ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《共有の絆/Common Bond》、《反逆者の密告人/Rebel Informer》/漫画『戦闘破壊学園ダンゲロス』第21話

分かち合う苦楽、別たれる痛苦

 月刊ヤングマガジン掲載『戦闘破壊学園ダンゲロス』。第3巻からの直行の次。第4巻は来月発売の由。後書きに曰くこれで「半分」、つまりあと一年強は本件を味わえる……「もう半分」、されど残り「半分も」残っている……散々焦らされはしたもののハルマゲドン両勢力の正面衝突は佳境に達し、その決着は遠からず転校生の本格乱入も近い……ように見えて実はそうでもない? あるいは今回がそうであるようにこれまで幾度もそうであったように頻繁に回想回を挟んで、進行筋は10話分前後とも見れるが、さて。

 思い切り過去編回想、そしてその先の現在。主役はあげは嬢と駒沢なれど、同時に番長グループのモブ魔人たちも重要なファクターでもあり。魔人なれど一騎当千ではなく、一騎当千ならずとも魔人。普通と異常・超越の境界線上にあり、普通に脅威を恐れ普通に美少女に萌え普通に孤独を厭い集まった者達。1学年5クラス前後で3学年分の生徒の内、生徒会番長両グループで60人ほどとなると校外に比べりゃ多いとしても、マイノリティには変わりない。両性院のようなモグリを足してもそう変わるまい。そんな爪弾き者の内更に秩序に適応できなかった半分、その受け皿居場所。そこで育まれた時間と絆と温かさ……それ故にこそ今になって酷く痛む傷む悼む。もう思い出の中にしか居ない人々の、生前活き活きとか尚更に。

「あなた・・ 誰・・?」ドキッ
「あれっ!? あっ・・! え!? 僕のこと見えてる・・!?
あっ ごめんあのっ 僕 E組の駒沢っ! あっ 僕も“魔人”なんだけどさっ・・!
あれっ・・・・? でもおかしいな 僕の能力・・っ あっ【I.Z.K.】っていうんだけどね・・・・っ
僕が目立つことしなければ 絶対に見つからないはずなんだけど・・っ」

「・・・・それなら簡単・・・・ 今のあなた・・すごく目立ってる・・・・」

 i 八    ハ 辷ミ、`丶、ヾヽ        i! ハ ハ i l ヽ \ \ ヾ 、辷彡   ヽ
 |   ヽ     いi  i! \ヾ:、 `ミニ=-    イ / i i  ! | !_,...ゝ、辷ニヽ、ヽ \     \
 |    i    ヾ:ヾ、 \ `ー-、ーァス=-  ィ   ハ/ _jム-‐!リ’     Ⅵ!.:.:,ァiヘく  `ー=ミ
 |    |ヽ    \ヾ 、ヽ  ヽ ヾハ  ノ / _,..イ´"  ´  ,  ,._, iレイ_ イ圦     `ヾ、
. 八   i! i\   、 ヾ ヽヾ:\  ハ l | ,イ ィ"      _..‐_ニィ禾ミ |!::! {!kj}           `
/  )  ,′イ  ゝ \、ヽ `ー≦. jノ "      ,イ彡ィ弍乏ノν   い、i|lャハ
.:.:./  / / !  ハ  )ヾムィ'"´               ,ィてニ=孑く``    Ⅷ:`".:.:∧
.:/  / / /  / _,>’´    __ 、            ´´          }!.:.:.:.:.:.:.:∧
:′ ,′,′! ∧イ´   _..-‐_,.ニミ:、                     八.:.:.:.:.:.:.:.∧
  i イ  j / ハ  __...-=才彡ソ,.                   /:::Ni:.:.;≧ミ:∧
イ リ∧ゝハ’   ∧イィ"_辷斗ィ''"                    /::::;ム'": : : : :ヾ:ヘ
ハ (くヘ\    ∧    ´               ヾ:.          , ′;イ: : : : : : : : :.ハ:ヽ
ヾ:ゞ延≧、ヽ   ∧                :'      ∠才": : : : : : : : : : : :ヘ┴-:.、_
ヾ:.:、 ゞ辷リ:、ヽ   ∧                _ ..: ´   /: : : : : : : ;ィ=-: : : : : :ヾ:i.:.:.:.:.:.:
  \\`レ’ ヽ\   辷ュ、       _ ..ィ:ヽ´   "   〃: : : r==≠彳´: : : : : : : : :.`v:.:.:.:.
   `ー=ミヽ \\  \.:≧=- .. _/: : : : : :\__ /__: : :/ィフ厂´: : : : : : : : : : : : ヽ.:.:.:
\      \\:ハ ヽ   \.:.:.:.:.:./: : : : : : : : : : :ヽ: ri厂ミYュ:._才: : : : : : : : : : : : : : : : ;べ:、:

