ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

『美大受験戦記 アリエネ』第68話――《外殻貫通/Hull Breach》

「ここでマジメやってどーすんの!? でたらめ(・・・・)でいいんだよ。
大マジメにふざけろって言ってんのっ!!」

(第67話の感想はこちら)

 第68話「泣いてもいいよ」(4月15日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。弥生節≒山田節。本作の本懐をば、久しく? 第6巻は月末発売の由。

「お前ら……バカみたいな「基礎デッサン」をやってのか? コンペに出すんだろ?
こんなつまんねー(もん)出したら、二度と仕事なんて来ねーぞ・・・」

「このバカ・・・自分(・・)が固まってどーすんの。
「常識」とか「空気」とかでガチガチに固まっちゃってる、人の心のカラを・・・
ぶっ壊すのが……あんたの仕事でしょ!!」

「………あんたはね――・・・「アリエネ」なんだよ・・・
「アリエネ」ってのは・・・社会的にはどーしよーもない存在だけど・・・
バカ(・・)をやって、頭が固まって動けなくなってる人を・・・救える人間よ・・・」

 重圧に、風潮に、勝負にと張り詰めてガチガチになった有と光河を張り飛ばす弥生の喝破。「アリエネ」という言葉が持ち出されたのは1巻ラスト以来か? 間にも一度あった気はする。久々にスカッとした展開で、作者曰くベストとのこと。
 結果的には有案「神んぐアウトレット」を二人で協力してまともな絵に仕上げ提出する次第に落ち着く。二人ならそうはならんかもと思ったが、弥生が二人を蹴立てて、何やらいいトリオ(原案・作画・監修)に見えてくる。また光河の案もそれなりにチーフに認められたし丸く収まった……弥生の内心以外は。光河は弥生がコンペの話も有が好きなのは自分じゃない事も聞いていたと悟り、それでも有を助けに来た彼女に尊敬を感じ……写メは消してないが、悪いようにはしない気がした。有にではなく、弥生にか。