ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《着実な進歩/Steady Progress》/『極黒のブリュンヒルデ』第142話

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

(2週遅れてぎりぎりセー……アウト)





≒≠前回粗筋:好奇心は猫を殺したか?

             ト、
           ⌒ヾ、ヽ
              } /\、
              // ト、 ゙`ト 、
             /j{ /  `ヽ圦_\
             !ノ/  l\    \、
             /j{   / :, `ヽ、   ゜,            ,/
.            { j  /  ヾ、   `ヘ_ ト、         //
             У l    `、     `Vート,, イ     / ,’
             { ! トi     ミ     弋イ  ,'     / ′
      /      マ、t'     ゙     ,ィj{ .ノ/  ,ィ ││
     〃     ー、-刈      、 /   / }iハ_‖{ ././ ′,'   _
    //        \>     `、 ´ イ ノノ; }i } j / / /  /i{{、ヽ
    ,゙   _    _圦 ‘粠ェュ, 、  '´ j'{ ノ/リ'’/ ,, / // ノ ノ       【本体】
   j ハ  ,/ ァッ}s。 ̄⌒`从\_‘“”     / j乂彡イ// /,;’'゙  〈__ノ
   {.㌧././彡゙ 弋`\-=个ミ之、ー- 」/ ./≠彳,イ:" ソノ/   。-―
   `ミイ。′ ヽx‐,\_ ̄ ̄⌒\㌧、_:. / 〃 i彳 / /彡' //
     { {  ィ' >\、_,,`>s。 ヽ \`У/"  /_ノ" / ノ  /|
     `≧ア /  __込_ 、////::、  `、 ノ/_/≦ニニ≠-=´`マ´  .i
       ゙`ト、_/ ̄ ー二ニ≠^' ーヽ j /''´ 、  `ー=ニ、ノ    ,
      、_ _/ \,。s "´      ,_醃     ゛ 、  /     。
    、__\゙`(、  \`ー- ヾ  ,ノて\工フ     ,,彳      {
     `"―, ⌒ヽ  ヽヽ    ∠_,ィ个亠‐ァ    '´ ノ└ーァ、
      _二斗ヽ、\ ヽ\_ く; i 〔、ゝー='゙,}彳  /‖ /  \  ‘,
       `<|ト  `圦 ト、 ゙ /<_。s冖フV/, '  イ '   ノ/ハ  ',
         { ヾ   `j ` /  _,,..。s≦´ V/' ///    i!\j   !
          `、 、   i!ミ、 ン  └-s。厶、`、V,  j{      j{  ` 、 :|
           ヘ ゙、   |!/   ㍉‐┬‐<゙ `∨_ノj{     〃   ,!
           ∧   /   _。s心ー=メ、_  V//{     ,〈    '/,
          ‖i / ./''    ////////圦    `トj{    '' ノj     ;j
          {マl/    、、 ム////////∧   '´ヾ\  /'/    /′
       _..-−―ー--.._
     ./  .       ゙\
    /.  i          ヽ
    !   |           !
   ,/―-(・:)―- -‐''''   │          【触手】
   !      l           l
  (\    |      / ̄)  |
   |  `ー-^―‐―‐''|  ヽ、.|
   ゝ ノ       ヽ  ノ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

―――それはそれとして、偏執王アリギュラ(CVこおろぎさとみ)の言葉にならないヤバさ×乙女度合とハマーの天然に絆されデルドロとホワイトの可愛さとレオの青春臭さを満喫(『血界戦線』話)。そしてそして次回はとうとう、ネジ君とチーズバーガーの話なのだ……。


