ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll》/『極黒のブリュンヒルデ』第109話*10巻

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

Les Enfants Terribles(恐るべき 子供たち)







10巻:「守りたいもの」

.                               rn
                         n ノ)川
                              l鄱{j |{ r1               . -‐=‐- .
                          ヽ ;  ∨/            ,≠´      ソ
                         i    /          // ,..-‐-ミ、
                          j    /     _,.∠.,_/: :〆.: : :⌒%⌒ヾ,
                        }__f´   /: : : : : `': :/:/.: :/ /   i}!
                          !==!  ,:゙.:/'⌒> : : : : ∨.:〃: :,′ n  ;
                        ,;仁二}  .: ; /.: : : : : : :.V:i{!: :i{   乂_ノ
                          {ニ二ニ} i{! {./: : : : : :/⌒% Ⅵ: :!
                       iニ二ニi  '; : : : : : : : i{: : ‖:、.\:.‘,
                         !ニ二!  乂: : : ,:': : :.∨八 : \: :ヾ:.、_
                          lニ二,'  ,′:〃: : : : :\ :ヽ : : : : : : :  ̄”¨ニ''=-. ..
                      {ニ,ニ!  ; : φ : : : : : : : :丶: : : : :`寸:≡=‐-o。;.: : :.`ヽ
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          ! : : .`ミ辷: ニ=-‐=''ニ¨” ̄,仁ニニ!,: : : : ミ::.、、≧:ニ:`彡゚⌒ヾ; : : : :.i}!  } : : },/. : : : : :, ′
          `ミ辷 : :-‐= ニ: : : :_.:ニ=-:{ニニニ三≧x:.,_ー=`ゞー:。:‐=彡メ: i} : : :ノ:リ 丿: ::i|!: : : : : : ,′
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           ロ囗 x.._囗└┘  []   ロ
            |二二ニ囗 ロ    ロ ロ   ロ           ロ
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                    `゙'<二ニニニ\囗 ┌┐[]   ロ
                   |≧ュ ニニニ 囗└┘  []
                    囗 ロ   。二ニニ二
                     ロ []      ロ  囗
                       |ニロ ロ   ロ
                     'ニ囗ロ []  []
                        'ニ[] ロ    囗    []
                     'ニ□ □ []   ロ
                       'ニ囗 []   ロ  []
                        'ニニ[] ロ  []   。
                    'ニ 囗:. ┌┐[]   ロ
                     'ニ 囗└┘  []
                        }ニ 囗 ロ
                         {二□ []   ロ
                      マニ 囗ロ
                         'ニニロ
                      }ニ ┌┐
                          ムニニ.└┘
                        辷ニア囗

―――9巻が出た頃はまだ序盤だったアニメ版を視終え、またその途上で単行本(もしくは連載)を読み出し今巻を迎えた人がどれだけ居て、その内の何人が此処を訪れるかなんてわかりもしないが。はたまたアニメから入り、更に10巻だけ購入した人が居るとしたらば、どう感じるのだろう……と推量したところでそれに合わせた記事なんて書けやしないのだけども。

「あなたが 羨ましいわ 寧子・・・ この世界に まだ守りたい物があるだなんて・・・」

 皆を守るため犠牲になった小鳥、実は玲那だった彼女の遺言を守るため命を捨てたイチジク、寧子を守るため不自由に耐えてきた佳奈、良太と佳奈を守るためスイッチを押した寧子、全ての力を使い尽くしたクロネコ。また守られて、守りたかったものを喪った真子、良太……アニメ最終話のサブタイは多分にここらから採られたと思われる。

 そして連載、回帰した日常にあって再び迫り来る魔の手から、「守りたいもの」守るべきものは増えていく(今週の柱文)……良かれ悪しかれ、と言ってよいものかどうか。


収録範囲 直前掲載 表紙/裏 引き指数 収束度合 掲載時比較 主な加筆修正
第1巻 寧子、八つ裂き 小鳥、正体不明 寧子/寧子 ★★★★ 衝撃度合↓ ランク設定改訂、「まだ大丈夫だ」
第2巻 寧子、危機一髪 カズミ、吶喊 寧子/佳奈!? ☆☆☆ やきもき度合↓ ハングアップ設定改正、紙袋
第3巻 良太、危機一髪 奈波、友を得る 佳奈/カズミ ☆☆ ☆☆ 加筆の想定内外 秋葉原デート表裏、魔女狩りの影
第4巻 奈波、“死なず” 瑞花、落涙 カズミ/小鳥 ☆☆☆☆ 涙腺刺激≒ 三人で撮った写真、奈波の……
第5巻 「小鳥ショック」 初菜、来訪 小鳥/良太 ★★★★ 驚愕度合↓ 小鳥ノート、黒服の……?
第6巻 大女優、カズミ 魔女狩り、介入 良太/奈波 ★★★ ☆☆☆ 安心度合↑ トリック面で過去最大の大修正
第7巻 命を選択する時 三つ巴、渦中 真子/真子 ★★★★ 展開自然度合↑ 「不死の生命」、ホクロ露見経緯
第8巻 カズミ、本気出す 良太、嘘を吐く 初菜/初菜 ★★★ 驚愕度合\ 中和限界、ラグナロク・イズンetc
第9巻 イチジク、死す クロネコ無双 寧子/小五郎 ★★★ ★★ 人間味↑↑↑ 設定追加修正、九千玲の死に様
第10巻 クロネコ、喪失 三羽鴉、派遣 姉妹/九千玲 ☆☆☆ ★★★★ 完成度↑、驚愕度\ 爆心地他コマ割、カズミ初菜消息

