ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《外科的摘出/Surgical Extraction》/『極黒のブリュンヒルデ』第82話

(前回感想はこちら)
(第1〜3話の無料閲覧はこちら)


あの日 あの時の 絶望 再び の 兆し



前回の粗筋

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   r<   // / !  〉   |:::::|     /\l l`丶、 _ ノ、_二ニニ}九|
   >r><//  ヽ/|  l    l::::::l   /   {ニ}_ノ  l  |   l l  |寺|
     〉─< Yヽ__イ::|   > -  !::::::〉   〉   | | ||   |  |   l l  |真|
   <つ了、 / / ヾ::! /   /:::::/    }  / ./  ll   /⌒ヽ   リ ノl宵ト
      ̄`\\>-- r─、_ l_:l____ ,.r≦  | |  ヾ  !   }___ /  ̄ 〉
            ∨`ヽ、 _{::o::::::::::::o:::::::::::::大   ヽ/   \`ー/       //
           |/   }`厂──┬:<::::::: \          \      //
              |/ヽ::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::\        ー =<./
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―――「2014年4月からTVアニメ化が決定」……か。今暫く先の話ながらそれでも存外に早い気がしつつ、その頃には連載の方もどういう状況になってるか計り知れないにも程がある。期間やら、キャストやらOPEDやら、改変オリジナルやら……昔は気にもしなかったが製作会社やらにしても?と思ったらエルフェンリートと同じとこがやるのな。(特に小鳥の)学園パートだとか最近のカズミの魅せ場だとか、本編では描かれずじまいの部分を補填してほしい気持ちは多分に強いけれど……バイブだのアナルだの連呼してたり今回も暗澹グロがと、作者がある意味絶好調すぎるが故に大丈夫なのかとという気にもなる。登場人物や読者のみならず製作スタッフにもドS……なんて、久々に書いたなそういえば。


Ghost Protocol

「寧子……?」*1「どうした?」
「……何でもない」


「ひょっとしたらもう・・・村上くんとは これでもう最後かも知れない・・・
でも大丈夫 あなたが私のことを絶対忘れないことは知ってるから」

「さよなら・・・」

「あっ!? 大変大変!!」

              __,,,_   _,,__
         _,,,---<::::...ヽ`ー':ノ  `ヽ   _
       /....::::::::::... `ヽ:ノ .::/.::   ヒ´  :::.
      厶-‐:::¨ ̄`ヽγ___.:〈.:::  /    〉
     /..::::::::::    _〉::::::::ミー-く   _ 一-- 、
.     /..:::/ ̄ ̄`  く:::ヽ、:::::}::::::::レ' ¨´      .:::〉
    .::/   ___ 」, -‐ニ==、rく___    ..:::/
.   V   γ´  /  }_/ ̄∨ ̄`ヽ   ̄ ー‐‐`ヽ
       /   {   :|   ヽ    \   ....::::::/
    マ :八   :、    ヽ    \    \ -=ニニ{
     ヽ ヽ  :::..    ::.\   :::\    .::::::::::/
      マ:::::\ :::.ヽ   ::::.\  :::::`:::......__..:::ノ
       ヽ:::::::マ::::::\::::::::::::::`ヽ、_::::::::::::::/
         `ヽ\:::::::`ー-、::::::::::::::ヽr‐ '
           `ー--、::::::::::>-一 ´
                   ̄

「さよなら・・・」


「おかえり ……村上くんは?」
『……そう』

モグモグ*2「……うん おいしい」
「なあ佳奈 誰かが死ぬ予知は見えてへんのやな?」
『は? 今ハングアップさせてるんだから 予知が見えるはずないでしょ?』
「ああ…… そらそうか・・・あんた予知も出来んのにドーナッツ食べてからに 働かざる者食うべからずやで」
『うるさいなぁ 私だってお腹空くのよ』
「佳奈ちゃんをいじめないで!!」
「けど 佳奈も私と同じで今までハングアップなんてしたことないんだし 予知が見えないとは限らなくない?」*3
『それはそうかもしれないけど・・・あんたは魔法使えなかったんでしょ?』

「甘いもんで・・・ 一番喜ぶ奴がおらんのも寂しいもんやな・・・」
「佳奈ちゃん お留守番お願いね」
『わかった でも ちゃんと帰ってきてよ』
「必ず小鳥ちゃんを連れ帰って このドーナッツを食べてもらう」「……せやな」
「日も暮れた 行こう」


