ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《殺し/Snuff Out》/『極黒のブリュンヒルデ』第87話

(前回感想はこちら)

(第1〜3話の無料閲覧はこちら) (アニメ公式サイト)


天からふりそそぐものが 世界を滅ぼす




前回の粗筋 に非ず

                ゞ、_                /⌒ヽ
               r\`ヾ`ー-:::::-――-:.....,,,_   |i   ' ,
               / ,,.>''´:::::::::::::::::::::::::::::::::: `ヽ  |i.     \
                  /,イ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽli       \
                 ,イ/::://:::::::::::::::::::,,.. -‐t;;`''7:::::::::::li    ハ    `ヽ__,..,、_
            ///,イ:::/:::::/,イ´     ヾ/::::::::::::|i     ',    ヽ.\r'´ ̄`ヽ_
              /  ,イ//,イ/,jt7ーt-..,,_   ///,::::::::リ   、   .ゞ,   .\l、,.\     \
          ,イ  / ,イ´/,イー ' (〈  `'t.、`'ーイ/,ィ゙:::::::/  i、  ヘ  ハ\   ハ`ヽ|     ヽ
            /  ,/ソ.,,ィ´l、`   \_`>´,>_ノ::::::::::::/i l、 ヘ ハ   .', |.\   ヽ_`       }
         /  // ,ソ| ハ }\_,  ,,..=ニ彡::::::::::_ノ } ノ ', | .ヽ|   ',|、 , \  ハr=、     ノ
          / / //_, |./ l `¨´   _,,.>'´ ̄ ̄`ヽレYl/`'ヘ|、 ||!ヽ   | ',.| ヽ|\  ',;;;;;〉,,ッ、_}
        /´   ´/  .|!  ーt<ゝァ'´         \|;;;;;;;;;| ',リ;;、;;>、 | ヽ,r 、,,;;\ノッ;;{_)゚Y
           / ,,,;;;;;_;_,,ノ,ソ};;;;/           ','''';;;、;;;;;;;;;;;ヽノヽ /,イァvェ、_;;;ヽ|;''、;;ノ
         / ,,;;;;;;;;;;;>、,\/ノ,,ィ/    /,)         ',,,;;' ';;;';;;;;;'';;;, /,ィ/´゙゙'ヽ/ / /
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         ./ ,;;;;;;;;〉ッュ,/     .{  〃 、⌒ヾ          }、   ,;;' ;;;;;;;;;;;;,,,,,_ /ノ r'              ,,,...,,,
         { ,;;;;/ ヾノ      l〉ヘ(、/\     人  j ',   '' ,;;;;;;;,r―-='_/             ノ´)三、`ヽ
          jr='   /      ,ハ /゙   ∧     '⌒ヽ / }    /;;;r'´               _,r===ミー-=ニ三{
       j〉`゙''=,,ノ       ,,;;;;;;;∨ 、 ,ノ/ ヽ      j゙  i!   /;;;;;ハ                 /ー-、  ー'}ニ三,,_〈
     _,/  `7゙    ,,;;;;;;;;;;;;;;;ノ{  Y.ノ   \   ,/   ∨´;;;;;;;;;;;;;}                 }ー-ニ三彡,}三ニ=ー-}r==ミ、
     {;;,,,,.    { 入  ,,;;;;;;;;;;;;;;;;/ |  "      ヘ\_ノ  ,r===ミ、;;;;;;;;;{                    〉ー-=,_ミノ二ニ=- |三ニ-}
     .〉'''';;;;;;;,,,,j" ヾ;,,;;;;;;;;;;;;;;;;/ ,イ  , ,r'ヽ、    ) ,r=、 ノミ=,,_  .};;;;;;;;ハ                  ノニ=- ´⌒{三三ニ=-,〉ー'´〈
    _/   `7´  〉;;;;;;;;;;;;/ ,イ;;j  /   \  //   j三ニ=-=ニ};;;;;;;;;;}              }ニ=ー-,,__,ノ二ニ,,_ _ノ}´ ̄'ミ}
   く,,,,._   /   ,,;;;;;;;;;;;;/ ,イ;;;;〈 /      \ノ、  _ノー-,,_ 二/;;;;;;;;/             〈ー-ニ三三}⌒ >= -{ー-,〈
   /`゙゙;;;;;;;,/  ,,;;;;;;;;;;/ ,イ;;;;;;;;;;;∨    ノ( _,,. -‐-〈ミ=ー-,,, _ノj;;;;;;;;;{                 ノ-(三ニ=-{ニ二<´⌒ミ{=ニ三}、
  ,/    j  ,,;;;;;;,イ{  ,イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}⌒ ,.._,r'´    /`ー-=ニ-/ー-、;;;;;;ヽ_            {、_`ー-=,__リ}ー--==ニミ}三ニ-,,}
/;,,_   / ,,;;;;;;/  ,>,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/  ,r//      i゙`ー-ニ三{   `'''ー、}             r{ミ=,,,_二三ノ,}三二ニ=-,,〉ニ三,〈、
ヾ;;'''';;;;;;;,/ ,,;;;;;;;;;}、 ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ /{ { {     /`ヾ=ー-‐´}      ヽ、           _ノハ、`ー=彡リ {=ニ三彡巛)三ニ=-,〉
/     j  ;;;;;;;/\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}/  ', `ー-、  ヽー-=‐''´/7t、       ヽ        ,r=jハヘ `ー-=三,j r}-=ニ二三={=<三ミ}

