ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《心理的打撃/Psychic Strike》/『極黒のブリュンヒルデ』第118話

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

出 会 っ た 頃 の よう に





≒≠前回粗筋:電撃文庫『へヴィーオブジェクト』がアニメ化するそうですね。

                  ,、‐''''i:‐‐ 、
                   /        ヽ
                /           ゙;
                  / / l | :! l l |   l
              .,1|.l _」Ll- |.i.|.」_  j ト、
              l |.l.|.レ行'ヾ!' レニ;゙'/ | ヽ        結局、戦争はなくならなかった。
          /´`=-、._  l;゙;.l`´  ,  ゙=ソ ,イ|
        〈./     \. ヘ; \. ‐ ,ィ゙| lイl|.゙'          でも、変化はあった。
        /.!        l  !'ノ゙'テ‐|ー!从!_____
        〉l       イ ̄;ハ,. ハ .ト、./     `ヽ.l
        ヽl       |'''´/^`.Y 「ヽ .|       l.〈
       .い,     .l'''ヾ./ ,.l, | V       ノ ノ
         ゙、ヽ   l`  'イ〈〉.ト,l´  /    ./ /
           `ゞニー'ユ   ;'::::::;゙   /    /,ノ
          /   .l   ;゙:::::;'  人'、..-‐;'、-'
          /   .ノ|   ;゙::::;' ,ィ゙l  `ナ゙´          ―――超大型兵器オブジェクト。
           l   イノ  /::::;'  /.l  ,イ
        ,イ  ./   ./:::::;'  l .|   |
          /   /   .l:::::::!  ゙、|   l
        /   /    |:::::::l   ヽ  ゙;            それが、戦争の全てを変えた。
     ./    /       !:::::::l     ヽ  l,
     /   ,イ        |:::::::l       ゙、 ヽ,
    j   /       .l:::::::l,       ゙、  '、
    ノ、._//         l::::::::l      ゙、 /
   l´  //         .l::::::::l,        ゙V、
   lヽ,//;r‐;r'コ二i"'ー:r''┴-;r‐'^ー;'`T'r‐-、,l, >
   レノ`゙ヽ、イ;::::;;r-ニ、゙'ー'^'ー:'" ̄::: ゙̄:::`;:;:ミ「
          ̄ l::::::::::::l''^''''''^''"゙l::::::::::::::|''´
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 超電磁砲2期どころか禁書目録2期も中途半端に録り溜め残ってる無精者からすると、禁書3期じゃなくて助かったというか……新旧外伝合わせ三十巻以上、スピンオフ漫画も10巻になる超長編と比べずとも、単巻・1エピソード毎が「読み易い」(主観)本作はアニメ向き……「アニメ化向き」じゃないかと思わなくもない。昨今のアニメ化にまつわる彼是を鑑みるに。
 実際視てみないことには今何を言ったって、というのは常であるけれど……クウェンサー役は花江夏樹。『アルドノア・ゼロ貝塚イナホの冷静度合を引き下げ若干助平気味にすると、実にハマりそう……キャラクター性としては良太に近いようで、また別の個性。だがその前に控えるはノイタミナ『四月と君の嘘』―――なんと2クールで以て来年3月に「原作と同時に完結」との由。ヒャッホォイ! 連載読み出したのは『capeta』がクライマックス寸前だった頃で序盤は良く知らないままだが、実に楽しみ……かつ残り半年ほどで終わってしまうことへの寂寞であるな。脱線脱線。


Equal and Not Equal

……何だって? その写真に写っているのが お前の妹だと?