Lyrical Magic

                                    / /
                     _,..─┐´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄`ヽ  ─
             ,. z≦三三三l! _______ \  ∧
           /.::/,. - ─┐lL... _________\ ∧   ピーポー
           /.:://      l l! |l´.:::::::::::::::::::::i|l´.::::::::::::::::::::ハ∧
     .ノ7一''" ∠.. [冂___i l! ll:::::::::::::::::::::::::||l:::::::::::::::::::::::::ハ∧   ピーポー
   _/ーr┐━━━li━━━━r‐t ╋━━━━╋━━━━━━{
   [ノr‐┴1       l|        ̄l|┃[]      ┃━━━━   |
   il|    /¨ ̄\i|         l|┃        ┃ r─‐x     L
   ゞt._,!::::/´。`::::ハ_____,,.l|┃____┃_//´ハ::ハ___/7
      弋::ゞ...ソ::::ノ ─────┸────┸弋ゞノ.::ノ──┘
        `ー一''”                    `ー ”
                 、.、.i.`'''.,.'".ヽ. `个< i<ニ}_、 >、>
.     、,..-、      f.ャ._)i. ,>._ィ.,_. .l「.1 !...|「 しゝr'&#175;||
.   .i ゝ<={     , ' ゝヒジ.i,'´ ゝ''  `、 ll、j._| |Li"`´..ヽll
    >'-<シ、   ,.‐.、 .i. ゙, i.i l   ∨...il|ネト.、`ニ.! .r ,イ>
.  .f 、 `´ .ト  {  ,.ァ{ ゝ .i.ii ゝ    ノ il|!\ |,.-_ニゝ,',' |
.  .li 、.レ   l〉  ,`ミジ-.,ィ、ー.、.〉、.,ィノ‐'".ヽ. \‐〈 ヽ  i |
.  .レ_^_‐r_ニヲ.'   .ヽ‐''"&#175;゛´ `、"、.    ヽ .i-'‐_"ヽ'i..|
.   .l   .( .l  ヽ  ゙、 ._.,⊥  .', ',    .i l三
    !、_  l. ヽ!   `、 ソ¨.ノ¨  __,.!.-‐、   .i i-‐_''.-'.l
     l  ̄ll.l l   ' ,' i`「 .ィ‐''"        ヽ .i i イ-! .l¢
     l.   l.li l .l    i l   l ヽ _,.. .-‐''"~ i .i」 ィ .l  l
    l  イ ゝ! l      ,イ  l  l          .l‐''ト l l .l
    l   l ト `.l     L.|   l           l, ,-‐」,.ーィ
    l  'l. l  l      .lヽ.ゝ  l           i'`´ .`‐'"
     {__っ ヒ_.!     l`、ニ、 . l      _,.,ィ
.    .ヽ、_)`ヽl     ,..   `、!_,,...-‐'"  ¢
           .`トl..r'´      ¢
            .ヒヒ= つ

「……かわいそう・・・」

「私・・・ さっきハングアップしなくて 本当に良かった・・・」
「はぁ?」

「どうやって 彼女を助ける?」
「……そうねぇ」

「だいたい 村上とカズミはこんなとこでなにしてんのよ」
「まぁ 別にいいんじゃない 柏木さんは 後で病院に行ってきれいに治してあげるわ」

ピーポーピーポー


(佳奈が予知をして・・・ 寧子が車を破壊して・・・ 初菜が怪我を治すんやろな・・・)


(……なんや これ?)

(私は・・・ ボーッと見てるだけで なんも出来んのか・・・)

「……」


「アホ抜かせ 私をなめんなよ」


「村上 カチューシャ ありがとう」

「これのおかげで私は 自分にしか出来ないことが出来る」タッ


「……なんなんだ あいつ・・・」


              |:i:! .〃                    |:| |:|                |:|
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         .:| |-Vital-    :! !         | |\\\////                |:|
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         .:| |_____| |        | |   \\\                     |:|
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        =ニ二三三ェ三三二ニ=    .|:. \\. \ | :|  |    \      .___  .!:!
               `YY´           .|.   \\  |  |      \ _,∠_      `/:'  .
                | |          |     \\:|_|     _,.,r少x  `ヽ.:.  //
                | |          |         \ __ r ':rくゞミ';、 : : : : : i:  // /
                | |          |           !  /  {: : : : :Vハ : : : :r' ///-=
                /:∧  .       |\       .|/   _`ア¨´:ゞミ';/  // -=ニ
               .///:∧        |:. \    ..r'ェx=ニ孑ヤ´ ̄ ̄ア’ーテ彳’-:=ニ
              //ムムム________ ,r='¨´       ji    Y  /-=ニ三三三
      ___   〃¨Tl¨Ti¨Ti¨Ti¨Ti¨Ti¨Ti¨:ア        〃    }./-=ニ三三三三
__ , ・´    `マ/  | ! :| ! :| ! :| ! :| ! ∠二又        /’    /-=ニ三三三三三
       _   `'ー=¬冖¨ ̄¨冖r:f:f:TK ヾx、     .<     /-=ニ三三三三三三
ー==ニ二_                   L|_|_j」`゙  `ir--==イ\  /-=ニ三三三三三三三
         ̄冖¬=ェ、__ ,            L_ ___ >'-=ニ三三三三三三三三
     ,r========================x -=ニ三三三三三三三
    /〃¨T l¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨T i¨ヾ;ム - = ニ三三三三三三


