ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《致命的突然変異/Fatal Mutation》/『極黒のブリュンヒルデ』第110話

(前回感想はこちら) (第1〜3話の無料閲覧はこちら)

極黒のブリュンヒルデ The Moment (JUMP j BOOKS)

Humpty Dumpty had a great fall.(ハンプティ・ダンプティが落っこちた)





≒≠前回粗筋:“殺されたくなかったら、死ぬ気で隠しな” ⇒ 連載最新!!!???

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Sorcery Addict

    トーイノ   ヾ 、  /'i| |\     |ゝ「ノ|| | ',      |        /  |    |    |    /  ,. '    ,.∠ヽ
    ノ ゝ- 、   ヾ、/'  || |   \  |「 ̄|.|| |  ',     |      /    |    |    |  /  ,. '  _,r'-ヽf¨¨ ̄
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いやぁ まいっちゃうよ〜 うちの病院 人使いが荒くてさ ズズッズズズッ

そのくせ給料は安いし 他の医者もカスばっかり あんな病院 おれにはふさわしくないんだよ 早くおさらばしないと おれまでカスに染まっちまう ズズッズズズッ

だいたい おれは実家の病院に戻れば院長のイスを約束されてるんだ まぁ赤字経営のぼろ病院だが・・・ ズズッ

おれが入ったら あっという間に立て直してやるよ ズズズッ
(……とても 無理ね)


それで・・・ その男の警備の状況を教えて欲しいんだけど
あ・・・ ああ

男の病室は712号室 警備は昼間4人深夜2人の2交代制だ だから潜入するなら深夜がお勧めだな

これが・・・ その病室へ行くお勧めの経路 うちは救急病院に指定されてて深夜でも患者の出入りがあるから 戸締りはそれほど厳重じゃない このルートを使えば 誰にも顔を合わさずにたどり着ける

つまり・・・ 男に会うには 病室の前で監視してる警官2人をどうにかすればいいって事だ
(……ひょっとして 案外こいつ 使える男だったりするのかしら)

相手が2人なら 不意打ちすればあんたと私でどうにかなるんじゃないの?
バカ言え 同じ人数だからって素人が警官相手にどうにか出来る訳がないだろう
でも 躊躇なんてしてらんないのよ 機関の事を知る可能性のある人間を ようやく見つけたんだから・・・

……だいたい あんたが連れ出そうとしてるその男は 一体何者なんだ? 下手すりゃあんたら前科だぞ
前科? バカ言わないで

バレたら殺されるのに こっちは命懸けよ



んじゃ 作戦を確認します 私たちの目的は 黒服さんをなるべく自然に殺すこと

ヴァルキュリアの暴走と 世間からの事件の真相に対する疑惑の目で 今は研究所も慎重になってるの だから不必要な情報漏洩を避けるためにも 警備の人も今回の作戦については何も知らされていません

深夜の警備は2人 その人たちは美咲に何とかしてもらう
はいよ

とにかく 絶対に大きな騒ぎにしないように気をつけて そのために私たちみたいな地味な魔法使いが編成されたのよ 騒ぎを起こしたら 私たちもイジェクトされるからね
……わかってるってば

そして黒服さんを殺すのは・・・ 悪いけど るるみお願い いいわね?
……

どうしたの るるみ?
うーん・・・ なんか 気持ち悪い・・・ 吐き気がする・・・
え? 大丈夫?
大丈夫だけど・・・ 早く終わらせて 帰りたい

                  し,::.::.::.::.::.::.::.::\::.::`ヽ、
               /`ヽ/::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:i、
                 L__::.::.:\::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::r‐':ハ
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             〈::.::.::.::.     ト、 、 l  l!,ム‐ナl'!ヽ{::.::.::|;;;;|::.:゙┐ヾく
                \::.::{  i l、!ヾ\ハl∨イfィt.`ト, i | 〕::,>=、::rヘ:', ヘヾ:、
                ヾ:ヽ ゝ,ヾ、斗-、   弋zリ , ト、ゝ{薔}::.)、l:、 ヘ \\
                    `从ルヾ゙ 弋zリ         // .〉、ヾ"::ノ ',!:', .ハ  \:\
                  /   /∧   `__     ! |/:;ィ:>、〈   ゙!::| .ハ  \:`ヽ、
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「委員長たちのターゲットは・・・ あの病院にいる誰かね・・・ 一体誰を殺すつもりなのか・・・突き止めないと・・・」

