ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《巨人落とし/Giant Killer》/岡本倫『パラレルパラダイス』第109・110話






(前回の感想はこちら) (感想記録モーメント2

迫り来る危機。: 続・黒のノエル

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―――くっころ! くっころ! 時世のあれこれとは格別関係なく単純に更新遅延が続いております。本編次々話(明日!)はついに幼馴染と邂逅が果たされるかもしれない佳境であるのだが。一時は彼女を目覚めさせるどころかパーティー全滅までありえたことを思うに危ういところであったはずだが、切り抜けてしまえば「いつものやつ」に落とし込まれてしまうのであった。元現代人にして邪神そのものであるとされる仁科には通じるかどうか、今度こそ危ういわけだが。

 はたして鉄面皮の騎兵団長は、もしかすると陽太にπタッチされても欲情しない特殊な「仕様」かもしれないかと思ったがそんなことはなかったぜ。物言いを鑑みるに、シーザー王国最強の兵士である彼女は選別教育からしてガーディアン達とさえ一線を画す過程を経ているのではないかと思うが……そこまでして造りあげた無敵の騎士も片手落ちにしてしまう教え漏れ……そうならざるを得ない側面もあるにせよ「男」を、ひいては「男に対する(現生人類の)女の生態」を知らないことが大将校ナクタを「二度」敗北に導いたとも。
 話に聞く「国母様」とやらがルーミ達の言うとおりに本当に何千年と生きていて、もしかしないでも「最後の男」の乱行暴虐について見知った上で「男は殺すべし」「男と交わった女も殺すべし」と判断したとする。そのこと自体は現在の体制護持だけ考えればそう誤った判断に聞こえないが、それだけに送り込んだナクタの知識認識に隙があったのは解せなくもある。まあ本当紙一重の勝利であるし、ガーディアンを複数相手取ってなお優勢だった実力を思えば十分だった、はずだった―――これを穿ってみた場合、動かせる手勢の中で最大の戦力をぶつけ「試練」「試験」とし、生き残ったなら色々な意味で「利用価値あり」……もしくは「ただ男なだけ」ではないと更に警戒を強めるということもあるか。実際には「ただ男なだけ」な部分がかなりの割合で勝因を占めていた気もするが。バランスの取り方が難しいという話し。

 あとは居残りを強いられたリリアが生き延びてたリノ・マカナを連れリール経由でミースに移動中というくらいか。リール組からすると船出からこっち一向に帰らないものだから多大な心労をかけてしまっただろうと思われ、やっとこ安心のはず……ナクタらとは別口で「情通の輪を持つ者を殺せ」と命じられた兵が差し向けられてなければ。それとそもそも、「男が現れ」「サンドリオに居る」情報がどこから王城に伝わり騎兵隊が動く事態になったかという疑問もあるか。単純に見て城務めの巫女を兼ねるモモが漏らした……とは当初の独占云々から考えにくい。誰かしら鋭い者がガーディアン補充申請から不審に見たとか、各集落に「耳と目」が隠れているとかも考えうるが判然としない。ヒトなりモノなり、またカミなり、まだ読者視点で見えない情報源と交信経路があるのかも。ひとまずここまで。生き別れになった幼馴染との再会というと、前作『極黒のブリュンヒルデ』第1部終盤を想い出すが……はてさて。