「あげはの近くに人がいるなんてとっても珍しい・・
あげはのこと知ってる人なら 絶対に近づいたりしないもの・・」

ちくしょう・・! やっぱりやめようぜこんな作戦!! 何も二人が死ににいくこたねェよ!!
「生徒会」のカスどもなんざオレたちだけで十分だぜ!!
その通りよ!! 生きて一緒に「番長部屋」に還ろうぜ!!
やめるって言っていいんだぜあげはちゃん!! 誰もあげはちゃんを悪く思ったりしねェよ!!
あげはちゃん!! あげはちゃん考え直してくれよ!! あげはちゃん頼む!!

「……皆さん・・・・ ありがとう・・ でも・・・・大丈夫 もう・・・・覚悟はできてます・・
それに・・・・あげはは嬉しいんです・・・・ 人に迷惑をかけることしかできないと思っていたあげはの能力が・・・・
初めて人の役に立てるのが・・・・ 大好きな皆さんに・・・・恩返しできるのが嬉しいんです・・」

“ダンゲロスの火薬庫”・・?
「そう その能力故に彼女につけられたあだ名だ 恐怖の新一年生“魔人”あげは・・・・
そのあげはの勧誘が 昨日正式に決定した!」

な・・・・なんスッてぇ――――――!? 冗談でしょ白金さん!? あんたも反対してたでしょうが! 危険すぎるって!!
「邪賢王が下した決断だ 副番としては最早言うことはない」

「お前たちも少しは身に覚えがあるだろう? あげはに今必要なのは“仲間”だ・・!!
精神の均衡を欠き自ら能力を発動させてしまう前に オレたちが“仲間”になって彼女を救うのだ!!」

「ふっふ・・・・ 白金さん 嬉しそうだなぁ」
「それはそうよ あの人だって 本当はあげはちゃんを仲間に入れたかったんだもの」
し・・・・しかしですよ副番・・・・!! 仲間になろうったって もし万が一彼女の機嫌でも損ねたら・・その時ぁオレたち全員・・・その・・・・
「その時は 皆死ぬだけだよ?」ニコニコニコ
「そう 鏡子の言う通りだ そうなったらもう皆で死ぬしかない あげはを受け入れるとはつまりそういうことだ!
だが無理強いはしない! オレは最後まで番長に付いて行くが 各自の判断でいつでもグループを抜けてくれてかまわない!」*1

「・・・・では早速 あげはを「番長小屋(ここ)」に案内する役を決めようと思う 誰か立候補する者は?」
あ はい いや・・はいッ!! はいッはいッ!!」
「ふむ 駒沢か・・適任かもしれないな・・だがわかっているのか? 事の重大さを お前の対応次第では・・彼女はここに来た途端に・・ドカン! ・・となるかもしれない その責任に耐えられるか?」
「でも あの・・僕・・・・彼女には・・ 感じるところがあるんです・・!
だからその・・・ 皆の命・・・・僕に預けてください・・」