「地図だと・・・あの家だね」
「……電気が付いてへんな・・・ ここにおらんのか・・・?」
「あんたの情報 間違ってるんじゃないの?」「何やて!?」
「行こう もしここじゃないとしても それを確認しなくちゃいけないから」「……」
「寧子って・・・そんな仕切るタイプやったっけか?」
「えっ?」
「まぁ・・・誰かを助ける時は いっつも向こう見ずやったか・・・」

「……人気はないけど・・・今 誰もいないとしても 警備会社の警報とかがあるんじゃない?」
「大丈夫や 人を殺して実験するのにわざわざ人が集まるようなことはせんやろ
むしろ発報して警備会社が来るようやったらここは(いちじく)のアジトやないわ
玄関から入る泥棒はおらへん 裏回ろ 見つからんように足音立てたらアカンで」

「いやぁ 泥棒する時のカズミがこんなに頼もしいなんてね」
「やかましわ!」「しっ!」


ド ク ン『あっ・・・』「どうかしましたか?」

『……うそだ・・・』

『ダメ・・・!! みんな死んでしまう・・・!!』

「真子」「……わかってる」

「あのバカ・・・ せっかく殺さずに済んだのに・・・」


「ダメだ・・・どこも窓開いてないね・・・」
「ねぇ そこ・・・」「えっ?」
「……なんやろ・・・」
「あ・・・開くわ・・・」

「階段だ・・・」「……降りよう」
「いいの? お化け出るかも知れないよ」「!?」
ガタガタガタ
「冗談よ なんでお化けをそんなに怖がるのよ
どう考えても・・・ この先にはお化けより恐ろしいモノが待ってるのに」

「一体・・・どこまで降りるんや?」
「さぁ・・・ もう5〜6階分は降ってる気がするけど・・・」
「えっ…… 何やここは・・・」
「ねぇ・・・やっぱり帰らない・・・? ちょっとここ普通じゃないよ・・・」
「ここまで来て 何言うてんのや・・・」

タスケテ・・・「!?」

助けて・・・ 助けて・・・
「小鳥ちゃん!?」「声が聞こえる・・・」
「……声は あの奥からや・・・」
「ちょっと寧子!! 危ないよ!! ……もう!!」

助けて・・・ 誰か・・・

「え!?」

: : : : : : : : : : : : : : : : :l: : : : ヽ : : ヽ: : ヽ: : : : : : : : : : : : :ヽハ: : : : : : r-、r 、r‐、!                \
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V: : : : : : :V: : : : : : :\: : : ヽ: : : ! : |: : : : :Ti: : :j  ∨  //////////////////   /                |

助けて・・・ 助けて・・・
どうして・・・体が・・・動かないの・・・
誰かいるの・・・? 助けて・・・


Knochenmark / Cattle Mutilation

 生きているのか、死んでいるのか。おそらくは脳を喰われ脊髄を穿たれ(orハーネストを引き抜かれ)……魔女なのか、魔女になる前の少女なのか。前者だとすれば何故頭蓋を切り開かれる必要があるのか、後者だとすれば何故グラーネの新たな素体ともならず放置されているのか……いずれにしても何故この惨状にあって生きているのか、またいつからなのか。もし初菜のような【再生】魔法を備えていたとて、ハーネストごとドラシルを抜かれて尚、半不死性は維持しうるか? 初菜でさえも「イジェクトしなければ死なない」つまりされれば死ぬと第一人者が明言しているというのに―――まさか寧子とお化け云々が伏線とは全く思わなかった。幽霊、霊魂、魂……魔女のそれはドラシルに宿り、記憶は脳の断片だと魔女狩り頭目は言う。中の人の意識が目覚めなければ精神は当人のものだとも。だがその両方を喪って生きている/死んでいない彼女は一体何を示唆しているのか? いや両方やられているというのは早合点かもしれないが。魔女狩りがグラーネを「殺し」た後に小鳥が生存しうる可能性にしては、あまりにも凶かつ狂的なものが拭えない。自分と妹以外の命は本気でどうでもいい、実にイチジクらしい所業ではあるけれど。


 どうしてハングアップ中なのに、予知を見たのか?とかは、この際置いておく。
重要なのは、このままだと、全滅するという、元からその可能性は高かった
悲劇が、ついに予知のお墨付きを得て、現実味を帯びてしまったこと。そして、
それに呼応するように、動き出すヴァルキュリア……藤崎真子。うーむ……。

