ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《最後の口づけ/Last Kiss》/『極黒のブリュンヒルデ』第98話*9巻*アニメ第3話

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

君 を ま た 見 喪 う 前 に


「鎮死剤」

―――思うにですね。天文台魔法使い部の面々に続き声優発表されたからには彼には相応の出番見せ場があるはずで(希望的観測)、そして瑞花編は無理にしても奈波編をカットした場合、城ウォッチャーに城ウォッチングさせないで終わる事になる……これはおかしい(断言)。つまりOPの真子初菜魔女狩り達は登場詐欺、とまでは言わずとも予告編顔見せ程度で、普通に奈波編で13話を〆る……のではないかと考えるこの頃、漫画では別人だった研究所員に黒服がスイッチさる。手羽先ジャックさん出番が早まってよかったね。だが変態ボッチだ。
 あとイチジクが沙織(CV矢作紗友里)のことを「6001番」ではなく名前で呼んでいるのはテンポの都合だろう。この実験体番号は後々スリードを経ての“小鳥ショック”に到らしめる結構大事な点のはずだけど、それを今回以降も削るとしたら瑞花編は……最初から届くはずもなかったか。もし2期でやるとしたら若干の修正挿入か、その辺をばっさり切るか……何にしてもヤングジャンプのアニメ化予定は詰まってるらしいし、大分先々遠い可能性未満だなと。


ついに登場、スーパーハカー・カズミちゃん。
ちょっとアニメでは能力が分かりづらいかな?
暗号の鍵を見つけられる、すなわち素因数分解が自力でできてしまうという超人っぷりです。
彼女の前ではそんなセキュリティも突破可能。心強い味方です。
寧子を学校に編入させたのも彼女の能力。(やはりインチキだった)
これで工場のセキュリティ問題は解決です。しかし……。

先に言っておきますが、多分カズミちゃんが一番人気になると思います。
そしてしばらくしたら、「痴○だーっ」「淫○ピンク」とか言われるんだろうなあ。

良太「あれは…クロネコのほくろだ!!」

嬉しさのあまり泣き出す良太。
破れた服の間から見えた、寧子の肌、そしてホクロ。
しかしよくこの状況で見ますね。変態さんですね。

 1つ目の声優の矢作紗友里さんについて。矢作紗友里さんというと、To LOVEるの西連寺春菜役やハヤテのごとく!瀬川泉役などで有名な声優さんですが、これがなかなかのはまり役。萌え系の甘い声ではなく、悪役らしく少し低めなトーンで酷薄なオーラを漂わせている。先の紹介したキャラとは180度違うのに、こういう役を演じることが出来るあたり、流石は人気のある実力派声優だと思う。
 2つ目の斬撃については、原作では説明こそされどアバウトだった描写なため、詳しいことは分からなかった。でも、アニメ版だとドーム上の膜が張られ、それに触れた瞬間、斬撃が行われるという感知式という風になっている。ああ、これで引っかかっていたことが一つ解決した。

 あと、個人的に第二話から強く感じてたことだけど、原作にあった良太と佳奈の出会った当初のギスギス感がだいぶ緩和されてるなw
連載時とコミック版では、もっと険悪な間柄w顔を合わせれはケンカしてるような印象だったけど、火事から佳奈を救出する良太の罵声も、大幅にマイルド調整。後々、二人が強い信頼関係で結ばれるのも考慮すれば、まぁ、これはこれでアリなポイント。

登場人物の初登場時と、性格がわかってきた時のギャップ、あの時のアレはそういう意味だったのか!?と思わず見返したくなる点も、極黒の魅力の1つ。今後、魅力的なキャラが出てきて、そういうシーンも多くなるので、注目して見てみると良いかなぁ。初見でビックリ。二度読んでしみじみ。読み返すほどに、味わいが変わるのが原作の極黒。このスルメのような魅力が、アニメだと、どこまで再現出来ているか。

鎮死剤の説明、廃屋が燃えて薬を失って工場を襲うところまでテンポ良く進んで、カズミも登場!
言ってることは正論かもしれないけどちょっとイヤなやつ、からのお前も血まみれなのかよ…
からの寧子のポーズwたしかに原作でも同じポーズだけど、
腰の角度とか見せ方がアニメの方が強力になってるなwww真剣な寧子の顔とかw

