《致命傷/Mortal Wound》/『極黒のブリュンヒルデ』第71話
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前回の粗筋
, ,. , , ,ィィ i /ノルイイ////イ//ヒ ト、iヽ、|∨(∨川///イル//レ ト、_ヾヾヾ\ \ V川リ//M//ノヘイ ヾヾミミー、\\ヾヾ川レルw// ノ::::::::| / ̄ ̄ ̄ ミミヾ、ー、ミヾヾ\ルリノ'´,.,.,.rイ::::;:-‐-、 | ま も お ミミミミヾヾヾヾミミヾリィイ" イレ' _ニi ) ) | だ し ま \ミミ=ニ三ミー''^^`′ くr'三_ヽイヽ |. か え ヾ;::::::::::>;;:: |::: ヽ,.-'"´__〉ノノ r、 | <. し ト、7 /| _|::. /,.:;:rジ人 \ヾ_! i | て | 、!`,ィ7と_二_ー (i、 ̄ヽ、〈ヾ、介、ヽ| \___ ゙iゝヘ :::ゞニ´イ::ヽ ゙ ヾ::⌒ヾv'ヾ| |'∧ /\ . ヾ:::∧/ フ i i:::::::l ゙ ∧'i lノ l l l Ki \ !りヾく_l l i:::::::l ,') |V∨!:∧ ! (ゝ‐イ . ヾ::::ヾ::i i/::::::::ゝイ´_ ∧∨ヾ::::l '! \ヾ、 ゙!::::ヾ、ト、i ::::r=ニノ.人 レ'|ヽ ヾ::l ヽー‐‐┴- |::ii:::::\∨ヾゝ‐''´ ∨ ト ヽ !i \ _________ノ:::!i::::iヾ::\, l、 /i |::ヽ ! ,) ト `r=、 な 思 死 自\| i i i:ヽ `''ー-‐''´ | |:: ∧! / ト、\ヽ_::> い .っ な 分 | ∨ ヾ:i ヾ::::: | | l/ 人 l::\ ̄_ か て な が |人∨∧、) \: ! レ'´,.-'::::::ヽゞ- ̄''フ ね る い ,|'ー 、,_ゞン__\ ,/ ヾ--‐''"´ | ? ん と |  ̄ \ヾ/ , _ノ じ で |,. - 、,_( ヾ:シ / / ̄/ ゃ も /
―――引いて合併1週飛び更に引いて休載1週飛び、かくして3連打。かつ状況は現在進行形(推定)、まっこと鬼かとドSかと(約束)。第6巻表紙を飾るは他に候補が居ないのか主人公と相成り、されど今回が収録される推定8巻あたりより、「今このタイミング」がある意味尤もらしい気がしなくも無い。はたして1巻1人のペースだと次巻次々巻の候補は登場順に(クロネコ)・(結花)・真子・初菜であるし?
嗚呼まったく。重ねて言おう、襲ってきた方が悩まないで済むと言ったな、あれは嘘だ。いや本当に。
全ては必然か否か
「1107番と7620番を捕縛 残りはここでイジェクトしドラシルを回収する」
「ねぇ 1107番ちゃんといたでしょ? 私を褒めて?」ギュッ「1107番鷹鳥小鳥と7620番黒羽寧子はこちらへ来い 他の連中は奥へ下がれ」
「……」『従っても従わなくても殺すんでしょ? だったらあんたらの言う事になんて誰が聞くもんですか』
「バカね 逆らったらあんたたちに地獄の苦しみを与えて殺す でも言うとおりにすれば楽に殺してあげる」
「……もうあかん もう無理や」「小鳥 寧子・・・行き ひょっとしたらあんたらは殺されんかもしれんのや 逆らってもいいことない 殺される上に苦しみながら死にたくないわ」ザッ
「村上!」
「あなたに話がある」
「……お前が魔女達に入れ知恵をしていた高校生か」「!?」*1「おれは殺さないでくれぇ!!」ガバッ
「おれは関係ないんだ!! ただこいつらがかわいそうだと思ったからちょっと手助けしただけで!! おれを殺さないでくれ!!」「……なにこいつ?」
「!?」(初菜ちゃん……!!)