―――アニメ公式が更新され良太+4人のデザ公開、されどキャストは明らかにならず。佳奈の「立ち姿」というのは貴重に感じ、またカズミの見せ場やら小鳥の去就結末に関しても、思うこと一頻り。極黒読者諸兄、まっこと遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。

 実際問題としてアニメが1クールだろうと2クールだろうと描き切るに足りる筈も無く、4月頃の本編がどうなっているかなんて「終わりの始まりの終わり」真に取り返しのつかない決断腸で連続合併号引きという現状から想像もつかない。一方翻ってこの現状、何か違えば本当に世界が終わっていたかも知れず、その場合あまりに多くの者物モノ伏線謎が置き去りにされたこと必至。そこからこじつけて型月式マルチエンディング周回路線を願わずにいれないほどに……否、そうでなくても切に願うだろう。きっと無理なのだと薄々感じながらも。

 ああ! 昨日を呼び戻せ、時よ戻れ。

 最早無かった事にはならない出来ないとしても、たとえ巻き戻せても根本的な解決法が見当たらなくとも。それはひとえに覚悟が無いということで、受け止め切れてないということで―――背負うことから逃避しているということで。俺で慣れておけとか、無理だったこの消化不良。


Ain Soph Aur

「鷹鳥小鳥を殺すか 人類を滅ぼすか どちらでも 好きにしていい」ビュルビュル

「私にはもう・・・ こんな世界に何の未練もない」「……お前…… 何を言っているんだ?」
「誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!!」
「村上さん・・・」