 イチジクチサト、シスコンのみならずロリコンである事が発覚。異論は認めない()。寧子(クロネコ)は嫌われて正解だったのか、そもそも何故嫌われたのか……第1部完となっても未回収伏線が幾つも残っていたように、まだまだ過去には謎が多い。“「あそこで終わっておけば良かったのに」と言われるほど盛り上げるのが目標でした”とは言うけれど、実際ドッタンばったんブンブンと振り回されたけれども、当方からしたら今現在進行形で続いていることが……(小鳥除く)皆が新たな日々に生き、日々新たに想う様子を読めることが幸いなるかな、と。

 閑話休題。話数の区切りを取っ払う独特の極黒スタイル、更に一話の途中で切った続き。小鳥の骸(グラーネ)に守られた二人、アンチマター炸裂で吹き飛ぶ街、ヴァルキュリアを止めようとする二人、そして驚愕に次ぐ驚愕―――第1話冒頭ビジョンに連なる伏線の終着点と、その先の結末。前巻前々巻がズンどこ加筆修正改訂されたのに比べれば、割と、大人しい? 元の完成度が高かったとも言えるかな。それにしてもコマ割・台詞があちこち変更されたりはしているわけで……本っ当に、お疲れ様です。

 ことにアニメ版と隔たっているのは、登場時からずっと全身ほぼ麻痺状態でマスコット兼オカン兼アラーム扱いだった佳奈の「本当は動ける」の謎氷解……軍隊式アサッシネーション。連載現状でも中心に居る彼女の覚悟と、解き放たれた一撃のインパクトたるや実に凄まじかったが……隠れ家捜索〜突入に至るまでが派手に省略されたのとも様相異に、初見者の度肝を抜いたか否や? とはいえアニメ版のライダーキックが間に合ったのは距離的に近かったからとしても、2部に入ってからの体力不足描写を鑑みるに佳奈が如何に辿り着けたか、は流石に補足されなんだ。リミッター解除直後のドラシル謎パワー、「そのときふしぎなことがおこった」レベルで説明自体が蛇足という見方も?

 他方、アニメ寄りになっている点。良太が真子ドラシルを踏み潰した(と思しき)場面の直後によーやっく生存が明らかになるカズミ&初菜の描写カット。あ゛、これって単行本オンリー派にはネタバレじゃね? 単行本のみでアニメ視てない人って以下略。 尺を巻きに巻いたアニメでは筋書きが微妙に違うし、ズンバラリンされたカズミが初菜により蘇生させられた「であろう」てな説明投げっ放し具合だったのだが……まあその辺は11巻収録頭で直ぐ補足されるだろう。単行本のみ読んでると想定した場合、二人しか生存確定してなかった状態から一人で天文部活動してる良太が柱谷邸に帰ると……なわけであるから。

 守りたい助けたいという想いに実行能力が追いつかなかった寧子の、長きに渡る空気ヒロインぶりを一気に押し返す記憶覚醒とドラゴンボールじみた大暴れ。それは蝋燭が燃え尽きる寸前一瞬の輝きの如し、というにはあまりにも刹那切なさ。なまじ想いを交わし合えたからこそ、良太にとってはキツい因果。小鳥がいつから玲那だった(でもあった)のかとは別に、二段・三段構えのサヨナラ……今のところ、最後の瞬間彼女が「黒羽寧子」であったろうことに良太が所感を漏らしたことはない。遺されたまっさらな「寧子さん」の中に「寧子」を見出す……それは過去幾度となく寧子にクロネコを見ようとしたり別人だと思おうとしたことに似て、非なる。実際問題として、想い出は吹っ飛んでも彼女が「寧子」である欠片は随所に見られるし魔女狩り曰く「封印」云々のこともある。少なくても良太がクロネコ会いたさに第3スイッチを押すなんてことはまずないだろうけども……「寧子」と「クロネコ」の相関とは如何なるものであるのか、未だ謎は深い。
 黒羽寧子はクロネコだった、という1巻時点で確信しながら逆巻く時間に置き去りにされた答え・覚悟に再び辿り着きながら、直面した現実に対して如何にするか。それが2部における軸のひとつ。バッドエンドに似たトゥルーエンド、その先の物語?