「全く私もお人好しよね 逃げちゃえばいいのに・・・ でもヴァルキュリアをハングアップさえすれば・・・あとはこっちの人数でなんとか・・・」一か八か
「!?」ダン「ちょっ……」
「なにこれ……どこを押せばいいの!?」ドン「初菜ちゃん!!」
「……くっそー・・・」ゼーッゼーッ
「なんなのあんた? こないだ殺したはずなのに・・・」*2
「こいつはイジェクトしない限り死なない」
「だったらイジェクトしていい?」
「このまま苦しませておけ」
「……この・・・」
「初菜・・・大丈夫か? ありがとう・・・逃げずに助けに来てくれるなんて・・・」
「ねぇ千怜 こいつは殺していい?」
「もう少し待て」
(……チサト? つい最近その名前を見たぞ? 一体どこで・・・)「なぜだ? なぜお前は彼女たちを殺さなきゃいけないんだ?
タダでさえ不幸な彼女たちから・・・なぜ命まで奪おうとするんだ? 別に彼女たちはあんた達を糾弾しているわけでもない 何か妨害しようとしているわけでもない
ただ生きたいだけなんだ なぜそれさえ許さない?」「生かしておく理由がないからだ」
「例え今 お前達に刃向かう意思がなくても 生きているだけで我々に潜在的な脅威は残る その脅威を放置する理由などない」「……」
「そんなの全部・・・あんたの都合じゃないか! そんなことで命を奪われる魔法使いたちの気持ちを考えたことはあるのか!?」
「……あるわけがない お前は虫を殺す度にいちいち逆の立場で考えるのか?」「意識していようがいまいが全ての生命には立場がある 殺す側と殺される側だ お前が自分の都合で虫を殺すときに呵責を感じないように 私は魔女達を殺す事に何の憐憫も持たない お前達と私は立場が違うからだ」
「話が全然違う!! 同じ人間同士だ!!」
「人間ならみな同じ立場とでも言うつもりか? 人間の命はみな等しくて尊くて人間以外の命はそれに劣るということか? お前は本質をわかっていない」「尊いのは自分自身の命だけだ それ以外の命は全てそれに劣る」*3
「……違う」
「……それさえ認められないのなら これ以上話しても無駄だ」「ヴァルキュリア 1107番と7620番以外は殺していい」「!?」「了解」
「ダメー!!」「きゃっ!!」ドゴン「わーっ!!」
「みんな!! 今のうちに逃げてください!!」ガッ「小鳥!!」
「調子に乗るな 殺さないと言っただけで無事にとは言っていない」「うっ・・・」ボンッ
「小鳥ちゃんを離せ!!」「……」
「目障りだ 7620番も殺していい」「!?」
「でも寧子は・・・!!」
「出来ればサンプルとして生きたまま回収するつもりだったが 抵抗するなら必要ない 殺していい」
「でも……」「何度も言わせるな」
「……寧子…… ごめん」「お願い!! もう帰って!!」「ごめん」
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「お前なんかと・・・ 一緒にするな・・・」
「俺にはあるんだ・・・ 自分よりも・・・大切な命が・・・」
今、そこにいる彼女
そして犬良氏のTweetに気づき、最終頁二度見て三度見て四度見て―――ッ!!??!!?
