ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《心理のらせん/Psychic Spiral》/『極黒のブリュンヒルデ』第81話

(前回感想はこちら)
(第1〜3話の無料閲覧はこちら)


自分が生きながらえるよりも あなたが生きていてくれる方が嬉しい(おれが生きてるうちは 絶対お前らを死なせない)

順当に考えて、カズミ優遇エピソードが来たから、今度は寧子さんのターン!
正ヒロイン様が、思う存分、存在感を示す、決戦前のプチデートな箸休めエピソードかと思うじゃない??

箸休めだなんて、とんでもないwむしろ、置いた箸を、そのまま叩き折る勢いの、あり得ないまでの危機演出!!
そして、正ヒロインとして、どうかと思うよ、それは!?wな行動に走る黒羽寧子さんェ……w

それにしても、寧子の良太を黙らせる行為を見ると、ついアレを思い出してしまった。ノノノノの最大のギャグ、岸谷がアナルショップ先輩皇帝を崖から突き落とすシーン。いくらなんでもあれは、酷すぎる。皇帝が頑丈だからと言っても、あんな高さから突き落とされたらタダじゃあ済みませんよ。2度ほど崖にぶつかっているし。まあ、良太を崖から突き落としたら、確実に死ぬと思いますが。

良太ママ久しぶりの登場だったのに出番少なくて残念。
ママにもっと出番を!
あと、背景に心配する結花が居たら最高だったのに。
メイン張るかと思いきや綺麗にフェードアウトしていった結花に光を。




前回の粗筋

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         /: :/ : : : : : _ ニ-−-ニ、_: : : :ヾVVVVVVVVV
        /: :/ト--‐==´≪〃r'示ヾヽ≫ `ー->          彡
   ___/: ://|己o rヽ_こ |l丶朮メノリ つフ-=>   乱  い <
_/:_/: :.//: :,ヘ、_  `ミニヽヾ王彡'ニ彡´⌒_>   世  か <
: : :_/ : //: : :/ハミ| >‐、-ニ二_ヾ!ツ __Zニ __<≧  .で   .な <
 ̄ \//: : : :./ |ハ|ミ!/べミヽ   =`三´- ,ィ彡=ヾj:l>   あ      <
    〈_: : : : :./ : |T||||  、_ヾミヽ、    ィ彡イ_ィ   !冫 れ      <
.      ̄Y7: : : :!y'イ  |l rヒjヾミ ノ、/_,r'rtj´フ/  !∠        ヾ
        〈: : :./イイ  ミ="‐┘ィ  l:.└‐゙=彡 ' lミ ∧∧∧∧∧ヾ
         _>彡彡彳      ´,'::l   l:.`      トミミミ、_
.       ´ 彡彡彡l:     .':::l  : 、      |ミミミヾ=-
          ////l     ___ .ヽ!  _‐'___     |ヘヘヘミ三≡=
        //////ハ -彡_=_‐ `ニ ーニニミヽ   ハミヽヽVVVV彡
       _/‐´´イ//イ´//イ/゙`‐ニ二ニニ`マヽミミ、ハミ        <
-――‐‐<_____乂//ハ {           ::ハヾヾミ  罷  こ <
: : : : : : : : : :\  X/ イ/ハ ',ヾ、        .:'/ }ハハ>  .り   .の <
VVVVVVVV.\ \| l lハ ',ヽ`_‐‐-‐‐__メ , 'ハヾ>   通   邪 <
        彡 \ }| l l lハ ヽ _ ̄ ̄ , '´ イl l |>   す  な <
  許  関 <: : :.| | | l l l lヽ、、_ ̄ ̄_ , イ l.l | |>   こ   所 <
.   さ  雲 < : : :| | l l l l l l l l l l i l l l l l! ! l |>   と  業 <
  ぬ   長 <: : : l | | l l l l l l l l l l l l l l l l l |>      .を <
  !   が <: : :.ハ ! l l ll l l l l l l l l l l l l l l |>∧∧∧∧∧ミ

