ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《精神の檻、迷心/Meishin, the Mind Cage》/『極黒のブリュンヒルデ』第132話

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

教えて、この 気持ちの なまえを・・・





≒≠前回粗筋:『四月は君の嘘』、完結

                   {i,                           /         ∨  \\   \
                     V},                     /      ∧釗   { {  ∨    ヽ
                    V},                      /        /イ} |   { {  釗 |    '.
                   V},                    / / /.′ /   j人  人_{   | 釗  、  }i
                  V},                  / { /{ /    /   ,/ \   Ⅵ※}=!==ハ  リ
                      V},               │ \      /  ″ /不\  \_    ∨ |  {、
       . -‐=====‐-  .,_   V}i,             .′  |i |  j/ /     {  r仆! `ニT⌒ j、 \|__│\
      /      -‐=‐-    ミくⅥiー‐―- ミ     j    乂 |  |/ V下     jシ   jノ  八\_/ |   .
       {.   / ≠-‐――‐-ミ;   ⅥT;つ=‐   `   i{     j|  |/ :人 jツ.:..   .:.:.:.:.:. /}//く´   八i |\ ;
      人  {/            \   i∨i{`ー‐┘    \___,ノ乂_乂__, { \、    .::::::::::  {.′{` /  j j  }/
        \{{             LⅣi{L丁\      \   ___,ノ 从  -r==‐-┐     ヘニイ   .  リ/
          }トミ__,ノ!   .  -‐===‐-ミLⅣi{[i介ー-- 、    \ニニ   イ: :\/ ̄\ノ   /  /{│  /  .′
       __,,ノ j厂 /         ` . ̄Ⅵ!=‐---‐\     \/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\しイ/   .′ l  .′ {
    ‐--‐=≦   /   -‐===‐   .            \____/ / ̄ ̄匚 ̄]\  ∨ .′  {    {   .\
            | /         ` ニ=‐---‐=ニ¨  }_j/     . =-‐┴- ミ}/    \  八    \
           ∨//             ___,ノ{\___/}         /        `>‐-ミ,   \___、  .   \
           │/,.  / / /    _j {  {     ,ノ       /        /⌒iト、 \   V//\ }    , ヽ、
           .′ 釗/ /   .′.′   -‐=≦≧====ニ´-‐      /              ⌒}ト .  \ V/  ∨  }  ′ }
           ji   j    rー┐ j / -‐=====‐---‐      /                }|  \  \∨, ! /   ∨
        _j|l  / ┌ く]L⊆ -{′ -‐=======‐--‐      /               }|   ,  \  \}_}/     ;
‐===‐--‐=ニ;リ/  ⊥「丁ニニ _」{_ -‐=======‐-   __/               }|  {   \;_____    j
-‐==‐- ┌ui{L =-‐ニ二| [ニ-‐ 辷_                /   .′      /       }|/  \ ____j___/     }
  , -干ui{ヨiニニニ ,ニ-‐{\ ̄\ \\            イ     /       /        ,}l′   .>‐---    /  ,
/ ′  ヨi二ニ -‐=′  .\   } ∨}≧=‐---‐=≦ ̄.    /       ∧     /}|   /  ‐---‐=≦{/  /

―――そして実は録り溜めてるアニメが終わるのは、「君がいない春が来る」頃……。

 あと、どういうわけか『うしおととら』がアニメ化するそうですね。『月光条例』が終わって、今モーニングでナイチンゲールに憑りついた幽霊の昔語り(「名誉の章典により君が私を殺害する機会を与えよう。今、ここで君に決闘を申し込む!」)をやってるのだが……『ぬーべー』新作出たりドラマ化したり、某ゲーム起点の妖怪ブームの一環かな? ここで話題に出したにも関わらず原作どれくらいの長さか把握してなかったが……全三十三+1巻か(『からくりサーカス』は四十三)。あとOVA化してたのは初めて知った。何クール使えるんだろうなー。JOJOみたいな部数分割、はたまた金田一コナン犬夜叉のような長期放送なんてそうそう無いよなぁ……?