 閑話休題。説明的な場面や台詞独白を色々カットしつつ、血染めに血染めを重ねて第1巻ラストまで。やはりテンポ問題やグロ表現上、原作の方が上手いと感じる部分(ステマ)とアニメ化して美味しい部分とが行ったりきたり。特にOPが挿入される場面は、インストであることが良く活きてる……いやまあ、OPEDをインスト化したBGM(印象深い所じゃ『灼眼のシャナ』や『最遊記』等)だってアニメやゲームじゃ良くあるけれど。(※追記:少し前のシーンで普通にBGM版も流れてた。不覚)
 また待望のカズミちゃん様(こう書くのも結構久しい)登場は、PVでも違和感なかったがするりと入ってきたなと好感触。そして最初のお楽しみは次回だ……先の展開を知った上でこう言うのも何かアレだが、引き方が「まだ大丈夫だ」と単行本版(連載時は「またクロネコを失ってしまった」で切った上に一週休載である。鬼かと)で伏線も判り易いと思われるのでひとつ。これもまた後々まで尾を引く要素だなと改めて思う次第……ある意味、連載とのタイミングと対比が絶妙過ぎるとも。

―――はたしてアニメから入った初見者の印象とはどんなものだろうね? とニコニコ生放送&配信を待ちつつ。


(以下連載記事)





9巻:JOKER DEATH

                                         __rzzュ__
                                    ,x:≦三弍笏'三≧:x、
                                   {{≫'゚^ヾ≫'゚^ヾ≫'゚マ ≫ミミヽ、
                  \                /    / /     ∨   }}≫≪ニニ、
                  \          / //   ' /       } }  〃 Y汽 》〉
                 ( ヾ\           //'/ /    { {  ′ / /ハハ.ヘ《__|{ヾV:《
                  ー=ミミヾヾ丶、       { {/ /, / { ハ从  { /  イ  }l} l} ̄刈 刈∧
                    ー=ミヾヾヾヾ\ト、   ,八{ { { i { ∨{=‐-\;厶イ-‐=ノリ リ /  ハ. }i::∧
              ー===ミミヾヾヾヾヾ\(   V八い i ト不{:i:Tヽ   .ィ:i:フ不 / / l:|∨:/  .    ノ     ノ     /
                  ー==ミミミヾヾヾヾヾX(_)\{ ゝ´ ̄  ,    ̄`ノ / / 从《∧  ハ /厶イ/(___ ノイ彡'⌒
                      >=ミミミヾヾ/ ヘ.`| i`ドミ=-  ____ -=彡厶イ / ∧  } /〃〃≠≠'≠==ニ彡=ミ
      ___           ー=≠≠≠彡' /∠ _,ハ | ||i }i:.、  ニ ´  .イ /  / ∧,!__ノ/〃〃〃' ∠ニ==ニ彡=ミ
       | r‐-=ニニ=‐- 、 xくrv'´  ̄ ̄'"     `ヽハx,_! ト 川 }≧=≦-=《i /  / 厶斗く/〃〃〃∠ニ==ニ彡=ミ
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.      | l'   /,/   . : :i |  八 i‐{-{ l.」_i/ i j ノ '/ '! ハ∧≫ーーヘ( ̄ `   \.::::::::::::::::::∧ ∨ヾハ{  \
        | 、 /"    . . : : :从i /i 从从ハハ/`メ'爪Y厶イムイv'゚´      )      `ヽ::::::::::/i }   i \  ヽ
       | i>'   . . : : :/  ヽ∧ 卞てi:テ㍉  Y;夾/ /´〃 /' //      \r‐zく二≫'≪ヽ   |  \
  「 ,二ニ=-┘  / ,∠∠:_/ : : / (ハ '. ` ̄`     `゙7' /, イ! / / //     〜'^{(い)}》く    i∧  |
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  xく   /. : ;rrん(_ん(_ん(_ん(_んxイ l_i⌒>'´   ` く⌒ー=く{(rア刈八从八\{{   / ⌒′  '. l ー‐<
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―――アニメ化と並行しての2ヶ月連続刊行、大変お疲れ様です。しっかし元より単行本は本誌掲載の一話一話ごとを区別しない珍しい形態だったけれども、話の「途中」で区切るのは初めてじゃあなかろうか。90話の終わり手前……素人考えだが、もし引きを最大限高めるなら次91話こそが、と思わなくもない。掲載当時は二週休みなんて生殺しもいいところだったし、分量的にも10巻は暫し先だろうし。