そんな偶然 あるわけないだろ
偶然じゃない

元々ヴィンガルフに興味を持ったのは・・・ いなくなった妹を探すためよ
……そういや そうだが・・・

                                         ,.  ´ ̄ ̄
                                        /           \
                                       /    /     ヽ     \
                                     /           |    ヽ  ',
                                 //   !   |       l |   l   ',
                                   //  │  |       l |   | l ',
                                    .′    |  │       ! !    l |
                _ ,. _             .l | .! .v┼┼┼ 、 ..斗┼┼─.v  !  l
            ,. -‐ ´     ` 、        | Vト、. ! |  \   ハノ /j/ / ./   !
          ,. '´         ヽ  \      |   | \ィf示ミx, \/ ,ィf示ト、ムイ    |
        /      i       ',   ヽ     .|   |  .代Vソ     V::ソ.' ハ |     !
          / /   i   |  i       i| ヽ  ',     | |   l.ハ     ,      ∧l !     !
.        / ,'     !  i|  |       ||  i   ,     | | ハ |  、    __  .イ i! !     !
       /  i      |i  ,||  ',   _リ  ,|  ,ハ   .| | .| .l  | .>'´    `ヽ ! |│   |
      ,'  |   ,  ゝ‐ ´i「!、    ,イ` メ , ! |   | | .|   レ          \|│   |
     」ィ ´ |  、 ',  ハv_ =-、, ,、  ,イ'ーくソ / ,ハヽ  | l/! ∨ヽ              V: :ヽ  .|
    /  _ ゝ \ヽ ,イ:::::ハ `` `'´ぅ:::::ハィソ,ノ   ', .| i.:.:.| /   |           V: : :V. !
   /      ` ` ハ f乂::ソ    , `ー' ハ     ハ .| |: :.レ′   !              ト、: :.l |
.  {    _ _  ム ┴ヽ    /´ヽ   r'ニフ _ _ ,}..| |: :.|     !  `ー‐'  `ニニ   .| l: : | |
   \二 - ――‐-ゝニヲ、   '、 _ノ   人_r'ー ―く . | |: :.l     | イ ⌒ヽ  i:::::::::ヽ .! l:.:.:| |
    `ー-r ´ ̄=rヽ` >r .,_ ,. _イ _ゝ - ―='´. .| |: :.l     !/ {::::・:/  ',: ・::::ハ ヽ.:.:.| |
       `ーrナ'    ̄"_ノ    L^ゝ' `tr'´      | |: :.l       、_> '′  ` <.ノ  }:.:.l |
         ´   ,. イ \  _ノ _ノ. \        | |: /   /             ∧ .ヽ.!
           /. . . `.ー.,_八_r'. . . . . .\       l レ'   lヘ     、人ノ  ./\}: :l |
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            /. . . . V.... . . . |.O|. . . . . . .ゝ、 . ',     |     / /: : : : : : : : :¨´ /  {: : :',  ', |
.           / . . . . . |. . . . . ,へ. . . . . /ィ、,ヽ. .ハ  .ト、  / ′: : : : : : : : : :/   }: : :.',  ',!
          /. . . . .,r――‐'´,. -‐`ーr/ . 'ー' ー ', . ', . l  7/  .!`  x____./ー─'′:.:,イ',  ',
          ,'. . . . ノ´fヽ  ´     ____ノ. . ._'_...| ./:l    |  / \ \: : : : : : :/: ! l  .l
       i. . . . { " ノ リ   ,ィ ´7´ー-^><{. . . .{_ 7ヽ:.:l   │  l   \ \_/{:.:.:.:|│  .|
       |. . . -ヽ<_ノ ,r、´/、>´>´ ̄`^>. ./{. .ゝ {
       ヽ. . . . .{  //,≧ ´ ̄    /. ヽ. . . 7_. `.ヽ
        >. . . . ヽ-―--、     ,ィ ´. . . . .',. . . /ーフ

……ふむ

こんなかわいい女の子が こんな裸族のアバズレになるなんてな
私じゃなくて 妹の方を見なさいよ!!


