ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

『美大受験戦記 アリエネ』第70話――《大渦のきずな/Maelstrom Nexus》

「あのさーー 付き合うならちゃんと捕まえとけよなーー」

(第69話の感想はこちら)

 第70話「別れたくないです」(5月13日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。久々な人々の活躍回。そしていつも通り()突撃馬鹿。

「きっと 速水先生に何かあって・・・精神的にヤバくなってさ・・・
今まで描いた絵を全部燃やして絵を辞めちゃおうとしてるのを……夢は助けに行ったんだ……
・・・っていうか・・・まだ先生(かれ)を好きなのかもね・・・ どうする?」

「そんな風にモノの見方を変えちゃう人なんて、めったにいないし・・・
それで救われた子も沢山いたんだよね……」
「かっこつけすぎだね」「そうだね」「かっこいいけどね」「そうだね」
「夢は僕よりあいつと付き合った方が・・・幸せかもね」「そうだね」
「ふざけんな・・・」「え?」

「あいつが・・・『詩人 速水遼平』なら・・・俺は『歌川有』・・・
世界中を幸せにする・・・大芸術家になる男だぞ。
絵を捨てて俺から逃げようったって、そうはさせねぇぞ速水遼平!! やめさせるもんか!!
群馬に逝くぞミズナ!! 速水をぶん殴って……ユメを取り戻す!!」
「………………あはっ・・・いや・・・夢が……あんたを好きになったのが・・・ちょっとだけわかったわ」

 葛飾夢の親友こと池田水菜。最近影が薄かったが表紙占領の上で久々登場で唐突に可愛い顔しやがって……夢一直線の有には全く関係ない事だが。フラグって意味なら月岡弥生さんの方がずっと深みにはまって、その故に不憫。

「そうやってあんたがかっこつけて夢のことほっとくから、黙っていなくなっちゃったりするんだよ。
好きな人には・・・迷惑かけても自分のことわかってほしいし甘えたいのがフツーじゃん・・・」
「そうね・・・少なくとも・・・ケンカとかしないとね・・・
自分の本当の気持ちを伝えて・・・ケンカして・・・泣いてハグして、
くだらないことまで話すようになって・・・本当に安心できる関係になれたら・・・
二人でいるのって・・・一人でいた時よりも・・・強くなれるもんよ……」

 はたしてアトリエを空にし芸大講師もやめた速水の実家前橋へ向かうべく、終電も届かない状況で頼ったのは稲葉経由で吉村エミリー(弁当屋の人妻熟女)さん。コンクール二日目の夜以来だけども行動力、説得力ともに大人の貫禄ですわ……前回初登場の新教師とか比較になりませんわ……。
 また有って、何気に変に強力なコネ人脈を作りつつあるよなと。意図せず、無自覚に。だからかもしれないけど、知識も技術も学力も不足している美大受験生の数少ない主人公資質。愛して、愛される?