収録範囲 直前掲載 表紙/裏 引き指数 収束度合 掲載時比較 主な加筆修正
第1巻 寧子、八つ裂き 小鳥、正体不明 寧子/寧子 ★★★★ 衝撃度合↓ ランク設定改訂、「まだ大丈夫だ」
第2巻 寧子、危機一髪 カズミ、吶喊 寧子/佳奈!? ☆☆☆ やきもき度合↓ ハングアップ設定改正、紙袋
第3巻 良太、危機一髪 奈波、友を得る 佳奈/カズミ ☆☆ ☆☆ 加筆の想定内外 秋葉原デート表裏、魔女狩りの影
第4巻 奈波、“死なず” 瑞花、落涙 カズミ/小鳥 ☆☆☆☆ 涙腺刺激≒ 三人で撮った写真、奈波の……
第5巻 「小鳥ショック」 初菜、来訪 小鳥/良太 ★★★★ 驚愕度合↓ 小鳥ノート、黒服の……?
第6巻 大女優、カズミ 魔女狩り、介入 良太/奈波 ★★★ ☆☆☆ 安心度合↑ トリック面で過去最大の大修正
第7巻 命を選択する時 三つ巴、渦中 真子/真子 ★★★★ 展開自然度合↑ 「不死の生命」、ホクロ露見経緯
第8巻 カズミ、本気出す 良太、嘘を吐く 初菜/初菜 ★★★ 驚愕度合\ 中和限界、ラグナロク・イズンetc
第9巻 イチジク、死す クロネコ無双 寧子/小五郎 ★★★ ★★ 人間味↑↑↑ 設定追加修正、九千玲の死に様

 異論は認める。カズミVSフレイヤの電脳情報戦、土屋女史マジギレ大暴言は良かれ「惜しかれ」大体そのまま。
 そもそもカズミの魅せ所とは魔女としての能力ではなく彼女自身の人間力、また「普通の」少女らしさ乙女らしさと捉えた場合、既に空気メインヒロインも霞むほどの大活躍であるのも事実。一方そのメインヒロインさんは本誌連載で燃え尽きる前の蝋燭が最も強く輝くが如き圧倒的急騰で良太の心を完 全 掌 握。依然として生死不明なまま、手の届かない所で永遠の敗北が確定しかけているお二人ェ……彼女らが助からないと思っているのか、普通に生き残れると思っているのか、どちらであってほしいのか……自分でも良くわかってない。考えようによればいまいち根拠不明だった「寧子が死ねば良太の子供が産める」が実現≒ユカENDの可能性も絶無ではないけど。

 閑話休題。小鳥周りグラーネ周り、そしてイチジクの台詞回しが前巻に続き修正が激烈。ここまでくると連載とは別の話、とまでは筋を違えぬ範疇ながら凄まじい大改訂。
 小鳥からグラーネを別の素体に移し妹の意識を覚醒させ孵卵、全人類を滅ぼした妹は女神イズンとなりイチジクは彼女によって不死となる……「妹もお前も私の為に費やすべき命の一つでしかない」と言いつつ滅亡世界のアダムとイヴorイザナギイザナミがお望みかと思ったら、本当は「イズンだけが永遠になる」……設定と目的を追加したと思いきや直ぐ「あれは嘘だ」と連載時に寄せて*1上で突き抜け、文字通り血を吐く声で「妹を生き返らせたかった」だけの兄として、己が頑なに否定する感情の人間として逝かせた。これは大分印象に違いが出たものと。

