ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

カメンラーイド! 『仮面ライダードラゴンナイト』視聴(19・20話)

仮面ライダードラゴンナイト公式HP
アニマックス(ch625)毎週日曜午前8:30〜9:25放送
(第17・18話の感想はこちら)

◆第19話「センパーファーイ」*1:今日も喘息に苦しむクリスに声をかける男が一人。チラリと見せたカードデッキのマークは「蛇」! 常ならば即攻撃に入る彼はしかし話を持ちかける。ゼイビアックスの医療技術を持ってすれば病は治せる、ウイングナイトとより親しくなり隙を見て討てという言葉を「仲間は裏切らない。それが海兵隊魂だ」と突っぱねるクリス。JTCもさほど期待してなかったか、戦闘に。三度目となった二人の戦いはやはりストライク優勢で、喘息に苦しむスティングに今しもファイナルベントを叩き込もうとした時、召喚されたエビルダイバーが背後から一撃*2。スティングはヒラメに乗り空を飛んで逃げ去った。ストライクは地団太。
レンがグレース堂書店にマヤを訪ねてきた。マヤが受けた報せにJTCへの不審を深めるが、そこに駆け込み父がストライクに攫われたと訴えるキット。敵の根城を攻めようと提案した所に、ストライクから逃亡した足でクリスも現れる。「時間が無い」クリスはそれに賛同するが、レンは戦力的*3に危険だと反対する。更に店に入ってきたのは……チョウ兄弟! 場所を変えようと入り口のガラス戸を介してベンタラへ向かうライダーたち、そして最後の一人アルバートがスピアーに変身する様をマヤとトレントは目のあたりに。また常識的な意見に聞く耳持たないマヤと喧嘩別れしたレイシーはそれでも友人の様子を見に来ており、彼女もまたそれを目撃してしまったのだった。
ライダー達はそれぞれ別の場所に。ドラゴンナイトはモンスターに遭遇するがファイナルベントで早めに片付け、そこにスピアーの襲撃。珍しくドラグクローをナックルのように使い対抗するもアックスに挟撃される。スピアーをぶっ飛ばすがアックスの猛攻*4で叩き伏せられた所にウイングナイトとスティング合流。しかしスピアーが復帰し二人を押さえ再び一対一、なんとか壁に叩きつけてアックスが気絶した所にトドメのファイナルベント*5が……できない! 「やるんだ」「トドメを刺すんだ。やるしかないんだ……! クソッ」迷いに迷った挙句アックスを放置してドラゴンナイトは二人の援軍に向かう。その迷いが、悲劇を更に加速させる
一方ではスピアーが恐るべきアタックベントを発動。都合6体ものモンスターが召喚され、動きを封じられ滅多打ちになるライダー二人。更に杉田ドSが現れスティングに追い打ちのスタンガン的攻撃。力尽きて動けぬウイングナイトをベントするべくストライクがファイナルベント発動。ドラゴンナイトの救援は起きたアックスに妨害され届かず……ベノクラッシュが直撃したのは、寸前で庇ったスティング!
ダメージ過多でベントされ、アドベント空間へ消えていく彼の元へ走るキットが触れる間もなく
「パパ……僕、ちゃんとやれたよね……」「センパーファーイ……」右拳を心臓に当て敬礼*6、最後まで仲間に殉じる海兵魂に生きた青年クリスは、虚空に溶け消えた。そしてデッキだけが遺された。
敵の去った戦場で慟哭するキット。戦友と同じに拳を胸に当ててレン。「クリスを取り戻せないのか……?」「いつか取り戻すんだ。絶対」それは実現できる誓いなのであろうか?
『ベンタラと地球に』三人で交わした約束が蘇る。「ベンタラと地球に」その一人が、欠けてしまった。


◆第20話「戦場からの手紙」:「僕は、生まれてきてよかったよ……」当人がベントされても半ばまで続くスーパークリスタイム。実は彼は喘息ではなく生まれた時からもっと重い病気で長くない命とされていて、父も医師もそれを隠してくれていて、クリスに誇りを持たせるために海兵隊に入れようと努力してくれていた。そして事をクリスは知っていた。キット宅に残されていた彼の鞄*7に入っていた手帳に挟んであったのは「三本の矢」の枝と、父に宛てた「出さない手紙」……。
マヤとトレントがスピアー変身の余波でしっちゃかめっちゃかになった書店を片付けている所に二人が戻り、クリスがベントされたと告げる。
自分がアックスをベントできなかった所為だ、「僕は仮面ライダーにふさわしくないんだ」と罪悪感に囚われるキット。帰宅してからクリスの「遺書」を読んで「君はヒーローだったさ」と呟く。
キットに「自分を責めるんじゃない」「責任は俺にある」というレンも己を責める。そんな彼にいつぞやと同じ様に*8鏡に映る己が囁く……。虫の居所が悪い所にモンスターが多数現れるが一蹴。「運が悪いな。今日の俺と出会ってしまうとは……」「雑魚ばかりやっつけて何になる……クソッ」気は晴れない。
マヤも記事や写真*9でスティング、”グラマシーの英雄”の痕跡を振り返ってクリスを悼む。彼女が本当のことを言っていたと知った友人レイシーが悩んでいる所に、ミシェルが現れ彼女の安全を思うならと協力*10を求める。一体何者なんだか。
一方でエイリアン勢力。誘拐され根城の椅子に座らされてる夢遊病患者フランク・テイラーはゼイビアックスと知己だったのか? JTCが次なる罠の仕込を開始。キットの見張りを命じられたチョウ兄弟は見張りに留まらず喧嘩をふっかけ、二人がかりでボコった後「シメシはつけたゆうこっちゃ」と去る。一応命令の優先順位*11は守るらしい。でも全体的にヤの付く行動指針。
「もう迷わない」と決意と怒り、しかし敗れてベントされずに見逃されるという悔しさ。そんなキットが書店を訪れた所に電話が鳴る。「聞き取りづらい声」でJTCを名乗り、フランクが見つかった、時間がないから直ぐ来いと言う。意外にもトレントが「なんか怪しい気がする。今のはJTCじゃなくて、ストライクかも」*12と罠を疑うが、クリスの事も「償わなきゃ」と危険な兆候のキットは止まれない。「それでも、父さんを救わなきゃ! なんとしてでも」マヤの帯同を断りきれず、共に向かう。蛇の仕掛けた罠の中へ。