At the last moment

あっ・・・ あれは・・・

佳奈!?


なんで佳奈が生きてるの? なんで動いてるの?
さぁ・・・ そんなこと私に聞かれても・・・

おかしい・・・ 鎮死剤だって とっくに切れてるはずなのに・・・

あいつ なに食べてるんだろう おいしそう
知らないの? クレープって言うのよ
なにそれ?

んー・・・ わかりやすく言うと 焼いてない大きな餃子
えー 何それ 不味そう
しっ! 静かにして!!


佳奈を 尾行する
ほんと?
おもしろそう!!


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「ねぇ そろそろ 本当のことを教えてくれてもいいんじゃない?」

「私 そんなに信用ない?」「……」

「私はね あんたの為を思って何も言わないの 秘密を知ったらあんたも殺されるから」

「こないだ海で おっぱいが大きな女も同じ事言ってたわね だから別にいいって それで 私殺されても」
(だいたい そんなこと あるわけないし)
「……」


「私はね 魔法使いなの」


「……は?」
「研究所から命からがら逃げてきた だから他の魔法使いに追われてるし 見つかったら捕まる」

「そして魔法使いの存在を知ったあんたも その秘密を守るために殺されるのよ」


「……だったら・・・ その魔法を見せてよ」「え?」

「魔法使いなんでしょ? 当然 魔法は使えるんだよね?」

「だったら その証拠に魔法を見せてよ」「……」

「私はもう 魔法は使えないの 体が動くようになったことと 引き替えに」「……」


「はぁ・・・ 私・・・ ホントに信用されてないんだね・・・
あんたの力になるのなら・・・ ちょっとくらい命の危険があってもいいかなって思ったのに・・・
そんな 子供だましのウソでごまかそうとするなんて・・・」
「……」



あいつら・・・ 何の話をしてるんだ?
さぁ・・・ 全然聞こえないね・・・

一緒にいるの あれ人間だよね? 人間の世界で暮らしてるって事?
そう・・・ なんだろうなぁ・・・

話しかけてみる?
そしたら逃げられるかもしれないし 本当のことを教えてくれるとも限らない このまま尾行して先に隠れ家を突き止めた方が確実だと思う

許せない・・・
えっ?


なんで? あいつもポンコツ魔法使いのくせに・・・

          {  /  ./ /.::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ、__,...戈,>,、 _,..ィヘ _{ | |
            V {  / /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヾム升_nj'´|ヽ_||
.            >ヽ,{ /.:   `ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,.ィ'´  .:..\ }'´V |
              { ´ヽソ.::.... _,ォァ=-`、=‐- , ノ ヽ ヾ-‐=,´-=大ヾ_:::::::::::|ノニ、}ノ
           ヽ,.ィ´',:::::::イ { {О} lヽ、       /1{О} } 〉:::::::::ト,.、ソ
.          ,rァ/''ヽゝ.',::::::::... ゞ:::::ノ ´:..       ..:` ゞ:::::ノ...::::::::::::|'´/\=‐-、
      / //    \',  -、                 (r'´     レ'´  /,>、´ ̄`ヽ、___
,r‐  ,.-‐く,.-‐ゝヾ"ヽ、   |',....ノ         .:::..      `ヽ、.__ /   //  ノ)  ,..ォ'´/
{ ゝr'    `ヽ、 `"'''''''''弋"ヘ          ::::::::.         7ー- ┴‐='''"´  / { (`ヽ

ずっと私は 辛い思いをしていたのに・・・
こんな・・・外の世界で楽しそうにしてるなんて・・・

ちょっと待ちなさい るるみ!!

「っ……!! えっ・・・」


「るるみ!? どうして!?」


「しまった 刺客だ!! 逃げろ!!」「えっ?」「いいから 早く!!」

             _
          r'´  `ヽ.
            i      ',
         i       ',
            i        ',
         |        i、
       ,,-‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`゙ヽ、
     r'´  ,r 'i´ ̄ ̄`i'ヽ、 _,,)
     ゝ、_i  |● , ●|  i'¨ヽ
    、_,ノ ,!  i  ー ‐' ,i 人. ゝ-')
    ゝ、__,ノ ゝ、i`Y∀Y.レ'   `ー‐'゙
          ./´. ¨ `ヽ
          /ヽ   / ゙i
         ,i  ゙,   i  .i
         ,i   i,  |  i,
         |  _,,_i,  i_,,_ .i    _
     _/ ̄i    i'.`i   i`゙レ´<_
   /´ r‐  i_,.、-、、Y,.,..,__ ,ノ i <´
    ̄Z    i`ー'ー'-'ー'ー'ー' 、 <´
      !/レ'´i,.イ`ト.,r'l ,.ri`ト. ,ヘ.i´
        ,r'''7゙./、  ,r.i .ト、
        〉、_ー'_ノ   i. _'ー'_,)
       /   ¨r'    `i ¨  ゙',
      /    /      .i    ',
     {´ ̄ヽv'      .i '´ ̄ヾ,
     ヽ、_,/       '、   ,)
                 ` ̄´

ろっく・・・ おん!!