―――『きみだら』センターカラー扉絵が実に別嬪姉妹。顔面ブッカケてしまった義妹(予定)が二人の愛の巣に三日間も同居……これは木乃伊取りが木乃伊のフラグや否や。しかしこの切り方で「次回の掲載をお待ちください」て……“不定期連載”に偽り無し。ローゼンメイデンなどは掲載予定が明記されてたのに、原作か作画のご多忙か。こちらは勿論あちらも他に色々手がけているがために? それとも誌面編集の都合か。

 果たせるかな。カズミちゃん様の見せ場も束の間、この頃どうも空気状態が否めなかったメインヒロインさんのボケと恋と決断……良太が居ても無謀な作戦を強行せざるをえなかったかもしれないし、グラーネ移植が「一両日中」である以上(メタ視点)余裕なんて全然無かったのも確かだが、このやっちまった……が事態好転に寄与するとは思い難く、ただでさえ難易度ハードモード以上だというのに。


「This may be the last time we can meet」

「東軽井沢・・・旧通り3・・・ そこが(いちじく)の別荘や・・・」
『調査します ……確認 取れました 現在は名義を変更されていますが 九所長の母親に抵当権が設定されています』
「……間違いない そこね」
「カズミ よくやったな」「……」

「行くわよ」「待て!! おれたちも行く!!」
「……勘弁してよ あんた達がいても足手まといにしかならないわ
約束は守る グラーネを処分したら鎮死剤のパスワードも教える だからおとなしく待ってなさい」

「小鳥は助けるんだろうな?」
「……状況によるわ 努力はするけど」バタン

「……信用出来るか あんなに小鳥を殺したがっていたのに」
「別に 言われた通り ここで待つ理由はない」
「ああ 場所はわかるんだし 追いかけよう」
「ちゃうんや村上……」「えっ?」
「あのおばちゃんも早とちりや 九が隠してた不動産がひとつやなんて誰も言うてないのに・・・もうひとつあるんや」
「……なんだって?」
「たぶん そっちが本命や 広い敷地と・・・増改築を繰り返してる」
「……場所は?」
「前にキカコと戦った・・・湖の近く・・・」


「カズミちゃん 体 大丈夫?」
「問題あらへん 頭をちょっと切っただけや」
(簡単だ 九邸に忍び込んで 小鳥を連れて逃げればいい
そして余裕があれば・・・鎮死剤を一緒に持って帰る・・・とても簡単な話だ・・・)


「あれ? 小五郎は?」「まだ お帰りではありません」
「……受精卵のことを問い詰めようと思ったのに・・・」
「佳奈ちゃん 大丈夫だった?」
『うん 上げ膳据え膳で実に快適だった』
「あの 市内の地図はありますか?」「えっ?」

「九の拠点はここだ 湖に近い山の中の一軒家 確かにここなら 少々の騒ぎをおこしても注意を引くことはないだろう
日没後に偵察へ行く 深夜まで待って小鳥を救出できそうなら侵入する
ただし敵にはヴァルキュリアがいるし九も銃器を持ってる 周りには民家もないし敵も遠慮はしないだろう
侵入がバレたら・・・間違いなく跡形もなく殺される」
……

「小鳥ちゃんの救出は 私たちだけで行く
だから村上君はここにいて 村上君まで 命の危険を冒す必要はないから・・・」
「……」
「やっぱりバカだなお前ら 考えなしのお前らだけに任せたら 成功の確率はグッと下がるだろ」
「はぁ!?」「正味 10分の1以下だ」
「おれだって別に付き合いで命を賭けるわけじゃない お前らより遥かに頭脳明晰なおれが一緒に行った方が 生還の可能性が上がると確信しているからだ 少しは自覚しろ お前らだけで行ったら間違いなく無駄死にだ」
「……」

