「Dive into the Mirror」⇔「Alive A Life」(第27・28話)
◎ 仮面ライダー龍騎 - YouTube / 重甲ビーファイター (東映特撮 YouTube Official)
先週のブラックビート登場に続きレッドルの担い手交代。正確には前回の時点で? もう居なかったのを変身状態とかで誤魔化していたそうな。あと記憶違いをしていたが、長かったのはブラックビートの中身を知ってからの拓也迷走であり、ブレード効かない→ドリル開発は地続きで直ぐだった。
前回はなにやら龍騎とゾルダが共闘してたようで……なんか見覚えがあるなと思ったら、ドラゴンナイトとトルクの半ば漫才展開だった戦闘シーンか。ゾルダのカードを龍騎がベントインしたら龍騎だけ攻撃を喰らったりした回。輸出先では結構混ぜこぜだったのだなと再認識。
病状の悪化した恋人のためにはそれしか出来ないと戦いに向かった蓮、彼が変身するところを、モンスターに襲われかけた少年が目撃する。思えば襲われかける誰かを助けるシーンは何度となくあったが、その誰かは逃がされた後は基本登場しなかった。いつこういう目撃があってもおかしくなかったのだろうが。そしてよりによってあんなんに……倒し損なったモンスターに狙われてるとなれば見捨てられる蓮じゃないし……ああ面倒な。借金ネタに被せられたのは真司だけど。より問題が拡大したね。555の序盤で一般人枠の兄ちゃんが変身ベルトを盗んで変身しようとするが出来ない、とかあったけどあれも下手しなくても死ぬよね。
子供の無知無鉄砲な憧れを粉砕すべくナイトが苦戦している所に、病状悪化したゾルダ砲撃、おまけに退屈に飽いた王蛇がモンスター倒したところに強襲……敵も味方もない乱戦。挙句、更なる乱入者―――金色の翼、仮面ライダーオーディン!
一方でつい先ごろ突き放され訣別した筈の兄が既に死んでいると令子より知らされる優衣。一体何がどうなっているのか……。
「お兄ちゃんがこんな酷いことしたのに、どうしてあたしなんかと一緒にいられるの? どうして今まで」
「お前がやったわけじゃない。それに……お前と一緒に居た方が有利だと思ってたのも、事実だしな」
「でも、あたしのせいでお兄ちゃんはこんなこと」
「だとしたら……お前も神崎の犠牲になった一人だ」
「……俺は恵里のためにライダーになった。今してやれるのは、ただ、戦う事だけだ」
「変身っ! ……かっこい〜」
『戦う目的を失くしたライダーは死ぬしかない。それでいい』
「……お兄ちゃんに、ちょっとでも昔の優しさが残ってると思ってたなんて、バカだった!!」
「もう嫌! そんなに戦わせたいなら、私が戦うよ。私がライダーになる!」
「お兄ちゃんの目的はなんなの?!」
『……力を手に入れる。最後に残ったライダーと共に。俺はその力で、神にも悪魔にもなれるだろう。必要だったのはお前ではない、お前のミラーワールドを覗ける力だ。だが、ここまでくればもう用はない。邪魔をするなら、お前は消す』
「そう。これで私も迷わずに言えるよ……さよなら、お兄ちゃん―――もう、兄弟なんて思わない!!」
『それでいい、優衣。お前は真実を知る必要は無い』
「なんでライダーになりたいんだよ?」
「モンスターと戦うんだろ? かっこいーじゃん!」
「……ぎょ、餃子のレシピを……」
「美味かったっす……あの餃子」
「……あまり、遊んでる時間は無い、か」
「俺にも 戦わせろ?」
「見ろ……これが、これがライダーの戦いなんだ。面白くなんかない。痛くて、苦しくて、それでもゲームみたいにスイッチを切れない。ずっと戦うしかないんだ」
「俺……先生が戦ってるところ、初めて見ました」
「お前は……絶対誰とも戦ったりするなよ」
「あぁ……やっぱり戦いはイいねぇ」
「高見士郎はね、一年前、アメリカで亡くなった」
“戦いを続けろ 生き残った者は 私と戦い 力を得られるだろう 13人目である この 私と”
「フン、何人目だろうと知ったことか。勿体ぶらずに今戦えよ」
“まだ 私と戦う時ではない お前たちは今のまま戦い合えばいい だが 少し修正が必要になった”
「俺のカードデッキ! なんでブランクなんだよ?!」
(まさか……時間が戻ってるのか……?)