リーン リーン リーン

「あんまり完璧に治すと不自然だから 多少傷は残しておいた でも 顔とか見える場所はきれいにしたわよ」
「お疲れだったな」
「あのね・・・ 私が怪我を治せるからって 気軽に頼らないで欲しいのよね・・・」

                  __
                 , ´ ,ニニ ヽ
                  /, /  `ト、 ',
               / | |    | i ヽ
            /i | |    l⌒l \
.             / ,' { {___/   L_  ヽ
             /   ー'―‐'      }  '.,
          /  l          ハ   ',
.          /  l  \      ;   !   }
          {   |                i   }
        {`   {           〉   }
.         {                 ノ
         i                /
           ヽ     ヽ        /
          ゞ____ ヽ   _ノ
             ヽ、__........_/

「他人を治すためには 私 溶けなくちゃいけないのよ 体が溶けるのが どんなにくるしいかわかってるの?」

「あんたらも 一度溶けてみろ!!」
「……どうしたんだよ 機嫌悪いな」

「で・・・ 初菜はどのくらいまで 生き返らせることが出来るんだ?」
「どのくらいって?」
「えーと・・・ 死んでどのくらい時間が経つと 生き返らせられなくなるんだ?」

「……色々試してみたけど 案外短い 数分よ それ以上の時間が経つと脳細胞が死んでしまって もう元には戻らない」

「だから私の目の前で知んだ人以外は治せないし 2人以上に死なれても1人しか治せない 1人治したらハングアップして 半日は私こんな感じでドロドロだから」
「……そうか」


「……そう言えば カズミは?」
「ああ カズミなら・・・」

「さっきから 下に閉じこもって 何かやってるわ」

           /     ,'  /   __ノ  _,ィ劣三三三三三三三三三/三三三三三三三三三\
           (     (   }   /_  /`ヽ%\三三三三三三三_/三三三三三三三三三三三}i:、
             、     rァ⌒,  i ,/    \%}三三/三三三/三三三三三三三/(三,:彡'ヽ_ノ/
             ノ  /  ノ`ー'  {/      }%}三イ三三三/三三三三三三,.  ´   ー‐‐
       / , ¨¨     ∧イ:i:i:i:〉:、/:.     i}儿_ノ三三三三V≧、三三三三三/   ___       /
        ,' .:      , '   ¨ ム__i/i:i:i:〉、i     }'三三三三三/ヽ%\三三三。゜ ,.  ´⌒ヽ   i厂
      { ,'    /     { \i:i:/  \    /三三ニニ>''´   ヽ%i}三三三三三三/ ノ__ /  ,‘
      ヽ',   __ノ      入   \     }   /三三>''´         i}%}__三三>''´       ‘
       }:.: //        :._ / \.......ノ  ,'ニ>''´__          儿_ノ三iア ̄ ̄
       `ヽ_イ     /:.   ノ,′i¨ー彡 r_ -=ミ≧=‐    イ≡三三/
               (  ー {  `ヽ  八-‐ニ_ノ_/  ィ劣三三\¨
                  〉    i ,'  ノ__:. \ー彡____,.  ´三三`ヽ三ニ` 、
               {__   ,'ノ  /   / ゞ≠ィ三三三三三三}三三三}
                ⌒ヽ/   イ7 , /    `ヽ三ニニニニニニニ=ノ三三/
                     {iV / //                ̄
                       ヽ===
                    ,. -────── - 、
                  ノ. - ──────‐┤  \
                 '7∠ --−────一--!    \
             r '´ /  __ヽ__   /_ ..-‐-く  |     ヽ
             .′ /广´    `´       `'|        ',
              | レ′                |      ハ.
             | |                  |   /  /: |
             | |                 | .′  ′  |
             | ! !  - ‐一      -―  - |′ /     |
            ノ  |   __、      .::::_     ′   |:    ト、
             .′ :!|r テ≡ミ     笏テミ:v′ ′ト、  | '.
             !   |  込ぅ       込:ぅ 'イ   ′| }   !  !
              | | '. '. , , ,  ´       ` , , , ′/::   j,ノ:::  \j!
              | |  ヘ ゝ     ′       / .イ::   /:::::.  ト.. _ ゝ
              | ∧  八              |::  八:::::ト、|
              |'  |   へ、    r__、     イ:  ∧:/レ′
               |  | ト          . ' /|:: /  !\
              |   レヽ|:::/:::> -‐ ´   ′:/  ,  \
               人  |  / .::::::∧    /  /   /     \
             イ  ヽ |  . ヘ:::::! ! r:く      / _ ..-─ `─
            | |       !/  ト:! ′∧:::>  .. ´
            | |         |: |\ /_/.. ´
              「  ヽ      ヽヽ<
           )  ::|        Y⌒Y` ・ …── r--- ---------
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        |_|__[二二二二]__|_|____________|
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        [工}============={工l]| ||:|||:||r'ヽ|    ||    |r'ヽ|[[]|
        |_ooニニニニニニニニニニニoo_|_|l」|l」||:l゙l||__||__||:l゙l||_,}
       ̄ヾミヽソ ̄ ̄ ̄`ヾミヽソ ̄ヾミヽソ ̄ ̄ ̄`ヾミヽソ ̄´

