ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《起源/Genesis》、《教議会の聖域/Synod Sanctum》


 はてさて、『鉄腕バーディー(EVOLUTION)』。以前の記事(+コメント)の想像がほぼ的中した……のかもしれない。地球にでかい宇宙船が降りてきて、奥の院がきな臭い協議をし、レビもゴメスに核心に至る情報、「ペリダンの禁書」を提示する。
 「黙示録」、「人類を守り育てる資格」、「聖地」……地球で、“近い将来”に生まれるという、奥の院これで時間遡行が無かったら嘘だろう、流石に。想像が当たった所為で逆に物語の着地点が益々予想できなくなったが。
 彼らが狙い、レビに奪われる事を危惧する「最後の果実」とやらが何だか知らないが、とりあえず連邦は地球人類をレビ諸共に吹っ飛ばす事だけはできない模様。しかし戦争はやるかもしれないという辺り、油断はならないが。

 付け加えるに、奥の院は何かしらの手段で以って未来から来た存在もしくはその末裔であるけれど、いまひとつ確信できていない事があると憶測する。それは「この世界への干渉」と「彼らの生まれた世界」の因果関係。すなわち……タイムパラドックスが発生するか否か。
 パラレルワールドや無数に枝分かれする可能性の大樹の概念を、まさか未来人が持っていないとは思わないが、実際に確かめるのとは当然別問題。ましてや今まさに、自分たちのルーツである場所で“自分たち”が誕生するかしないかという所まで来たらそりゃあ不安にもなるだろう。唐突に年月が経って最終回になろうとしてる『僕はビートルズ』もそんな按配だった。あからさまに見目が人類でない奥の院のお歴々が御年幾つかは知らないが。

 彼らの未来と地球の現在に因果関係が無いのなら、過去の彼ら自身が生まれないような事態になっても彼らの現状に問題は無い。聖地を尊ぶのと同等以上に心情的に問題があることを除けば。あるいは彼らの目的には、生まれたばかりの彼ら自身も不可欠な可能性もあるか。秘密を知るレビにしてもそれを利用するつもりが無いとはとても思えない。バーディーにやゴメスにそれを明かすとなれば、尚更。

 一方で現在と未来に因果を認めうる場合、現在の地球に干渉した影響が為に奥の院が生まれない事が確定した瞬間……などという前の前の前あたりでとっくのとうに結果は出ているのではないかと。其処に今彼らが居るのなら、そんな事態にはならないのだ……たぶん。影響下にあった何もかもがリセットorデリートで歴史が滅茶苦茶になり、現在が再構築されて新たな未来へ……なんてラストが待っているとはどうにも思えない。漫画版『VS騎士ラムネ&40炎』や『ドラゴンドライブ』は結構好きな方だが。

 時間にまつわるディープなSF考証は専門外。未来がどうあれ、今の地球はかつて過ぎた“現在”とは別の可能性を進んでいるものとして……だったらどうなるという点は不明なままだ。親玉黒幕の発言で予想が補強されただけで、その辺の事情は何一つ動いてない(ように見える)から。もしかしたら現在進行形の地球対連邦の外交or軍事問題に鍵が潜んでたりするかもしれないし、そうでないかもしれない。

……要は今考えてもこれ以上何か出てきそうもないってことで、一先ず終了っ。
 『ダヴィンチ・コード』の折にも感じたものだが、書物一つ記録一つで世界の何が引っ繰り返るというんだと思ったら、やたら複雑な事に。考古学かと。