……面影があると言えばあるが・・・ さすがに何とも言えないな
私にはわかるわ 同じ血を分けた家族のカンよ この子は佳奈に違いないわ

なにかこの子に関する情報はないの?
……ないね 学校の制服を着てれば良かったんだが どう見ても私服だしな

あんなモンスターを目撃しながら 警察に届けた形跡も ネットに書き込んだ様子もない ひょっとしたら届けたかもしれないが もみ消された可能性もある

下手すりゃ 存在ごと・・・
縁起でもないこと言わないで

どちらにせよ 組織に関係があることは間違いない

                                               _
          ̄ ̄  `   ==  、                    ,, ==   ´  ̄
                         ` ヽ               /
                  - .、                    __ -‐
                     ヽ                  /
           、                        ´            ォ
.              ミ 、       _ ,.ォ              、           ,.ィ゙´
              ≧ュ =≠ ゙´                    ` ミ===≦彡
          .        ̄                         ̄

なんとしても この男の正気を取り戻す


:.:.:.|:.:.:.:| _!:.レ :||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::|:.:.:.__:.:.:.:. -―_|:|.|==  : :_ : : : : 癶乂爻w从;爻父;从;爻W
:.:.:.|:.:.:.:´:.:.:.:.:.: ||_:. --_―=:|::| ̄―:.:.:._: ̄:.:.|:|.| : : : : : :  ̄ ::¬ィw;从爻w从;从爻;戈爻w;从
_:!__ -_―=|l: ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::|:.:.:i¬从爻Wt.|:|.| : : : | ̄| : : |爻w;从爻w从乂爻w;从;爻;父ゞ
冖:! ̄:__:.:.:__:.:.||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::|:.:.:|ィ爻ゞ戈从fw|_: : : | ̄| : :ィ从父W父从w爻爻;ゞ戈从从爻
:.:.:.|:.:.:.|__!:.|__|:.l/'^丶、ヽ__:.|::|:.爻w;从爻w从j.l : : :└ー: : :戈爻w从乂爻w从爻父爻ゞ戈从
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==:!=== | |:.:.:.:::::::::::::| |爻乂爻w从爻父癶t : : : : : : : :ゞ爻乂爻w从爻父戈ゞヘ;癶爻w
癶w;i;.,.__:.:.__| |:.:.:.:.:.:::::::::| |ゞヘ爻w从爻戈ゞ彡': : :| ̄|: : :.| ̄l: : ゞヘ戈弋;}:レゞ' |  |: : : : : :
爻从艾tw|-| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(⌒):.:.:1弋爻wゞ;≠:|.i : : : |―|: : :.|-(⌒)|::::|: : :|ゞj:;{―‐|--|: w戈y;
--------―――――¬二}:.:.:L__l:.:}:}-:.:.:.:.|:|.| : : : L__l: : :.Liニiニ!__l________iニiニ!--------
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「昨日は ゆっくり話が出来なかったからな」

「謹慎処分になった事情を 聞かせてもらう」
……


あまりに おれに関わらない方がいいぞ 優等生
「はぁ?」

「お前だって 優等生だろうが 高校デビューしやがってみっともない」
何だとてめぇ


「何してるの?」

「一体 村上くんに何するつもり?」
……別に

「やっぱり私・・・ あなたと仲良くするのは無理みたい」
……

ちょ・・・ 調子に乗ってんじゃねぇよ・・・ お・・・おれだっててめぇと仲良くなろうなんて思ってねぇよ・・・
「……そう ならいいけど」


おい 高屋

           ,    ̄
       /          ヽ
      /                                                  lヽ 、
.      ′     、   /   :.   i        /i/i/i/i ,                   i\ | ヽ!ヽ
.      l  ==、 〉iliく ,==    l     、 .|`: : : : : ; : : : ' i              ヽ 、_|  `
.      l    ’彡ハ三ミ,’ "   i-、     !ミミ´゛゛゛""""ヾ彡',              \
     ,ヽ!                =リ   、i: :ミ 、_ _,_ ミV/            ヽ ̄
     {k     ノ`-=-'ヽ   / k/    ヾr////.几////ュ'             <      、 ヽ
     `戔          、 r-'     .r-i  ̄ ,  ̄  ト              ∠   リヽ |/,。-
       .i  ー===ニニ` '.: i       .マ !       ,!ノ              ノ从-!-ャV
       \         /        `', ー==-‐`,                  ハ  i
       _i \____/ト、         \    ィ                    ヽ `   _/
      < !         /  > 、._    _ !: :`. .´: :!_         ,,-――ー、      \ー彡 /
-―‐く  . : : :        . . . . .  ///>, </ : : : : /: |/ヽ       .////彡三ミ`ヽ_      ヽ_/
/////\   : : _ヽ ..  /_: : : :///////     ヽ  _ノ///`ー、    .从彡/¨´_メヾヾ       //ゝ  ///
l///////> 、_ .`    '_, </////// . . .    ∨/////////`ー--、[///]-[///]i!i!`      ///   ///
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帰ってくんのを待ってたぜ 停学中に海外留学なんて 結構なご身分だな