「だいたい 前から同じ話をしてるし その度に言ってるはずだぞ
おれとお前達は一蓮托生だって」
……

「はい・・・もしもし・・・ はい・・・ 村上さん お母様からお電話です」「えっ?」

「やべ……昨日 連絡なしで家に帰ってないからな・・・ ……もしもし」

「良太 お前一体どこで何をしてるんだ!?」

「別にお前の心配なんかしてないけどな・・・ 学校からうちに何度も連絡が来てるんだ!!
一体 天文台で何があったのかって ボロボロに壊れてるそうじゃないか」
「!?」


「警察に届ける前に事情を聞きたいんだとよ 聞いてんのか!?」「あ ああ・・・」
「今すぐ学校に顔を出せ いいな!!」ブツッ
「……参ったな・・・ そんなことしてる場合じゃないのに・・・」

「まだ おれたちのことは研究所に伝わっていないみたいだけど もし学校が天文台のことを警察に届けたら
そこから足がつくかもしれない 適当に理由を考えて警察に届けないように話してみる」

「まぁ・・・ 魔法で壊されたとも説明できんしな・・・」
「黒羽も来てくれ」「えっ?」
「副部長としてお前を登録してあるんだ 1人で説明するより2人で話した方が信憑性が出る
日が暮れるまでには戻るから」


天文台にイノシシが乱入してきたなんて言い訳でなんとかなるとは思わなかったけど・・・
おれの日頃の行いが物を言ったな 取りあえずこれで警察の介入は防げるだろう」
クンクン
「む・・・村上君・・・ この同心円状の甘い匂いのする茶色いモノはなに・・・?」

「え? ドーナッツだけど・・・ 食べるか?」ゴクリ
「ダメダメそんなの!! 小鳥ちゃんが捕まってるのに!!」ブンブン

「あの ドーナッツ7個ください」
「えっ!? 無理 無理!! 私7つも食べ切れない!!」
「……みんなの分だよ・・・」

(山を丸ごと吹き飛ばすような力を持つ敵の所へ これから丸腰で行くのか・・・ 実際腹を撃たれて一度殺されたし・・・
ひょっとしたら もう 黒羽と一緒にいられるのは 今日が最後かも知れない・・・)
ハッ
ドキッ「……」「……」カーーッ

『どう考えても それ 恋でしょ 寧子は村上のことが好きなのよ』

ドキドキ


――――――――――


「黒羽・・・ どうしたんだ?」
「……やっぱり ダメだ」

「村上君 私 天文台に忘れ物をしたの」「えっ?」「取りに戻りたい」

「一体 何を忘れたんだ?」「内緒」
「……早くしろよ まだしばらくは大丈夫だと思うけど・・・」「うん」

「村上君・・・ ありがとう」「えっ?」
「私の身代わりになって助けてくれたこと・・・ 私・・・どうやって村上君に感謝すればいいのかわからない・・・」ギュッ
「……そんなことはいいよ・・・ おれも無我夢中だったから・・・」ドキドキドキ

「でも・・・ あの時・・・すごく 辛かったの」「えっ?」

「私・・・自分の命よりも村上君が大切だから・・・
あんなこと して欲しくなかった・・・ だから・・こうするしかないの・・・」

ト ゙ ン
ドサッ

「ごめんなさい・・・村上君・・・ 命を賭けるのは 私たちだけでいい」ブシュウ*1

「私 もう・・・あんな思いをしたくないから・・・」


「雨はいつ上がる」

……鎮死剤のリミットが迫っており、カズミが身を削って道を拓き、超強敵が待つ場所へ決死作戦、の寸前で主人公を置き去りにするヒロイン。彼是と要素差異も変化もあれど、なんともデジャ・ビュ。あれから色々な事があり、何度もう駄目だと思ったか。敵方に味方に零れ落ちてしまった命もあるけれどなんとかかんとか生き延びて、しかし「終わりの始まり」、そして「終わりの始まりの終わり」へと?
 幸か不幸か魔女狩り首脳が的を外した場所へ赴き、小五郎&友人は宇宙人の胚に夢中で当分潜伏を解かぬだろうし、後はフレイヤが何処までイチジクに義理立てするか次第……そんな風に余人が介入する要素が薄く、故にかなり絶望的。良太は十分の一以下と言ったけれど、元の数字でも1割どころか1%にも満たないのではないかと(悲観)。それくらい戦闘力では勝負にならず、スニーキングミッションとしてもプラス要素に欠ける。精々、ハングアップの維持と解除を利用した陽動くらいか。「とても簡単な話だ」とは、そう思い込めもせず自己暗示でも騙しきれず、だからといって退けない如何ともし難さ。ましてや良太を「直触り」で気絶させたとあっては、目覚めた彼が動く前にケリを着けねばならず強行不可避。放っておけば死ぬ、座して死を待たず突っ込んでもほぼ死ぬ……それに助勢せずにいられない気持ちと、それに巻き込みたくない想い。今回は(有言実行し続ける前者の末路を目の当たりにした)後者がより強く発露されたという話。