「!?」ピシッ

この・・・

悪い子めっ!! コ ゙ ッ(ハ ゙ ン ッ)


「……つっ・・・」ドクドク

「ちょっ・・・佳奈!! あんた1人で何してんの?」
「う・・・ うるさい・・・! 早く逃げろ!!」

「あいつらは・・・ 敵の魔法使いだ!!」「はぁ?」


「あいつが人形の首をちぎり取ったら・・・ 私は死ぬ!!


「バカじゃないの? あんたは友達まで使って 私を担ごうとしてるの?」
「いいから 早く逃げろ!!」

「信じられる訳ないでしょ!! ふざけないで!!」


ろっく・・・ おん!!

「えっ!?」ピシッ

(……体が・・・ 動かない!?)

                  ────────             O       ───────
 ∧ ∧ ∧                               |  ヽヽ
〈      .〉.                          ト、                      \
〈  ─ァ  〉.        人               | \       /       |     \  \
〈   X   〉.         ヽ  \ _        / |       ./       |          \
〈   ァ  〉.         J ヽ,   /      /                   |
〈  ア   〉.        l   li,  l     /          |        |
〈  ア   〉.         `ヽ l l,  し                   ├──    |
〈  ア   〉.           ) i .i  /                |        |
〈  ア   〉.          r' i .l i                  ̄ ̄
〈  ア   〉.   人人   J i  l l              / /
〈  !!  〉.  ) ,へ \丿 l   l \__         / /    ̄|   |
〈      〉./ /;;;;;;;;;;;\_ /, ヘi /〃ッ,, (_           / /    ̄ ̄  |
 ∨ ∨ ∨ )  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r'/ 「 /二(_゚)彡 (         /             |
       ヽ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ \ VE ̄ll   彡 >      /  ┌‐┴‐┐
        i 〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉二フ YE;;;;ll (_d" /       /       /
      <  ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;\〈   」〉  ̄ r-        /      /
        )   \;;;;;;;;;;;;;;;;;;V T" | (⌒   /      /
         ̄ .) ,ヘ∠二ゝ- ヽi .l (    〃        ┌┴┐
         J / ノヲノノ _,,. ‐''/ 〃/  /'            /
       ノ  ,ィ (_ヲ ̄    / ./ /  /
     /  / / /⌒)  //,r' /           ウ
     ノ  ,r')/  /  / /'"/         ゥ
   / ノ ヲ7r'⌒   ヽ  /
   l  ( ヲノ/       V

ばーいばーい!! ホ ゙ ッ(フ ゙ ン)


(…… え っ ?)


(何が 起こったの?)

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|       | |.   n.     ││
         | |-―L!     ││
 =‐1   _.、_/-|__i'"      ││
 ~ヽヽ__...ミミミミ::::ノ::::| ̄ヽ     │
.   `ー┴`ー――''"\ ヽ_  |
                 ヽニ-┘ |
|                  │
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(私・・・ 死ぬ?)


ハ ゚ シ ッ あっ!?

トン スタッ ドスッ


……ハァ・・・ ハァ・・・ ハァ・・・

「……そんな まさか・・・」


まさか ホントに 魔法・・・!?


「あんた・・・ 人形がなきゃ なにも出来ないくせに・・・ それを放り投げるなんて頭が悪すぎる・・・」

「そんなんだから・・・ いまだにおねしょもなおらないのよ!!」
おねしょのことは 口に出すな!!

やめなさい!!