「何してんだ……俺? 同じ事を、繰り返してたのか? 前と全く同じ事を!? どうしてこんなっ……何の意味があんだよ!?」
「修正……それって……変えられるかもしれないってことか? これから起こる事を」
(この男……そうだ……シザースの須藤。蓮と戦って、最後にはモンスターに。あの戦いを止められれば、可能性はあるってことだ!)
「……俺……何しようとしてたんだっけ」
(ダメだ……覚えていられない……どうすれば……)
「まただ。また俺、同じ事繰り返してる……変えようと思ったのに……それを、覚えていられない」
『それでいい。お前はそのまま、前と同じ道を行け』
「そんな……そんなことできるわけない! このままいけば……もう一度、あんなこと繰り返すなんて……!」
『お前の記憶は一時的なものだ。明日にも完全に消えるだろう。ライダー達の戦いは変わらない』
「じゃあなんでこんなことするんだ!?」
『お前の為ではない。それだけは確かだ』
(どうすれば……まだ、手塚たちに会ってもいないのに、どうやってあいつらを助けられる?)
「係争中の浅倉威がライダーになるから止めろって。無理だよねぇ。望みを叶えるには13人必要なんだから」
「結局こうなんのかよ……変えようと思ってんのに!」
「まただ……どうして、どうして変えられないんだよ……っ!」
“修正は 終わった”
“ほう 何故私の現れる場所がわかった? 記憶が消えなかったのか”
「さあねえ」
「あちこち、畜生。真司のヤロー、なんでこんなおんなじメモ何度も何度も貼り付けまくってんだよあの野郎!?」
「お前を一発殴りたかった」
“殴ったうちには入らないがな”
「結局、全部同じ事を繰り返したってわけか! 一体何の為に!」
“知る必要は無い お前たちの戦いは 何も変わらない”
「いや……ひとつだけ変わった」
“なに?”
「重さが、消えていったライダー達の重さが、二倍になったよ。これ以上は増やさない」
「人を守るためにライダーになったんだから、ライダーを守ったっていい!」
“私と戦うのは最後の一人だ 続けろ 戦いを止めるな”
『優衣……良かったな』
『お前は 俺が守る』
はたして28話。他の如何なるライダーのデッキ特性も追随を許さない、御無体なGM権限の権化。常時サバイヴのパワーに加え瞬間移動まがい。更にタイムベント……それで何が行われたかというと、要するに総集編+αなのだが。
巻き戻されたのは2002年2月、蓮や優衣と出逢ったばかりの頃……というか劇中ではもう半年経ってたのか。ともあれ、その違和感に騒げたのも束の間、急速に未来の記憶が零れ落ちていく真司。せめて戦闘経験とかが持ち越せたら、契約直後にナイトに凹られて優衣の介入で借金ネタが尾を引く事も無かったろうに……まあそういうループ系強化を許すようなGMではなく、真司に望むような変化を起こさせもしない。真司が何故一人だけ記憶を残せていたか、理由があるのかないのか知らんが完全にとばっちりで苦悩させられた体ではある―――彼の中でそれ無駄ではない。無駄ではないが。
明確に変化させつつも後が続かなかった事も。島田奈々子誘拐容疑で捕まってる時に記憶が残ってて、北岡弁護士に浅倉脱獄を止められるよう依頼。でも適当にあしらわれる。そりゃ普通は信用されない、以前の問題だった。結局何も変えられない―――しかし虚仮の一念、「消えて背後に回るオーディン」にドラグクローを叩き込み、損なう。そして繰り返した彼の中に宿る決心……1話1回きりのループネタは実を結ばず、ただ主人公を主人公にしたと言えるのか。
ところで真司にお前の為ではないと言い放った神崎士郎。彼は何の為に今回の「修正」を行ったか……前回優衣が暴れて散乱した旧神崎邸の一室。倒れていない花瓶、破れていない一枚の絵。兄妹。そのためだけに? 27話の演技じみた言い草といい、また実は死んでるのではという情報と言い、謎の深みがのぞけてきたか否や。
はたして次回はなにやら令子さんがピンチで、その為にライダー3人が協力する模様。彼女は何度か危ない橋を渡っていたもののモンスターに襲われず済んでたが……神崎士郎の秘密に近づいているせいなのか? はたまた北岡と並んで変身する真司と蓮が眼鏡スーツ姿とか一体何のコスプレだろうと。