テメェだけは絶対にゆるせねぇ ちょっと(ツラ)貸せや

「こいつら 一体なんだ?」
……さぁ・・・

お前は 一体誰だ?
ああ!?

てめぇ・・・なめてんのか? 女の前でおれを殴りやがって・・・
は?
駅前のアーケードでだ!!
ああ・・・

ありゃ 街中でお前が強引にナンパしたあげくに 女の腕までつかみ始めたから止めただけだ どう考えてもお前が悪いだろ
うるせぇ! おれが町で見かけた5年ぶり2度目級のいい女だったのに・・・ そいつの前で恥をかかせやがって・・・
仕返しなら別に構わねぇが・・・ お前はおれ1人を相手に 徒党を組まないと向かって来れねぇのかよ
ああ?

別におれはお前と勝負がしたいわけじゃねぇ ただ腹いせにお前をおれの前に這いつくばらせたいだけだ 目的のために集団を作るのもひとつの能力だぜ 人望のなさそうなお前には無理だろうがな

ちょうどいい お前にも その女の前で恥をかかせてやるよ

「高屋 5人相手で勝てるか」
勝てるが 面倒くせぇ どっちにしろ怪我はする
こいつ この人数相手に勝つつもりらしいぜ へっへっへ

だがお前らまで守る余裕はない だからおれに関わるなって言ったんだ
「はぁ? 守る?」

「お前 おれをなめてるだろ」

「なんなら おれがこいつらの人数減らしてやる」
……何言ってんだ お前?

「おい そこの坊主頭」
ああ!?
「お前・・・ 誠真高校野球部のキャッチャーだな 名前は確か・・・ 笹本弘樹」
なっ・・・
「その後ろの2人はベンチ入りの1年か 夏の予選の中継で見たのを憶えてる」
……!!

「おれは記憶力だけには自信があるんだよ 一度見た物は絶対に忘れない」

「誠真高校は2年前に甲子園に出場した強豪校だろ? ここで暴力事件を起こしたことがバレたら 212人も部員がいるお前らの野球部は連帯責任で来年の予選に出場できなくなるぞ お前ら3人のせいでな」
……!!

真鍋 悪い おれら帰るわ
ああ!? ちょっと待て お前ら!!

ちっ・・・

おいおい あっという間に2対2じゃねぇか
「おれを数に入れるな!!」

「ん? その後ろにいる奴も・・・ 見覚えがあるな ああ
名峰学園の柔道部主将の進藤武蔵だ 若干5人の柔道部で全国大会に出場したっていうので新聞に出てたろ」
!?
「ずいぶん立派じゃないか お母さんの喜びのコメントも載ってたな 自慢の息子だって」
……なんだよ こいつ・・・ 気持ち悪りぃ!!
あっ!? おい!!


………
「悪いな」

「あんたのことは 全く記憶にない」
……くっ!!

ははははは ははははは!!

用心棒に腕っ節の強い連中を集めたのが 裏目に出たな たいした人望じゃねぇかよ ええ?