 加えて、掲載時は判然としなかった小鳥と玲那の混在。グラーネ覚醒により意識が替わらないのは「ずっと玲那だったから」、と。現状でも推し量りがたい寧子とクロネコの人格記憶魂の問題に通じるかもしれない、いつから何がどうなっていたのかという疑問がかえって強まる次第。少なくとも注射を打たれる段階では、イチジクレナとしての記憶は無い。逆にイチジクレナらしい雰囲気を纏う頃も、小鳥としての記憶は失っていない点が寧子⇒クロネコと異なるか。記憶の有無と鍵とすると、小鳥の意識は脳に基づく小鳥のものという前提と小鳥がずっと玲那だったという真実?は矛盾するのかしないのか……もうワケがわからない。培養で喰わせた脳はドラシルに宿るのは真、覚醒によりドラシルの意識が表出するのは不明確。魔女狩りの見解も合わせるに、魔女化の段階でドラシルの意識が表出するのが普通だとして、最初から玲那だったorでもあったのが記憶・自覚は無かったのが「鷹鳥小鳥」*2……最初から混ざっていた? 転じて十年前のまま魔女としてあり続け、記憶を失い「黒羽寧子」、覚醒してクロネコに回帰……クロネコ落下事件の前からドラシルに由来する魔女だった……? でも単行本ではヴィンガルフ設立が十年以内という記述が削られ……んむむむあがががが(知恵熱)。


最後 の さよなら

「なら 選択肢はひとつだ ヴァルキュリアを倒せるのは お前だけなんだから
クロネコ おれたちに 構わず逃げろ」

「そして 戻ってきて必ず・・・ みんなを 救ってくれ」

圭歪j㌢´  ,x幺llll圭才´            焔圭:Ⅳ                Ⅵ|伐     Ⅵ圭圭||
圭jア   ,ィ劣圭才´                 .以圭Ⅳ          ..,'´ ̄`ヽ     Ⅵ|伐      Ⅵ圭圭
j炒′  ,ィ劣l才´     .,、                ., .- - 、 {     .}     Ⅵi伐      Ⅵ圭ll
Ⅳ   /{}{ア´       _ |:::|               /     .ヘ|      l       Ⅵiiヘ      Ⅵ圭
/   /㌢´       /  |::::|、            ./    ./  |      |        ||圭]      ||圭
    ll/      /  __|:::::|_\         /     /   i==ュ__/|.               ,r'´ `ヽ
    lll      , -.、 \:::∧::::/ヽ.,、     //.ー 、/   /|'ー´   |            /    }
    {{     .|  l |ー.|:::∨:::|  / ク    / |    .|ヘ   .....:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.....      /     ,'
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圭圭:歪会ュ。              .為llll}      L  ',{I≧ュ。.         込i:圭∨ 、ミ-=ヘ
圭圭淤冰ik会ュ。           .ィ圭洲;      [代   `''寺l圭≧ュ。.      Ⅵ7:圭lY´   .∧
ll圭圭圭淤冰ik会ュ。       ,ィ劣圭:㌢      Ⅵ心   `''寺圭斧≧ュ。._  `''寺圭\   ∧
圭圭圭圭圭圭圭ik会ュ。  ,ィ劣lll斧ア         Ⅵ会ュ。   .゙㍉丞圭圭会ュ。_ `'守圭iミ_=ー´

「……あいつ・・・ 一体どこまでアンチマターを大きくする気?」

(こりゃもう・・・ 地下に隠れて逃げ切れるレベルじゃないな・・・ 日本を一緒に消す気か?)

クロネコ!! 早く逃げろ!! これでお前が死んだら 無駄死にだ!!」

「逃げたりなんてしない」「えっ?」

「私は アンチマターを潰せるの」

「私は お姉ちゃんと対をなす裏として作られたから」「……」
「どうやって潰すんだ?」

「マイクロブラックホールを生成して アンチマターを余剰次元へ送り込む」

「……高次元BH(ブラックホール)? そんなものを作れるのか?」
「一度だけ 実験で作ったことがある」
「成功したんだな?」「……」


「さぁ」「なんだよさぁって!!」

「つべこべ言わないの!! みんなを助けるには これしかないのよ!!」「……」


「ねぇ 良太」「えっ?」

「全て終わったら・・・ ゆっくりお話しましょう」

「色んなこと 話したいの 色んなことを聞きたいの
この10年の間にあったこと・・・ 最後にお別れしたときから 今日まで・・・」

「……ああ」

「おれだって お前に聞きたいことは山ほどある!! 話したいことが沢山あるんだ!!「……うん」

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                  / .: |:.:.:|.:.:.:.:| .戈ヒシ        |しハ/,ハl/ .:.:.:.:.| : |
              / .: /|:.:.:|.:.:.:.:| ;.;.;.;.;.;.;.       戈ヒシ /| :.:.:.:.:| : |
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「私 良太のことが 好き」

