ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

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『美大受験戦記 アリエネ』第54話――《命取りの魅惑/Deadly Allure》

「ふぅ・・・ そうだ・・・月岡さんはさ―――好きな人いるの?」
(え? え? え―――!?)

(第53話の感想はこちら)

 第54話「好きな人いる?」(12月10日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。有は弥生の気持に気づかず、弥生は有と夢の付き合いを知らない。すごいな、まるでラブコメ漫画の主人公のようだ。

「それが受験生の恋愛ジレンマだ…… でもな・・・人を好きになることを・・・避けられる人間なんて・・・いるのかねぇ……」
「好きになったんなら その気持ちを力に変えて・・・がんばればいいんだよ」

 芸大一筋で5浪の棟方といい3浪の平山といい、絵が下手だからではなく運が無いかメンタル弱い為に浪人を続けている模様。またコンクールのモデルを勤めた2浪の鳥海かの(惚れっぽい肉食女子)と付き合った男が十人ほど浪人したり、恋愛の鬼門ぶりが窺える。自身もまた経験者である青木先生の言葉が……前向きに捉える他無いままならなさ。

 はたして歌川有はといえば……そもそも暗記すべき単語が読めずに小磯に泣きついた挙句、夜は夢絡みで煩悶して翌朝には覚えた単語が吹っ飛んでる有り様。煩悩に完全敗北。夢からメールを貰うも捗らぬ宿題に会わせる顔が無く、単語暗記に努めていると弥生“が”遭遇。昨日も同じ場所に居たのを見ており……乙女だなあ。
 そして「好きな人が居るか」と聞いたらまるで告白みたいだ、でも告白しちゃダメなの? と思い煩う彼女に有の方から聞いてしまうのだった。好きな人が居るって大変だという心持で、小磯に聞くのと同じ調子で。不憫な……。