 ミスリード狙いの予感もあるが、普通に考えれば、真子さんの言う『せっかく
殺さずに済んだのに』と言ってるのは、のこのこ本拠地に出向いて来た脱走魔女ズと
いうことになるのだが、会話している相手が不明なのと、真子さんの敵意の剥き出し
っぷりから、寧子さんではない可能性も??若干、残されているような。まぁ、厳しい
わな。素直に読めば、この後真子さんに見つかって、一同皆殺しな展開にしか……。

 と、初菜ちゃんが嫌な予感を察知していましたが、いましたいました。それも、かなり強烈なものが。脳とハーネストを摘出され、うめく程度には生きている魔女(と思わしき少女)が。これが恐らくは、九所長が必要としていたもう一人の魔女なんだろうけど、再生とかでどうこう出来るレベルのものではないな。それよりも、この魔女は寧子たちをおびき寄せる囮であるのも事実。どーすんでしょうねー、佳奈の予知も発動しているし、寧子たちも丸腰同然。時間がないとはいえ、迂闊としか……。

ハーネストを埋め込まれようとしている?
それともハーネストを取られた?
後者ならば髪を切った小鳥の可能性もある。油断はできない。

心に大きなわだかまりを残したまま、次号。

とんでもないものをラストに放ってきたなぁ…。
来週は巻頭カラーらしいけど、カラーで描いて大丈夫なのか。
どうせアニメになるから関係ないか。倫タンも吹っ切れてるね。

―――そして第一章の全滅シナリオ再演は着々と進んでいる。ハングアップ≒警報オフのはずが予知が「視えてしまった」佳奈、気絶させられた良太が小五郎宅を経由して現場に間に合うか否や。それとも彼女が視たのは良太が現場に直行した上での未来か。その場合、携帯を持ってない(これまで魔女絡みの作戦行動中は無線で連絡を取ってた)良太に予知情報を伝える事も叶わず手詰まり……? 「本当は動ける」と寧子の生死との因果も、かくも距離があると即効性遅効性に関わらず枷にしかならない。一度は避け得ず実現した結末からして楽観的にはなれず、順当に行けば最悪の結果。要は完全に伏せられているカード頼み。沙織の時みたく「もう一つの魔法」なんて伏線も無……いやあるんだけど、それもスロット有り余ってるのが。だけど真子さん、何とも思われてなくても大好きイチジク所長の為なら月が綺麗ですねもう死んでもいい覚悟決まっちまってて一章再現不可能。まったくもって、「どうあがいても絶望」状態、なんて幾度思ったかしれない、なんて文言も何度目になるのか。

……第1話冒頭のアレ。経過子細はさておき、あの破滅未来に行き着くや否やという絶対可憐チルドレン的命題とは別に「その先」がありえるのではないかと思った事も数限りない。となると同様に、だ。其処に行き着く以前に(グラーネ孵卵⇒地球無生物化EDを除く)「取り返しのつかない事態」になったとして、それ即ち速攻リセットやり直しを必定とすることなく「その先」の時間が当たり前のように続いていく……そんな予断予防線も一応張っておくべき、なのかもしれない?

*1:前回の魔法行使における懸念。任意発動でなく自動発動パッシブソナーの方で感知された模様。ただ速攻で真子がその場に飛んでくる事が幸いにして?無かったのは向こうの都合か。そして後述の反応はハング状態から「発動してしまった」魔法についてか、それとも侵入してきた三名に対してのものか。後者の場合は外部警報が無くとも「出入り口」の監視カメラくらいはあるのか、それともイチジク所長自身も尋常の存在ではなくなっているのか……まあ普通ならばカメラで済むし今のカズミは眼を殺せないし、深読みし過ぎても逆に的外れるのはいつものことだが。

*2:「噛めないけど飲み込める」ということでミキサーが宿縁宿怨のマスコットさんが動けないなりに普通に食べられてるように見える件。良太が気遣って柔らかい種類を選んだか、それともいつだったか考えたように彼女の麻痺は自己封印的なもので若干の柔軟性を持つということなのか。ただその場合、火事に遭っても良太に下の世話をされても頑として解かなかったそれをドーナツの為に……それとも程度問題なのか。

*3:極黒において珍しくも1話の内に立てて回収さるフラグ。初菜の場合、ハング状態でも再生できないだけで肉体が融解したまま生存できるという半不死性は維持される(その割に直近、死んじゃう死んじゃうと大騒ぎだったが。ハング状態から「死に体」となっても解除すれば復活できるのか否か)というのと似て? 発動原理とハングによる封印原理が詳らかでない以上は曖昧の域を脱せず。