「ずっとずっと 好き ずっとずっと 会いたかったの」
「……クロネコ・・・」

「おれも・・・ 好きだった・・・ クロネコのこと・・・ ずっと好きだったんだ・・・」

「ずっと・・・ 会いたかったんだ・・・ 謝りたかった・・・!!
あの時のこと・・・!! 謝りたかったんだ!!」

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「大人になったら・・・ しようと思ってたの」

「必ず また戻ってくるから 私を 待ってて」

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┼X+´     .、 ゛ ,      /  /イ /  ;  /  } /  ',  |   |       釻
┼ ´     、x+   ゙     /   ' |/   ; /   j/´ ̄下、|   |
'    、+X┼          ∧ /=-l/''"´ノ '′     -‐   |   |     `.
  、+XΧ┼             /√V  -‐         kiヤ㌢ミメ   釗    `、
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X┼X┼'       ゜      /从  《  r'、::::;ハ         ..ゞ  '゜   ;     ;   、
┼X┼'        ゙     / :/∧   ..ゞ  '゚    、  ///    ,′   ;     、
Χ┼/       、    . : /i{ ヘ ////         /;         ゙;
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Χ/ / /  _X┤   ; . . .: .:>込、      ´ /  ,   /    + ;
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パ キ ン

クロネコ・・・」


「寧子の バカ・・・」

「寧子・・・ さよなら・・・」「え?」

「マイクロBH(ブラックホール)を使ったら もう最後なの!!」「!?」


「寧子には もう 会えないのよ!!」


“墓標は 紅く 泣く”

 「次号、最終決戦!」……伏線あれこれ残りまくりだからヴァルキュリアとの、という意味でだろうけど。

 それは、それとして。クロネコさん。覚醒以来「人の変わった」ような貴女のことを、記憶を持ってるだけの「中の人」説とかSランク時代の殺戮疑惑とか当人腹黒説とか散々疑って……、

ミ`ー‐、         トルネード土下座
  `⌒丶、''''ー-、_       +             十 
     ̄\―ヽ._ 二_‐- 
       \   \   ̄ ‐-       ̄二二_ ―_,r''''⌒ヽー、 
        ̄\ ̄ \‐-     ╋__..ニ -―― ´ ̄ __... -―一┘ 
  +  ニニ ー--\   ⌒Y´ ̄ `丶     __,. -‐二´  ̄ ―     + 
           ̄\    !   =,. -‐ 二_          /ヽヽ 
          _   ヽ.._     ノ           /ヽヽ  \ 
           ̄   〉   ー- ノ三二   +    \    _ 
    十       ̄―/  ,''''   /二  ̄ _      _     ∠、 
        ニー/⌒∨  /  二/ /⌒''''l    ̄    ∠、    oノ 
      _   / l /二    /  ,イ  |二_      oノ    / 
        / /| / .ノ 〈. ′ / | _|__     ╋   /     /^ヽノ 
      ̄_/ _/_ヽ_,   .__,/  |  |_      /^ヽノ 
     彡ニ ,ノ __(     )_   〈__ 三ミ      + 
   +  `⌒   ̄∨ ̄∨― 

―――申し訳ありませんでしたぁああああああああーーーーーーっ!!!!(熱暴走)

 連載当初の付き合いとなる「黒羽寧子さん」と、またアニメでも回想される「クロネコ」との自己同一性、記憶の共有如何など不可解なことは多かれど、それを検証する機会すら永遠に喪われそうでさえあるけれど。