「でもあいつら・・・ 私に尾行されてることに全く気づいてない・・・ ホント バカにも程がある・・・」

               /ト、,ハー--- .._
                ,- 、/ !::!  ',ヽ    、.:` 、
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l′ .| .i:/ .!:|    |::::!    ヽ- '1  //  イ  /  / j/
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「よく言うよ 自分だって尾行されてても気づかないくせに・・・」

「……ホント 魔法使いって バカばっかりなの?」



ええ? 712号室の患者って明日搬出じゃないの?
あら 聞いてなかったっけ? 患者の容態が移送に耐えられないかもしれないからって院長が拒否したのよ 警察の要請を断るなんて ホントに院長は頑固よねぇ
……

まずいな・・・ だったら慌てて今日やる必要なかったのか・・・ 30万ももらっちまったのに・・・
えっ?

……まぁいっか 黙ってりゃ わからねぇだろ・・・



いるいる それじゃ美咲 頼んだわよ
はいな

にんにん

    ./\
    ./ /
   /  ` .,
   / /` ., ` .,
  ./ /   ` ._ >
 〈 〈
  ` `, ,
     ` `
        ー'   /` .
           ` . `;
         /`  .,/ /
         ` .,   ` .,
            `  .,/      , 、
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                ` '   ., ` 、      , 、
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                              〉 /
                               //
                            ̄

じゃーん! すごいでしょ

すごいすごい 早く服も脱いだら?
……この瞬間が いっつも恥ずかしいのよね・・・

     '!     .|          |     .{       |       ,!
       '!     |          i、    弋       .|      ,!
.      '!      .|              \     .|    ,!
      '!     |           <    .`'<,  .|    .i
       l     |            \     \,!     |
.        }      i.                  ヽ.      \   .!
      /       }              '!      .∨ |
..    /       /                  '!         ∨、
.    /      /                 '!        .'! ∨
   イ/     /=--―…====…‐- .,__ }        } ∨
.   |ヽ.ヽ.ヽ ∨ ! ̄ ̄¨¨¨¨¨¨ ‐- .,_      ̄¨¨ ' …‐-=,!ゝ. ∨
.   | l\\\ /            `ヽ.        __, ―ix〆,/
...  弋_/`‐`‐<               〉._, ..-‐・´ .   ∧/
.       /                 _,.イ゙´          /
.       /                  }'゙          /
.      ,!                     ,!            /
      ,!                  /         Ⅹ
.     i                    /        ./
....   |                     /         /
    |                /       /

パンツ脱いでるんだからこっち見ないでくれる?
……見えないんだから 別にいいじゃない・・・

ねぇ るるみ まだ気持ち悪いの?
うん・・・

ピーーッ ピーーッ ピーーッ
!?

なんだ? 病室から・・・ ナースコールか?
まさか 意識が・・・

カンカン
人が来る!! 隠れて!!

                        /´   :/ / |__|../∧  ,小:l `` <
                      /:    / /´Y⌒Y/ :i / / l       `  、
                         iヘ   / ./ /ゝイ   レ :′ l             >、
                     ハ厶 > ´ヽ:/ハ::|    ,′ !         /   ヽ
                      .′/     ノoノー′   /    !       /     ∧
                        / /     :/ /      /ヽ___|       /       ∧
                    / /: : . . . . . :./ /      /   \  ┌ュ  i .:/         ∧
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                       | |:.:.:.:./: }   〈: 〈    :i!:l  L....... __/   /      ヘ   _____   ∧
                       | |:.:.:.:ヽ {   j oj   .:i! l. /:         /      〈:./´ ̄ ̄`  ハ
                       ! |:.:.:./;:;:`ヾ、_ヽ_ヽ  .:i!:.:|,′       /      . "´          }
                   l。|:.:./;:;:;:;:;::::::::::::::``ー一"| O      /    /            , ′

おれの30万円分の仕事はここまでだ あとは知らん さぁ帰ろ

お前ら ちょっと待て!!

ナースコールが鳴っていたでしょう?
だが許可なく誰も中に入れるなと言われている

私は医者よ!? それで患者が死んだら責任が取れるの!? あんたに!?

