッ
「きゃあ!?」
ガ ッ シ ャ ァ ン
「小鳥・・・寧子・・・」
ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ダ
――
―――――
――――――――
チュンチュンチュンチュンチュン....
「夜が明けた……」「……」
「遅いな・・・寧子と小鳥・・・ まさか・・・作戦が失敗したんじゃ・・・」「……」
「もう 耐えられへん……村上 私 ホンマのこと言うてもええか?」
「本当のこと?」
「ああ そうだな 名演技だったよ カズミ
特に 手紙を書き換えた所なんて最高だった」
「……村上・・・」
Role Playing Mission
「作戦はこうだ 襲われるのは明日の夜で間違いない だから瑞花がお前達の行動を予知するのは明日の夜までのどこかだろう
でも・・・瑞花がいつ未来を見る*2かまではわからない
だから おれたちは 明日の夜まで芝居を続ける」「芝居?」
「予知能力者が2人いたら 予知はかなり不安定になる 瑞花もそのことには気づくだろう
だから予知実現のため おれたちの誰かに「干渉」をしてくるはずだ 干渉と言っても出来ることは会話くらいだろうけど
そして 干渉される確率が一番高いのは カズミだ」「はぁ?」
「なんで私なんや?」
「敵に自分の協力をさせるためには当然見返りがいるだろ? その見返りとして 一番強力なのが『命』だ
佳奈の予知で拷問を受けていたということは そもそも敵の狙いはカズミだけじゃない
他の誰かか もしくは全員か・・・どちらにしても別の目的があるはずなんだ」
「なるほど 本来の目的を達成するためにカズミに近づき お前の命だけは助けてやるからと見返りを提案して取り込もうとするかもしれないと」
「ああ 死ぬ予知をされたのはカズミだけだから 他の魔法使いには仲間を裏切ってまで協力する動機はない
だからカズミは 瑞花を出し抜くためにその条件を飲んで彼女に協力すると思わせるんだ」
「……まあええ ホンマにその瑞花が私の所に来たら また村上に相談するわ」
「それはダメだ」「はぁ?」
「当たり前だろ おれと相談しているところを瑞花に予知で見られたら お前が瑞花に協力する気がないのがばれる
瑞花には常に監視されていると思って演技をするんだ
瑞花のことをおれや寧子たちに話すのなんて以ての外だ」
「そんな・・・だったら どうすればいいんや?」
「こっちの作戦が瑞花に知られないように 作戦のヒントだけを手紙に書いてみんなに渡しておく その指示に従ってくれ
後は出たとこ勝負で どうすればみんなを助けられるか 自分1人で考えて決めるんだ」
「……そんな 無茶な」「カズミ この作戦は小鳥や寧子には教えない あいつらに演技しろって言ったって絶対にボロを出すに違いないから」「でも・・・」
「カズミなら出来る 大丈夫だ おれも全力でサポートする」
「わかった」
「どっちにしろ このままやったら死ぬだけや
それで自分もみんなも助かる可能性があるんやったら・・・なんでもしたるわ」「……頼む」
「アホか あんたに頭下げられる義理はないわ 狙われてんのはうちらの命やのに」
「もし心配なら 簡単な暗号を決めておけばいい」
「暗号?」「もし予知能力者から接触があったら『今日は風邪気味で調子が悪い』*3と言う
自分ではどうにもならないと感じたら『お腹が痛くてどうにもならない』だ」「それに襲撃が明日の夜なら……予知で監視される危険度はこれから加速度的に増すぞ」
「……そうだな それじゃ 今この瞬間から作戦のスタートだ」
「夜明けの風ききながら」
「……ちゃんと瑞花を騙せたんやろうか・・・」
「寧子と小鳥・・・戻ってくんのが遅すぎる 山荘からここまで こんなに時間がかかるわけないのに・・・」
(まさか小鳥の奴・・・窓の外に繋いだ犬と入れ替わる作戦に気が付かなかったのか?
いや・・・そんなわけ・・・前日にあれだけヒントを出しておいたのに・・・)
『あっ!!』
「みんな・・・生きてる」ポロポロ
「怖かった・・・ ホンマに 良かった・・・」
「……ああ おれたちの 勝ちだ」
「寧子!! 小鳥!! やったやないか!! みんな 生きとるで!!」グリグリ
「は? ははははい!!」
「おかえり」
「「ただいま」」
……
…………
………………(○´∀`)=зホッ
―――――――――と息を吐いて安心していいものかどうか、今もって測りかねている(緊迫)。
界隈の予見予想とその結果をざっと見るに、
- 良太とカズミは合流後に何か行動を起こしたか?⇒(佳奈を回収後)天文台で待ってただけ
- カズミは良太と「ゆうべはおたのしみでしたね」できたの?⇒多分何も無かった
- 実は二人が居るのは「山荘どんべぇ」ではない?⇒そんなことはなかったぜ
- 山荘の外に繋がれた犬と小鳥が入れ替わる⇒寧子も一緒に入れ替わった?