「……委員長・・・」
その呼び方はやめて 私は委員長じゃない

私たちは あなたを殺しに来たわけじゃないの 別の任務よ
「だったら 誰を殺すの? 返答によっては ここから帰さない」……そう

ということは あなたの他にも 外で生き残ってる魔法使いがいるって事ね? 「!?」
びっくりだわ 「……」


心配しないで 私たちが殺すのは人間よ 魔法使いじゃない 研究所にはあんたのことは黙っておいてあげる


そのかわり・・・ もし私たちも研究所から逃げ出すことが出来たときは 仲間に入れて

          /. : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :\
         /: : :/: : : : : /: :.:∧: : : : : : : : : : : : ヽ :\
          /: : :/: : : : : :l: : :/ l: : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
          ,': : :/: : : : : : :l: :/ i l: : : : : :.:.:.|: : : :|.:.:.| : : : : ',
       i: : :.{: : : : : :.:.:.l: { l  ',: : : : : : :ト、: :.|.:.:.| : : : :.:.|
       |: : : : : : : : : : ∧l L_;:.:.::.|: : :.| _」:⊥:.:| : : : :.:.|
       |: l : : : : : : : : レイ´   ', : :|:. : :| ,」/_ `メ、.:.: :ト、|
         V: |:.|: /: : \| , ィc行「`ヽト、: :レイ.c:} V }: l:.:|
        V: :レrヘ : : {イ_弋ヒ.ソノ    Vヽじソ_ノ /: j:.:|
         i: : :.{ い: ::|  ,,,,,,,,,,,..       ,,,,,,,, l: ∧:|
          _ノ:人:ヽ ヽ|           ′     l/ リ
           ヽ: : ::ヘ                ノ
               ',: : : ト、      ー‐‐'    /
             レ'): :|  丶        ,. イ、
             ,rく  |     ` rー< ノ /
            ',  V    /´       /
               ,ゝ 〈    /      人
         , イイ  \\ /    ,.  '´   丶、
      ,.  ´ / /     \/ ,.  '´    ,.  '´ > 、

その時は この公園で待ってるから 時々様子を見に来てよ 「……」


ああ それと佳奈

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その人間は 自分で始末しなさいよ じゃないと 死ぬのはあんたよ



るるみのバカ!! 人間がいるところで魔法を使うなんて・・・ それに結局 佳奈から何の情報も手に入れられなかったじゃない!!
だって・・・!!

                  _____
   .f⌒\      . .-‐≠: : : : : : : : : : : `:: . rく  _   ≠{
   :{    .\  . :´.>". :<: : : :ー-: :.f^ <: : :.} ∨/{/   }
  八    . :≫ . : : : : : : : : :` <: :{^ヽ}   \}       ,
    \ / ." . : 八: : : : : : : : : : : : :.\   __  ハY   〈
     \.′ /: >\: : : :` <: : : : : :.〉  7 /r示x{___  \
     : /.\/    '<: : : : :ー=ニ: \____}_ { {f^沁ュ才   ノ
     ,. : :/         ー-=ミ: : : ー-7.ハ乂廴ア云ー-く__
     }/.7          、___ __` <厶 宀ュ_/:i:|<:i:i:i:i/==ニニ才
.     i. :.′  __,.. -‐'   `   ̄ ,.二., ` < /.i:i |マヘ7ノ
     从: {  ̄   ____,     云7≠ー-ミ  }:弍_i:i」 マヘ{__
      ' {  ≠7 f⌒ヾ         {rく示77 _;__ 八:i:i|ハ{ー==ミ: .
       ヾ:, .{{ {^:::ハ{      乂_,=≠.イ≠: : : :ニ=ミ     ヾ:}
      人 ヽ 乂だr _)/ / ; / (_,.. ⌒7 : ,: : '". : : ー-ハ
       >ハ/ / / / / / / / / / /{/. : : : : =ー-: /
.    r≠/.: ::人    r __ー ⌒) 八__彡. : :___彡イ__
.    /:-八=彳: f_)、        ̄ (_,人: : -=≠=≪   ヽ
.   .{: /, : ー-: : :ハ> .,,__ ,.. イ7^ }. : : :-=ー: :〉    '
.    ∨/. /( ̄__ー-=ァ }:.:.∨.:.:.:.:.:.:.:.:.}≠. :_:_,. ;イ     :.
    (___)≠-. : :ーハ 廴j/.:.:.rvァ.:.:.:.:.(_ァ气(乂_ハ         :.
     / /. : -‐=:7  {:.:.:.:.:.:冖.:.:.:.:.:.:.:.:/. -‐=才          \
    ,   ∨_彡イ /  i:.:.:.:.:.f^vア.:.:.:.:.:.:{イ从             ヽ
   /     ̄7.( .{  |:.:.:.:r_,冖.:.:.:.:.:.:.人乂              }
  {       ((⌒ ヽ .!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/       , ⌒   ,ィ /