取れるというなら書面に残してくれる? 緊急性があるにもかかわらず 医者の治療を受けさせずに起きたことに対して全ての責任を負うと!!
……面倒くせぇ女だなぁ・・・

診るだけならいいだろう だが 監視はさせてもらう

美咲!! あんたもこの隙に 一緒に病室に入って!!
はいな


なんだよ・・・ 寝てるだけじゃねぇか
だめ・・・ 脈が弱っている・・・ このままじゃ危険だわ

ICUに移動します 手伝って
あ・・・ああ
それは許可できねぇ

それは許可できねぇなぁ おれにはどう見ても 気持ち良く寝てるようにしか見えねぇよ

だいたいお前らはホントに医者か? なんなんだ そのヒゲは? ちょっと話を聞かせてもらおうか 外に出ろ
……


うっ・・・ ううっ・・・
るるみ・・・ すごい汗だよ・・・ まだ気持ち悪いの?
脳がぁ・・・ 脳が痛いぃ・・・

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:::::::::::::::|       > ´ ,..........、    V`ヾ x::::::::|  \:::::::::::::::::::::::::::
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. \:::::::::::!      | |                  | |       |::::::::

脳がぁ・・・ はち切れそうだぁあぁ……

あああ・・・ あああ・・・・ あぁあぁあ・・・!!!

バカ!! るるみ!! 大きな声出さないで!!


あああ・・・ あああああ・・・
!? 誰だ!! そこにいるのは!?

ほらバカ!! 気づかれた!!

       .l;;i′      /     .!圭/ .イ、圭圭圭/ |圭/       ィ幺才     ,イ゙ .,〃      ィ幺才
       .|/       ノ      .l圭!  l圭圭圭ゝ !Ⅳ           ,,ilr'"     ,i'./        ,ィ幺才 .,.
       :l゙                 | !  /圭圭Ⅳ  /Ⅳ         '″      .,l./        ,,ノ才  ィ幺圭
              _,,          !゙.,,.,i圭圭Ⅳ  .iУ                             ,i'㌢ rィ幺圭圭
   .i}′        / Ⅳ .,      /圭圭Ⅳ   .l″            ,ν         /Ⅳ_ィ幺圭圭圭圭
   `           i"Ⅳ /      /圭圭Ⅳ                il l′         ィ幺圭圭圭圭圭才㌢
           lⅣ  ."、    /圭圭Ⅳ             _    ,,i!!″     . ィ幺圭圭圭才㌢ー'″
          /./    l「    ../圭圭Ⅳ             ,,il″   .´      ィ幺圭圭圭才'"
     .,i''l   .,〃    .〃 /  ./圭圭Ⅳ     .,.     _ /″           ィ幺圭圭圭才 ´        _ン'
    ,lⅣ  〃   .,〃 ./  ,/圭圭/     ./     ,r'./     .,    ィ幺圭圭圭才゛        . _,,-へ.iii
   .〃   ./l   、〃 ,ir /圭圭/    .,〃    .,ノン′  .,,ir'"  ィ幺圭圭Ⅳ'″      ィ幺圭圭㌢''圭圭
   〃  .,ノ~;/  .,/./ .,ノ/ /圭圭Ⅳ .,.. |″    ,i'ン"   ,ii'" .,..-'イ圭圭Ⅳ゛   ___i才"       `'''″
  .il″ /圭Ⅳ ,ィ彰i彡'゙i/'"圭圭圭込才Ⅳ    ,-/'" ,.. ;;/!"._.刈圭圭圭Ⅳ_..-、.,才㌢'"゛
. ,i|′ ,/圭圭レ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭|  ,il!ン''/...-彡 '',゙..ィ幺圭圭圭,ィ幺圭才"'"
// 幺圭圭レ゙圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭Ⅳ. |/‐才ンィ幺゙‐'゙圭圭圭圭才゙‐'''^゙゙''″         _..i
/幺;圭圭〃圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭込ィ幺,iテア´圭圭圭圭圭圭才"      _,,,...i;;;;iv=ゞ´
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才  __..;;メ`-ー'"゛            _,,..ィ幺圭圭圭圭λ
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭i彡ィ幺圭才               ィ幺圭圭圭圭圭圭圭圭
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才'´             _..- _ィ刈圭圭Ⅳ   .゙'''゙゙゙´ ,,-''"
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才″_____.圭圭彡''彡丞'"゛        ‐‐‐'"
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才_,,ィ幺圭圭圭圭才 ゙゙゙̄‐'"゛
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才'"
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才㌢ ̄,,
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭才 '" ̄゛ . _..yrー''“''''"    . _,,.. -;;ニニコニ;;r‐
圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭_.-‐'' 二ニ  ―ニニ`-'”'"゛     .,_iiir=`-''''"´


!? なに!? ハングアップした!?
あああああああ!!