羊のうた

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  ;;XXXXXX| :|;:| :|;:| :|;.XXXXXXXXXXXXX , ---[[ |l二ニニ二l| ]]---┸┸┸┸----
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「フリストの 様子はどう?」
「今のところ こちらの指示に従っています」

「一緒にいる 新型のイニシャライザーが ずっとフリストの魔法を中和していますからね
彼が中和範囲内にいる限り フリストは魔法を使うことが出来ません」

                       _
                      `ヽ\
             _,.  -----  、 ヽ ヽ ヽ
   ヽ. ___,. -=≦          \}  } /}
     \,. -‐                 /
     /  /                 `ヽ
    /  /    /                 ヽ
.   / 〃    / :/       ヽ ヽ    \   i
  / //   /  / :/ /  / ,.    :! :|      :|  :!
  |//   /  | :|  |  :| {    :|  !    i  !   :|
  i! |   |   :| :| _∧-┼イ 、ヽト、 ト、   :| :/   !
  ! :!   |  i | ´「 |斗=ミ∧ | 斗=ミ、ト、i |/   ,'
   |   :! :| !  f爪_, }}ハ ヽ| 爪_ノ j/: ! /   /
   ヽ   !  ! \| 弋zり   jノ弋zり| 》j/   /
     \|  |   :! ´ `     ´ `jイ     /
       \!   | 、           ,/ /  /
       r‐ \ | >、  ´ `  ,.イ/ / / 、_
     /ヽ ヽ:\   !:::≧=-=≦:::::}.:.|/: : :/ : : : |
    〈 : : : : \: \\!::::::::::::::::::::::::/:.:./: : :/: : : : :ト、
   / \ : : : : \__〉:.\::::::::::::::/:.,.〈: : /: : : : / ヽ
  /: : : : : :\: : : : |  \:.:\_/:./  〉: : : :/ : : : : : |
  | : : : : : : : :ヽO_》    \_/   《O:/: : : : : : : : !

「ですが・・・ 彼が中和出来るのは生きている間だけです
もしフリストがイニシャライザーを殺したら・・・」


「彼女に 素手で人を殺す度胸があればね」

「食事だ」


「……」

「ここの食事 おいしくないですよね」

「……わからない ここでしか食べたことがないから」
「でも時々おいしいこともあるじゃないですか 何ヶ月に1回か」

「……今日の食事は最低ですけど」
「……考えたことも無かった おなかがいっぱいになればそれでいいから」
「ここにいる魔法使いたちは みんな そんな人ばっかりです」

「ぼくなら もっとおいしく出来るのに」

「例えば 今日の野菜炒めに 牛乳をかけてみてください」
「えっ?」

「……イヤだ」
「いいから かけてみて」ジョボ
「うわ!!! やめろ!!」

「これで食べてみてください」
「……」グッショリ

パクッ

                              __
                         Y´ ̄ ̄:::::::.:.:.:.:`ヽ
                 ...-‐ァー..:.:. ̄ ̄ ̄...ミ:....、::::::::.:.:.:.ヽ
 ̄ ̄ ` .         ,..::´.:.:/..:.:.:.:.:,..:.:.,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \:::::::::.:.:\
      \        /..:/./..:.:.:.:.:/.:/:.::.′:..\:.:.:.:.:.:..ヽ:::::::.:.:.:.ヽ
       ヽ    / .:.::/.:′.:.:./ィ..:.:/::::.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:ヽ:.ヽ:.:.:ハ::::::::: :.:.'.
         ノ   /..:.::::::://..:.:.:.:/ /__,イ_::..:.:./:ム:.:.: ト:.:::..:.∨:.:.:V:::::::::::.:.'.
      く   /.:.イ:::/イ..:.:.:.:/'´|.:./ |:::.:.:./′  ヽ:|`ヽi::.:.∨.::ハ:::::::::::::::.'.
       て_/′|:::::{..:.:.:./  __ ':::.:/     _i}  i:::.:.:∨.::}::::::::::::::::.'.
         ミ了|.:/::|..:.:.イ /'⌒ヾ V     /⌒`ヽ ,}:::.:.. |::.ハ::::::::::::::.:.'.
` ー――---ミ¨¨ /:/::∧../:| {{   }}      {{   }},小::.:. |:/  ':::::::::::::.:..i
           {/}::.:.:.:N::::} ` == '////` ==''/.:|::.∧|′  }::::::::::::.:.{
           /::. :.:..::::::i               }:. }イ:.:.|     i::::::::::::.: l
              i::. : .:.:.:::从     i´  ̄`i    /..:.:.}:.:. |     |:::::::::::.:. '.
            .|::.:.:{:.:.:.:/ ヽ    ヽ.__ ノ   .′.:/.:イ;′   {::::::::::::.:...ヽ
            .|::.:ハ..:.{   > .      . イl..:.:./:/ }′    :::::::::::::.:.:...'.
            '∨  ヽ|   ,. ィ´V^} ̄ ̄   {:.:./:廴        ';::::::::::.:.:.:...'.
                 ,..ィ:´|  || | , ー-、   /}ノ'"  xミ:..、   }::ト::::::::.:.:.. }