「お願いです・・・もう体が動きません・・・ 私を イジェクトしてください・・・」ゴポゴポッ
「お願い・・・です・・・」「小鳥・・・」

キィイイイイイイ
「あああああ!! ダメ!!」
「なっ・・・!?」

「ダメ……!! 私から離れてください!!」

                      !L
                      l l
                 、    l ..l
                  リ、   l  l  |.l
                  }ヽ. i、.!  . l ! l
                   ! ヽ.|゙i}  .l│ !
                   |  .゙'! ″  ...ll .l _
                   !       ″ .l ,!|
       _ィ'⌒゙''ー-、,,_      l            l,! .l
_,,. r‐'''"~         ̄`''ヽ、,│        ″ .!
:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :. :. :. :. :. :. : :、      !           l ..:    . ...  ...
:.:.::::::.:.:.::.:.:.:.::.:.:.:. :. _,,.ィ〜゙lヽ,  、  .!              !  .!l   ..:        . ..
´~ ̄~~"^´ ̄~゙^´   _,,,.l,.\ 'ト、 .l              l l .l            _,,. -ー'''
 .... . .. :...  -─-= 二、..,,_l. ..ヽ l'、 .l              l ! !..     -='、'゙´:.::.:.:.:.:.:.:..:.:
...  ...         l、   l.  ヽ l.ヽ|           ネ .!./|        ~`"゙''ー- 、
. :;:;'r-=´へ  .. ... .. .゙ぐ、,  .ヽ  .゙'レ'l|                |" l
/ / '::... `:.\、    ヽ \ ヽ  ゛               l .、. .. ..   ..:    . .
.::"/::..`._ ;'".へ'´`yヽ√´ヽ \ ヽ                / /lゝ . : .:,ハ. .. ..   .. : :
 "`''''''ー――-´--------ヽ  \'、    .. /⌒i           |./ l  ,iリ,フ;:,'ゝ------‐―
   . : ..: .:. 、,、w..:、,、、,、wヽ,  .\、_,,..、 .|  / ,..-、     ″ ! ,i'゙/ フ.:;ilゞ,ハ.:.....:.,ヘ..::::
,、,、,、wリ゙W゛jリwj从リj"W゙リwリ゙W\  .゙ l   l | /´ l,、_ノ ,        l゙./ ./ヘ;;ハバゝ;>.:,ハ';'ヽ、
 从;: `:、リ゙W゛jリw''、`'.、,:`:,,‐'゛\ヽ,  |  i' '´_,,、           ド  !ノハil;:ヽゝ ノハil;:ヽゝ
`wリ゙W゛jリwj从リj`'.、-='´  _,ywj\' !、 .|  し''´ 」           !  ,, ノノ ノ'ノ,'ハハゝ
.wj从リj`'.、 ,:,-‐'゛,,vw-‐W゛w从 Wヾ'!l|  ,,.-''´  .         l .,/ !ハ';'ヽ..::...,ヘ、ハ.:;>
 ̄~^ ̄^ ̄ ̄~`^゙'、,゛jリw :;.:".:;.:'、,,,_ `'、| .|      ,、 r‐'l .r、、'"  ^フヽハil;:ヽハ,ハ';'ヽ、
'' ゚   ;~ ,;    ww:,、v、从リjw`'-,`"".l、_ノ     i ゙l.| ゙l / l゙    ,i′ハl; ノハil;:ヽゝフ
           `゙''、::wj,、,、,、从リj`'-、      │ ゙l | |/ l゙    /l;:.'ilハil;: ノ'ノ,'ハハ,ゝ
  ~' ',;   ''"'     、,,'.、゛jリwj__ミッ      ゙l,,ノ '"│ /    ,,,,,ニ=-ハl;:.'ilゞヾベ .:;
~              ``'‐;.:".:;.:'"゙:`'''ー┐ .___´  .l゙ l゙__z-⊥';'ヽ、 .:;>ヘ:..::ハ::
     ~' '  ,;''        ~'ー:;.:;;wリ゙、从リj"::.:;.:'lilベ: \,l゙ツノノ;:'ハ;;:.ノハil;:ヽゝ li>ノハハ
           ~'   '      ``リ゙ jリwj从jr、'^  シハノシ;:,';:, ノノハハl;:.'ilゞヾノvノ;:,l'
~         '゚   ;  ~' ',;''       `゙''、:w从jリ 彡ハハノ;;:, フノ;:,'ハノハハレ;;:ノノハハ
   ~' ',;''                     `゙'':::..wj 彡ヾ;:ノハハレ;:,.'ilヾ ノノハハノノ;:'ヘ;;ハハ