「・・・・よし 決まりだな・・・・!」

「こんにちは あげはちゃん・・・・ あの・・・・僕のこと覚えてる・・?」「………」コク
「あのさ・・・・今日は キミのこと勧誘しに来たんだ!
「番長グループ」・・・・って知ってるよね? あ 僕も「番長グループ」の一員なんだけど……ぜひあげはちゃんに僕たちの仲間になって貰いたいんだ
いきなりこんなこと言われて戸惑ってると思うんだけど・・・ 絶対悪いようにはしないって約束するよ だから・・
僕を信じて・・・・ついてきてくれないかな」

おい・・・・結構かわいいじゃねェか・・!ヒソヒソ
おう・・これなら心中してもむしろ本望だぜヒソヒソ

「っ………」ガクガクプルプル「だ・・・大丈夫恐がらなくていいよ・・! こう見えても皆やさしいから・・・・!
え? 違う? 怖いんじゃなくて? え? 気分悪いの? ・・・・え?」
フワァ・・「……!!」ゲロッ ビチャッ
うおおお―――ッ あげはちゃんが吐いちまったァ!! ぞうきん持って来いッ ぞうきん―――ッズズズズズズ ドンッ
「「天使」!? 【メルヘン・メン=ヘル】か!? まずい!!」
「ッ・・・・!!」「!! あげはちゃん! 待ってあげはちゃん! 待って!!」

「うぐぐぐ・・・あげはちゃん・・・・」「こ・・ こない・・で・・・・!」
「だめ・・・・どうしても・・やっぱり・・・・「天使様」を呼んでしまう・・・自分じゃ・・止められない・・・・
自分が・・・・何をするかわからない・・・ 話しかけてくれて・・・・嬉しかったけど でも・・・・
このままじゃ絶対・・取り返しのつかないことをしちゃう・・・・
だからお願い・・・・ あげはを・・・・・ほっておいて・・・・」

「ほっとけるワケ ないじゃないか・・・・!」

「あげはちゃん 僕にも・・・一人でいることの寂しさは少しぐらいならわかるよ・・・・
僕の能力・・・・【I.Z.K.】も・・・・時々僕の意思とは無関係に・・・・勝手に発動する時があるんだ・・・・
その時の僕はどれだけ周りに人がいたとしても・・・・誰にも認識されない 透明人間になってしまう」
「でも邪賢王さんたち「番長グループ」の皆はいつでも僕を気にかけてくれた・・
皆一度は孤独を経験した人たちだから・・・・同じ境遇の“魔人”をほっとけないんだ・・!」

「ねェ見てよ ほらっ この程度だよ! あげはちゃんは【メルヘン・メン=ヘル】を発動したけど 僕たちにはこの程度のダメージしかないよ! だって僕たち“魔人”だし!」そうそう! その通りよ
どれだけ恐ろしい能力かと思ったらよぉ なんのこたぁねェ―――ぜ!! なあ!
今まであげはちゃんの周りにいたヤツらが軟弱すぎたのよォ! オレたちゃ人間とは体の造りが違ぇんだ!
心配無用だぜあげはちゃん!! 能力なんて使いたきゃ使っちめぇよ!!

「……っ・・」

「〜〜〜〜〜〜ッッ」「大丈夫・・!」
「ほらね 僕と一緒にいれば 人ゴミだってへっちゃらさ
誰もキミを怖がらない・・ キミの姿は皆には見えないし・・見えたとしても背景の一部・・・・
普通の女の子にしか見えないんだ!」

「購買は初めて? どれでも好きなの選んで! ゆっくりでいいからね・・」
ハグハグモグモグ
おぉ―――い 駒沢―――ッ あげはちゃ―――ん! 邪魔するぜ〜〜〜い!!

『お・・・おう 来たかあげは・・! ちょっと待っとれ 今香水撒いとるけぇの・・!!』
『自分の家だと思ってくつろいでいいんだぞ・・! ここはもう キミの居場所なんだからな・・!』
『おう! わからねェことはなんでも訊けよぉ? 遠慮すんじゃねぇぞ―――』
『ムサ苦しい所でごめんねー? いらっしゃい 女の子同士でお話ししましょ!』
『こっちおいで・・ イイコト教えてアゲル・・・・』
あげはちゃんその人にはついてっちゃダメだぁ―――ッ!!