「村上」

「おっはよー」
(……カチューシャ・・・)

「どうしたんだ? こんなとこで」
「どうしたって・・・」

「あんたを待ってんに決まってるやろ 一緒に登校したいからな」

ガヤ ガヤ

「やめろよこういうの・・・ 恥ずかしいだろ・・・ 一応おれも多感な高校生なんだからさ・・・」
「はぁ?」

ギュ「!?」

「ちょっ・・・!! だから やめろって!!」
「村上」

                                                /\
                                          /|__ (_/
               /|__  /\               {_  /   _
                  /   / 〈_/__                   _/ /   〈_/
               _,.二7 /    |_/  _    | ̄|    | ̄  __/
            / ̄ _,,. -─'         |   ̄|  |/     ̄ ̄
            〈_/               _,.二l  |   <二}
                           |__,. -┘

                                          __
                                          |__/ /〉
                     /|___               | ̄ ̄了   (/
                  〈__  //\          __,.二7 |
                  ___/ / (_/       |     /
                  /   ___/     /\       ̄ ̄ ̄
                   ̄ ̄        |_/

「諦めろや」
「!?」

「あんたには この先も誰かといちゃいちゃいする機会があるかもしれん だから余裕こいてるかもしれん
けどな 私は一生のうち 今しかないんや」

             /       j{
           /         ,イ{
     /   ,ィ'  ,ィi″   ,イ州{   |
    //  ,ィi{/ ,ィア    ,ィi{州州i   i|
_,ィiア //ィi{レ/イア / ,ィi「ア^寸从  i}}
㌣,ィi{ィi{㌻_,,,,‖/ / ,ィi{ア-ミh。,寸ム 州 鄯
' /∠ア"´,ィi‖'// ,ィi{;;;;:;:;:;:;:;:;:;;;ミh寸ム州 鄯
/ア/,,ィiア,;‖イ//.:.:.:.:.:.::::::::;:;:;:;:;:;;;;;;,寸}鄯 i
_、丶`ア,;;;:;:;レ.:/.:.:.:.:.:.    .:.:::;:;:;:;;;;;;;,酛}i λ
‖ /,;;;;:;:;:;:;:::::::.:.:.:.:.:.:.    .:.:::::;:;:;:;;;;;;;;Ⅶ‖}
二ニ=-ミ;;;:;:;:;:::.:.:.x‐'''''''㍉...:.:.:.:::::;:;:;:;:;;;;;;;;;Ⅷ{i」
 ̄¨``㍉、``ヽ<゛  ,,,,,_  ヽ:.:.:::::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;}}》i」
      `丶、 `マ祕) }}:.:::::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;Уi」
.         П㍉、`ヽ、ノ.:.:::::;:;:;:;:;;;;;;;;㌻  リ/
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「諦めろや」