「なっ!?」ド ゴ ン

「うわ!! まただ!!」「違う・・・!!」
「あれは・・・ ヴァルキュリアのアンチマターじゃない」
「えっ!? どういうこと?」

グラーネの 孵卵が始まったんだ・・・

「うっ・・・ 黒羽・・・大丈夫か・・・」「平気」

「なん・・・だ・・・? 一体 何が起こった・・・?」
「グラーネが 生命を死滅させるための 儀式だ」ギチギチギチ

「生命を絶滅させる信号を 地球全体に伝播するためのな」

ギ ギ ギ ギ ギ

パ キ ン「!?」

   ._.. -''″     .__..__,、           -=ニ゙゙ニ--- -......,,,,,_、     .'`-┷lli..,, ,_
. ‐'″  _,,.. -ー''''^゙゙二ri'ニ.... ....、............. ...._,,,_            ゙゙゙゙̄''''lllll,,,,_
..,.. -''"゛          _,,,.. --ー''''."゙.´                       ̄''''―
    _,,,,,       ` ̄ ̄ ゙゙゙̄! ,,__      .,,,,..uuii、;;;;;;y ......,,,,_,i-............ ......,,,,
-''''゙彡'"゛    ._,,..yr‐ ._,,.. -ー''''''゙゙ ̄´ i|     i  |i       ´`゙'''― ,,,_
...ノ'"  .,.. -''',゙..r''“゙゙“´             i|  i     |i               `'''ー、、
  _..-'"゛ _..-                 i|    i  |i                   `'ゝ
'"  .,..ッr'"                i|      |i                   ヽ
.., ''ソ゛                       i|      |i
゛ l゙                     i| i      |i
 .!                    i|        |i
  ヽ                    i|   i     |i
   .`'-、、,                i|    i     |i                   _..-'´
      `''ー  ,,_           i|        |i          _,,,.. -‐''"
              ´゙'''ー . ,_      i|          |i   . _____ii;;;;;;ニ二......、
.,,_. : =i i ,,、          ,゙,゙;;;;;;;;;;; i|          |i              '''''''''''''''''''''''''''
  .`゙''''〜 .`''ー .. ,,,,____ .__.`゙゙'''''〜 i|          |i ー''''''''三゙゙..........---;;;;='   ._,,..
'''ー ...,,,_          ̄ ̄ ゙゙゙゙̄^.i|   i         |i .,,,,,,...... -―''''"´  . --l∋´
¬――ー`-′   . .       i|             |i       _,,.. -‐''"゛
`゙"'''―- ....,,,_     `゙`-`-二,゙", ,i|           |i  -¬''"´    .__,,,,,,,_,,,,..
'―-- 、..,,,,_、 . ̄''-.. ,,_、  ." i|       i         |i .-―ー¬''''゙゙゙ ̄´゛
        ̄ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙̄ '''''゙゙“''  i|               |i  .、  ヽ     \
           、       i|               |i   l.    '、 ヽ  .  ..,
/  . ./    ./       i|               |i.  ヽ   ヽ .ヽ. \ \
  / /    /        i|               i   |i   l.l.  .、  ヽ. \.\
 /  ./ 、  ,/./       .  i|                   |i .、 .l.  ヽ  .ヽ .\ ヽ
″ ./  /  ./ ,i′      i|                     |i.  ..l.  .ヽ  .ヽ ヽ.
 /  /   ./ /        ,i|                     |i   . l    ヽ  ヽ .゙
'" ./   ,/ /     .、  i|          i            |i   l   ヽ    ヽ
 ./   ./ ./      / ,i|                    i    |i    .l,   ヽ \
./   ./ ./      ./ i|  i                        |i     |″ l

パ ァ ア ア ア ア ア

カ ッ

えっ? ……ちょっ・・・ なに あれ?

「アイン・ソフ・オウル・・・ 生命を司る光だ・・・ あれが地球を覆い 降ってきた時 生命が死滅する・・・」「……」
「冗談じゃねぇよボケ!!! おいパイロット!!! この光の上に出られねぇのか!!!」*1
無理です!! 限界高度の遥か上です!*2「ちっ・・・」
「そう うろたえるな 何も知らず これから死を迎える数十億もの人々に比べれば 我々はまだ幸せな方だ」

「祈ろう 神に そして全ての命に・・・」


「お願いします・・・村上さん・・・ 私をイジェクトしてください・・・お願いします・・・」

「私が大好きな人たちを・・・殺したくなんかありません・・・」「小鳥・・・」

(おれは・・・こいつらを助けられるなら 人類の滅亡なんてどうでもいいと思ってたのに・・・
なのにどうして・・・おれに小鳥を殺せるはずがあるんだ・・・
でも・・・押すしかない・・・おれが小鳥をイジェクトするしかないんだ・・・)

(でも・・・)
ヴァルキュリア お前がスイッチを押してやれ こいつには無理だ 覚悟も 信念もない」

「勇気もない度胸もない 何もないんだ ただ目の前にかわいそうな女がいるから助けただけでしかない 猫でも拾うようなつもりでな」

「私は自分の願望のために数千人の人間を殺した 妹を生き返らせたかったからだ
私にとって妹の命は他の数千人の命より遥かに勝る 私自身の命はもちろん・・・人類全てと引き替えにしても構わない
だがお前は 全人類の命と引き替えでも目の前に居る一人の女さえ殺せない ただ正論を振り回すだけの臆病者だ」

「魔女は捨て猫ではない 『高千穂』の計画はお前が考えているほど甘くはない」

「お前に守れるものなど 何一つないんだ
わかったら二度と魔女たちに関わるな」

ヴァルキュリア スイッチを押せ」「……はい」

「………やめろ!!」

―――――――――

ヒ ュ ン

「……消えた!? ひょっとして・・・助かったとか?」


ブシュウ

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/,ー< -‐ /: : : :/,,イ//''゙゙゙  /:::::::::::\            刈ア'′ ,::: :/
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      /    \___     \:::::::::::::::/      _,.∠     /::::/
        ,,.. -―-ミ::::::::`"''ー- ..,,_ ̄__    ,,,..、<⌒,,. -   /:::/
   _,,..  <:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ二三三三ジ
   `"''ー- ..,,_   ~"''  ::;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;:
         `       `"'' ::;;;;;;;;;;;;:: -‐''´