だって・・・ うらやましかったんだもん・・・

……わたしたちも・・・ このビーコンさえなきゃぁねぇ・・・

……愚痴っても仕方ない 任務に戻りましょ



「ごめん」


「私 あなたがホントのことを言ってくれたのに・・・ 信じないで疑ってた」

                  ,,..イ゙‐'"゙゙´  ゙゙̄"''-..、 .,i-、,,,,,、
            ,,-'"´ '"             `|    `'-、
              ,/            ̄ ̄^'''-..,,_ l      \
       _、 / /       、           `'.l         ヽ
     / ~l /      .,   \ .'、    、 |゙l、      ヽ
    /  ―/´      i―! l   ヽ\ヽ、  ヽ lヽ       ヽ
    i"   "       , l   ヽ 、 ..l,_ 、゙'‐  ヽ .l.ヽ       l
   /   i    /.,ヾ ! |   l |、 .ヽ  l ゙l    l l...l,       ヽ
  .l゙    l    !.、│ .l .!    ! !ヽ ,,,.l..,,| |   .| .|  \       !
  l     !   l | .!、 ヽヽ   |.! "|i   ゙' l  l,   !   ヽ,     l
  l    │   | l. .iイ''''i..゙   !  !c   l│ l   .!    'l、.    l
 │     |    l l ".!c !      |   .,! ! .l゙   !   i、 .| ヽ i、. .l
  l  l   │   l l゙| .l .|      'l--"  | .!   .|   |.ヽ l゙ ヽ.l ヽ |
  !  |    l l,  l l l、\ゝ .,,        l""   l./  / ゙!i!  ゙ヽト `ゝ
  |  |    !| . l  l l ヽ.   ` -‐   _..'' /、  ./.| /
  ヽ.|ヽ   l..l !、  l l .゙"''ー ........,,,, ./ .,,i! l  . /
   ゝ ヽ   ! l  ヽ, ` ヽ ゝ."._.../  .!i-‐" /,/ ./ヽ
      ヽ  ! ヽ  lヽ、.!/‐,゙二 -'レ l.ヽ,,. / /   `ヽ,,_
       ゙''│ \.| .,-゙'li /   _|-/  ´ '~ヽ    /  `'、
               /  .,,|  _,./ .i|, l'、   !   /    _、.!
            !  / ゙''''゙./  l゙ |  l.ヽ_,./   /  .r'" ´|
              | ./   l゙  / !  .!     /  /    |

「ホントに ごめん」

「私 絶対誰にも このこと話さない 死にたくもないし 殺したくもないから」


「……わかったわよ」


「私も 信じる」



“普通の事が 羨ましかったんだ”

 | ', i l  /  l   イ,、-‐ーー‐--、::::,、-‐ー-、l !::i;::::::::::';::::::::::::::::::l l:::::::::` ‐、
 | ', l イ//  l/ r'/ /-''"´ ̄ ̄ヽ `,-''"´``‐、 ヽl';::::::::::';ヽ/:::::ノ ノ::::::::::::';::::\
 |  ',!     l/ /::::/::::::/::::::::::l l:l      lヽ、二ニニニニニニ、-'´:';:::::::::::::';:::::::
ヽ!          /、:/:::::;イ::_,、-'´ノ:l し u    l:!';:l ';::::/:l', ';::::::l';::::::';:::::::::::::';::::::
   ___l___   /、`二//-‐''"´::l|::l       l! ';!u ';/:::l ', ';::::::l ';:::::i::::::l:::::::';:::::
   ノ l Jヽ   レ/::/ /:イ:\/l:l l::l   u   !. l / ';:::l ', ';:::::l. ';::::l::::::l::::::::i::::
    ノヌ     レ  /:l l:::::lヽ|l l:l し      !/  ';:l,、-‐、::::l ';::::l:::::l:::::::::l:::
    / ヽ、_      /::l l:::::l  l\l      ヽ-'  / ';!-ー 、';::ト、';::::l:::::l:::::::::l::
   ム ヒ       /::::l/l::::lニ‐-、``        / /;;;;;;;;;;;;;ヽ!   i::::l::::l:::::::::::l:
   月 ヒ      /i::/  l::l;;;;;ヽ \             i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l   l::l::::l:::::::::::::
   ノ l ヽヽノ    /:::l/:l /;;l:!;;;;;;;;;',               ';;;;;;;;;;;;;;;;;ノ    l:l:::l:::::::::::::
      ̄ ̄    /::::;ィ::l. l;;;;!;;;;;;;;;;;l            `‐--‐'´.....:::::::::!l:イ:::::::::::::
   __|_ ヽヽ   /イ//l::l ヽ、;;;;;;;ノ....      し   :::::::::::::::::::::ヽ /!リ l::::::::::::::
    | ー      /::::l';!::::::::::::::::::::  u               ', i ノ l:::::::::::::::
    | ヽー     /イ';::l          ’         し u.  i l  l:::::::::::::::
     |       /';:';:!,.イ   し    入               l l U l::::::::;':::::
     |      /,、-'´/ し      /  ヽ、   u    し ,' ,'  l::::/:;':::::::
     |        /l し     _,.ノ     `フ"       ,' ,'  ,ィ::/:;'::::::::
     |       /::::::ヽ       ヽ    /     し ,' ,' / l::/:;'::::::::::
     |      /::::::::::::`‐、 し      ',  /    u   ,、-'´  l,、-''"´ ̄
     |      ``‐-、._::::::::::` ‐ 、     ',/       , -'´`'´ ,-'´
     |      _,、-‐'"´';:::::::::イ:l';:::` ‐ 、._____,、-‐'"´  u /     し
   | | | |    \ l::/ l::::::/リ ';:::::lリ:::::l';:::l l:l:::::l\  u /
   | | | |      \/  l:::/ ノ  ';::/ ';::::l l::l リ l::l l::/ヽ /   し
   .・. ・ ・. ・     ヽ \ リ    レ  ヽ! り  レノ  `y