なにこれ!? 何かがハーネストから溢れてる!! デロデロ

(違う!! ハングアップじゃない!!)

きゃあああああああ!!
「上だ!!」


「!?」


                                  __
                               ィ、マニヾj7ヽ.
                             _ィ ニ)/ ̄ `ヾノュ   .ィ≦ヽリーュ、
                            ィミヾ/__   ,マ><ニ>=-=ミフヽ
                           イニ ア彡 ̄~: :`ア  zュ_ィf´ .. ィ==ュ、  `ヾハ
                          人イ       . : : r、_彡⌒`<ニ>´⌒ヾ\  }_人
                        ィ /     . : : : : : : 个ヽ    \   ヽ\j>, `ヾム
                       /j /    . : : :/_ ム ム }ム     マニニム ヾニ{   Y_)、
                      / ´  ̄ミヽ  : :(ニフ ム ム oゝ=ュ、__ノ⌒ヽ ̄マ Vニュ、 「f ハ
                         ///    : :} j7 `´   ーrュ、 {うュ、 、 ハニ=} ハ `ヾ j'/ j
                     リ    ヽ: : 人: ヾ ミーミ \ヾハ `ヾ彡从 } jリ!_ ム  `大リ
                  イ jハ    . : } ,,z  j)r=千≧ュ、 \   : : : :`ヾー「 人 } Y_ 7!
                 /7  トム   . : : : j/フ´__ミ\ニニ[   ≧ュzf≧ }=ュ_} \イヽ 〈 7 j/
                 ムl{  マムゝー= '_´,zケッ^ ィニア⌒ ヾュ /∧、ヾ   Y、マ _フ/`y'
                    ム ハ  /´ ヾzvッァ彡'^´ィニ、ニ7       Y  /∧ \  : :ヾ´イァ′
         ry、_rュr、_  }/ 八 j /ニゝr、-=ニ彡´   Y{      }ハ  ィ个ト、   : :\´   ト
      rュ'ヽキヾハキムf≠=Lz  `!/ jニ7 rニム     jト.      川{⌒j イケ人  `ゝ}とヽ,  |ハ
     r-≧=ュヾ>´~⌒ /! `ヾ/j   イノニ/ゝ、_.. ィ八ミュ _,,爪ニ_ノイ彡'  ヾオt「: :ヽ{、  }
     r'≧=≠ァ      ム!   リ´  イニ/  ,,ィ_>ヾニニ≧ュニニニシ´ ̄    イリ  : :リ  ム |
    rゞー≧ュ       !/|   人 ー彡_ ィ´>´  ,イf´ ̄⌒ヾ ミニ7       ノ个ト: :ィ{ / /j!
    」ニ=┬7      |l ム  {メ  }い、ニ=‐´  /⌒fニL_  ~マソ フ      「fr  /: :リ ̄「 j/
    ゞr_ ト'        マ ヽ マミ、  ハ __,,人  リ      : : /ニ{_     マj   爪_/ /
    マ≧−r'  _-=ニ マ j〉、}ト、_  }マ : :ーヨハ ト `  : :彡: :ニニニ7     マ  /r−'´
    rキ=キrニ=‐  ̄  マ{ (≧ム   `マ : : : :マ}_jュ、 ー= : :,,ィ7   ニヽ     /  y´
-=ニマー=┴,     ィ⌒ヾ    マ、   \  : :メ、ニ≧ : :彡//   ヾニハ   |f /リ
 ̄   スニ≦└,   イ     >キ   ヾュ r=ヾイニニニニ≠ニ{7: :    }ニ,ム   リ j/
   └r≠≦「 ィ⌒ーァ    : :≧=ュ、_ゝ   \ニニニニニリ {!: :     j n-ュ、_/_人_
    マ´ ̄ア   ィ´     : : : :ニ/⌒ヾ    ヾニニニニ/ /: : : :   「⌒j_ { j/  7_
     }>´ュ、 j/        : : : : :ア     ゙マ \≧ ̄ア⌒ ̄)ュ、: : : :   !  ハ、  ア  /⌒j!
     /   `マ       : : : : :≠        V ト、ヾ  r、 `ス{ーミヽ : :  ! j`ァ={、 )イ  /ー,
      f   rzZ  =ォ= ´           Yハーy⌒ヽ≧ュ、 \`ヾ!: : |!リ /  /=ミ /´i/
    人_  r__うrィ´>_ィ)               } ト,仆 、⌒ヽ ≧ュ、ヽ    j/ / イノ 、_リ ュy|