何故、今、其処に、君が映っているのか(驚愕)。
忘れられてはいなかったものの、危機が迫ったり困る度に方々で再登場が願われども叶わず。しかし今、間借りした宿主が掛け値無しに死に瀕する時に……げに恐るべきは、柱文でも頁下予告でも全く触れられる事無くたった1コマ映り込んでいるだけなのに意味不明不可解加減で気づいた瞬間惑乱極まるほどの存在感(あるいは違和感)。
前提条件。彼女は自身の【操憶】魔法と良太の【ライトワンス】体質特性を利用し、死の間際に最期の力でもって己の人格を良太の記憶領域にダウンロードした存在である。当然良太以外には彼女は視えない正しく
(たぶん・・・ また出てくるから)
実際そう言い残したのは確かだが。何故今まで、何故今になって……と最高に不意打ち加減。今回の状況は良太の行動もイチジクの姿勢も、また初菜の行動もこれまで開示されていた情報から順当に? 推移した結果と言えなくもなく、其処に伏せられた不確定要素(寧子の真の力/佳奈の因果/小鳥のグラーネなど)が絡む事無く……しかし最後の最後(まだ状況は終了していないが)で表向いたまま放置されてたカードが。それが現状を打破し得るものかと言えば実は全くそうではなく*4、次回以降は伏せ要素伏線に期待する他ないように思われるのだが……「今其処に彼女が居る事が無意味である筈が無い」と信頼というか何と言うべきか。作劇的に当然そうあるべきで、且つあの岡本倫がこの極黒でやる以上は、と。これから何が起こるのか、はたまた現状そのものが彼女が認識しているだけの記憶に過ぎないのか。それは過去なのか未来なのか。さっぱり読めないにも程があるのはいつものこと(投げっ放し)。
そう、本当にいつものことだった。「順当に推移」などと言いながらも、想像以上のイチジクの人格破綻*5ぶりも、いざ危機が眼前に迫った際の良太の行動も予想できてたとは言い難い。ことに後者は、「一人の犠牲も無しに本章を終えられはしないかも」と考えつつもそれが良太になる可能性を無意識に外していた。あの場面で彼が彼女を刺し殺す未来が確定しているのならば、てな予断は否定できない。だがそらそうだ、助けられる状況で良太が寧子を助けないわけがない。おまけに寧子はクロネコだと「気づいた」ばかりだ。そうでなくても寧子の為に死ぬ覚悟なんて疾うに出来てたし、寧子以外の為でも彼がそうすることは言行両面で何度も示されてきた。単に鉄火場から距離を置く期間が長かっただけで、いつでもそうなる下地は用意されてた。
そもそも村上良太という人間自体が(ともすれば魔女達並に)何者だという話で、背景やら伏線やらあれこれを穿てば彼は既に一度ならず死んでいる人間かもしれないとさえ。沙織戦の時に殺されたのが無かった事にされたのはまた別の話として、次回以降の展開如何では彼自身「人間ではない」かも……あれ、前に似たような事を書いてなかったか。何話頃だか、そんなに前じゃなく。
―――ともあれかくまれ、「自分の命が全てに優先する」という主義に対し「自分の命より大切なものがある」と身をもって主張せり。自己犠牲精神あふれる脱走魔女達の世話に苦労してきて、幼馴染を死なせたというトラウマを抱えながら此処まで来て。
どちらが「人間的」と、「人間らしい」と言えようか。その時々で人それぞれでどちらにも傾きうるのが「人間性」じゃあないかと、あるいは両方ともが両方を含むのが「人間の性」かと。そう見ると極端に傾いている男二人と少女達は人間らしからぬのか。それも肯きにくいところではあったり。人間性が壊れていても、人間である事には変わりない。だからどうしたどうなるって話でもなく、散文徒然。一先ず幕。
*1:階下入り口に初菜が潜んでいるのに気づいてと推察。一端対話から制圧作戦に切り替え土下座で注意を逸らし隙を作らせようとしたものと。
*2:ここらから推し量れるのは、まず彼女自身は【再生】を有してはおらずまた【魔女探知】も例えばドラゴンレーダーほど精密に同胞反応を各個識別していないか、常時発動していないということ。また同様に【反物質】炸裂の余波から身を守った以上持っている筈の自己防御の類も自動的・常時発動されてはおらず、エルフェンリートにおけるディクロニウスらと同程度には隙が存在しているということ。うなじを見せないようにしていた事が界隈の悪い予見ニアピンで特別製ハーネストで逆転の芽を潰している反面、彼女でさえも完全無欠の存在には「していない」のか「できない」のか。仮に可能としてもイチジクがそうする事は無いだろうとは今回から明ら、か?
*3:「命の解明」の為にこの世全ての生命を犠牲にしても構わない、その中に自分の死をも計算の内に入れているかもという事実は結局無かった。つまりは自分の眼で確かめたいという事か。一種『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』の敵方を想起させるエゴイスティック加減。それに抗する良太の言動からしても。
*4:少なくても物理的戦闘力で圧倒された状況を覆してくれる札ではない。【操憶】は極めて強力な対人制圧手段だったが、それを持つのは良太ではない。良太は入力され保存する器であり出力器官を持たない内部読み出しオンリー、しかも情報は断片的で自由に呼び出せなかった。
*5:以前小五郎が口にしていたとおりではあったかもしれない。ただ理知的に対話が可能という事と和解協力できるのとは別問題というだけで。