ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《星明かり/Starlight》/岡本倫『極黒のブリュンヒルデ』第2巻

 先週合併号で連載は一週休み、しかし期を同じくして『君は淫らな僕の女王』がミラクルジャンプで連載開始。いやあ、いっそ清々しいほど直裁でしたね。そして今日―――ヒロインが真っ二つにされるというトンでもない引きから続く第2巻が、発売。

 前巻ラストにおいては主人公の脳裏に稲妻が閃き、「まだ大丈夫だ」と発言する頁が追加されていたが、連載当時はあの絶望絶叫からどう巻き返すか/本当に起きた事なのかと思ったものだった。実際にどうなったかは感想記事を追うか本を読んで確かめてもらうとして……それ以降から続く物語は掲載時、憶測推量を重ねに重ねるミステリー/サスペンス/ホラーの緊迫感だった。新たな魔女・鷹鳥小鳥……彼女の笑顔に秘められた真実とは―――残念ながら3巻頭まで明らかにならない!()
 他方で毒舌マスコットの佳奈と信頼関係を醸成したり、カズミの来週どうなる!?*1という状況に繋がるアプローチに翻弄されたり、まさに「魔法使いのお守りは本当に疲れる……」と良太が悩まされる日々である。気が休まらない!

 また当方が連載を読んで先を知っている事もあるが、思うに、単行本ではヤンジャン連載のように推測を重ねる感覚は薄い。一話一話の境を取り去った『極黒』単行本仕様は単行本なりに、ひと連なりの勢いがあるのだけれど。要は単行本派の方も連載のハラハラドキドキを楽しんでくれたら幸いだな、と。

 公式ツィート曰く、7頁増ということで……彼方此方に台詞修正や新規コマ。また9話と10話の間、また18話終わり辺りが丸々書き下ろし。掲載時に疑問だった部分や、話の合間に描写されなかった部分が補足されている。連載に沿い、また連載も多分にそれに沿う。両方読んでないと困る程でもないが。
 修正点で大きな所では「ハングアップすると体力を大幅に消耗してしまう」が【転時】の強力さ故の代償に転嫁されたことかな。第2章で寧子や小鳥がハングの直後に動けなくなるという描写は無いし、そちらに合わせたものと思われる。また刺客の逃走防止に必須の“ビーコン”は信号送受信する機能しかなく、マイクがついてないというのも大事。つまり二度の戦いで懸念された、寧子達に手を貸す村上良太という助言者の存在が未だ組織に発覚していないという不幸中の幸いか。まあ連載の方の今後、端末が示す場所で待つ者の意向次第では一般人としての良太が即刻終了しかねないのだが。


 あと何気に重要なのは、カバー下の「きまぐれキャラ紹介」。本邦初公開のフルネーム橘佳奈、普段は仰向けか椅子にもたれてるか背負われてるかなので……立ちポーズをキメる姿は一瞬誰だお前!? と思ってしまったり。感想での繰り返しになるが、鎮死剤の問題が解決すれば、かくのごとき彼女の元気な姿を見ることが叶うだろうか。それともこの一枚きりの幻想として……ぐぬぬぬぬ。楽観視ができない『極黒』クオリティ、岡本倫ドSクオリティ。

 まったくもって来週、嗚呼カズミ可愛いよカズミちゃん様吶喊の結果や如何に。口悪かったりガメツイ所もあるけど、すげえいい娘なんですよ! 自分だってギリギリなのに残り1つしかない薬を佳奈と半分こしたりとか! 単行本だと若干コマ小さいのが残念だけども、傷だらけなのに笑顔で階段駆け下りる姿はマジ天使ですから! 寧子&小鳥がアホの子かわいいのにも佳奈が毒舌ゴスかわいい()のにも負けてませんから―――うごごご!()


【第3巻】収録分頭〜第2章末【単行本派ネタバレ注意】

*1:やはり読み返してみるに、フラグだ何だのといった過程をすっ飛ばして、唐突にエロ攻勢が始まったように思う。それ以降「仲良く」蹴り・蹴られる仲()になるのは早いのだが。また連載追っかけ派の諸兄は当然()覚えているものと思うが、温泉回のアレは……うん、加筆はされたようだ。多分。だが湯煙は―――フフフ・・・メタルジェノサイダー・・・