ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

「Dive into the Mirror」⇔「Alive A Life」(第31・32話)

◎ 仮面ライダー龍騎 - YouTube重甲ビーファイター東映特撮 YouTube Official


 ブルービート甲斐拓也がブラックビートの正体を知った途端に面倒な感じが長続くという記憶と裏腹に、そこに至るまでに一度強敵としての地位を確立しながらもカミキリムシさんが不遇をかこっておるな……なんか異次元人の女性に超能力で一撃されたり。

 ギャグ回に次ぐギャグ回な先週から一転。北岡を散々振り回した浅野めぐみを準レギュラーに加えつつ―――久々の惨殺空間、マリー・セレスト号じみたフェリー「フェニックス・エクスプレス」。ただ一人の生存者、浜崎実加……編集長、その取材に真司を送り出すってどうなんだろう。令子さん出張して残り二人が口論中で、消去法なのか。でも実際、病院内に大挙されて騒がれるのも大迷惑だと思う。検証の為に同じ航路を同じ船で、の是非はよく判らんが、自分から立ち会うと言ったからって生存者をまた乗せるて……まあ「モンスターに狙われてる」なら惨劇が繰り返される事は間違いなかったろうが、それが判るのはライダー関係者だけだな。鏡があれば何処でも死に場所になるというのは、やはり恐ろしい話だ。一見、外周以外の船内なら窓ガラスは少なげだったけど……羅針盤て……(アカン)。その上に水面から出てくるて……そういえば前回、ゾルダはボートの上から行って戻ってたな。

 流れ的にあからさまに浅倉が怪しいが……そういえば序盤に似たような話があったな。蓮がダークウイングに人喰いをさせてると真司が疑ってたら逆に子供を守ってたという。逆に、モンスター犠牲者の遺品を見かけるたび、手袋もせず拾い上げて指紋を残す真司のほうが常識的に疑われやしないかと思った。モンスターの潜む船内で鬼ごっことか、一網打尽にされかねないラウンジに全員集めるとかのヤバさに比べれば安いだろうが。

 それにしても今回の色違い三匹はなかなか強い。ナイトサバイブや龍騎共々ファイナルベントを使おうとしたところを押し留めて王蛇の放つベノクラッシュを三位一体となって弾き飛ばすとか、今までに無いレベルの高さ。片手剣、双剣、弓と何やらひと狩り行きそうな得物だったり。

「あぁ……しばらく何も喰わせてなかったっけな―――で、俺を喰うってわけか?」

「私の可愛いホワイトミルキーに……“ごさく”……!?」

「おかしいな……どんどん航路を外れていってるぞ……この船」

「あ〜、新しい風、ビュンビュン吹いてるわ……」

「家族もみーんな消えちまった船ん中で一晩過ごしたんだ……ただ事じゃあないよな」
「さっき看護婦が言ってたんだけどさ、“化け物を見た”とか言ってるらしいよ。三匹もいたって」

『高見士郎はね、一年前にアメリカで亡くなった』
「どういうことだったんだろう……」

「―――あのひと……来る……?」

「浅倉です。脱獄犯の浅倉が、この船に乗っています!」

「実加ちゃん!? 何処行くの!?」

「おい! 船長に至急 港に戻るように伝えろ!」
「それが、操舵室には誰もいません……航行不能です」

「―――あのひとが助けてくれる」「え?」

「今 お前たちと遊んでいる暇は無い」

「こいつらは俺のエモノだ……邪魔するな……」

「……逃げたか……騒ぐなよ。まだチャンスはある……」

「浅倉が……誰かを助けるなんて……」

 31・32話は完全に連作で、王蛇の契約モンスター三体の腹を満たす為のエピソード+α。航行不能の船から海に飛び込んで普通に陸に泳ぎ着ける浅倉の超人ぶり、はさておき。