「……」

「あれ?」
「この野菜炒め 薄くカレー粉が入ってるんです だから少し牛乳を入れると ちょっとだけまろやかになって おいしくなるんですよ」

「ちょっと工夫でおいしくなるのに・・・ ここの配膳室で働けないかなぁ
そしたら みんなにおいしいご飯を食べてもらえるんだけど・・・」ガツガツ

「夢や希望を持つのは いいことだ」モシャモシャ

「明日殺されるかも知れない この空間で・・・ 正気を保つ 唯一の方法だ」

「それに・・・ 私もおいしいご飯が食べてみたい」

「……そうですよね」



「あの・・・ まだ 起きてますか?」

「どうしてぼくを 殺さないんですか?」

「ぼくを殺せば ここから自由になれますよ あなたは この世で一番強い魔女なんですよね?」


「私はね この研究所を この世から消し去りたいの」

「ここにいる人間は 研究をする為の大義名分があれば 何をしてもいいと思ってるのよ
私たちを人間扱いせずに・・・ どんな非人道的なことでも・・・」

「そしてこれからも 沢山の人を殺す だから 私が止めなくちゃいけない」

「でも 私がそれを理由にあなたを殺したら 結局 目的の為に手段を選ばないここの連中と同じだ
だからあなたを殺したりなんかしない 変なこと考えないで早く寝なさい」

「……そうですか」


「ぼくも 同じ事を考えていたんです」



「朝食と着替えだ 脱げ」

               i|||l::::ill:::/ .>i、:::i:::::::::|::、
                iliil:l|iilll  ハililiヘ:|;;;;;;i::::::i
                   ll:|:||:|||   ハliiillli> --|-'
              i|l||i:::ll    `ー´
                  |!:l::|:|
                :!!||:|i
             !lii l
                !i||
                  l|

         jヽ人し/
        ソ    て

ガッ「なっ!? うわっ!!」

                          i'"   ` ̄゛     /;;;;;;;;;;;;;;;;l,,,,,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;. !
                       }"              / ;;;;;;;;;;;;;レ''゙'';;/、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
      ._..'""'''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''゙´;;;ヽ           ゙Z-,,..x/゙\ ミ..!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}
 ./ -、〈´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.|        : : : .i/ン、 :,.!_,l;;;;ツ./ ;;;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.!
  l、  ゙/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i′    : : : : : : : /;;;;;;;;|゙..,,,,.y‐".;;;.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.;;;;; !
. r'"'!W、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,..、.i、;;;./ ''''''''^゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙li、    : : : : : : . l丶;;;;;l: : il./ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.l
 ヽ.   `゙''''-_;;;;;;;;l´∨ヽl;;.!        /.l,   : : : : : : : : ./;;;;;;;;;;.!: : /.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'l' !
 l゙       `'ー / . /ッ″          !;;;;;ゝ...,__: : : : /;;;;;;;;;;/: : .丁;;;;;;;;;;;;;;;;;;ii;;;;;;;;;;;;;;,,;;;;;;i,,l ″
 .゙,i xii_            / .l゙        │;;;;;;;;,i;/ . ゙̄l: ./;;;;;;;;;; !: : : .l;;;;;_、;;;;;;;.z/y'l/l;/.l,!゙i| l!‘
  .l              ! /             ,!;;;;、;/″   !,i";;;;;;;;;;i゛: : : l/.lジF'゛  ` .゛ .゛ .゛.゛
  ゙'-、、        レ゙             l;;;i゙′    ./゙;;;;;;;;.;./ : : : : ゙|.l゙
     ヽ       |              ∨    ./;;;;;..;.,i./ ________.ヽ
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     / : .,!      .|           ,,-'〃;;.;;./    ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.゙.!
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「フリストさん お願いします」