「あ……はい・・・」

「それでよし 行こや」


「フクちゃ〜〜〜ん」

「フクちゃ〜〜〜ん どこ行ったのフクちゃ〜〜〜ん」ヒック ヒック

「フクちゃん?」
「ああ・・・ 迷子犬か・・・」

「大丈夫よ・・・ フクちゃん きっと見つかるから・・・」
「うっ・・・ うっ・・・ フクちゃん・・・」

「……ふむ 面白いヒゲの犬やな」


「なぁ ええこと教えちゃろか」

「お姉ちゃん 犬の言葉がわかるんや」
「えっ?」
「もちろん フクちゃんの声も聞こえるで」
「……」

「……ふんふん ふんふんふん」

「こっちやな こっちから あんたを探してるフクちゃんの声が聞こえるわ」
「ホント!?」

「ホンマやで お姉ちゃんがフクちゃんの所に連れて行っちゃろ」
「うん!!」
「ちょっと・・・!!」

「悪ふざけはやめて!! 子供が真に受けるじゃない!」

「この子は一週間もずっと犬を探して 本当に悲しい思いをしているのに!!
そんな冗談でこの子を傷つけるなんて許せないわ!!」
「……せやけど ホンマにフクちゃんの声が聞こえるやもん……」

「それじゃ お姉ちゃんが連れてきちゃるわ」
「おっ・・・ おいカズミ・・・」
「どうかしてるわ! 行きましょ!!」
「でも……」
「あのお姉ちゃんに見つけられるわけないでしょ!」
「待ってください!!」

「あいつは・・・ こんなくだらない嘘をつく奴じゃないんです
だから 必ず犬を連れてきます 少し時間をください」
「……」

「ウソつきの子は お友達もウソつきみたいね」

「行きましょう 来なさい」
「でも・・・!!」

「カズミ!! どういうつもりだよ!!」
「どうもこうもないわ フクちゃんの居場所を知ってるだけや」

「おいで〜 フクちゃん」
「はぁ?」

        ,、          x'^`ヾ
     ,x'^´`:.`ヾ,        ,爻: : : :`ミ
    ,ミ : : : : : : :ミ、,、,、,、,、,、,、,爻: : ;;;;;;,:`ミ
    ミ: : : : ;;;;;; 爻: : : : : : : : : : : ``ミx;; :ミ,
    ミ: : : ;;;;;;;;爻 : : : : : : : : : : : : : : : : `xミ,
     ミ: : : ;;;;;,爻: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`x<
     ミ: : :;;;;;;x': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ミ、
    ミ : : :,x : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : ミ
    爻x': : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:γ oヽ: : : :ミ
    爻 : : : : : : : : ::γ oヽ     ゝ .ノー : : ミ
    '爻: : : : : : : : : :乂 .ノ     ===、 ,    ミ
     '爻: : : : :            (ニニニi}  :,  ミ
     `ミx: : :                 _,,ノ  ミ
      `ミx:           ,,,,,,,,,。r≦ヲ´   ミ
        `ミx                   ミ′
        ,、爻: : `ミx           __彡
     ,、爻 : : : : : : : :`ミ=ー=≠=ァニ二 : :ミx

「あひゃひゃひゃひゃ!! やめーや!!」ペロペロペロ

「キャッキャッキャッ」ペロペロペロ
「……なんでお前 犬の居場所が・・・」
「ん?」

「見てみぃ そこに監視カメラが付いてるやろ ネットに侵入して犬を探したんや」
「けどお前 今はネットになんて・・・」

                                  |_|
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 ◎  +[]+++  .|└┴┴┴┴┴┴┘     `ー--┴ ‐'    .|
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「昨日 バイトの給料で無線LANのアクセスポイントを買って インターフェイスを改造したんや
これでその辺に飛んでる電波を拾って いつでもネットにアクセスできるわ
パスワードで鍵かかってても……私には関係ないからな」

