ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《突撃の地鳴り/Seismic Assault》/漫画『戦闘破壊学園ダンゲロス』第11話

―――いざやいざ、会敵せり。

 月刊ヤングマガジン掲載『戦闘破壊学園ダンゲロス』、第1巻の直ぐ続き続き続きの、更に続きの続きで第11話。準備回に準備回を重ねて、ついに激突、激突、激突……の直前。今しも交戦状態に入ろうかという寸止め。最早「引き」というか、「引きずり」ではないかとすら思えてくる。
 次話は前と同じく単行本収録分の直後になると思われるが、2巻まるまる準備回および回想話というのも何か凄い構成。まあメインは邪賢王ちゃん光臨に違いなかろうが。


「夜夢・・・・このバカたれが・・・・
じゃが おどれの死・・無駄にはせんぞ・・・・!」


  • 夜夢の眼球のもう片方は邪賢王ちゃんの手に。グラウンドに弾痕メッセージ、焼き付けられた3人目の「転校生」の姿
  • 自身と触れる者をステルス化する【I.Z.K.】と生ゴミからハーレーを作る【アメリカンチョッパー】による集団強襲作戦
  • 生徒会室へ唯一繋がる3階渡り廊下の東側を邪賢王ちゃん、西側を白金の部隊が同時襲撃
  • 友釣香魚の【災玉】を出す以上前線は相手も武闘派女子のみ。それを女性化した総力で突破した後、「第二の切り札」をもって生徒会室に籠城するド正義らを全滅させ終結とする算段
  • 亡き夜夢が香魚の情報を提供した際の条件。彼女を出来る限り無傷で捕える由
  • 「転校生」との戦いに備え両性院男女はグルグル眼鏡の鏡子先輩と留守番

「学園総死刑化計画」を完成させ・・・・
「“魔人”のための国」をつくる・・・・!
そのために「生徒会」役員の誰一人としてッ この戦いでこれ以上失うつもりは一切ない・・!!」

「一人の犠牲も出すことなく
ハルマゲドン・・勝たせてもらう・・・・!!」


  • 女性化による【災玉】無効化を察知した上で布陣を変更。前線に香魚を出さず、西側に範馬♂を配置。東側は生徒会最強剣士・一刀両断(いとりたち)が守る。また階段に何ぞ仕掛けアリ
  • 生徒会幹部4名が鏡子先輩が守る番長小屋へと別働隊が走る
  • 森の高木の天辺で「丁度いい目を持つ子」を捜す男子の存在。視覚を共有する諜報能力?

―――はたして奇襲を狙った筈が、若干機先を制される結果となった番長グループ。視覚的魅せ場は人数分用意されたハーレーで出陣していく邪賢王ちゃん達、渡り廊下の対魔人隔壁をぶった斬り突破する白金にある一方、情報戦では生徒会に先んじられている感強し。双方とも相手の人員・能力をそれなりに把握している以上、あとは相性を鑑みて適切な配置をすることが肝要だろうが、そこで一つ不利というか、得たと思った有利が消えたこと。また女性化によるパワーダウンのディスアドバンテージ。白金の前に立ち塞がる【ミスバスター】範馬は明らかにパワーファイターであるし、懸念せずにはいれない。

 他方、番長グループ側にも更なる隠し玉と思しき「第二の切り札」、また「邪賢王より厄介」という事で別働隊に狙われる鏡子の存在。先の後を取られかけている現状でも、一筋縄でいかせる番長グループではない―――だのに一人の犠牲も出さず勝利し、その先にある目的へ突き進もうとするド正義には、未だ秘めた策があるのだろうか。対して邪賢王ちゃん達、ハルマゲドンに勝利し転校生から天音沙希を助ける事に命を賭すと約束した“彼女達”は、その策を打ち破ることができるだろうか。はたまた、両勢力の殲滅を依頼された転校生が何時何処で介入してくるか。月1ペースで話が進行しないと頭が働かず感想も変わりばえしないなあ()


……1巻を読み返してみるとだ。ラストカットで名前の出た“ユキミ先輩”とは「転校生」の一人と思われ、即ち人使いが荒いとボヤく黒髪は夜夢・リンドウをいとも容易く破った【木曜スペシャル】ムーと類推され―――畢竟、両性院が感じる嫌な予感とは、番長小屋を襲う生徒会別働隊ではなく、それを迎える鏡子の能力でもなく、間近に迫る「転校生」の乱入の気配にあるのではと。しかもムーの姿を知っているのは番長小屋を出発して夜夢のダイイングメッセージを見た部隊であり、留守を預かる二人は彼の存在自体を知らない。残りの「転校生」二名もどう動いてくるやら。

 血沸き肉躍り、刹那に生命をやりとる魔人同士の闘争が今度こそ始まろうかというのに、極めて不穏で不吉。否、そもそも平穏など、吉などなかった。むしろ夜夢とリンドウが尋常に決闘してた方が異常なのかもしれない。さてもさても、また来月ッ。