「外の世界には おいしい食べ物が沢山あります」

「ぼくはもう 作ってあげられないけど・・・ これで・・・」

                     _,.   ----- .._     \、   \ 、
        \、___     _,.   ´           `  、   ヽヽ  } }
         \ _ ̄ ̄                     ヽ  } } //
         /                               V/ //
       /  /                    ヽ      /
      /  /  /           ヽ ヽ    ヽ \    `ヽ
     /   :/  /          /    :i  i  :i   |  :!     :.
    /   /  /   / /   /  | |    |  |  |   ! :| |      i
    |   /   :/   / / /   /   :! !    |  |  | i |  ! !       :|
    | /|   i   /  :| :| :! |   ,| |   、_|  |  | | | :| |        |
    |/ |   |   |  | :| _」 レイ :! !   /_>j‐/j/ 」_ .| |        !
    |  :|   |   |  | :| |斗=ミ、ト、\ /j〃灯芋ミ刈 /|/      ;
      ヽ.  :!  :|  ヽ| V爪o::介 ヽV/  iし'o::::::ハV /        ,'
          \:!   !   | 个以_rり     _以_(⌒V´       ′
          \  |   |  | ゞ '´ r     ``‐=彳′      /
           \\   !  !                 /      /:/
            \|\| 人     ‐-      /    :/ /:/
                  |    `          / / / / /:/
                  |    |   >、  ,. イ / / //j/j/
                   ヽ   |  |/´  ̄ V/ /// : : : ∧
                 \  |\|     / /:/: : : : : : : ∧
                  \|  ヽ   /´:.:.:/: : : / ̄ ̄ ̄ヽ
                            /:.:.:/: : : /_,. -=≦ ̄ \
                             /:./: : : //:.:.:.:____ ヽ
                        /:/: : : //:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧
                         //: : / /:.:.:/:.:/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                          〃 //〉〉:.:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!
                     // 〈//:.:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|

「みんなに おいしい物を食べてもらえるなら 本望です……」
「やめろ!!」

       .l;;i′      /     .!;;/ .イ、;;;;;;;;;;;;;;./ |;;;;;; /         .r' /     ,イ゙ .,〃     ../; /
       .|/       ノ      .l;;; !  l;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ !;;./           ,,ilr'"     ,i'./        ,./ ,/ .,.
       :l゙                 | !  /;;;;;;;;;;;; /  /./         '″      .,l./        ,,ノン"  .フ;;
              _,,          !゙.,,.,i";;;;;;;;;,./  .iУ                             ,i'/ .,..r'";;;;;
   .i}′        / ;;,! .,      /;゙;;;;;;;;; /   .l″            ,ν         / /_..-'";;;;;;;;;;;;;;
   `           i";;;,/ /      /;;;;;;;;;;;;/                   il l′         _..-";;;;;;";;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,.
           l /  ."、    / ;;;;;;;;;;/               _    ,,i!!″     .,..r'";;;;;;;;;;;;;;;;;;.,,,r‐ー'″
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ドサッ


ビーーーッ ビーーーッ

「イニシャライザーによる 中和有効範囲が消失しました・・・」
「全く・・・ こんな筈じゃ なかったのに・・・」


「わかった・・・ あなたの命は 絶対無駄にしない・・・」

     /!              / ヽ !::.       ::::::::!   /|         ! :::::::ヘ
    /: !            /   ヘ !:::.        ::::::!   /:::|         .! :::::::::ヘ
.   /::: !  /         /      ヽ,:::.       ::::::!  /:::::|        .!  :::::::::ヘ
  /:::: ! .ハ         /        ヽ:.      ::::::!  / ::::!        .!  ,。 :::::::::ヘ
. /:::::: ! !::::|        /          :.      :::::!   / .:::::!      ./ッ'"  ::::_::;;ヘ
 /≡≡ .トェ|       ./,                 .::!   / .::::::!      ./" ,, ィキ''" ::::::ヘ
../   | ハ〒      /\ゝ 、             :!  / .::::::!      ム=''" .:|!:::   :::::}ハ
/    | |. {!::.|.     !ミュ,_,\ .ゝ 、      ヽ  i:.,::! /  .:::::!     ./::  ..::;|!:::   :::::}!:::!
.    |.|. {!::|      !: ::'テミェ,ゝ 、ヘ 、 _  ノ:..i.:ト:;! ./  .:::::::!     イ::::  :::::|!:::  .::::リ  .!
     |!.  {!::!    .!;; :::.}!  ゛”㍉,, -- '" ノ:::::::::ノ ハ、_ ,ム!     / {!::::  ::::|!:::  -=ニ   !
.     |.   =.!     |  ::::}!      ゛ミx、:::::::::::  //、:::::::::::/.!     /  {!::::  :::|':::  .::::/    !
        \,   .|  ::::リ        ヽ:::.. ´  /':::::::::::: '/,    /   乂::..  :::  .:.ン    !
㍉、       ヘ   |  .ン       ..:::::.    .:      /ィ   /     ゝ::__;; '"      !
  ㍉、      ヘ  |''"   ,,。 -==ヽ::::..          /   /‐-  ,,_             !
   ㍉,,、    ヘ  L - '' "   ..................ン      ....../  ./     ゛ '' ト 、,, __ ,,。r ''":!
!     ゛'===''"ヘ .|   .....::::::::::::::::::::::::  ィ       ./  /::::::::.....        ゜'' ''"   ::!   /
ヽ           \              ......::::::... / /   :::::::::::.........          ::!   /
                                〆                     ::!   /