    {八〕>=z_彡 ニ7アー'{ rュ       _ rォ」´マムヾr\ \7\ j ≧-ュ、 /イ/ ィ7  ィf
    /j、_ ィ r7 ニ7イ  7 「-'〕_rュ_イ)_ゞーキハ ヾ>、ゞ.个r、 ヽ \_ /⌒ ヾ_フ ィ / ィ 77
    /! : :イ´ Y ニ7 {´ / fj  /~|T| {ム   ヾ  \ヽ.≧ュ\ ̄ {!    j| _ィ彡7 ア
  /     : : ヾj  ⌒jL人 / j/ イj i! |! | ム マ ハヽ   ミ ーァ  ̄  マrゥ、  アムハ //
    rア ̄)/    ⌒ヾ_r/  ハ T  | ハ マ  `ァ=フ      ト≧≦ニ/ミ「
    人イ彡´        `マ_r=ァ  l|  ゝ マ rォ{         )ト=イ   }\
    /T/               ー´ ̄ヾ「 ̄`ヾ≠           {マ  |!   ハ ヽ,
   /イ                                      マ、   |!  ノ/ |!
            ,-―――‐-、
ヽ      __/;:;:;j´イ;:;:;:;:;:;:;:;`ー、
;:;:;\__/;:;:;:;:;;:;:;:;:;//⌒ヾハ;:;:;:;:;:;╋\
;:;:;:;:;:;:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;//;:;:;:;:;:;:}};:/⌒ヽ;::;:;:;l\
;:;:;:r=;:;:;:i;:;:;:;:;:;:r‐'´`l//⌒ヽ{ {;:\  |;:;:;::ト、 }
/シ;:;:;:;/二ニ彡_  ア、  /;:r--ャ/ヽノヾ^ヽ`
/;:;:;:;:;/;:;:;:;:;:;:;:;{ |_/,--ミ'/   |    ', ヘ
;:;:;:;:;:;:;:;:;/ヽ;:;:;:;:ヽj;:/   |l    .}_  .|、  〉
;:/ヽ;:;:;:;:`ー';:;/⌒ヽハ  .|::ヽ  ./  \/ `´
;:;ー';:/⌒ヽ;〈   ,|:::|  ソ{::::{ /J
;:;__;:;:ヽ、  ム::\/j j__/ ソ`´
;:| ヾ´ ̄`´∨  .//
¨ヽ_>     //
i  .|      //
i  ; |     .//
.  ! |ハ   //
、_ノ |  ハ'
::ヽ_ン^yー' |
l:::し、l { i i |    , イ
レ、:::::ii_斗/ ∧ /  |
. |::え(\;:;:;:;:;「   .|
 .|:::::ii'ハ:::\;:;:ヽ__n    ,イ
_ノ_/ |:::::::ー-、,-'´|>‐'  {
__l_   |:::::::::::::ノ:ノ¨||  ,、  |
 /、   」{ ̄i i ̄  / ̄  |ノ
ノヽ>'´  | /シ、_j ./ハ  ./ヽ__,イ
.  |    |ヽ__/ |_/:;:;:y、 |
.__人__ィ/|    f−‐'´ } ./
,--、:l´    |    /|    /y'
_ノ:;:ヽ__ノ>‐<:;:><´:/ヽ
;:,--、;:,--、;:;:;〈__/;:/   フ‐'´
¨ヽノ¨ヽイノ\__,---zー‐'´
                 ト、入__斗ト、__厶ノ
                   厂| } .||dlb||.{厂!
                 i  { / }}dlb{{ i  |
                      | /\/}dlb{i人 ノ
                  / ./  i`¨¨´ ヽ \
               く廴厶__ }  {   ヽ .>
                 ̄∨¨>/ 弋¨¨iムノ
                   i__T≠T_ i¨´
                  | | ||   | | ||
                  | | l|   | | ||
                    { | l|   { | ||
                    | | l|    !| ||
                  {:∨::i   }∨:|
                       |:::::/    |::::::}
                      |::::|    |::::/
                     }:::{    .}:::{
                  |√i    |√i
                  }  |    }  |
                  \ノ    \ノ

