《平穏な道/Tranquil Path》/『極黒のブリュンヒルデ』第10話
「私たちは・・・一体なんなの・・・?
一体・・・何をされたの・・・?」
ハーネストの中身への怖気もさめやらぬ帰途。しかし今回の岡本倫はドS、じゃない……!?(驚愕)
- 薬持ち帰れたよ! 二人とも助けられたよ!(歓喜)
- カズミ嬢かわいくて良い娘過ぎる天使か(悶絶)
- 平静装いながらも名前呼ばれて泣いて喜ぶ良太……(嗚呼)
- そんなに無事に時間を経過させて大丈夫か?(懊悩)
―――はたして、幸運にも難なく鎮死剤の奪取と帰還に成功した二人だった。沙織のビーコンから得た情報から魔女狩り部隊が裏で何を画策してるのかと思うと恐々だけども。
「10時間あればなんとかなる」と言いはしたものの、佳奈の待つ天文台に到着する頃には、彼女が薬を飲んでから42時間も経過してしまっていた。個人差があるとしても致命的。ましてカズミ嬢はもう駄目なのかも……と思いきや関西弁は頑張った!
人気のない深夜とはいえ傷だらけの身体で天文台に赴き、手持のたった一錠の薬を二人で分けて命を繋いでくれていた……化けて出られたら困るとか言いつつ見捨てられなかった……意地っ張りで厳しくも優しい魔法使い。しっかり戦利品の薬を半分*1持ち去るのだが、朝日に輝く喜色満面の彼女の笑顔に浄化されたよ畜生かわいいぜ……。
予知が変わらない*2ままの所為で二人とも死んだと思ってた佳奈の涙とか、「村上くん」と初めて名前を呼ばれて礼を言われて、その場では平静を装いつつも外に出た途端涙が出てきた良太とか……泣きの話ばっかりだな。見事にひと段落エピローグ臭。おまけに普通に海に行けてしまう……なんてこった。『極黒』で無事に時間が過ぎるだなんて信じられない!(おい)
ついに海を見ることができた黒羽寧子。彼女の脳裏に過ぎった記憶の欠片。浮き輪をつけたまま天体観測をするクロネコ*3……そして海を見つめる寧子がクロネコだと知った記憶を失い、しかし完全記憶の故か何かを忘れた痕跡を感じる村上良太……。
「でも…そんなことはもう別にいいんだ
こいつに海を見せることが出来て…本当に良かった…」
……なんだ、お前、その答えは失ってないじゃないか……。世界丸ごと巻き戻って脳から記憶が消えても、心に何かが遺されていたか。彼が彼であるが故にその答えは必然だったのか……巻き戻しによるフラグ懸念が解けたのか、そうでないのか。まだまだ先への憶測である。
頭が回って特殊な資質があっても普通の人間。見知らぬ世界の生存闘争に対する見通しも不足……だが彼が動かなければ何も始まらなかった。彼が動かなければあのまま終わっていた。彼一人では間に合わなかった。しかし彼は一人ではなかった。助けたい者たちは仲間だった。だからこその、この結果。
ともあれ次回から平穏な日常、だと……
俺達が待ち望んだ学園パート再来!? ボケ&フォロー再来!
単に学校生活としても、裏で進行するだろう事態にしても不安は尽きぬが、楽しみは楽しみなのだ。生き残れて、生きて帰れて、生かす事が出来てこそ享受できる……かけがえなき日常の喜び。
その時間があればこそ、非日常の戦いに身を投じる事ができる……護るべきものが力になる。そんな主にラノベの王道テンプレ。ダークサイド魔法少女物では、どうかな。