 19話の敗因は「連携の不備」「勝利に徹せられなかった事」。その意味でレンに素人と言われたチョウ兄弟の方がよほどプロだった。どれだけ妨害されてもデッキ持ち逃げした方がよかったというのは結果論だが。キットも”敵”*13をベントする事を躊躇った。そして「時間が無いんだ。今の内にやれることは、やっておきたいんだ!」と不利な戦況でも無理を続けるクリス。訓練は出来てもここぞと言う所でチームワークは生きず、「僕はできる……ちゃんと、やるんだ。ちゃんと、ちゃんとやるんだ!」そしてあの結末へ。キットにもレンにも、マヤにも彼がああしてしまう根本要*14を解決する事はできなかった。できたのは(JTCの言葉が正しければ)ゼイビアックスだけだった……。
 ともかくも第2シーズンに入って全体的に主役だった*15クリスが退場。タイトル的にその立役者も次で消えそうということか。残りライダーは何人だっけ?

 来週は第21話「兄弟の最期」第22話「セイレーンの帰還」。
 もちろん次回もクァメンラァーイド!(by杉田智和)

*1:"Semper Fi!"。アメリカ海兵隊の標語、ラテン語の"Semper fidelis"(常に忠誠を)の通常口語体。また、Once a Marine, Always a Marine.(一度なったら、常に海兵)といわれており、「一度海兵隊に入隊したなら、除隊しようとも一生「海兵隊員」としての「誇り」を失わず、アメリカ国民の模範たれ」とされている。

*2:それで召喚機の杖を取り落した為にファイナルベントはキャンセルされた模様。あるいは目標が居なくなった事もあるか。

*3:ゼイビアックスにストライクに加えアックスとスピアー。ただし後二者は、前回生身で戦った折にデッキを持ったまま逃げればよかったんじゃないかとも。そうしたらそうしたでストライクが動いたかもしれないのだが。

*4:召喚機の斧を持ってたり持ってなかったり。出し入れできるのか?

*5:一度の変身一度の戦いで、カードは基本的に一枚一度だと思っていたがそうでもないらしい。トラストのコンファインベントも一戦で二回出たけど。

*6:アメリカ式「忠誠の誓い」

*7:19話冒頭でJTC=ストライクに話しかけられる前に書き付けていた手帳が入ってたという事は、ストライクから空飛んで逃げた後にキット宅に”鏡越しに”潜入して置いてきてから書店に行ったと推定される。手帳の頁を破った「遺書」の内容といい、己がベントされることを覚悟済みだったということか? もしくはキット達が所持品を回収したか。

*8:第13話の時以来。対ゼイビアックスの指揮官として、ただ独りの生き残りとして非情になる事を求める。キットに語りかける父と似て非なるもの。その正体は未だ不明。

*9:ソースはJTC。皮肉にも。

*10:マヤのパソコンにUSBだかを挿して、彼女が事情をどれだけ把握しているか日記から情報を吸い出す事。どう考えても犯罪。

*11:ドリュー(トルク)は言い含められて守らなかったが、「ウイングナイトを倒すまではキットをベントするな」という今尚理由の不明な命令。

*12:同一人物です。

*13:エイリアン・ゼイビアックスの手先であり、父を誘拐した側であり、地球人でもある。ベントする・される事の重さを知っていればこそだが、地球人同士で争う事の方が普通な見地からすると割り切れていない。

*14:重度の喘息(公式には)で海兵隊除隊、一家の伝統を損ない父に顔向けできない事。残り短い命を人の役に立て意味を得る事。ヒーローになれなかった事。そして、それらの問題をどうでもよくしてしまう程に、己を犠牲にして構わないほどに大切な仲間に”出会ってしまった”こと。

*15:戦力的強さはさて置き、命を燃やすその姿勢や精神性は仲間達に強く刻み込まれた……。