ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

「Dive into the Mirror」⇔「Alive A Life」(第9・10話)

◎ 仮面ライダー龍騎 - YouTube東映特撮 YouTube Official

 ラスボスと下っ端の距離が近いビーファイターもちらほら視ながら。ガオームガオーム...ジャマールジャマール...

―――あれだな。ゾルダの狙撃砲って凄くヘビィボウガン(モンハン)っぽいな。契約モンスターからパーツを借りてる訳だし、装備カラーも契約相手に準じるし、経緯は違えどモンスターを狩って力にするし。持ち替え自由である面は隔たるけれど……如何に戦意も経験も無いとはいえ、ガンナーに接近戦でも翻弄される剣士ってどうなのだ真司よ。逆に生身の逃げっぷりに比べ戦闘技能が高すぎやしませんか北岡弁護士、「生身でやり合うのは好きじゃない」んですかそうですか。そりゃ吾郎ちゃんじゃないかって思いますわ。人格面でも技能面でも完璧超人。

 ところでこの龍騎。一度モンスターに襲われてミラーワールドに放り込まれたが最後、ほぼ助からん所為で「人を守る為にライダーになった」真司が、あんまりその本懐を達せられない上に今回それでややこしくなってるな。OREジャーナルは他ならぬ奈々子が作ったホームページで社員の顔と名前出してたし「内情に詳しい者の犯行」とも言い切れない。一体誰が誘拐犯だったんだ……でもあれじゃあ判らずじまいか……と思っていたら、報道禍で仕事を失った犯人の娘が北岡弁護士に助けを求めたり。スモールワールド。


「友情ごっこがしたいんなら、ライダーになんてならない方がよかったんじゃない?」
「違う……俺は、戦わなければならないんだ。どうしても」

「お前は何故ライダーになった。何の為に戦っているんだ」
「……永遠の命」

「俺は、欲しいものは全て手に入れる。やりたいことは全部やる」
「どんなライダーが出てきても、俺は勝つぜ? 何故だかわかるか? 俺は自分の為だけに戦っているからな。そういう人間が一番強いんだよ……お前、ライダーになるには十年早かったな。青臭いんだよ」

「いいか、勘違いするなよ。俺がお前を助けたいのはお前の為じゃない」
「俺の為じゃない!? じゃあなんだよ」
「借金だ。お前に貸した金、まだ返してもらってないからな」


 蓮が「青臭い」なら先生は「オヤジ臭い」ですね、わかります。イビキのうるさい真司の鼻を洗濯バサミで留めたり、留置所でも弄くったりする割に北岡先生に依頼を出す蓮。確かに戦闘一徹のようで変に生真面目な蓮を先生は嘲笑うけれど……彼もまた自分の身を振り返って切り捨てられない尻尾がある。彼が永遠を求める理由は存外に早く明らかになり(奈々子視点)、最低と罵ったのに病気の母親の手術代を払ってくれ(ゆかり視点)、しかし拘置所に閉じ込めたまま契約モンスターに殺されるよう仕向けもした(真司視点)。全ては同じ人間の同じ問題から派生した事象である。
 物語られた全部を知り得るのは視聴者視点のみで、登場人物各々は断片一面しか見えない。ゆかりにとっては恩人でも世間的には悪徳弁護士、蓮にとっては敵で、真司にしてみれば信じていて裏切られた―――先が無い命に未来を求めての事だが、しかし誰にもそうとは悟らせない。で、誰が青臭さにうんざりだって?
 かたや冷徹な戦士たろうとして、かたや欲望のままに自由に生きようとして、しかし葛藤を残す人間を振り切らせようという人選か。須藤なんかは全く自己保身だったし、今後出てくるライダーについてはその限りじゃなかろうが。


 一貫して漁夫の利不意打ち戦術のゾルダがファイナルベント、モンスター諸共ライダー二人を焼き払う。「二度と会うことはない」、なんて台詞通りにはなってないが、蓮が記憶喪失……だと……? 本格的に覚えてない以前の未知の域へ。序盤は本当にパラ見だったんだなあ……。