 はたしてこれは寧子を庇い良太が死に掛け、九死に一生を得た折に懸念した相互対話、OHANASHIが不足だった為に起きた事態であろうか。シリアスも笑いも伏線も盛り沢山とは序盤から常に思う所だったが、その故に深く話し合う余裕も機会も逸していたきらいが無いとは言えない。ただ反面、良太の言う通り劇中何度も提起された話題であり、実際示した意志を曲げずに来た。3巻末とか最近76話などでも問題視されたのは「一人で解決しようとせず協力しよう」という事であり、自身が魔女達の問題から手を引く(そうでなくても余人に解決を任せる)というのは頭から考慮されない。良く言えば天井知らずの男気、悪く言えば過去のトラウマに囚われたまま……それが無ければ関わらなかったかもしれないが、それを抜きにしても彼女達のことを慈しみ大切に想っていない訳じゃないのか、とは“記憶を失うくらいしないと”最早確かめようの無い命題かもしれない……彼がいつから【ライトワンス】体質であるのかは定かでないが、ただ実の所、村上良太は“二度”記憶を失っている。一度は十年前クロネコの死を知らされ泣いた時、もう一度は沙織の【転時】により巻き戻された時……あの時も良太は寧子がクロネコなのだと気付いて、彼女を守る為に致死の危険に立ち向かおうとして―――そして間に合わなかった。


“おれは また・・・クロネコを失ってしまった・・・!!!”


 状況は違う。だから何もかもが再現されるとは思わない。良くも、悪くも。ヴァルキュリア・真子が【転時】を備えてる可能性こそ残ってはいるが。
 積み重ね、育まれたもの。変わったものと、変わらないもの。良太については「黒羽寧子」への感情もクロネコへの想いに併呑されたきらいはあるが、単に人間博愛精神で以て自己を犠牲にするのでなく「村上良太」を大切に想うが故に。帰る場所のある人を、置いて往く。加えて佳奈も留守番だとすると、突入班が全滅した場合も小五郎が鎮死剤を生産可能になるまで生き延びることを望まれてか。その場合、最後の博打第3スイッチ≒寧子の真価に言及し得る者が不在で益々絶望。この間といい、もう完全に不確定要因頼みでどうしろと。
 また魔女狩りの早合点とはいえ抜け駆けしてイチジク拠点に突っ込んだ事を知った上で約束を守ってくれるかは……小五郎が生産した薬を素直に提供してくれるかと同程度には怪しく危ぶまれる、かな? いやそもそも、元から(初菜が5錠回収して)一人生き残らせられるかギリギリという残量で一人攫われ一夜明け、初菜が手持ちを供出しないことには「節約」必至。事によると見込み激薄の小鳥と薬よりも安全を確保した良太との未来を取るべく一時退却、もしくはハングアップを解除して逆に生存率の高い囮役を買って出るか……ううむ、一週越えて尚うまく考えがまとまらず投げっ放し徒然。

*1:最前、髪に隠して解除したハングアップスイッチを改めて押すの図。ここにおける懸念はヴァルキュリア真子の魔女探知が常時機能するパッシブソナー型であるのか、任意で発動させるアクティブ型なのかということ。あるいはSランクらしく両方混合であったりしたら始末に困る。