「違う おれには 何物に代えても絶対に守らなくちゃいけないものがひとつあるんだ」

シュウウウ

「小鳥・・・ お前を 人殺しなんかにさせない・・・」

「全部 おれが 背負う」


“そして 僕はにゅうを殺した”

 北欧神話日本神話にギリシャ系星座ときて、おまけに旧約&カバラ。初登場時に窮地から助けてくれたものの以降はほぼ非好意的解説役に終始して介入の機会すらなかった魔女狩り。カズミ初菜の生死に佳奈の秘密に、寧子の真の力や真子との過去。奈波またキカコの再登場可能性に、小五郎&友人の宇宙人培養に村上家の白黒に結花……その他諸々が未詳未消化なままに、だからこそ此処で終わる定めではないとして、どう終わらせずに済むかは判らず……わかりたくなく。結果その時を迎えて消沈するばかり。

 イチジクの良太への指摘というか見下しというか、そもそも何故あんな事を言い出したのか、いや言わねばそのままBAD ENDタイガー道場逝きの可能性多大ゆえ「助かった」……助かる助ける必要が彼にあったのかという疑問はさておき。ともかく面識薄い彼の視点からすればさもあろう内容である一方、1話から見てきた目線ではまた違った反駁反発もある。
 誰かを死なせる事に極端なトラウマを抱え、その当事者そっくり(推定当人)の娘に命を救われ、かつその娘達が死に瀕して。ただ罪悪感だけで、ただ恩だけで、どうして事ある毎に「(まず)自分が死ぬ」ような算段で行動できるものか。沙織の時もキカコの時も軽井沢の時も初菜の時も、そして寧子を庇って死に掛けた時も。何処の臆病者に捨て猫拾うようなつもりで其処まで出来るというのか。何ヶ月もの間彼女らを養い度々窮地を共に潜り抜け―――生半可な覚悟で、此処まで来れるわけがあるか。来ただけで、「勝つ」算段は全く用意できてなかったのだけど。
 村上良太に不足していたのは、いざ彼女達が世界に人間に害為す存在となった時、その願いを守る為に処断する(もしくは人類諸共に死んでやる)意思だった。そんなもん74話から一日前後で確証も取れず腹に据えられるか。まして死なせまいという意思からか否定したがっていた。そんな彼だからこそ、という面と彼がそんなだから、という面が寧子による置き去りを経て相克極まった形。「短い命の使い所」を思い定めている魔女達に脱走の時から備わっている死生観を、「魔女に関わる人間」のうち良太だけが覆そうとして、同時に良太だけが魔女の為に死のうとする人間だった。ひとえに甘さであり、表面上そうと見せず壊れた面でもあり、けれどその故に彼女達から信頼を得て此処まで来て―――しかしその根源への想いが為に断ち、イチジクと同じ土俵に立ったか。それとも「お前なんかと一緒にするな」、なるものか、と。


綺麗事や、ただの正論では乗り切れない局面はあります。何かを選んで手にするということは、片方を捨てること。
ここで、良太くんが選んだ答えとは……。

やっぱり、そうだよね。覚悟を決めたんだね。まるで『仮面ライダー555』のようですね。

「戦うことが罪なら、俺が背負ってやる!!」

 いや、全てを失った失意の悪役の、若造をいたぶり蔑む言葉が、裏目にでて、主人公に一歩踏み込んだ決断を促すというのは、なかなか味わい深い展開なのだが……。

ここまで存在が空気すぎる寧子さんって、一体……(ぉぃ

 もっとも、成長といっても、苦く痛いものであり……理想主義でキレイ事ばかりだった少年が、現実に挫折し、痛みを知り、悲しみをその身に刻みながらも、少しづつ、大人に変わっていく……その第一歩ってな感じだが。奈波の時は、ギリギリ、脳内に擬似人格が宿るということで、完全な死別ではないから
今回の小鳥の脱落は、良太にとっては初の仲間の死であり。やっぱり大きなターニングポイントだなぁ。極黒が全て完結した後、全体を俯瞰して見てみたら、ああ、この第五章がひとつの節目だったな、という気はする。