 全然想いを内に秘められてないカズミちゃん様が良太の写真prpr、という極めてアレなカラー扉絵のことはさておこう。うん。第4章までのメインヒロインを空気たらしめる推しっぷりが、転じてギャグの域。いやさ元から夫婦漫才仕様な向きはあったけども。


 早々の暴露は、どうせ信じてもらえないからワザと引かれ遠ざけられるように本当の事を話したのかと思いきや、自分に立証能力が無いことを忘れていた件(小五郎の際は彼がロジカルの人であった為に後日機会を得たが)。冷静さを欠いたというか浮き足立ったせいか……結花は結花で「話が本当だと仮定した場合」良太が死の危険に晒されていることには思い至らない……実に常識的で普通な危機感の無さ。まあ佳奈もすぐ傍に別件で同胞が来てて尾行してるなんて(更に自分達の「現状」が同胞から妬まれるとは)考えもしなかったし気づきようもなかったが、少なからずタガは緩んでた。ひとえに、良太のお蔭で? ああいや……第1話の時点で寧子の状況説明説得力はお世辞にも高いとは言えなかったか。良太は良太でロジカルに理解した上で信じず(アニメ版では逆に信じたかったから)岩に潰されかけたし。だいたいにして、巻き込んだら抹殺必死とわかった上で信じさせる話し方なんて用意するはずもない―――つまるところ「魔法使い」という呼び名が誤解の元だ。超能力者と言っても佳奈に判り易い証拠は見せられんのは変わらないから、「改造人間」だと言ってハーネストを見せればよいのではないかな。急所を晒す以上「良く」はないけど。
 それにしても何度も「普通」と表したが、事後結花の素直さは正味、希少に思う。初菜の「ともだち」だったあの娘のように、悲鳴あげて逃げ出しても何の不思議もなかっただろうに……その方が、危険は少なかったかもしれんのに。でも佳奈はそれでどこか救われたようで、でもこれからどうなるかわからなくて、嗚呼。


 るるみ、此処に来てこれまでで一番“魔女”らしい類感・呪殺系魔法(同時に見た目・気性に相応しい残酷の発露。その意味でも珍しい)。型に嵌れば一撃必殺(反面人形をどうにかするだけで落着させられる融通)のスタンド能力はなるほど黒服暗殺に仕向けるのも納得な一方、敵味方いずれにしろ危うい(身内相手なら急成長しない限り能力は見抜かれてるわけだし)。理依はまだしも話が通じて(逆に物分り察し良さが恐ろしくもあるが)ガチ3対1は免れたが、これは状況次第でロジカルに説得とか無理、かも。美咲も境遇上無理ないかもしれないけれど、若干意識に溝を感じる……いやそもそも、高千穂が何者であるかをさておいても彼女等の命運を直接弄んでいるのは「人間」に他ならず、かつこのように警戒しているのにも関わらず相手側に善意を期待するのはいかにもムシが良すぎる。今更なそれを鑑みるに、いかに寧子の人助け精神、それに協調してくれる天文台メンバーが如何に奇跡的かという話であり、その線からすれば「当然」「普通」の部類であろう彼女達三人が如何にするか・どうなるかは一つのサンプルたりえるやもとも―――少なからず疑念こそあれ、研究所から抜け出したいという意思自体にウソは無い、と思いたい。今の上が、上なだけに……いや元から忠誠心なんて期待できないところに、更に同胞出身の女帝(or魔女に転じた研究者)が恐怖で支配なわけだから。


 物陰に隠れて様子を伺う三人組。理依は、二人の様子から、佳奈が人間社会で暮らせる基盤を持ち、どこかにアジトがあると判断。このまま尾行して、居場所を突き止めるのが妥当だと見て、今すぐの接触は避ける方向で。たしかに結花が居る前だと、本当のことは語れないわなぁ、まぁ、実際問題として、二人がちょうど、そのものズバリな会話をしているとは三人組は思いもよらず。図らずも、るるみの暴走が、二人の誤解を解いて、仲を取り持つ結果になるのが面白い。

 しかも、それが単なる嫉妬というのもねw別段、佳奈は楽しそうにしているわけでもないし、むしろ、面倒な問題を突かれて、返答に困り、あえて真相をぶちまけて、ほら、信じないだろ??さて、どうしたものか、と困惑の極地にあるのを考えれば……なんという渡りに船というか、手荒ながらも、魔法を強制体感してもらえるチャンスというかw