ゴリッ ボリッ ゴリッ


……なに これ・・・
「まさか・・・」


るるみが 孵卵した!?


                                __
                              ィニ==ミュ、
                              ,イ/ ̄     ヾ \
                          ,イ/         ヾム
                         ム7              マム
                              ム7    :..:' __  __jハ
                         |ニ!  _;:'::'ニニニニ<_)ニ≧=≦ニ`ヽ
                        _人ニニニニニニ=ミニニニ=  ̄ ̄ ̄ヾム
                      ,イニニニニニニニ ア⌒ヾ\ニュ___   jリ
                 :.    ムニ7/ニニニニト  {!   マニ个r==―オ!//
                 .::   イニ7 ニニニニニム、  ミ、_ノニ 彡::':.   jニ./
            ;    .;::イ::..彡㌢´ イニニニニニニニ≧ュ_彡ニニ \`  ム7
           :′ /  ォュ: ::[:;´  / jニニニニニニニニニ≧ュ、ニニ  {  ノ/
        :.、  :  / ォニ㌢´':;..  j /ニニニ,ニニニニ/!ニニニニュ、ニニVイ
        ., ::. :, イイ_㌢´       !/ニニニ/}ニニニニ{/ニ/jニr−ァニニニV
       ト、 :.':;..::「ニ㌢       リニニニ{/ニニニ 7⌒ マニニ≦ニニニニ、
      」ニニニz':Y::K,:      八ニニニイニニニ八    マニニ个=ニニニュ
     √7 r=⌒ヾ\`'::{.     // ゞニイニイマニニニ、__ イニニニ  //マニニ、
    ム{ ヽム     \! ;'     //    マニr' `ミニニニニニニニ7 //.,.: マニニ.::'⌒.::'.:
    |/  ヾ}              j/      マリ   ..:ヾニニニニニニ..:'/::';:..   マ.::'::.:;:.'':,
                          「j!:...;'::. :. ミニニニニイ.::' ::;: ::'    ;:'ニア
                              」/  ムア:..:': ヾニニニ{ :'':; :.     /ニア ィ7  ィ7
                         //   `ア'ニニニニニニニニ、'    /ニニ彡´ ィ㌢´
                        ´  ィニニ:'::.:'; ニニニ:.ニニニ,    /ニ/ __ィ㌢´
                         ィニニニニ':;ニニニニニニニニ  イニ≦≠=´
                      ィニニア´ ̄          ニニ イニ=‐´
                    ィニア´            .;     イニニ彡
                  ィニア          イニュ、  :..:'', イニニ
                              イ㌢ 7ニ≧ュニ:.:': ニ
                              ヾ{  {ア㌢ヾニニ::.'..:
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“王様の馬と家来の全部がかかっても ハンプティを元に戻せなかった”

 ふと思うのは、鎮死剤による寿命問題が解決(同時に孵卵問題が潜伏継続)した脱走魔女たちにとり、1巻で語られたような「残り少ない命を人死にの防ぐことに使い意味を持たせる」という物悲しい動機はもはや成立しえないのではないかということ。原型『きみとこうかん』でも言うような「助けられる命を見捨てられない」という線でも、佳奈が予知を失ったことで格段に機会は減少したと思われるし……むしろ現状、命を投げ捨てかねないリスクに身を置いているのは良太であり結花であり、小五郎でありその胡散臭い友人であり、また都さんであるのかもしれない。その中に橘姉も加わるかもしれない。
 絶賛ソーサリアン培養中の小五郎と友人MADはさておいても、そういった人達を「守りたい」。それが彼女達の新たなる動機となるやもしれない……好きこのんで危険に立ち向かってほしくはないと思うし、その意味では現状のどこかバラバラ感は悪い方向ではないとすら考えられるのだけど……そうも言ってられなくなりそうな状況が静かに着々と迫りつつあり、どうにも、なんとも。