        \゙<i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>'゙/
         \ ゙'<i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>'゙´ ∠
          \  迩ヮ<i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:>弋沙  ∠
            >‐--――≧x三王三三王三三x≦――--‐<
                _二三彡三三ミ三三彡三ミ三二_
                      '⌒ミ  三 彡⌒ヾ
                      i |  l |/::
                     ヾ   ::/::
                          /::
                           |::

来いよ 相手してやる
………!!


「ねぇ もうやめといたら せっかく停学明けなのにまた停学になるよ 話が済んだのなら 行きましょ」


あっ!!

                   ___
                      \ ` 、、
                      \ \\
                      \ \\
                            \ \\
                            \ \\
                            \ \\
                                  \   入_ ___
                                ヽ{ oY´ / \
                                >┴┤/  ヽ
                                 { ┬'/ /´ ,  }
                                \  しし<⌒{
                                    iヽ _\ \\_
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                                  ト、    |`ー′
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                                   j      丿

ははははは!! 形勢逆転だな!!

高屋!! この女を助けて欲しかったら 土下座しておれに詫びろ!! その頭を地面にごりごり擦りつけるんだよ!! 早く!!
……

(……参ったな あんなナイフじゃ とても初菜を殺せないが・・・ 刺されると 初菜が魔法で治るところを高屋に見られることになる どうしたものか・・・)

殺しゃしねぇが こいつの顔に一生消えねぇ傷くらいは付けてやってもいいんだぜ!! 早くしろ!!


「高屋くん この事態が私の不注意が原因だし 自分でなんとかするから あなたは気にせず私を放って帰りなさい」
ああ!?

「別にここで助けてくれても 何の恩義も感じない だって私 あなたみたいなタイプの男 大嫌いだから

「だからお願い さっさと帰って」

                          ,  -―……ー- .._
                          /            \
                    /           |     \
                  〃            |      ヽ
                //             ,'         |
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            /lノ : ://         .:.:.:.:.l.:.:.:.:/.:.:.:.:    〈
              /::/: : : //            .:.:.:._l/二ニ=、:.     、
         _/ |: : : / l         _// /      ',:.     \
       /´  -、|: : / |   -―-、 _,/ /\! ;  !⌒l  ':.:.  , -―-ヽ
   ,  -‐〃      V.:{ /´// ̄ ̄´ | |  :| |   ゝ_ノ  |:./   >┴―-
  /   〈       卜:∨ / ,'       ヽ.|  ,| | /    ヽ|'   /    /
 丶 ____,>、_, -┴-:|   l       l| /| | Iフ∠二I |、       /
   \  |'⌒l      |   |      「_V /| |        | \      |
    {∟__/        人  \   /[(_〃 //  /⌒l  |   丶---- ┴―

頼む そいつを離してやってくれ


「バカ・・・」

ははははは!! おもしれぇ!! だがまだ反省の色が見えねぇな!!

                                                /\
                                          /|__ (_/
               /|__  /\               {_  /   _
                  /   / 〈_/__                   _/ /   〈_/
               _,.二7 /    |_/  _    | ̄|    | ̄  __/
            / ̄ _,,. -─'         |   ̄|  |/     ̄ ̄
            〈_/               _,.二l  |   <二}
                           |__,. -┘
                                          __
                                          |__/ /〉
                     /|___               | ̄ ̄了   (/
                  〈__  //\          __,.二7 |
                  ___/ / (_/       |     /
                  /   ___/     /\       ̄ ̄ ̄
                   ̄ ̄        |_/

頭をおれの足にすりつけて お願いします真鍋様だ!! ほら やれ!!



Not Only One?

