ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

”孤独な天使のように闘い続ける”偶像の英雄。英雄の偶像。

 ヤングガンガン連載中のFRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE』、第7章「羊飼いの帰還」はそろそろ結末が近づく佳境にあって、ようやく「原作ゲームらしさ」が出てきた、ように思う。ごく個人的に。

 そもそも本作は、当初第1章の頃からゲーム版のプレイヤー≒主人公視点*1とは隔たった目線*2ばかりで描かれている。都合、短期連載で終了となった『FRONT MISSION 〜THE DRIVE〜』を除けば、
”変人揃いのヴァンツァー*3特殊部隊が局地戦を戦っていく”というある種の初代ガンダムまたはスパロボ的な構図は無かったと言ってよい。7章にしても暗澹とした空気は拭い去られることなく、死臭をより濃いものにしている。
 しかし此処に来て、個性の強い傭兵達が死線を幾度も越えて結束を深め、目前に作戦目標とそこに立ちはだかる尋常ならざる強敵*4、という構図が成り立った。決戦を前に絆を確かめ合う様子は確かに美しいが、出来すぎじゃなかろうか*5。まったくどういう結末になるやらで、単行本だと次の次の巻くらいになるのだろうか……できれば連載時に読んでおきたいものだ。

 余談だが、連作の形を取る*6本作の中で私が一番好きなエピソードは2〜3巻の4章「楽園の果実」*7である。次点は2巻の短編3章「猟犬の群れ」*8。番外として5巻の6章「Unlucky Days」*9……正直あれは涙腺に来て卑怯だと思う。結末も……だし……。

iM@S架空戦記シリーズ補完wiki-作品別用語集-@_Minefield

 ゲーム版初代フロントミッションと『アイドルマスター』のクロスオーバー。「iM@S架空戦記シリーズ」と銘打たれたタグを持つ動画で私が継続視聴している内で、特にアイドルたちが過酷な環境でやさぐれていくものの一つ。他には南無三Pの「Pの聖戦士伝説」などがあるか。あれは原作の関係上しょうがないとも思うが。
 紙芝居クリエーターの機能を存分に生かしてオリジナルの展開を混ぜ込み、方々の視点を導入する為私見では上記漫画と原作ゲームの境界線上にあるような物語。ブン屋と神父の存在感は異常。あと「地獄の壁」が男前過ぎ。

  “前非を悔いた元アイドルが、自ら懲罰隊を志願してヴァンツァーを駆り、戦場へと赴く……
   キーボードは打てても敵は撃てない豚どもが、いかにも喜びそうな話だろう?”
  “わっかりましたっ!!
   使い捨ての客寄せパンダってことですね!”
  “ハルカ・アマミ大尉、懲罰中隊隊長として前線へ向かいます。
  ……女の子を甘く見ると、いつかひどいしっぺ返しがきますよ、大佐。”


*1:だいたい何処かしらの軍人が大事件に巻き込まれて方々を転戦する。

*2:最初の主人公は報道記者。訪れた街が直後戦火に巻き込まれ怯えて過ごす。

*3:主に2足歩行の人型ロボット兵器。

*4:部隊リーダーの実弟、狙撃手の妹の仇(と思われている)。初登場時の機体は気化燃料弾頭に浮遊レーザー盾なんていうブッ飛んだ装備のワンマンアーミー。

*5:実際にはあれやこれやと「本作らしく」すっきりといかない伏線がありろくでもない展開が控えているとは思われるのだが。

*6:その中で7章は突出して長いエピソードが現在進行形。

*7:いい親父レン・アカギ大尉が助けた少女と友軍の為に体を張るダントツに格好いい話。

*8:携行ロケット砲などで武装した対ヴァンツァー歩兵部隊の戦いを描く。

*9:本作の狂言回しこと戦場カメラマン犬塚の常と異なる側面と彼が出会った人々の話。