『美大受験戦記 アリエネ』第72話――《原初の支援/Primal Boost》
「描けよ・・・ あきらめた人に・・・なるなよ・・・」
「やるだけやって・・・自分に才能が無かったことを・・・
受け容れるだけだ・・・」
(第71話の感想はこちら)
第72話「残酷なエール」(5月27日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。自身に言い聞かせんばかりに、相生相克。三つ子の魂百までを地で行くのが「アリエネ」なるかな。
「あっ・・・あんたは その……
藤子不二雄先生にとっての、手塚治虫先生みたいなもんだろっ!!
ダンスキッズにとってのマイケル・ジャクソンだろっ!! 浅草キッドのビートたけし師匠だっ!!
そういう人は、ちゃんとかっこつけてくれよっ」
「ダメな絵なんか・・・本当はないんだよバカ!!
自分が描けば、全部が名画!! それが絵描きだろっ!!」
「お前の描く絵は全部名画か?」「そうですよ」
「本当はあなただってそう思って描いてるんでしょ? あなたの絵は全部名画ですよ!!」
「………「自分の絵」って……「自分」だから・・・
「自分はダメ」・・・とか・・・自分が決めちゃったら・・・
もう朝とか、フトンから出られませんよ!!」
「ユメ・・・行くな・・・俺の・・・側にいろといったろ・・・」
「………先生……ごめんね………あたしが好きなのは・・・絵を描く……速水先生なの……」
『
お前の描いた絵は・・・
「「どうして?」・・・って聞いたら・・・おじいちゃんはちょっと笑って・・・
『
親バカのひどいやつみたいだろ? 根拠なんてないんだ・・・
でも僕は、その言葉を信じちゃって……だから 大丈夫なのかもね・・・」
そして速水の再起を信じて二人は夜明けの電車に。あれ、池田とか稲葉は? エミリーが送るって言ってたし、有を目的地まで運んだ後はトンボ帰りだったのかね。水菜さん有にちょっとお説教する以外何の為に群馬に行ったのか……男気出した有の勢いに引っ張られたせいかな。今後も目立てなかったら弥生さんとは別方向で不憫。