あげはちゃん 十六歳の誕生日ッ おめでとォ――――――ッ!!

「何ィ・・!? 【メルヘン・メン=ヘル】特攻作戦・・ッ だとォ!?」
「はい・・・・ 「生徒会」の皆さんが集まっている「生徒会室」に・・・・あげはが入っていってその・・・・
“自殺”できれば・・・・最小限の犠牲で「生徒会」の皆さんを一気に倒せると思うんです・・・・」

「論外じゃ」「そんな作戦許すはずがなかろう!! 馬鹿なことを言うな!!
そもそもキミが一人で「生徒会室」に乗り込んで行くこと自体不可能だ!! 「生徒会」が敵の接近を黙って見過すというのか!?」

「そこは僕がフォローします・・・・! 【I.Z.K.】発動中の僕と一緒にいれば・・・・敵に気づかれず「生徒会室」に接近できます・・!」
「駒沢・・ お前・・!」「もちろん 最後まで(・・・・) 付き添います・・!!」
「おどれら もう・・・・腹を括っとるんじゃな・・・」「はい・・!!」

「それでは・・皆さん・・・・ あまり別れを惜しむと勇気が無くなっちゃうから・・・ そろそろ・・行ってきますね・・・・」
(ッ・・・・ すまん・・ッ)
「・・・・皆さん・・ 皆さん・・・・」

                                            ,、_rゥrゥ,rゥ_,、_
                                         r、)~'′       ~穀
                                         £′           穀
                                      £                穀
                                      £              穀
                                     £ .> ' ´ ̄ `` <  £|
                                         £// /        ヽ£ |
                                       f=ァ〆イ/ / / //l ! \ £ !
                                      k'/ハ.///// ////// l ハ .£  |
                                     ///y///ヽ////// / /ハ£   ,l
                                      ///戔'ネ、_ ///// / //i£ / !、__,
                                 /////l       // 丶,'/£/ /廴丿
                                  ////〈ハ  、   ゝ、_//〈/_/≠爪》
                                 j/l/〈'´ \\     イイl戔彡イ〃!/ ″
                                 {三≦   〉£不采<//´   ハ〃|′
                               /ミ三三〉 //   \ヽ∨イ    |.》《 !
                            zヘ._/ ≦二 ̄ / !     _.// 〉、  |《 l》!
                        �堯� /   〈三三ヨ/ !   〈三≦彡ハ   ! l | |
                        �槇�     ん))) /  l    〈三≦彡 ハ. | l | |
                         �� ,x‐x.)  ´ ̄∨   |     ヒニニミ.   ∧ | l | |
                         ^' ��,xyx穀    |     ((⌒′   ∧! l l |
                            _/:Xxx爻xy爻   ̄ ̄\!´       jZl l |
                __    ,r〜'⌒ヽ.   '^^′゙^ヽ,_爻xX爻x爻_,穀_r匆、_(Z l l |
             ,  f´    ` ー'´    <二 ̄`   ` ー-、 ^^VYVYVvxv片vVV l l !
            xy'´{.  }                      \  \ ヽ    〉   ',.lハ
         xy′入__j         , vx.            \   ヽ  ∧     l\   !! `、
        x〈,x‐-、ト、_⌒)   xxX´   幺       /    \    l     |  \.lト\\         _____
            `乙x爻_,z‐x .y'⌒)Xxxv'^´   ,xx _ ,y^^X /   \ ヽ l     |   ハ \\\__∠二二二ニ⊇)_
     /ヽ.   (>‐爻_乂_.爻xz廴x、   xヘi_ 幺 幺 .乃     ヽ  廴__〉 /  \. 丶二二三三三三三三三ミヽ、
      《 {, )/   ? ,r'⌒ヽ ヽ(乙_,) i介x  爻爻爻x爻x彳彳     ´ {^^^^^V.〈.__  \_/ /          \ヽ、
    ∠≫、 イ      .?{.    j  }(X   _乃ヲ   爻_X^^vヘ勹  ,xゥ、   \ヽヽ つ_  |                  _ノヽ \
  /ヘ/{  \ ,.<(_rzハ   l  j  >'´^~?    爻x匆xy〜、k.^( ) ハヘ)``´´( 》 Lフフ _, .-‐ニニ二二三三三三二=-―'
/  く._ \.>'´       !    l  K´     ?      从 くXxryx__) 乂_八  ム/彳vヘ ////´
    節)/        |   l   ハ    , <⌒ヽ、   从>tァ' (_几ノ   ⌒∀∀    ∠∠/∠_
、  __/            |    j  /‐<´、     >-イ                   ` ‐- ニニニニニニ=====‐‐‐--