- 独り廃村に残された佳奈の安否と小五郎の参加は?⇒大丈夫だ、問題無い。当日の出番も無い
- カズミの不安状態に瑞花が付け入り、仲間を死地へ?⇒「協力するフリ」をする作戦だった
- 良太がカズミの不安を煽り、一人の所へ瑞花を釣りだした?⇒会議以降、不安がる様子からして演技だった?
- ↑ということは告白も演技なの?⇒言わせんな恥ずかしい
- カズミは良太と小五郎の会議に参加してたから作戦内容を把握しているのでは?⇒Strike!
- カズミ以外が全員グルになっていた?⇒「絶対にボロを出すに違いない」とバッサリ
- いかにも干渉してくれとばかりに用意された手紙⇒実は全部カズミ宛てでした
- 佳奈はカズミが手紙を書き換える所を見ていた?⇒見てたんじゃないかな。でも作戦の範疇
- ↑でも良太の子供が欲しいんですよね?⇒屋上
- 山荘の窓の外に見たもの(ニヤリ)⇒犬。そして小鳥が逃げられる算段を見出した
- 小鳥に、寧子に罪悪感があるのでは?⇒皆生き残れる最善を図ったものの、結局は出たとこ勝負で怖かった
- ヘクセンヤクト等、想定外の戦力の介入⇒よかった、不幸な事故は起こらなかったんだ
- カズミとミズカになんらかの血縁関係・因果関係は?⇒無かったんじゃなイカ? 妄想ミスリード
―――キング・クリムゾン! 寧子と小鳥がSAT襲撃から逃げ延びる「過程」は消し飛びっ、全員が無事に天文台に戻ったという「結果」だけが残るっ!! ……という感じがしてならぬが、次回辺りに解答編合わせてダイジェストがあるのかもしれない(願望)。あるいは今回見る分には合流後に特別な事をしてない良太とカズミについても、万が一にもSATに遭遇しないようにしながら佳奈を回収しつつ天文台に戻ったりな。
それにしたって損害ほぼゼロ*4で乗り切れたという事実の添え物を過ぎぬや否や。なんか想定外の事態は起こったけど無事に戻れたよ、という場合は今後がちと心配……いやまあ極黒の物語が始まって以来心配が耐えた事など無いけれども(平常運転)。
……うん。今は、今だけは素直に無事を喜んでいよう。期末テストと御褒美ケーキバイキング(確定)と海に想いを馳せよう。せっかく生きてるんだから、怯えてクヨクヨするのは損だ。うむ、保存食さんたまにはいいこと言った()。
*1:このタイミングで小鳥が寧子の手を取っているのがポイント。察するに前日に良太が確認した点とは「自分以外の相手も一緒に対象と入れ替わる事が出来るか」「対象が人間でなくても大丈夫か」だと思われる。後者は犬、また前者については……もし入れ替われるのが正味自分自身だけなら「魔法を使う度に全裸」になってしまうし、身に着けた物を無差別に巻き込む場合は「入れ替わった相手を束縛する」戦術が使えない。しかるに、小鳥は自分を基点に入れ替わるものをある程度取捨選択でき、自分以外の人間も一緒に移動させられるのではと推量される。また首輪については、犬側に拠る為に小鳥の動きが封じられる心配は無かった?
*2:瑞花が何時の時点で【予知夢】を使うかという意味ではなく、何時の時点を瑞花に観測されるのかという意味だと思われる。
*3:嗚呼、そういえば言ってた。瑞花に誘惑されたカズミの様子に良太が「計画通り」顔をする場面で、また前回の出発前にも。改めて繰り返した理由は……今尚、下手な行動をすると未来の瑞花に変化を察知されるから話せないという事か―――「もう一つの暗号を使わない」=「自分の考えでなんとかしてみる」という符丁だったのかも。
*4:強いて言うならば入れ替わりで銃撃の渦中に晒されたわん太(仮)(そういえば良太は何処から連れてきたのだろう。その辺の野良を連れてきたか、小五郎から金借りて購入したか)の犠牲と、小鳥が寧子に肩を借りている事から多少の怪我を負っているやも。ただ負傷は多分に鎮死剤を飲めば治り、その補充に関しても瑞花の「置き土産」を正しく理解できれば(なおかつそれが倫理面に酷い手段でなければ)希望は繋がった。手がかりが途切れている状況から怪我の功名で万々歳とさえ言えるが、はたして本当にそうなのかと逆に安堵できない自分がいる。岡本倫のドSに慣らされ過ぎて、ドM根性が満足してない、とか? ははっ、そんな馬鹿な。