「浅倉のヤツ、ちょっとしたスター扱いじゃない。派手に再デビューしてくれちゃってさあ」

「……蓮、フェリーの人を襲ったのは、浅倉じゃないだろ?」
「それを言ってどうなる」「そりゃあ、そうだけど」
「それより、あいつフェリーで俺たちに戦いを仕掛けてこなかっただろう。なんでだと思う?」
「……気が向かなかったんじゃないの?」
「違う。あいつは契約してるモンスターに餌を与える必要があったんだ。なにしろ三体だからな、食わせるのも楽じゃない―――今ごろ契約違反で襲われてるかもなぁ?」
「よせよ……でも、浅倉なら、人を襲わせそうだけどな」
「ああ。俺もそれは疑問だったんだが……もし、“モンスターが契約違反を望んでる”としたら?」
「え?」
「特にメタルゲラスとエビルダイバーは、ガイと手塚のモンスターだったしな。それぐらいの抵抗ならできる」
「まさか」「そのまさかで、浅倉は自滅してくれるかもしれない」
「そんなの……いくら浅倉でも、見殺しにしていいのかよ」
「あいつを助けて喜ぶ奴はいない」「……」

「―――あのひとは?」

「夜の船の中で、浅倉威とずっと一緒にいたらしいんですよ。あの男がどういうつもりだったかはわかりませんが、ひとりぼっちになった実加ちゃんには、頼れる存在だったらしくて」

「―――きてくれた……」
「違うよ、あいつは」
「よかった……」

「そろそろやつらも限界か……モンスターが現れるのが先か、それとも俺が喰われるか……」

「なんでそぅいうのだけ真似すんのよぅ……」

アメリカのアクレー大学で、先生が高見士郎を教えてらっしゃったとか……」
「エエ、彼は 変わった生徒でしたねェ……」

「聞いたよ。ずいぶん大変らしいじゃない―――フッ、モンスターともいい関係が築けないなんて、お前らしいよ」
「……ライダー同士の戦いならやつらも乗る。やるか?」
「冗談。自滅してくれそうな奴と、なんで態々戦わないといけないわけよ」
「フッ、じゃあね。これが最後かもしれないけどなぁ」
「……俺は死なないぜ? これが片付いたら、真っ先にお前を潰しにいってやるよ」

「まだだ……! まだ待てる筈だろう……! お前ら……っ」

「やっぱり……高見士郎はアメリカで亡くなってるんですね……」
「アレは……悲惨な事故でした……日本にいる妹の事を、良く話していましたが……実際には十年以上も音信不通だったようで、私達には連絡先もわかりませんでした」

「……教授、見ていただきたいものが。これなんですが……えっ?」

「実加ちゃん。外も見えないし、カーテン閉めようか」
「―――見えるよ。そこに いるの わかる」

「……やめようよ。そんなにあいつのこと思い詰めるのよくないって。あいつは、」
「あたしを守ってくれた……ずっと傍にいてくれたから、怖くなかった」

「交代だ。せっかく浅倉が自滅するってのに、お前が餌になって台無しにされてもな」
「……蓮。俺やっぱり……浅倉を見殺しにしないよ」「お前……」

「その子が浅倉を必要としてるってわけか」
「うん、だって凄くない? あの浅倉があの子を助けたんだよ?」
「浅倉の意志じゃない」
「それでも助けた事に変わりはない……あの子、浅倉がいなかったら、怖くて生きていけないんだよ」

「―――きっと、誰だって、誰かが必要としてるんだと思う―――死んでもいいやつなんて、いないんだ」

「……来たか。はっ」

「俺のエモノだと言ったはずだ」「だから?」

「大丈夫―――あのひとが いるから」

「浅倉……フェリーの中でずっと女の子と一緒だったよな」
「あぁ……囮に付き合ってたアレか。それが?」「いや……」

「はあ……ったく、折角のチャンスを」

「実加ちゃんには、あいつが必要だったんだ。だから……」
「だが浅倉は誰も必要としていない。これだけは確かだ」


「―――見たの。あなたがガラスから出てくる所を」

 鏡があることが危険に繋がると感じていながら、カーテンを閉めたがらない、という少女の心理。飢えが限界に達したベノスネーカーに一撫でされて尚、浅倉に花を差し出した一途。気絶した少女から受け取った花を、ようやく訪れた敵の気配に投げ捨て往き、用が済めば去った浅倉。はたして彼の言葉は全てを物語っていたのか……。まあ希望的観測。

 他方、アメリカ時代の「高見士郎」に教えていた教授に接触する令子の背後に、神崎士郎……そして教授はかっ喰らわれて少し目を離した隙に失踪。危ない危ないと思われつつも謎を探る彼女自身はまだ無事で―――前々回登場したばかりの浅野めぐみが真司とミラーワールドの関わりを目撃してしまう。ただのギャグキャラじゃなかったのか……思うにOREジャーナルの女性陣て、いずれも真司と北岡に接点があるなと。