 一応、奈波さんや小鳥との出会いで、魔法を目の当たりにしているものの……その二人は既にこの世に居ない。うん??何気に不吉だな。結花の前で魔法を披露した魔女は、死ぬのか??(滝汗

 佳奈の状況が解らない理依なりの、妥協点と、今後の失敗した場合における保険としての人脈作り。最善の選択かと。瞬時にこの判断が出来るのは、理依のリーダーの資質が本物なところを示していて。

 ただ、リーダータイプは、佳奈と良太、既に二人居るんだよなぁ。どちらも、まだまだ成長途中とはいえ、天文部に三人も抑え役が必要かというと……その辺も含めて、理依の退場の気配は濃厚。話が解って頭がある程度切れるが故に、これは、人物配置的に、居場所が無いな。生き延びたとしても、しばらくは公園を拠点に行動する別チームになる?それだったら、別働隊として、存在意義はありそうだが。

 ヘクセンヤクト、天文部、それ以外の研究所に叛意を持つ魔女、そして、黒服という情報を得た、記者コンビ。上手いこと、これらの勢力が、協力して、連携し合えば、小野寺の恐怖政治と体制の危うさからして、案外、研究所を、内部崩壊させられるかも。ただ、これは全てが上手く行った場合であり、当然、そんな思い通りに運ぶ物語展開だったら、小鳥も奈波も死んでないよなぁ。つまりは、希望はあるが、読者が望む最善の状況にはならないのが、極黒の闇wそうやって、極黒ワールドは物語を紡いで来たわけでして……。

 しかし、佳奈と同い年ぐらいだと思われるのに、おねしょの癖があるとは。たんの漫画では失禁を防ぐためにオムツをしていたり、主人公の目の前で放尿をするといった何かと尿が出てくる漫画ですけど、ここに来てスタンダードなおねしょが出るなんて。しかも、それで佳奈と口論になっているし。こういうの嫌いじゃないです。
 そして、るるみを諌めるのが三馬鹿のリーダーである理依。委員長というあだ名があるあたり、魔女内でのグループでも分けられていたのだろうか?あるいは、まとめ役だから単にそのように言われていただけなのだろうか?それはともかく、他の2人と違って会話になるのが幸い。でも、ビーコンが付いている以上はヴィンガルフを離反できない。離反できるなら離反したい、それがひしひしと感じてきます。しかも、「この公園で待っているから」とかって、それは死ぬ人が言う台詞ですよ。どうにかして助けてやりたいものだが……。


―――はてさて九死に一生を得た結花は当日中に良太と魔女の(命懸けな)関わりに気づけるか、それとも佳奈が事情バレを告白するのか。依然として継続中の黒服&橘記者の危機に天文台メンバーが介入し得るかどうかはそこにかかる……実践遂行能力が小鳥(対個人限定一発逆転の切り札)がいなくなった事で激減した彼らに、どうすれば暗殺目的で派遣された複数魔女を止め立てできるかという疑問、はたまた今の寧子にかつてのような己を捨てた人助け精神が残っているか……それを鑑みた佳奈があえて伝えない、もしくは良太には伝えるが寧子には秘密で作戦行動に入る……何かアレを繰り返しかねない悪寒がががが。
 いっそのこと魔女狩りに協力要請した方が確実じゃあるまいか。予知がないから正確な時間期間は把握できないけれど。そこら辺は良太の話術でよろしく。内偵いるから情報源としての期待は薄いかもだが、研究所の遣わした魔女による人殺しを是認してレジスタンスとは名乗るまいね?(煽っていくスタイル) でも下手をしなくても三魔女と殺るか殺られるか展開に入りかねず、できれば避けたい選択肢だ。監視されているので、天文台メンバーがたとえ最重要監視対象である寧子を置いても不審な動きを見せたらば尾けられる可能性だってある、かも。


 ふと思うのは、鎮死剤による寿命問題が解決(同時に孵卵問題が潜伏継続)した脱走魔女たちにとり、1巻で語られたような「残り少ない命を人死にの防ぐことに使い意味を持たせる」という物悲しい動機はもはや成立しえないのではないかということ。原型『きみとこうかん』でも言うような「助けられる命を見捨てられない」という線でも、佳奈が予知を失ったことで格段に機会は減少したと思われるし……むしろ現状、命を投げ捨てかねないリスクに身を置いているのは良太であり結花であり、小五郎でありその胡散臭い友人であり、また都さんであるのかもしれない。その中に橘姉も加わるかもしれない。
 絶賛ソーサリアン培養中の小五郎と友人MADはさておいても、そういった人達を「守りたい」。それが彼女達の新たなる動機となるやもしれない……好きこのんで危険に立ち向かってほしくはないと思うし、その意味では現状のどこかバラバラ感は悪い方向ではないとすら考えられるのだけど……そうも言ってられなくなりそうな状況が静かに着々と迫りつつあり、どうにも、なんとも。