ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook（Ⅱ）

ＡよりＲへ。記録を継続する。（二冊目）

《陽の泉の探検/Sunspring Expedition》／岡本倫新連載『パラレルパラダイス』第１話

感想





夕暮れナンセンス　ネクサス:2017/03/18発売、週刊ヤングマガジン掲載『パラレルパラダイス』第1話　感想

異界への招待。 : 続・黒のノエル

「パラレルパラダイス」1話感想 | しょせん、吹き溜まりinスペース

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　　　　　　　　　　　　　　　 |::i　 i::i、 i::::!_j:::::::::::::::::::::i! i::::ﾘ　｛::::i!　　　　　　　　　エミール的な者に校舎から突き落とされて、
　　　　　　　　　　　　　　　 i:::i__ﾉ::::ﾞi_j::::::::::::::::::::::::::::ﾊ,.!:::i!　　!::}
　　　　　　　　　　　　　　　 j::::i_j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾞ>..,!::i　　　　　　　　　目が覚めるとそこは異世界でした（概略）。
　　　　　　　　　　　　　　ﾏ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾍ,,__ﾊ,
　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ｿ´¨´　　　　　　手始めに、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾍ:;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾑ,＿＿__
　　　　　　　　　　　　　　　　　 __,ﾑ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾘ¨¨¨´　　　　　　↓「絶対男に欲情したりしない！」聖騎士と
　　　　　　　　　　　　　　　 ＿冫:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｆ==i;:/
　　　　　　　　　　　　　　 ヾ;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i!|　 :ﾘ　　　　　　　　　　交　尾　をするのです（神託）。
　　　　　　　　　　　　　　.,......Ｙ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ.,._　　　　　　　　　ｳｺﾁｬﾇﾌﾟｺﾛ
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―――フォークかナックルを予想していたら意外やストレート（に異世界トリップ）、が豪速球で投げ込まれたかの如し（強制欲情という名の対人エロチート）。

　落下したらファンタジー異世界、には（男に免疫のない）女しかいなかった！　さながら逆「セイバーマリオネットJ」、また「ヴァンドレッド」の惑星メジェール、最近では「終末のハーレム」。あるいは「幻奏戦記RuLiLuRa」はたまた「恋姫無双」「DOG DAYS」「アーク・ブラッド」「異世界の聖機師物語」エトセトラ。要素的には「ゼロの使い魔」や「召喚教師リアルバウトハイスクール」に「デビル１７」、あとそこはかとなく「VS騎士ラムネ＆40炎」「スカイ・ワールド」疑惑……「ようこそ女たちの王国へ」というのがハヤカワ文庫SFで訳されていてだな……あと「ながされて藍蘭島」とかも。連想ゲームにキリなし。

　と、思いつくままに色々あげてはみたが、当然ながら初っ端からそのいずれでもない方向へと。（明らかに裏のありそうな父親に言われて柔剣道鍛えてた主人公が珍しくも物理で活躍したとはいえ）初手で欲情の泉がダラダラビュルビュルで神様がウコチャヌプコロ交尾GOサインとは……「岡本倫が描く異世界ファンタジー」に「きみだら」テイストが混ざって強烈。そういえば自制心云々にも神様が関わってましたね「きみだら」。極黒でも「お前が新人類のアダムだ」って仰る神祇官が父親だったり。そして交尾や交尾！　と盛んに迫ってた娘のことも思い出さずにいれない。そっちは皆で、仲良くな！　閑話休題。


……さて、さしあたり気になる点は主に四つ。

  • ①何千年も女だけでどう繁殖しているのか？　クローンか魔法的な物か、それとも繁殖をしていなかったのか？（≒五分前仮説or長命種）
  • ②シーザー「王国」ならば必然的に女王であろうが、如何な人物か（百合の予感というか期待）？
  • ③食べてもマズイ鳥の神ことジーニアスは何故地球の存在を知っているのか。
  • ④この状況を予見していたかもしれない陽太の父親（ゲーム製作業）は「異世界」に関わっているか否か。
  • ⑤男は居ない。だが男を敵視するに足る存在は居る。「カル」とは何か、雄だけの種族？　ガロウ・ラン？