こんな場所・・・ 全部粉々にぶち壊す!!

                                         |  |   / i
                                      |  |/   |
                                   l    ,、  |
                                   /    / |  |
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:;::.. l::.. ハ::../ヽ/!/'´、   ‐ 、` =- ' ´ /,:イ  ー =  ̄´ __ _|  |〃:| ./::.∟ト/ ./
l::../!::.i'´!:/´γ  ̄示テ = -= =ミ  、     , . -彡==示‐―テマ .l/ヽ/.`'、j:::..., / ./
i::.i::.',:.| ヘ {   .i 辷::・::rリ ヾ、  ヽ ヽ_/ ./´ ./´ .辷:・:::rリ i   !/  ノ ;::.. ;. ̄
';:.l::..ヽ!、 ∧ ゝ  ヽ ゞ ::_:ノ   '´   .l  _  l   ヽ ヾ::_ ::ノ ノ  / ./ j/ ./:::.. /:/
:.、!::... `、ヽ ヘ 、ー-`ニ   ´    .ノ/:::i ヽ ヽ _    ニ ´-‐ ' /i//i::.. /:/
::..`:::::.... ヽ ヽ   ̄  ̄  ̄  ̄ ̄   ..::::l  `  ̄  ̄   ̄  ̄ ̄   ム, ':::/:../:/
ヾ:::::::.....  >、            ...:::::l               /::::...///
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「なっ・・・ なんだこれは!?」
「……残念ね」