これは本当に真実でありながらも厳しいですねえ。魔女を匿っていて、今まで楽しい事や協力して苦難を乗り越えてきた。だけど、それでも乗り越えることが出来ない事態、すなわち今回のような誰かが犠牲にならなければない事態だってあるだろう。良太はそれがすっぽり抜け落ちていた。いや、今までが上手く行き過ぎたのかもしれない。それが今回のような形でツケとして回ってきただけだ。もっとも、高校生にそのような覚悟をしろと言うのも酷な話かもしれないが。

確かに良太は臆病者かもしれない。
良太の言うことは正しいが、時には悪にもならねばいけないということを知らない。
砂糖菓子の弾丸では何も救えない。
いつまでも甘く、優しかった良太では、小鳥を殺すことなどできない。

しかし人は

成長する

いつもながら、言ってること全てが間違ってるわけではないと思うし 良太に甘さがあったのも本当だと思うし、この段階にきてしまっては、イジェクトするしか方法はないんだろうけど なんというか、お前が言うな感はすごいなw
自分はお前とは違って覚悟も信念もあるというような物言いだけど、そもそもイチジクさんは妹以外の何者にも価値を見出していないんだから覚悟も何も最初から何も失うものがないじゃないかと思うんだがw
信念は確かに確固としたものを持ってるかもしれないけど。


―――かくして一線を踏み越えたということ。既に十分すぎるほど足を踏み込んでMADな叔父も巻き込み当局に知られれば射殺必至*3だったが、また別の意味で。
 もう「ほぼ」同一人物だとされる黒羽寧子=クロネコと仮定すると、十年前の事故で良太は彼女を「殺してなかった」ということになり、しかし今回寧子を死なせない為に小鳥のイジェクトボタンを押した。死者の為に生者を助けてきた(対してイチジクは死者の為に生者を殺した)良太が、生者の為に生者を殺した。このことが、事ある毎に想い出し恐々とされるアレに繋がらないわけがあるや否や? 他ならぬ「彼女」に刃を突き立てる、事此処に至れば益々真逆のビジョンに。

 背負ってきた罪が曖昧になった傍から、新たな罪を背負った。小鳥が犠牲になって滅亡が回避されたとして、しかし尚残っている火種により別の破滅*4が訪れるとして……小鳥の死を背負った良太にそれを座視できるか? だがもしも、その根源が「何物に代えても絶対に守らなくちゃいけないもの」の姿をしていたとしたら? 今度こそ諸共に死すことを選ぶのか、殺せなかった結果自分以外の大切なものを悉く喪ってしまうのか、それとも……と、要するに先の先の先々へ思考を飛ばす逃避徒然。

 きっと「約一年後」、4巻の写真にドーナツ供え……嗚呼、「みんなと一緒に写真撮りたい」という彼女の願いは、「またいつかみんなで遊びに行きたい」という寧子の望みは。

*1:おもむろに不良神父の坂東さん臭。たとい兵士として戦闘力が隔絶していようとヴァルキュリア相手や地球規模の事象相手には話にならず、逆にいずれは違う場面局地戦での活躍があるのだろうか。現状まったくそれを楽しみにする心境ではないが。

*2:ここで若干引っかかるのが、無限光の下に「地球上生命の全て」が殺し尽くされたとして……元からその「上」に居る者は生き延び得るのではということ。例えば人工衛星ISS軌道月面宇宙に居れば、手段として「完全なる生命体」にならずとも「神」宇宙人の仕込んだ滅亡スイッチから逃れる事ができるのではないかと。実際高千穂の歴々が最初から其処に……いや首魁らしき丸眼鏡はイチジクと顔を付き合わせられる場所にいたんだったか?(参考) 孵卵開始⇒アンテナ屹立⇒信号拡大⇒落下⇒滅亡という予想より迂遠かつ猶予あるプロセスだったので(だからこそ助かったのだが)目を逸らすのに丁度良か妙なところが気になった。

*3:そういう意味では、理由として「どうでもいいから」かもしれないがイチジクは仮に良太が魔女と縁切っても見逃してくれるつもりだったか?

*4:「冒頭」において少なくとも「三人」はヒトの形を保っていることから、“再び発動した滅亡スイッチを免れる存在”となった可能性よりも当初の、破壊魔法の暴走的な要因による見込み高し?