 
……嗚呼なんて、楽天的で楽観的で甘い見通しだったことだろう。味方も敵方も、その内なる秘密が、それが「いつ訪れるかも知れない」ことがビーコンよりも暴君代理よりも恐るべきものである事を失念してしまうとは。

「鎮死剤を飲んで生き延びている限り あなたたちのドラシルは体の中で成長しているの このままだと孵卵する
その後 人間である体を食べ尽くして・・・もはや人の形もなく魔女ですらない完全な化け物になる
ただ人を滅ぼすためだけの・・・怪物よ」

「私たち いつ「孵卵」するか わからないもんね」

「いつ化け物になって殺されても 心残りがないようにしないとね」「……」
「あんた ホンマにドSやな」「別に そんなんじゃない」

「自分のリスクに 常に敏感なだけよ」

「今までは どうせすぐ死ぬと思てたけど 今は薬もあるしな」
「普通の人だって 明日交通事故で死ぬ可能性があっても その日暮らしはしないでしょ?
私たちも あんまり悪いことを気にしすぎても仕方ないと思うのよね」

 いやさ、(少なくとも彼女らの主観では)明確に期限が判っていた鎮死剤寿命問題と異なり、いつとも知れない「その時」に「怯え続けられない」ことこそが? されどこの日この時を以て、まず佳奈に、改めて突きつけられる。どんなに人間と親しみ人間社会に順応できても、当然隣人をかっ喰らう怪物と化してしまう危険性を。いや最初に喰われるのは自分か……んんん? “魔女の意識はドラシルのもの”なる言には、小鳥⇔玲那および寧子⇔クロネコにより一定の信憑性と同等以上の謎が残るが……つまり『るるみの身体(器)』より出でて先ず食い尽くした上、仲間に牙を向けかけているあの化け物は、ある程度『るるみ』でもあるということに? それが幸いするか、更なる不幸……「死ぬより恐ろしい」辛苦を続けさせる事になるか。


 そもそも「孵卵」という事象自体を知らされていなかった研究所魔女が派遣先で突如、内なる怪物に喰い破られる大事件。“なるべく自然に殺す”なる暗殺任務は破綻も破綻どころか、この先どうなるか予想がつかないにも程がある……というかだ、これ任務失敗にしても彼女達の責任ではないだろう。一人喰われて一人喰われそうで一人全裸インビジ状態で、現状全くそれどころじゃあないが……ともかくも研究所側・小野寺代理にとっても予想外の事態であるはず。脱走研究者からなるヘクセンヤクトにしても(小鳥孵卵が近いとは予見していたようだが)魔女がいつ孵卵するか正確な計測はできていないようだし、ヴィンガルフがより研究を進めていたとしても今回を予期できなかったというのはそういうこと。それでも残り二人ないし一人が研究所に戻った場合、小野寺は言った通りの処罰を下しそうな気がしてならない。
 はたして小鳥(玲那)の覚醒経過を鑑みるに、他の魔女にも適用できるかは不明ながら「器」魔女の精神状態が(元より期限の近い状態の?)ドラシルが孵卵する起爆剤となりうる可能性は否定できない。かといって佳奈への羨望嫉妬暴発がるるみのそれを加速させた、という因果が成立するならば、絶賛蚊帳の外こと寧子さんなど5回は怪物化していないとおかしい……むしろ魔法を使うことで瀉血・ストレス発散と見た場合、喫茶店の際に暴発しなかったことが空恐ろしい。