「村上がカチューシャ買ってくれたおかけで 部品を買うお金が残せたわ」
「……」

「しっかし ショボいなぁ私も 昨日の寧子や初菜の活躍に比べたら 犬一匹や」

「……そんなことはないぞ」

      _     /}
      \:\    (: :( ィ⌒ ̄ ̄`   、
        ,>  ̄ ̄ : : : : : : : : : : : : : : \
          i/ : : : : : /: :.:/{ : : : : : : : : : ⌒ヽ
        //: ::/: :.:/: ://八.: : : :.i : : : :.\: :.'.,
      / ./:/,イ/ .:///{_/_{, . \、⊥ :_: : : : \ : 、
.     | /:///{ : :{/:{ '´i/ }.    \{\`: : : : : :\}
.     | {/// l|:.:∧八r≠=x    r≠=x} :| .!: : :.| `
.     i  {/  V /ノ介゚。     '    .!゚ノ/l: |: :.:.:|ゝ
.            i :.∧ !    _    ゚Уノ从.:.:人
             ム、: :、   `  '   'i://',ミ∨  `
            \_,;≧= ─ =イ戎'\! `
                  r={¨¨ ̄ ̄¨}=z
            _厂´: :|::::::::::::::::::| : :}⌒\
.          ∧\\ : :|,イ⌒ヽ::ノ.: : ://:.、
.          /:. '.:. }::::}__/    }}\ _/::/:.:.:.:∧
        /:.:.:.:.:. }/:∧   _}}  } ̄\/:.:.:.
.        ′:.:.:∠: : : :∧/⌒ >、.'.: : : :.|、:.:.:.:.:.
       .':.:.:/{: : : : : : ∧r介_ /.: : : : :i \:.:.:.'
       :.:/:.:.:.:∨ : : : : : |{(⌒)./.: : : : :/:.:.:.:.: 、:.'
         |/{:.:.:.:.:.: 、 : : : : :|乂):〈: : : : : /:.:.:.:.:. : }:.}

「あの子の泣き顔を 笑顔に変えることが出来たじゃないか」


「それはとても 素敵な魔法だと思うぞ」
「……」カーーッ



「……しかし・・・ 少し腑に落ちない点がある」
「なんや?」

「お前がバス停でオレを待ち受けていたことといい その直後にタイミングよく女の子が犬を探しに来たことといい」

「ひょっとしたら これ全部 お前が仕込んだんじゃ・・・」ガッ
「褒めるだけ褒めといてなんや!!」



Priceless

「この能力に気付いたのは結構最近なの 研究所を逃げ出した後よ 車に轢かれて死んだ猫を治せるかどうか試してみたの」
「治せたんか!?」「んーん 途中でやめた」『なんで?』
「私の体が溶け始めたからよ つまり村上君を生き返らせるには 私の命を使う必要があるってこと」
「「!?」」
「……どうして欲しい?」

「早く決めないと 村上君を生き返らせられなくなるよ」
「……そんな・・・ そんなこと・・・」


「バカね どっちにしろ村上君がいないと 私たち全滅するんだからさ」「えっ?」
「彼がいないとヴァルキュリアにも対抗できないし 鎮死剤も手に入らない それに彼には・・・電波塔での借りもあるから・・・」(第73話)

 
……はたして、そういった懸念要素は(今回の所は)見当たらなかった(更に言えば魔女達の情報秘匿のために良太が知恵を出すとかいう事も無かった)。あるとしたら、妙に怪我の治りが早いことについて誰かしらが気にしたの切欠に何処かの筋に情報が行く事だが今現在の時点ではまあ「お後が宜しいようで」でオチた話。そして前々回からの雰囲気を押し流す、始終カズミちゃん様の百面相。ある意味、寧子さんとのデート回より表情豊か……うん、豊か(汗)。
 
 つまるところ、「外でネットに繋げないと全く能力を発揮できない」(これまで魔法を使う時は大体天文台でだった)という弱点を、彼女自身の意志で能動的に補強するエピソード。ひとえに、「これからも良太とデートに行きたい」という想いと「イザという時にまた何も出来ない(and同胞に後ろめたい)のは嫌だという」思いの折衷。かくして二重の意味で一歩前に前進した、前進することの憂いを払った感。それを成さしめた一端は良太がカチューシャを贈ったことにあるけれど、しかして彼氏の方はどうも良いとこが薄かったな(不審に思って当然な母親を引き止めようとしたくらい)。いつでも必ずなければならない、なんてのもどんだけ完璧を要求されてるんだという話ではあるが。