 佳奈の存在に姉が気づき、黒服が意識を取り戻したという所からの続きは軽く収まり。こんなトントン拍子に株が上昇すると色々な意味で心配になる続・高屋回。まさかの今回だけで一件落着しないが、驕ったヤツが態々隙をプレゼントしてくれたので開幕粉砕は必至、かな。
 また第2部に入ってからの読者に向けてか、久々に主人公の超記憶力【ライトワンス】の活躍も兼ねる? というより、ここまで舌先三寸だけで敵を撃ち減らしたことなんて、第1部でも無かったはず。魔女達を危険から遠ざける為と鎮死剤を得る為に方策を練るのが基本で、直接対峙となる場合は口でどうにかなる相手じゃなかったからな……沙織キカコ真子はさておき、奈波を最終的に説得せしめたのも寧子の心根だったし。ああ、へクセンヤクト相手には交渉(or脅迫)でなんとかした側面もあったか。

「バカ言うな・・・」

「落ちても死なないとか・・・この状況で誰がそんな都合のいい話を信じるか・・・」
「え・・・ いや・・・ホントだけど・・・」
「いいか 例え2人でここから落ちても・・・」

「絶対にこの手だけは離さない」

 
 体感では一年以上前、劇中では一ヶ月余り前の出来事。今の良太は当然知っているが、かつての良太は現在の高屋のように知らなかった。今回初菜が高屋を試したわけでもないし(根本的には高屋の素行と不良の性根に原因があるのだし)、単に居られると不都合だった側面もあるが、粉微塵にされようと修復可能な(痛みを感じないわけではない)自分の為にそういうことをされると初菜は遣る瀬無い。彼女にとっては(再生を見られて怖がられ)他者が遠ざかっても、自分だけが傷つく方が「楽」……と言い切れるほど単純なものでもないか。「愛菜」に、再登場の機会は与えられないものかな。
 また高屋と対比的に映る冷静な良太は……もしもあの時と同じ状況が三度(第1部ラストを含めると四度)繰り返されることになったならどうするのかな。トラウマ故に手を放せないか、死なないと承知している(or「もうクロネコは助けられた」)から放してしまうのか、それとも初菜の方から放すのか―――随分と前に読んだハーレム物にまつわる唯一性云々考察記事を想起したり。ああ、モヤモヤする。

 「良太にとっての初菜」って、どういう存在だったっけか。脱走時に置いてけぼりにされたボッチサバイバー。人間不信の気が強く良太を試そうとして意図せずトラウマスイッチを押した結果速攻告白。仲間内では比較的付き合いが短い、からこそグイグイ懐に潜り込んできた初キスの相手。小悪魔系ドS天文台内の人間関係を掻き乱すポジション……は真子&イチジク来襲によって早々有耶無耶になり、ああ再生を使って命を助けられた恩もあったか。また彼女がいないとカズミ生還不可だったし、最近も佳奈の脚を治したりと救急治癒役(ただし自分が溶ける)。一方で再生できないハング状態だと急に落ち着かなくなったり、リスクに敏感と仰りつつも車に撥ねられてもあっけらかんとしてたり。頼れる部分と放っておけない部分と、可愛げと毒とが同居する……どうにも言い尽くした感じがしない、のに上手く言葉にならない。


 細かいツッコミをすると、アレだな。高屋が引き起こした暴力沙汰の詳細は、一見して、今週のチンピラのナンパを止めた事件のようにも見えるんだが、高屋自身が素で忘れかけてたのを見ると、案外、別件かもしれないな。あと、チンピラがさらっと『停学中に海外留学なんて〜』と言っているのをみると、少年院送りではなく、ほとぼりが冷めるまで海外に出されていた = 高屋の家が、それなりに裕福な家庭の出自である可能性が匂わされている点か。

う〜ん、嫌でも某奥信高校スキー部初代皇帝陛下の家庭環境やらなんやらを重ねてしまうが、さてさて。

 前作・ノノノノのリメイクキャラというには、あまりに狙い過ぎているし、これだけ読者が連想するような設定を揃えたからには、当然、裏をかいたギミックなり秘密が仕組まれている予感がするんだよなぁ、あの岡本倫が、単純にマイルド版皇帝を出してみました、極黒ファンのみんな、よろしくね!で流すとも思えないしw

