ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

「傷つけられたプライド」

 THE 煽られていくスタイル。ある意味ZEXALのアリトの二戦目だか三戦目だかに連なる再現タイプ(『坊や哲』じみた運命の悪戯)、フィニッシュだけならGXクロノス先生恩返しデュエル。まあ何と比べるにしろ、目に見えた罠に突っ込むジャックさん蛮勇不可避、とまでは単純化できない。普通に考えてドラガンも己の利を選んだだけ、という理屈に怒る彼は貧乏の辛さを知っているのだし、パワー云々言ってた頃よりは大人に感じた。
 それにしても、一発ネタの如き「ロードオブザ“元”キング」(一部捏造疑惑)がまた陽の目を見るとは。しかしああも無抵抗では炎城ムクロ戦の方がよっぽど「強さ」をアピールできてたと思うのだが、あれで噛ませ犬の役目を果たせたとは言えるのだろうか。もう少し綿密に打ち合わせた戦いぶりであれば……それはそれで痛々しかったろうが、まあ今回まで情報を局限する為の都合とも言う。そして因縁の先、伏せを破ったと思いきや手痛い一撃を貰う由。それはトールの能力以上に、名が知れ過ぎ動きが読まれ過ぎるという情報不利に起因するように思う。付け入るのも相手の腕だがしかし、それこそキングたるを求めるジャックが越え続けるべき難行である。また遊戯王アニメではいつものことである。その辺、遊矢にはバリエーションを期待する次第……いや現実に即した場合、読まれ易いのはLDS生徒みたいな強豪カテゴリを固定で使ってる方で、そこを突くにはソラ除く主人公勢はカードプールに不案内過ぎる……エクシーズ使いの同位体やソラなら話は変わってくるかもしれない? どっちの感想なんだか。

 「異次元の王」は伊達じゃない。しかし初手はスーサイド的サーチ&沼地の魔神王「融合」、そしてリスク踏み倒すマジックプランター、更に「シンクロ」……そして当然のように「エクシーズ」。ある意味OCGに最も近づいた、これに「儀式」を加えて創星神sophiaでも出されたら笑うしかないが、流石にそれはなかろう。前三人のような既出カテゴリではないが、その回し方はアニメ序盤とは思えない……という表現が今期じゃ適切かどうかもわからんけれど兎も角ガチ。OPの歌詞に偽り無し?

 そんな相手にメンタル状態もフィールド設定もこれ以上無くお膳立てられた上で、つまり言い訳のきかない全力全開、それでも実力経験にかなり開きがあるのは確実。不確定要因はペンデュラム召喚、とはいえ遊矢側にしても三種混合の戦術なんて初見に決まっているので情報差はどっこい。塾としてどうなんだそれ、というより各種召喚方法が限られた人間にしか教授されていない街の環境がおかしかないか。ソラのホームでは普通に融合が使われ、LDSは街の外でも合併を繰り返し、しかしお膝元で必須情報が出回っていない。率直に言えば変であり、むしろ誰もが赤馬社長やLDS生徒のようなデッキで戦うOCGじみた環境であってもおかしくないはずなのだが……それを妨げているのは一体何なのか。「シンクロが破滅を呼ぶ」的な理由での情報封鎖か、単純に演出の都合か……なんか前にも似たような事書いたような、繰り返し疑問に感じざるを得ない。

―――と、既に勝負の行方は頭の外だった。ユズの言う「笑顔」、社長の言う「優しさ」を切り捨てた結果がアレならば、彼もまたシンクロや融合を使い分ける決闘者なのやもしれず。いやペンデュラムを捨てないままでもシンクロとは相性悪くなさげに思うが……主人公はいつまでペンデュラム一本でいられるだろうか。


別途:「MTGガールズ(仮)」 第二話【6】