 「たとえ記憶を失っても、黒羽は黒羽だ。人間が変わるわけじゃない」いつかの良太の言葉は、正しかった。当時はそうはならないだろうとばかり思っていた。台詞は「あいつが人殺しなんて、絶対するわけがない」なんて続くので、尚更に。いやさ一番最初の頃から、如何にして「良太が刺し殺すべき存在」と成ってしまうかに妄想を巡らせ続けてきたわけだが(そして結果としては真逆)。
 逆に言えば、どんな過程を経たにせよ、クロネコはどこまでもクロネコだった。寧子はどこかしらクロネコの一面であり、クロネコもある程度は寧子の内にあった……多分。


5月20日発売のミラクルジャンプ6月号に、なんと極黒のブリュンヒルデの番外編が掲載決定!のみならず描きおろしの特製ピンナップが付く&表紙も極黒のブリュンヒルデがジャック!!一体、どんだけ仕事してるんですかッ!?

 やばい。良太が反物質の特性に違和感を感じたあたりが打開策かと思ったら、全然、そんなこと無かったぜ!!

反物質を防ぐには、マイクロブラックホールで、別次元にアンチマターを送り込めば良い。理屈では、そうだ。
だが、生成した本人も、これは巻き込まれるってことだよな(死)

 たしかに、今まで何度も、早く!!早くネオグランゾンを連れてくるんだ!とは言った。だが、実際、ブラックホール兵器を使えるといっても、使った当人が無事で済まないのならば、これはもう……。

これは良太が、NASAの研究員から物理学者を目指して転進しブラックホールのメカニズムを解明して、数十年後にクロネコを救うエンドですね、解ります(こぅらw

今までの黒羽寧子だったら、自己犠牲前提の考え方なので、どうしても手放しでは褒められないネガティブさが見て取れたけど、今回のクロネコの一連の発言は、もう逢えないかもしれないリスクを冒すことは承知、だが、当人には、死ぬ気がまったく無いという決意に満ちているように思える。

『私を待ってて』

というセリフは、以前の黒羽寧子では、絶対に出てこないセリフだよな。だから、良太もクロネコを再び失っても、高千穂との戦いを放り出して、日常生活に戻るという選択肢は絶対にしないだろうし、何年かかろうが、クロネコを待ち続けると思うんだわ。

 だけど、ちょっと気になるのが、「私はお姉ちゃんと対をなす裏として作られたから」。これって、家出の少女や孤児を改造したというようなニュアンスとは違うんですよねえ。なんていうか、元からそのようなコンセプトで作られた、いわゆる純粋培養みたいな感じなんですよね。分かりやすくいうと、それ専用のクローンというか。だったら、他にも寧子のそっくりさんがいるのだろうか?もしそうだとしたら、良太はその寧子に出会った時、どういう反応になるのだろうか?クロネコですら、かなり困惑しているニュアンスがあったのに、もっと大変なことになりそうだ。
 そして、クロネコとの最後の会話。やきもきする展開やドラゴンボールがあったりと妙な展開が続いていましたけど、やっぱりその時が来ると何か胸にこみ上げるものがある。クロネコの約束と告白、良太の謝罪、そして接吻。もう最期と言う感じがして、美しくも悲しすぎる。良太が待ち望んでいたクロネコとの再会をしたというのに。

クロネコの払う代償は、自分もブラックホールに飲み込まれてしまうのか、
強力な魔法を使った代償に命がなくなったしまうのか、また記憶がなくなってしまうのか?
佳奈の「寧子には もう会えない(死ぬとは言ってない)」という言い方からすると、
記憶がなくなってしまうというのが本命か?
1度だけブラックホールを作った実験の際に、以前のクロネコは記憶を失ったとか?
ただ、これだと率直すぎる気がするので、逆にミスリードかと疑いたくなる部分もあるし…

―――カー・メトリック・ブラックホールという一般相対性理論の厳密解、転じてタイムマシン理論がある。

―――『烈火の炎』という漫画の登場人物に、生死不明で退場した「ジョーカー」という男が居た。致命傷を負いながら最後の力でブラックホールを生み出し凶敵と共に消え去った彼は、次作『MÄR』に次々作『MIXIM☆11』にと容姿口調の似た人物が出てくる一種のスターシステムキャラの様相を呈した。

―――あるいは「最初からクライマックス」漫画の大々大先輩*3であるところの御伽噺『ファイブスター物語』において、主人公の嫁さんは黄金の電気騎士と共に再会の日まで長きに時空を漂流し、二次大戦中のドイツに現れたりもしているという。