―――ところでところで、「犬の言葉がわかる」云々の際にどれくらいの読者が「彼女」のことを思い出してくれただろうか。原作では何の魔法を持っていたかも判らず死亡し、アニメ版第5話にて若干補完された脱走魔女の一人・シノ嬢。それ以降は全く回想されることが無いのは彼女に限った話ではないが……鎮死剤と引き替えに学校へ通える手続きを行った相手のことをカズミが忘れずにいて、不意に思い出したかのような仕草だったりしたら、なんともかんとも。研究所内でもメインキャラ以外の同胞との交流が無かったわけでもなかろうが、数人以下でバラバラになった魔女達と僅かなりとも接触があったのは【操網】魔女たる面目躍如……というのも言い過ぎか。カズミみたいな取引はしてなさそうだったけど千絵姉さんもいたし。何にしても、「子供が欲しい」「自分が生きた証が欲しい」と生き延びる事に執着しつつ同胞の頼みも聞いていくスタンスの彼女が居て、あの日までギリギリ生きていたからこそ(廃村での失火時点で彼女の手持ちは一錠きり)その後の天文台の日々があった。
 いつか良太は佳奈に言った。お前が居なかったら俺達はとっくに全滅していると。役に立ってない者も、居なくていい者もいない。全員の力があればこそここまで来れて、欠けていいものなんてない、なかった……ううっ。其処に居てくれるだけで価値が……ウグググあががが。

―――なんか、天国の小鳥と良太にごめんなさいしないといけない気持ちでいっぱいになった!


 自身の恋愛に対する充実感という意味でも、カズミのケースは、ある意味、クロネコ化の寧子さんパワーアップとは対照的だ。寧子さんのクロネコ化はね、ある意味『変身』なんですよ。自分ではない別人になっているわけです。それが本来の自分である、という設定ではあるんだが。成長した自分は、再び、その後、失われて、引き裂かれ、また別人に『再変身』してしまう。その点、カズミは『自分であり続けながら、少しずつ、変わっていく』というのが、趣深い。

 クロネコは、自分が女神化してでも、姉をぶち殺してでも、惚れた男を守る! という、攻めの姿勢のパワーアップで、一瞬、心が触れ合ったものの、その後に記憶がリセットされるという、まぁ、儚い、けれど、激しい、燃え上がるような、一点集中型の恋愛爆発的パワーアップ展開(謎)だったのだが、カズミの場合は、惚れた男の命を救うというよりも『惚れた男から、認められる』ないし、『自分の不甲斐なさ、自信の無さが、解消される』という点からして、質そのものが正反対なんだよねぇ。

 数分で蘇らせないと無理ならば、高屋やカズミの蘇生はかなり無茶な気もするが、数分だったんだと脳内補完するよりしかたないのかw
 ポイントとしては、初菜ちゃん自身の再生は早い。粉微塵になっても、一瞬で復旧。そして、自分に使う分には、再生魔法は魔力消費のコスパが超絶に良好という点かな。ここはまぁ、以前に考察したことがあったから、説明は省くがw
 まぁ、再生までの時間差やら、再使用までの制限やらで、非常にグレーな部分もあった初菜ザオリクですが、ここにきて、明確に『万能ではない』と再設定されたのは……ザッとした雑感で考察した危惧がいつかは表面化するってことなんだろうか、やっぱり。

 そんな中、黙々と、地下仮眠室で閉じこもって作業中のカズミの巻。うむ、やはり地味だwパワーアップエピソードにしては、超絶地味だw
 最終フォームではなく、繋ぎの中間フォームへのパワーアップなんだろうなぁ、これは。

 と、なんとか一命を取り留めた柏木さんを助けた初菜ちゃんだけど、初菜ちゃんは初菜ちゃんで大変ですねえ。人助けはいいけど、その都度体が溶けて風呂敷に包まれるのはたまらないからな。大丈夫だと分かっていても、良太も結構無茶振りを振るようになった気がする。
 それと再生のルールがまた一つ明らかに。数分以内に死んだ人間しか蘇生することが出来ない。まあ、一度他者を再生したら当面再生させることができないというのは描かれてきましたけど、やはりこういう制約があったとは。となると、初菜ちゃんの目の前で2人が死ぬみたいな展開になりそうで怖い……。

3人が柏木さんを助けるのを見て、自分は何も出来なかったと落ち込みつつも
何かを決意したカズミ。本編の流れとは前後するけど、
外でもネット接続できるようにして、魔法で誰かを助けたりすることを画策してたみたい。
カズミが、こういう行動に出るのはほとんどなかったよな!
自分や仲間のために頑張ることはあっても、他人のために何かをするというのは。
でも、寧子みたいに純粋に誰かを助けたいというよりは
3人に触発されたというか、私だって!みたいな自分の力を発揮したいみたいな風なのが
俗っぽいというか、良い意味でカズミらしい感じでいいなw


―――そんな、こんなで、また日付が変わり行く……そして13巻の感想記事がまだだと思い出して頭を抱える頃。