       |  .|  i‐  ./ .,i",..-'"______`'''ー- ..,,__.     ! ! ./ l  |  r-、   廴__ノ        __
    .,/  /  /  / .'!゙ / ´     _____ ゙゙̄''フ   _`-゙”   ! ! ,! .!  .|  廴ノ  __   ._..-'"゛
---'"゛  ./ / /  .,/,..-r     l   ./ / .,..‐'″     .| | l l .l゙.´     (__)_.. ‐'"
_____ -'"  //  / ./   !  f ̄`l ! ,/./  /___      l ,!l l゙ /      _r‐'"        ン-、
  ._,, ‐'''"´/″  / ./    l,  廴_ノ 彡'"  ¨´    .`''‐、、  ! .l! | .| ./ ̄⌒     _...i、.,i'⌒..l .l゙  .|
''"゛    /    ,ノ_,,..二,゙_ ゙̄''′ ._..-'"..,..-''lレ_____      `'-、ヽ. .l .! l      ., ‐、 /  .l |   .| 廴ノ
     ./  iリ ."″__,,___、  ゙゙゙̄_,.. -'彡-'"゛     `ゝ、   .て ̄  ヽ│| │ ,,=、,  .!  . l l.  l .ヽ__ノ
    /   / ゙‐''"゛      ゙̄,゙二-''"゙._.. ー''''''"゙^゙゙ ¬-..、 \   \   .ヘ.l.l .l .!  l  廴__ノ ゝ ノ
   /  ./  .ir‐'''' ̄ ̄ ̄ ̄     ―-、    厂 ̄ `'、 `'-、`'-..,゙l    .l!.l ヽ廴__l
 ./  / ,.. ー''″     .゙゙=ニ二二ニ=‐、 ヽ.  !     !    \      l,` `<
ノ゛./, / ´,,, -‐''''  ̄ ̄ '''''― ..,,__,゙"''i . l .\,\__/  . _,,.-ゝ_    ヽ  ヽ
ニ彡'゙,/″  r‐ '"´゙''-、  .r‐―ッ ./ . | .`'-..,_ `''''―''''"´   /  |    .ヽ  .ヽ           _rー''" ̄
" ./_./ 'l  /      .!  |._/./  ./     `'''-、 .‐''',゙./ /    !     .ヽ  l.        ./
./ /  ..l  |      . l  .゛./ /       ./  ゛  ./     l      ヽ  .l,       ./
. i_,   ヽ .ヽ、   . /   / . /  _..-ア   . /  .,..-'"´''┘    .l          l  l      ./
.,、  `゙'''ー!  . `゙゙''"_,, ‐´._..‐,゙ ー'" /    /   l r―┐      /     .、  .l  l.     !
 `゙''ー- ___ --ー'″  ┴'´   ,ノン'フ /.._..-'"゛ `一'"    ,i'‐ \   .|、 ヽ  !  l     l
――-----―ーニア     ._〟  .〃゛ ./ .,彡゛  __    r-、 ヽ l  ,!  (, ヽ .l  .!  .! .,, .、.|
      ._.. ‐',゙.    _イ'"  ,    / // ./._,,. .`゙''ー ., ー     ノ    ヽ .l..l  .l  ! ヽ,,〉.l
  _=ニ゙‐'ニr'" _..-'' /  .,iジ    ,i′./ l  / /   l   _  `'-.  .ヽ    .l . lll、 .l  .| iー-、 .|
.'“゙゙´ _..-'"._,, -'"゛,/゛ ., ツ゛  ./ ./  / .l゙ / l゙  │./  l  ._, `'-、 `― 、 ! `.l  .l .!.|__ゝ.!
...-'',゙.. -'"゛  ,..-'゛  _ ''ン゛  .,rリ ,i′ / l゙ / .`゙'〜" l゛  .! l゛ `'i  .`''-、.  !  .!  .|  ! .} ー'、 \
'"´    ,..r'"  _//   /,i"/  / / /     ゙゙'''ー" 廴_ノ /ヽ   | !  !  .} │ !  ,ノ   `''-..___
  ._..-'"   ,/゙./   / / ,i′ / │ .|                 / l   .! .l  .|  |  l .!.i'" .! .i冖j  .r―、 ,-
.-'"    / /   ./ .,/゙./   /  | ,!    .,i   , '7  .,  `'"/¨l !│  /  /   l. l.l  .l │ l  l  !.|
   .,..‐" .,/    ./  / ./    /   ! !   .ノ.!  ./ / ノ.l  ,iL .く_ノ./ !  /  ./  ,.|  lゝ
.,/´ . /     ./  / . /    !   .| !  ./ .| ./  / ./ │./ .|   l ! /  l   |.l ヽ,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  _/゛    ./   ./  /    . l   .! !  ./ レ"   l./   |./  ,!  / ./ /  .i′  l .l  `'ー _
/    .,/    ./  ./    !   .| ,! /  .゛   ,レ゙   |′ .!  ./ ./ ./  . l   l  l  .〔--   ̄ ̄ ̄ ̄

「この部屋の壁にはね 全面に無数のドラシルが 生きたまま埋め込まれているのよ
どちらにしろあなたは この部屋では魔法は使えないの イニシャライザーがいようといまいとね」