この件は私の不注意だから、あなたは気にせずそのまま帰りなさい、と無茶苦茶なことを言い出す初菜ちゃんwまぁ、こう言われて引き下がるような男じゃないのは初菜ちゃんも薄々知っているので『助けてくれても恩義に感じない』『だって私 あなたみたいなタイプの男大嫌いだから』とあえて憎まれ口を叩いてみせる。これがまぁ……初菜ちゃんとしては、高屋の恋心を粉微塵に打ち砕きつつ、綺麗さっぱり関係を消しても構わないと思って出した発言だったのだろうが……高屋には『自分のヘマで他人に迷惑を掛けるのは嫌だとあえて憎まれ口を叩く、気高い女』の心意気に見えてしまったのだろうなぁ。

 無論、初菜ちゃん自身にもそういう気持ちはあるんだが、再生魔法の強烈さからすれば、良太の言うとおり『あんなナイフじゃとても初菜は殺せない』のですよw良太のライトワンス同様、種さえ分かってれば、対して深い意味は無いし、そういう感情は多少はあれども、全然、大げさなことではないのに、これを目の前でやられたら、そりゃあ、ピュアな高屋は激高しますわ。

 ちなみに良太が不良4人を追い払う時に使った手は、既視感がある人もいるかもしれないが、ノベライズ版極黒のブリュンヒルデも良太が同じ方法を使って不良を追い払っている。こっちでも使っているということは、普段からこういう方法で喧嘩を回避しているのだろうか?とことん要領の良い奴だ。
 とまあ、形勢逆転はしたが、今度は初菜ちゃんが人質に。だけど、ここで逃げたら男が廃る。高屋は初菜ちゃんを助けるために土下座。果たして、ここから高屋はどうするのだろうか?ブチぎれて、初菜ちゃんの顔をナイフで傷つけられるのだろうか?あるいは、初菜ちゃんが無理矢理不良の腕を振り解こうとして、顔を傷つけられるのだろうか?どちらにしても、来週答えがでるわけだ。

ここでポイントなのは、読者には言わずもがなですが、ナイフなんぞ無意味ってこと。
そんなもの、初菜ちゃんの『再生』で治せますからね。
勿論、このことは良太くんもわかりきっています。

それゆえに、単純なこの構図も見え方が二つできるのが秀逸なんですよね。

不良と高屋くんの方は、当然ながら魔女だなんてわからないし、
良太くんと初菜ちゃんは、わかっていて、だからこそ一般人には隠す必要がある訳で。

言ってしまうと、土下座するだけ損だし無意味なんですよね。

でも、ここで土下座してみせました。漢だなあ。
この展開には熱くなりました。高屋くん、格好良いよ。

そう、この場合の本当の格好良さとは、相手を倒すことじゃないんですよね。


―――はて、さて。校門近くでの遣り取りからするに、良太と高屋ってある程度以上は気安い関係……というより今まで登場した同級生男子の誰より、下手をせずとも小五郎よりずっと「親しい」友人ないし悪友的存在なんじゃないかと思ったりするわけだが。魔女云々の彼是に比べたら大したことではないとはいえ、今回のような事態や遣り口を全く動揺する様子もなく対処していたのは【ライトワンス】の“平和的”活用のみならず新鮮な描出であると同時に……良太にとっては(高屋との友人付き合いに伴って)久しぶりではあっても珍しいことではなかった? いや高屋からすると今回初めてのようにも見えるが。

 村上良太という主人公は、ここまで基本的にクロネコとの想い出と喪失のトラウマと、悔悟に浸る十年とNASA志望(最近忘れ気味だっけ)……そこに現れた寧子達への恩義と一部罪悪感と代償行為と父性愛or庇護欲とで成り立っていた(あと母&叔父と結花)。異論は認める。それでも大体のことは劇中に現された要素から解釈可能でいて、しかし十年に渡る空白期に親交を得た人物が今になって現れたことは、村上良太を掘り下げるという意味においても重要なファクターたりえる、はず。まあ必ずそういう展開になるという保障もないのだけれど……そろそろノベライズ版の方も全部読んでしまうべきだろうか(ライトワンス脅迫はそっちが初出だったとは!)、なんて吐露すること幾度目になるか風下にも置けない徒然。