ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

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『美大受験戦記 アリエネ』第75話――《ボス・カヴー/Alpha Kavu》

男女男、女男女。男女男女、女男女男

(第74話の感想はこちら) ( cakesインタビュー記事 前編後編

 第75話「恋の濃霧」(6月17日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。おい、受験勉強(デュエル)しろよ。彼らは何と戦っているんだ……。

「弥生ちゃんってさ・・・自分を持ってて、いつも凛としてて、一人でも平気で・・・
そうゆうとこあたしダメだから憧れてて・・・いつか話とかしたかったの……」
「………悪いけど・・・今 そうゆう余裕ないんだ……ごめん・・・」

「うそだろ・・・浅田先生・・・ そんな奴の マネしろってことかよ・・・」

 弥生の登場に託け、夢は喜多川の誘いを流すことに成功するも、弥生と友達になる事あたわず。水菜はコンクールの際弥生の気持ちを知ってしまったが、夢にそれを教えてない模様。逆に弥生は夢が有ともう付き合っている事を知っている……喜多川はこの憚りを感知し、かつ早急に三角関係を把握するに至る。予備校のボス猿という地位で得られる情報網とか裏サイトとか、「いつも誰かに見られてる」とか女子目的という方向性も含めて厄介な感触。予備校で何故そこまで全力を尽くしてしまうのか。何故予備校生は従ってしまうのか……文字通り甘い「蜜」が用意されているからか? よもや女子にも男を「斡旋」しちゃいないだろうな……全力過ぎる……。

 そんな餌に釣られないネームドは……少なくても夢が居る有、あるいは他所に気を向かない光河くらいか。他にもコンクールの優勝候補とか男子は居た筈だが……あと神田川マリーと付き合ってた筈が鳥海かの嬢の魔性に嵌り、「ペット」扱いされぬように「男」を主張しだした小磯がこの頃存在感増大。彼女と喜多川が割と予想通りの気安さだった事を考えると報われそうな気はしないが……もし二人が元鞘で揃って合格がハッピーエンドだとしたら巻き込まれた男女数多は好い面の皮だなとも。
 他方、彼氏の浮気キスシーンさえ目撃したマリーが髪型戻すどころか更に暗く深い域に。こちらも炎上させて潰すのが得意とか……かの嬢のネガキャン張ったり裏サイトを炎上させたりとかメインキャラが触れない死角からの活躍?を期待しなくもない。全体的に恋愛事情で迷走難儀する、させられる者達の章。

 ともあれかくまれ、尊敬できない目標を提示され伸び悩む有に弥生が声をかけ……英二郎氏とかのデッサンを手本にさせてくれたらな、とか考えなくもない。嗚呼、あれもこれもと実に他力本願。群像劇だから仕方ないんや、主人公一人で何もかも解決なんか出来ないしそんな余裕もないんや……。