「でも 失敗だわ 本当なら あなたがイニシャライザーを殺さないといけなかったのよ

「お前・・・!!」

ガッ

「……なんで・・・!!」

「なんで こんな事をする必要があるんだ!!」
「なんで? それはもちろん・・・」

  又:.:.:.:.:.:.:.:.::.:又:.:.:.又:/     : : . .     :.\  :.\ : . : :
   又:.:.:.:.:.又 _:又::,イ/     : : . .: : : \   : :ヽ   :.ヘ : . . :
    又又‐¨´又:.:/. ,'       : : . : : : :ヽ    : ヘ    :.', : . :
        又:.:./ . i゙        . : : . : : :.ヘ   : : ',   :.} : . :
       ≠'''''7.  |         . : : . : : : .',  : _」  : l ; : :
.           ,'  |          . . : : : : ;才''゙´: :}  . :/ /レ:
          {   l      \     . . :,イ: :.} . _,/=≠ア/ノ: ;'
          |   ',  '、\ \   . : : : : l ;',イ  ┃-キ´//
.           {  .ヘ  ヘ  \ . \ . . : : : :|ハ ヤ ┃._リ/_,,ィ
             ',   ヽ  >一'ヘ` -`ニ_ :/::::::`'''¨~´  ̄   /
           ヘ  .ヽ `ー ,,_ ` -_,,_=-::::::::::         _x‐-
           \  ヽ  \_Xャ┃y::;:         ィ´_二ニ
             `ー、 `ー二ヽヘ≠ 〈.      ,イ   ´ャ≠¨
               ゙7 、ヽニ二´    、 _/:ソ     ゝ=
               ハ ヘl 、  _:. -、    ̄¨       r=''
                  { ヽヘミ /´  `ユ          /゙ー
               ゝ、`ー/  ,' ,イ./> .    _. :' : : r'
                 `>≠ミ、i_-ィ'´ ̄{    ̄ ¨ .ヘ ー=彡
                 ハ l  -≠   _,,ゝ _,,ノノ   }<:.:.:.:
                   { ヽ'、  ヽ_/_,,,二ニ=y-./":.:.>´,
                  ヽヽミ、_ r:.ニ¨-―='''7 〈 <-=''
                   lミ ー二{:.| : : : : : : :/:l`¨ヘ:.:\ : : :
                   ヽミ_7';.:', : : : : : ;':.:}:::::::::',ヽ:.:.`=-
                      i ヘ:.ヘ、: : : ;':.:}::::::::::::', :`: :<
                       / : ; ヽ:.ヽ、:{:.:.}:::::::::::::::', : : : :
                    / :./ : : : `'' 、_ノ:::::::::::::::::', : : :

「躾よ」



The Moon Is a Harsh Mistress

―――鬼かと。悪魔かと。

 サブタイトルの時点で、ロクな事にはならないだろうとは判り切ってた。「調教」の贄と捧げられた名も無きイニシャライザー少年(「新型」として完成するまでどう育って、魔女達とどう交流していたのだろう)が自殺する寸前ですら、彼の行動が小野寺の仕込みでない確証はどこにも無いとさえ思っていた(一方でフリストをワザと外界に解き放とうとする可能性を考えた)。「子犬作戦」というトラウマを刺激する単語も頭に浮かんだ。
……で、結局のところ無為に終わる自己犠牲、全てはフリストの心をへし折り屈服させる為だけに行われていると悟った時の絶望感たるや。鬼かと。悪魔かと。最初から実力行使でフリストを制圧できるというのに、ほんの僅かにも抵抗する意志を許す気は無い。それが高千穂の大願か、小野寺個人の企みのために必要なのかそれとも両方か……特に必要ないが彼女の「趣味」だとしたら本気でどうしようもねえ(はなから取り返しがつかない)。

 これからも今回のようなことが続けられたら、普通とてもじゃないが耐えられまい。宛がわれる者を敢えて遠ざけ嫌われても、根本的解決にはならない。部屋自体が魔法封じ(東京喰種のRc細胞壁っぽい……)である以上、同じ展開はもう無いとしても手を替え品を替え、「逆らえば“自分以外の誰か”が死ぬ」と刻み込んで抵抗できないように、壊す。あるいは、人形に変える。彼女が優しく真っ当な性格であればあるほど、効果的。何故ここまでしなければならないのか……そりゃ自分達が恨まれ叛逆されて当然の行いをしているからに他ならず。小野寺自身の嗜好も捨て切れまいが……というより、彼女も(研究員が改造されたor)魔女(から研究員に転身)であるならばそういう感情があった、はず? 今は踏み躙る側となって、されど上部組織に隠し事をして腹に一物……や や こ し い。


 そんな、こんなで。前回とは違った意味で真子さんとイチジクの関係を思わずにいれない(ああいった関係性を築けないからこその調教なのだろうが)。あとフレイヤもかな。土屋女史ともども、どうしてるのやらね。今にして思うと、研究所のありようからすると至極当然くさい小野寺のやりように対して、ウォッチャー黒服は奈波にしても瑞花にしても比較的易しかったのだな……そういや生きてるんだった。まあだからって、彼が目覚めたからって研究所の方針や魔女達の待遇が変化するわけもないが。橘姉ともども伏線が活きるのはいつになるかなって話。