ありがとう・・・・

「駒沢くん・・・は どうして・・・・あげはに優しくしてくれるの・・?」
「で・・ え・・っ どうしてってそりゃ・・・・」

「あ―――いや・・・・恥ずかしいんだけどさ・・ 僕はさ・・キミに初めて会った時・・・・
なんて言うかその・・・ 偶然会った気がしなかったんだ・・・・」
「僕のの能力・・・・【I.Z.K.】って存在感を薄める能力で・・・・完全にその場から消えてるワケじゃないんだ・・・・
僕のことを強く意識してれば見破ることができるんだけど・・そうは言ってもこれがなかなか難しくて
「番長グループ」の皆でも【I.Z.K.】発動中の僕を意識することはできないんだよ
そうでなきゃ能力の意味がないんだけどね でもキミだけは 初見で僕を見つけた」

「こんなに誰かに強烈に意識されたのは初めてだった キミは・・・・僕がいつどこにいても 存在が消えていても・・必ず僕を見つけて頼ってくれた・・ 嬉しかった・・! 大げさだけど僕は・・・・
キミに見つけられるために “魔人”になったのかもって・・・・!
だとしたら 助けなきゃって思うだろ・・? 世界で唯一人の・・・・僕を見つけてくれる人を・・・・!」

(だから最後まで(・・・・)・・ 一緒に・・!!)
「行こう・・あげはちゃん・・!」
「うん・・!」
(キミを一人で・・行かせたりしない・・!!)


「やっぱり ちょっと待ってくれェ」

                                   ,,、ー '""~~~~~~~ ~'''-、
                                 ,-'".. /'  レ "  //<<   
                               / ::::: /ri'ノii "  (~ヽr''')   
                              /  ::::::: r"ツ人ン    ヽ,/    
                            /  ,,,、、、、;;;;ij,//~ 彡,,、-- 、,   
                             r"r'"::、、、  '""ヽツ"     ,,、    
                            rニti 、,,,ー'''''ヽツ(,,--、 'tr''ニ"ニ彡  
                            リ, '    ̄~)::)r"   ミ":::'"       
                          //    ;;ッ''"(,」⌒'',"~'' ,,:::::、、、,     
                          r'ii    r"/,、 ヽ-z⌒",, ヽヽ'~   
                        A tii    `/;;"ヽ`'=zz三zz'7" 't;;|i
           r"ヽ  ,,、       /:::::|  i     |;i ii,,ゝ、_,、-''" ,ii  |;;i       ii
          . |   ヽi;::ヽ     /::::::::|  t    i;| ~'' 、,,""",、-''"  jリ       ii'-、
          . t    ヽ;:ヽ,,,,,,、、-'ーz=-t、r"t    i|,    ~~~    ノ/       ノ  ~' 、      
           ヽ、,,   ~' 、 ::::''";;;/~''i", ヽ;;;  j |ii       ,,,iij| /      ,、 '     ~'''''ー 、ー< ̄~
          ーー ゝ、-―  ~''ー"、,'   | iii  ヽ、;;; t、wwwwwwiij"" "     '"           ~'i::'i
            ,r  ヽ、,,,、-'    i|   ヽi||;ii   ~' 、iiiiii、、,,,、、jjiiiii}iiiiii从ii        ,、-''"      |:::|
          ー 、、,,,,z''   ,,、 '" Aヽ、  |t~' 、;;;;;;  ~'''ーー------ー'''"      ,,、-''"        i::::i:::::