 ところで、ふと気になった点がひとつ。「死ぬより恐ろしい事になる」と教えられるハーネストの第3スイッチについて、佳奈だけは魔女によって機能が違う事を知っていた。いやカズミもか。元より仲間内では情報源が特殊な部類な娘らで、あの三人も佳奈が「本当は動ける」ことは知らなかった模様だし……ただカズミはまだしも操網で以て内部情報を少し攫えた可能性がなくもない一方、Cクラス認定で処分寸前だった予知魔女がどうしてそれを知り得たか。元ヴァルキュリアである寧子との関わりは記憶を失いBクラス落ちして以降であったので、それ以前から関わりのある特別な魔女だった、わけでもない……例えそうだったとしても、また「非常用」とはいえ態々「無能力」になるスイッチを用意し、あまつさえ本人に知らせる必要……教えた? 研究所員が? 何の為に? 
 また真に非常用というなら、「体を動かさせた方が安全な状況」を抜けたらまた予知が使える麻痺状態に戻せなければ、ドラシル保全はともかく魔女として使い捨てに等しい。いや研究所側からすれば「器」はそこらから誘拐してきた少女で賄えるわけで、しかもスカジならずもAクラスに比べたら相当使い勝手の悪かろう佳奈という魔女を惜しむ理由は無かった……? 更に言えば誰からどう伝わったとしても彼女一人でスイッチは押せない上、(いつかの重力魔女でさえ一撃で粉砕されてしまったのに)魔法が使えなければ所内からの脱出は絶望的。逃げずとも押した事がわかれば処分は必至……普通の研究員、黒服や土屋のような中途半端な良心者、あるいはヘクセンヤクトに協力している内偵のいずれにしても「彼女の得になることではない」と判りそうな事実。ならないからこそ、知る事ができた?


 しかし、これは偶発的な事故ではなく、小野寺所長代理が仕掛けた爆弾であることは間違いないだろう。るるみのドラシルが孵卵することを想定せずに三人を出すわけでもないし、九所長のことを「あの男とは違う」と言っている以上は、何か策があったわけだし。大体、小野寺所長の態度からしてとても三人を信用しているとは思えない。孵卵したりるるみが黒服を含めて病院内の人間を皆殺し、タイミングを見計らって病院に放火で火災事故として処理をする。これなら別に怪しまれることもないし、魔女の存在も怪物の存在ももみ消すことが出来る。随分と派手ではあるけど、黒服を自然な形で殺すとなるとこれが妥当かもしれない。

 これ、ヘクセンヤクトの連中の証言を鵜呑みにするならば、理性もなく、ただ人を喰うためだけに存在する怪物、ということになるんだけども……ドラシルに魔女の意識がある以上、孵卵直前にるるみが苦しんでいたのは、孵卵によってドラシル本来の自我が目覚めたために、素体の人格が完全に破壊されたってことなのかなぁ。もしくは、人喰い生物になってしまっているものの、るるみの意識は、あの怪物のどこかに残っているのか?捕食衝動に呑まれているから、わけわからなくなっているだけで、自我を取り戻すことも……いや、期待できそうにないなぁ。

 さっそく、理依に目をつけているんだが、これ、来週、冒頭でヘタしたら魔法すらお披露目せずに、理依、いきなり捕食されて死亡って展開は、大いにありうる予感。

 脳がぁ…脳がいたいぃ……で、レイズナーゴステロを連想したヤツ、素直に挙手w

@okamotolynn 今週の極黒、拝読しました。るるみの脳が痛い〜!!はレイズナーゴステロを連想しました。しかし、この展開は、さすがに予想外です。佳奈の姉は漁夫の利を得そうな雰囲気ですけど、さりげに結花が危ない気もしますねぇ。あと、美咲w服は消せなくてもメガネは消せるのかw

@inuyoshi_aru いつもありがとうございます。ゴステロ様はどのくらいメジャーなのでしょう・・・

このリプライからして、やはり、狙ってるな、岡本先生!!(ぉぃ


―――元から無茶だった黒服誘拐作戦が完全失敗で橘姉の手が後ろに回る⇒下手をしなくとも殺される寸前間一髪危機一髪、とは全く言えない状況。そして奇しくもそこに居合わせている「妹」と、その「友達」。この因果の絡まりの終着点はいずこにありや。また事情を知らされもせず置いてけぼり(もしこの場に来ていてもどうこうできるかは極めて怪しいが。攻撃手段がないわ再生で耐久できそうな相手じゃないわ)の良太他。結花が二重尾行したのは完全に彼女自身の意志だろうが、展開次第ではもう良太に説明を求めるどころじゃなくなりかねん……それも「ヴィンガルフに捕まって魔女に改造される」方がまだ生易しいくらいの。嗚呼、彼女の存在自体というフラグの重さが、キツい。

 かくも表になった札だけではどうにもならん……というのはいつものことだったか、それともヴァルキュリア解放以降だったか? 5章がずんどこ長期に渡って緊迫し続けたお蔭で、基準値が迷子、徒然。