一つは、ヴァルキュリアは躊躇無く人を殺す殺人狂であることが望ましいという可能性。少なくとも、前任の真子さんはそういう人でしたねwアレは当人の性格がアレなだけかとも思ったが、実はある程度、ヴィンガルフ側がヴァルキュリアに求めていた性格付けだった可能性な。死の女神であり、ニブルヘルの入り口と言われるヴァルキュリア、当然、躊躇なく、旧人類を駆逐出来る存在で無いと困るから。だから、とりあえず、人殺しの罪悪感を取り除くために、ああやって、見え見えの『コイツを殺せば脱出出来る』という状況に身を置いて観察し、殺せざるを得ない状況に持っていくのが目的だった。これがストレートに見た小野寺の『囚人調教』の狙い。

 んで、もう一つの可能性。これは、より救いがない答えなんだが、小野寺自身が魔女であるということの前歴ね?もし小野寺が、研究員から魔女に改造された存在ではなく、魔女としてある程度、組織に忠誠を尽くして成果を出し、その結果、研究員側の立場にたった、叩き上げの魔女だった場合の可能性な?つまりは『自分がかつてその身に受けた仕打ちを、純粋に強くなる魔女を生むためのプロセスと信じて実行しているケース』ですかねぇw

 彼が共鳴したのはフリストの『研究所をこの世から消す』という一点のみ。
そして、フリストが力を振るえないこと = 自分に原因があるからと思い込んでしまった。これが、最大の誤算なんだよね、新型くんにとっても、フリストにとっても、ある意味、小野寺にとってもか。分かり合っているようで、互いに求めているものが違っていた。フリストとしては、新型くんに生き延びて美味いめしを作ってもらいたかっただけだろうし、新型くんはフリストに正義を実行して欲しかっただけ。そして、小野寺にとっては、とっとと、欲望に流されて目の前の貧弱坊やを絞め殺してしまい、ダークサイドに転落して欲しかっただけというw実に皮肉な、この起こるべくして起きた悲劇というか。

 そして、フリストもフリストで内面描写が明らかになってきましたが、予想とは違って人間性がまともでちょっと安心しましたよ。ヴァルキュリアみたいに力に溺れて、傲慢で盲目的な魔女ではなく、こんな希望もへったくれもない場所でポジティブに考えることができる。「夢や希望を持つのはいいことだ」、ホントシンプルですけどいい台詞ですよ。


 相変わらずえげつないですねえ、小野寺所長。イニシャライザーが死ねば魔法を使えるということをいいことに、フリストにイニシャライザーを殺させて、手懐けるようとするなんて。しかも、壁にドラシルを使っているという発想が気持ち悪い。流石、小野寺所長。この悪役の鑑ともいえるえげつなさ、たまらんです。

フリストと新型イニシャライザー君のやりとりは、すごくほっこりするな!
ヘクセンヤクトのイニシャライザー君は、見た目は子供、中身は大人っぽいけど
新型は、新型だけあってか、本当に若いっぽくて、すごく良い子だし
フリストも健気というか、作中でも語られてるように
辛い環境の中でなんとか強く生きようとしてる姿がいい!若干男口調なのも!
あと「夢や希望を持つのはいいことだ」の表情がすごく好きなんだが!


後から考えると、たまに旨いご飯が出ることや、不味い飯も工夫次第で美味しく食べられることも
希望を与えておいて、その後の絶望との落差をでかくするための作戦じゃねーのかと
疑いたくなるくらい鬼畜の所業だな!(小野寺所長と、あと作者に対してw)

―――はたして次回、今回影も形も無かった天文台サイドに話は戻り……うん、全然心は休まらなかったよ。飯食ってるシーンはホンの少し和めたけど、かえってダメージ大きくした……ある意味良太と寧子のデートとポジネガ感。というより、あのイニシャライザー少年は勘違いを誘発せんばかりに良太似の顔立ちだと思うのだがどうか。間違っても事故死したことになってる実弟ではあるまいが。フフフ……こういう風に明後日へ妄想を膨らませている間は、バラバラになっていきそうな人間関係ギスギスを思って憂鬱にならずに済むのだ……orz

 名も知れぬまま退場を強いられた少年に冥福あれ。そして彼の献身が願いが、その死に憤る彼女の心が、折れて途切れてしまわないようにと。過酷で残酷なことを、祈らずにはいれない。