「最後にオレからも・・・・別れの言葉言わせてくれよなぁ・・・・」チャキッ
「バルさん・・」
「バルさん あの・・・・いつも優しくて助けてくれて・・・・あげはのパパみたいって思ってました・・」
「たはは・・・・なぁに言ってんだよぉ あげはちゃんのパパがこんなにブサイクなワケねェだろぉ・・・・
けど オレもよぉ 家族みてぇに思ってた・・・・」チャカッ・・

「あげはちゃんも駒沢も・・・・ 邪賢王さんも 白金さんも 口舌院のヤツも・・・・
皆のことが大好きだったからよぉ・・・・」

「僕たちも皆のこと大好きでした もちろんバルさんのことも・・・・!」
「そうかぁ・・ ありがとなぁ・・」チャキン・・・

「オレもなぁ確かに・・・最近のド正義さん(・・)はおかしいと思うよ・・・・
でもなぁ 二年前(あのとき)オレを救ってくれたのは・・・・ド正義さんだったんだわ・・・・ 本当は・・・・優しい人なんだ・・・・」

「見捨てらんねェよなあ・・・・ やっぱり・・」

「……? バルさん・・? 何言って・・・・」
「せめてもの詫びだぁ・・・・ オレも一緒に・・逝くからよぉ・・・・」    ドッ


―――文脈的にイイハナシダナーで終わる訳もなくて、また展開的に十全成功もするまいとは思っちゃいたが……実際その時になるとクルものがあるな……バルさん、いやバル、いやさバルさん。能力からしてガチ潜入工作員だったでござる。まさしく見た目印象を「裏切る」仕様。両性院が携帯の件で勘付けたのは彼が「番長グループ」の構成員ではなかったからかもしれず、彼の警告が間に合ってれば構成員達にも気づかせられた可能性もあればこそ、「彼女に電話」してた事を口止めさせたかバルさん、バル。

 あげはと駒沢、バル。性別性向としても体格としても極めて対照的ながら、奇妙な相似点のある二人と一人。存在感を消して敵本陣に飛び込み、諸共に自傷自殺効果を撒き散らそうとする少年少女。長く敵勢力に潜り込み、全面戦争の佳境にあって特攻作戦を己が死を承知で潰そうとする潜入工作員。想い出と秤にかけ恩義を取る、実際それほどにド正義が成したことは大きいのだろうけど……違和感を覚えるのは、やはり何かがあったのか/これから起こるのか/起こすまいとしているのか……あるいは番長グループで長く過ごし両勢力の意義とバランスを知るバル、バルさん故にか。

  1. そのままあげはが斬り殺される。または庇った駒沢ごと斬り捨てられる⇒番長グループ全滅
  2. 何故か庇いに入れた駒沢だけが斬り殺される⇒「第二の切り札」が使用不可能に
  3. 別の誰かが止めに入る⇒???


 さておき。「転校生」達のスタンスからして、この作戦は成功しても逆用され自爆に終わっても困る以上、2番か3番かと。となると此処に来るまでにかなりの戦力を喪いに切り札が不発になった番長グループがますます不利、なだけで乱戦消耗戦を生徒会に勝利させる……つもりとも考え難く、そろそろ本格的介入となるか否や。なんてことを何度書いたかな、なんてことを何度書いたかな。大事な事だから2回言ったわけではなく。

―――嗚呼。切なくも優しき哉、想い出の日々よ。不生不滅生成消滅、いつか死すべき命と言ったところで。

*1:さらりと怨み崎Death子が番長小屋を去る描写。はなから分かっていた事だが邪賢王さんがあげはを取ってDeath子を捨てるという話ではそもそも無く。このタイミングで捨てられたと思い込み去らねば、彼女は番長グループに居続けたかもしれない。だからってどうという事は能力上ほとんど無いし、生徒会に移ってこそ邪賢王に惚れ直した側面も否めぬし。