ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

『美大受験戦記 アリエネ』第62話――《Rocket-Powered Turbo Slug》

ずっと 一緒に いたいけど・・・

(第61話の感想はこちら)

 第62話「But I say "hello"」(3月4日発売ビッグコミックスピリッツ掲載)。巻中カラー扉絵、戦わなきゃ、現実と。

「受験して、どっちかが落ちたら・・・その時は 別れる・・・」

「わかった・・・それで君が本気になれるなら……
やっ・・・約束してもいよ・・・落ちたら別れるなんて・・・絶対イヤだけど・・・

絶対に受かるから、そんなのカンケーねぇっ」

 別れたくない、どちらかが浪人になる事で関係が破綻してしまう事を恐れるあまり、あえて背水の陣を敷こうとする夢。電話が無いだけで何も手につかなくなるほど好きになってしまったからこそ―――これまでパワーバランスの違いは傍から温度差に見えなくもなかったけれど、双方とも「症状」は似てる模様。改めて両想いであることが示されたかなと。
 対して有の実に有らしい先走った宣言。2時間後トイレで後悔してしまう程のキメ顔大言壮語だが……そんな「世界に必要なバカ」さ加減なくして夢が惚れたりはしなかっただろう。内心七転八倒悶絶しながらも、やっちまったことをやり通す有言実行―――その原動力は何人もの先達から受けた教えであり、歌川家で育まれた「自分を信じる」心であり……それでも一度持ち込みに敗れてから挑戦してこなかった彼に切欠を与えたのは、やはり夢への恋か。ヒロインの為に、ヒーローたれ?

(あたし……あれで・・・「(あいつ)の彼女」ってことになったのかなぁ……
うー・・・もしかしたら・・・あいつの「好きな人」って……あたしじゃないのかな・・・)

 問題提起がバカップル爆発しろという按配で収束した一方、勘違いが続いてるのか気づきかけてるのか月岡弥生さん。歌川葛飾両名が仲睦まじくなっていくほどに、それでいて両方合格が困難であるほどに……つまるところ当て馬臭が消えないわけで。そんな彼女を私は応援してる、してるけどね……。