　うむ。見事に目の前の据え膳どうこうについては深く考えていないな。なるようになりやがれとしか。ただまあ、ヤングマガジンに移籍して轡を並べる作品群がヤングジャンプの頃にもましてエグめというかエロめ（な気がする）ことも考えるといつまでも清い体でいられるかとも。初対面の相手にいきなり手を握って泉ダバーを爆笑できる性格も考えると受け身の期間は案外短いかもしれない。その一方で、

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　　　 ,' / r'─rｧ ヽ_　　　 ﾄ､､　 /:::::/　　　/￣}`Tﾆl､ |
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　　　/　,.ィﾞ,-､＼＼　 ￣　 ＼ﾎ／　ヽ　　｀＞',ィﾆヽ 　ﾞ､
　 　 |／／　　＼＼!ヽ　　　　 ＼　　　　,イ／／`ヽ. ＼ !

　気になる幼馴染の存在が最初に提示されたからには、何かしらの意味があるはず。地球側でも話が進行したり、彼女との過去の思い出が回想されたり。また異世界トリップに憑き物な帰るの帰らないの帰れないの（最終的に行き来が可能になる場合もあるにせよ）問題の分岐要素……と見せて、

　P19も見るに、仁科嬢の対面で箸握ってたのは女子か男子かちと判別しにくい。制服のデザインは大体同じで胸元がネクタイかリボンかで区別したいが、映ってるコマだとハッキリどちらだとつかない。また其処に居たのが女子であろうと、ことフィクションにあっても「兄妹のように育った幼馴染」がヒロインとは必ずしもイコールで繋がるものでもない。むしろ下手に近しい分、「彼女に好きな男性ができて恋の相談を受ける」シチュすら起こり得るかもしれない。現在は「仲良くなんかない」との否定が事実であればそこまで胸が痛くはならなかったかもだが……落下中に未練が湧くような相手である以上、回想シーンはそれなりに発生しそうである。エルフェンリートのコウタ、ノノノノのノノ、極黒の良太と並べて考えるに一見「喪失」を経験してないように見えるけれど、今後それが覆る可能性はあるし（コウタの記憶閉鎖が明らかになったのは割と後半）……「生きてはいても手が届かなくなった」という線は片恋でもそうでなくても残る。あと別の物を喪失しそうな気配が濃厚だよ！

　逆に、この辺の憶測がまるまる無為であったとしても、地球側と異世界側の時間的空間的な隔たりがどれほどでもバランスは取りにくい……もしくは寡聞にしてほとんど取られない。それでいて前作極黒の恋愛面においてはメインヒロイン一人勝ち、とならなかった風でもあるし……「美少女てんこ盛り」と言うからには聖騎士ユーミ以外にも何人も（現生人類が全員女性であるなら尚更に）……陽太をめぐる均衡が発生するならその内側でが自然だよなあと。「遠い」というのはそれだけで出番上不利である。極黒の「遠い所にいる」と思い込んでいるが実は間近にいる、は人間関係上・話の構成上なかなか面倒臭妄想のし甲斐があったけどもね。

―――はたして大雑把にまとめるに、人間関係ラブコメ面・舞台背景SF面ともに『極黒のブリュンヒルデ』に劣らず推量憶測想像が捗って楽しい、これからも楽しみですね、と。惜しむらくはこの引きで……翌週月曜が祝日につき土曜発売、の故に、次号までのインターバルがわずかに長く焦らし感ただようということ。まあ、それもまた期待感の裏返しということでひとつ。かくて、次なる説話を、待つのです……嗚呼、なんとも懐かしい。こんな風に思ったことを（整合性読み易さを投げ捨てて）書き散らしながら更に思いついては付け足してる間、物語のことで頭の中がいっぱいになる感覚。読み手の幸い、ファンの幸い、感想書きの幸い。

　ありがとう。帰ってきてくれて。また、よろしく。