ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《仮面のゴルゴン/Masked Gorgon》/『極黒のブリュンヒルデ』第29話

(前回感想はこちら)
(第1〜3話の無料閲覧はこちら)

―――彼女のを見てはいけない。

―――村上良太の「(まだ)大丈夫だ」の安心力は、かの木之本桜「絶対大丈夫だよ」に通じる、と勝手に思っていた今日この頃。壁の文字に血のアンダーラインと手がかりは本当に極小だったり。

「逆に もしあれがパスワードでなかったら 完全にお手上げだ」

……まあ、こうなるのも割と平常運転である。鎮死剤奪取作戦もカズミが動いてくれなかったら佳奈間に合わなかったしキカコの砲撃対策も極めてギリギリだったし。逆に言えば、良太の役目とは希望を示す事であり……彼一人で実現する必要は無く皆で力を合わせよう、というのが前回のキモだったかと。
 写真記憶した独語を持ち帰りカズミが解読、とはならずまた入力前に更に一工程(アンテナ取り外し)を挟んで明日。こういった事を慎重に運ぶところも、それで重要事が割と延び延びになるのもいつものことだ。しかし本格的に刺客の足音が聞こえてくる現状、あまり猶予は残ってないぞ……? まあ迎撃体制を取れと言っても最長2日しか準備できないし、相手の性質上、予知しても相当訳がわからないビジョンが視えてしまう可能性もあるのだが。今度の戦いにおいて最も重要だと思われる点は、寧子たちが「彼女」とその「魔法」を知っているか否か、である。もしくは知らずとも、(被害が極限できる内に)良太がそれを推察できるか否か。
 思うに、「彼女」との戦いは一つ下手を打てば仲間か一般市民に危害が及びかねず、そうなった場合本当の本当にこの日々が終ってしまいかねない。そう―――


( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!

『こないだは久しぶりに・・・あんたをぶっ殺そうかと思ったわ
このおしゃべり関西人……』
*1

「けど あんたが動いたら 寧子は死んでしまうで?」
『……ホントあんた イライラさせるわね・・・』

「……佳奈 あんたちょっと最近生意気ちゃうか?」『はぁ?』
「また胸大きなったやろ」『!?』
「私より年下のくせにホンマ生意気やわぁ・・・」
『ししし・・・ 知らないわよ! あんたどこ見てんの!?』

「おっ ノーブラやんか♥」
『見んなー!! 見んなー!!』


―――ふう……。こういう日々を終らせない為に良太よ皆と頑張れ!(キマシタワー)

 珍しくも表紙をカズミが、しかも「おっぱい、大きくならへんかなあ」というシロモノで飾り、前回いいとこを寧子に持ってかれた鬱憤晴ら、し? JCのBカップが順調に発育中、だと……?(グフフ)

 閑話休題。随分前から開示されつつも詳細の明らかにならない全身不随毒舌ゴスの「本当は動ける」。当方は魔力やら鎮死剤の消耗やらが激しく寧子に負担をかけない為、もしくは更なる代償が命を削る為と想像していたのだが……“佳奈が動くと寧子が死ぬ”とはどういうことだ? カズミが先述の因果を極言しただけなのか、それとも寧子と佳奈は脱走時から行動を共にする恩や友情というのみならず、“能力的に共生関係*2がある”ということなのか? そして自分の能力の真実を、佳奈は寧子に隠している。あるいは寧子が【破撃】の代償に忘れてしまった可能性もあるか……つくづくいつものことだが、新情報が出ても全く不明の霧は晴れませんなあ……ぐぬぬ


【心理掌握】 or 【メン・イン・ブラック

「ちょうどいいので5210番に始末させましょうか」
「……いいだろう その後5210番をグラーネの回収に当たらせろ」
「了解しました」


「それじゃ 昨日の事案について話を聞きましょうか」
「またその話か 何度言えばわかる?」
「教会に不法侵入した高校生らしき男を捕まえようとしたら取り逃がした ただそれだけの事件だ」

「……そうですか それは大変失礼しました」


 ざんねん!! かちょう の ぼうけん は これで おわってしまった!!
 記憶操作的な意味で。公権力を握り【操網】魔法使いを抱え、報道を規制できる以上まあ居るだろうなと思っていた、しかし一番刺客で来てほしくなかった(つまりはとても有効で、刺さる)タイプの魔法使い。操作できるのは記憶だけなのか、思いのままに行動を操ったり洗脳したりといった域に達してやしないか。まあ例のアレに現時点で直結はしないだろうが、見て判る範囲だけでも喰らえば極めてヤバイ能力である。視覚を媒介に、顔だか眼だかを視てしまった相手を複数同時に記憶を改竄する―――拘束衣に口元の金属質マスク、フードで隠した顔は「二目と見られない」……まあ一度視たら忘れさせられるのだから、黒服の男が言うように「奇妙な特徴」があるとは限らず単に見た者を呆然とさせる程の美少女という可能性もなくはないが。
 見る限り性質としてはルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの『ギアス』に近く、視線を合わせないか黒服が「自分の身を守るのに必要」だとしていたようなサングラスを着ける事で対策可。レンズは特殊な物である必要があるかは今の所わからない。良太には検証しようもなく、もし予知で対策できてもぶっつけ本番となる。

 やりようによってはとてつもなく厄介な相手だと思われ、そしてグラーネの回収が最優先ということで、これまでになく手段を選ばずに来る可能性は大。ただ、少し気になるのは5210番の性質である。魔法をかける相手以外には顔すら見せていないが……言う事を聞かせる際「イジェクトするだけじゃ済まない」≒「秘匿の為に課長らを消す」という黒服の言葉に従ったことから余計な犠牲を望まない人格なのでは、と。
 勿論それだけで味方になってくれると楽観はできない……むしろその性格故に、研究所組織に従っているのか従わされているのかはさておき、「真剣に」市井に放たれた魔女を殺しに来るのではという危惧もできる。亡き沙織や再登場を期待されるキカコに比べて刺客としての純度高く、総じてやりにくい?


――ーおよそは憶測、実際に相対しない事には、いやさ描写されない事には真実はわからぬ。なにしろ岡本倫ドS、油断はできない。そして二週休載後、推定第3章が終わる前に戦闘となるか本章はまだまだ続くのか。前回ラストで宇宙人の実在を確信した小五郎さんの運命やら約束された魔女達との接触やら、当然端末のパスワードが薬への手がかりを繋いでくれるのかと心配事は絶えない。
 それでも何処かで信じている。良太の「大丈夫だ」という言葉を、彼ら彼女らの力が合わさり再び死の刻限を越えてくれることを……逃 亡 生 活 で 良 太 女 装だって皆でなきゃ楽しめない()。

*1:多分に、Sランク魔女『ヴァルキュリア』について小鳥の噂にカズミが補足て寧子の人助け使命感スイッチが入った事への怒りと思われる。

*2:たとえばリミッター的な意味で。佳奈は実はAA以上のハイブリッドで、予知以外のもう一つの魔法が寧子の、本当は単独では自身すら危うくする力を抑制している。そして(寧子が説明したような強い力を得た改造の代償ではなく)その代償として佳奈は動けない、とか。