 クロネコは、「待ってて」と言った。終わったら沢山話をしようと。フラグ立てという面は一先ずさしおき、彼女には帰還できる算段がある……千分の一の覚醒成功よりも尚低い確率であるとしても、良太と再会する心積もりでそれを勝ち取ろうと彼女は発った……のかもしれない。待たせる間、もしかすると死ぬまで待ち惚けを喰わせ、再び解けない呪いをかけてしまうとしても。
 黒羽寧子であった頃、彼女はそういう「約束」をほぼしなかったように思う。自分の命で誰かを助けられれば倍になるとか己の犠牲、鎮死剤の関係上仕方ないが寿命の短さを常に念頭におき、「できることをする」行動指針であって何かを「したい」と表明することは非常に少なかった。「村上君に生きていてほしい」とか「私が忘れても覚えていてくれる」が精々。漸く「またみんなで遊びに行きたい」と言えたのは終わりの始まる直前だったし、恋心を認識(させられて)以降も投げ出し・置き去り癖に変わりはなかった……そんな寧子、クロネコが二人生きてなければできないことを約束して死地へ飛んだ……人格的記憶的差異は間違いなくあるけれど、人間が変わったわけではない。これを真として、この違いを生み出したものは何か? このひと夏で恋を知った少女と、十年越しの想いを繋いだ少女と。


 過日、あるブログで良太の初期段階の目的が完遂されてしまったという見解があった。実際その通りではある。正真正銘のクロネコに会えて、十年前を謝れて。積年の想いを交し合って(+鎮死剤に一応の目途がつけられそうでもあり)……だが直後に離別が訪れようという。

 クロネコも話したがっていたように、これまでの経過というものがある。流石に良太の人生もクロネコのみで占められてはおらず、寧子以外に意識する異性だって一人二人、三人四人? また「寧子と出会って」から「クロネコに再会する」までの間に、読者視点含めあまりに多くの謎に触れ、少なからず未回収伏線も埋まっている。

 今度こそ一つの終わり、「終わりの始まり」から、「終わりの終わり」に至ろうとしているのを感じる。そしてそれが全ての終わりでもないとも推量される。「良太とクロネコの物語」は一旦閉じる、もしくは一周回って振り出しに戻る。されど人生という冒険は続く。いつ、まで? 一度言及されたきりで忘れがちな【ライトワンス】の「長生きできない」云々からすると……万が一億が一、これが本当の最終決戦だとしても、『エルフェンリート』のようなラストまで生きていられるかどうか……松本が消し飛んだ後の世界で、一応でも平和に暮らせるとしても? そういえばイチジクも真子を助けるのに被曝して十年単位で寿命削ってたな。自分が永遠になれないと知っていて、それでも妹を生き返らせる為に……その結末は明後日の良太の身、にはならぬとよいのだが、と次々回あたりの収束を見込みつつ徒然。

*1:ならどうしてイズン云々を追加したのか、という疑問も沸くが……もしかすると推定「第二部」において高千穂が再びグラーネを使ってラグナロクを起こす為の長期伏線やもしれない。ただ「今イジェクトして宿主を殺せばドラシル/グラーネは死ぬ」という言もあり、となると新たにグラーネを作り、培養する必要が……器と中身で最低二人以上の犠牲必須、とまでは思いつくが、どうなるものか。他方「イチジクにはヴァルキュリアしかいない」と派遣された高千穂ヴィンガルフ部隊が真子に瞬殺⇒反物質炸裂で市民の不安を煽るシーンがさらりと削られているが、その辺が次巻収録範囲(or連載の次回次々回)に影響しうるかどうか。他にもグラーネ魔女とヴァルキュリアと「あと一つ」で生成可能という完全生命体ソーサリアンと女神イズンが同じか否か、86話の十年回想がカットされて迷宮入りというカオス。

*2:その場合、「本来の」鷹取小鳥という少女はとっくに死んでいることになるが、小鳥の意識は小鳥自身の脳からという言と矛盾、する?

*3:ついでに連載/単行本/リブート/連載再開と内容改訂の大々先達でもある。