ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《セラの聖騎士/Serra Paladin》/岡本倫『パラレルパラダイス』第107・108話







(前回の感想はこちら) (感想記録モーメント2

迫り来る危機。: 続・黒のノエル

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―――そういやミース組で一人だけ置いてけぼりになったリリアさん、どこいった? 考えられるのは①サンドリオに居残ってるが出てないだけ②徒歩でミースに向かってすれ違い③旧市街遺跡の門復旧を試みている(ヴァルカンの話し相手)くらいか……とか思っていたら答えは最新110話にて。

 はたして前回の段から非道外道呼ばわりは不可避の大将校ナクタ。魔女を除けばこれまでで最強の敵と言って差し支えなかったと思うが……ある意味、彼女の強固な自律に助けられたとも捉えられなくもない。あの場において「男は殺す」「男と交尾した女も殺す」「ガーディアンは裁判にかけて殺す」……この三番目を律儀に守っていたおかげでガーディアンはフラガラッハで斬り殺されずに済んだ。ペテンにかけて騎兵隊と分断して数で囲んでなお、それほどの実力差だった。子供が「城で生まれる」世界で素質のある者を選別して各街のガーディアンに教育する一方で近衛騎兵が何百といてそのトップがこの強者となると、ガーディアン達さえも人材的に上澄み扱いではないのかもしれない。他にも巫女関係とかあるし。
 ルーミがどこまで考えて「いつものやつ!」と叫んだかははかりかねるが、ナクタが全員殺す気でやっていれば「留め金を連続で狙って鎧を破壊し陽太にπタッチさせる」なんて作戦は成功しなかっただろう。あるいは成功したとしても一人二人は死んでた。ちなみにペコだけはガーディアンではない(証の宝石も着けてない)ので、初撃でぶっ飛ばされて生き延びたのは彼女自身の腕か運が良かった。

 そして次話でその膝が落ちるまで、この冷徹を通り越して鋼鉄じみた女騎士がこの世界基準でも尋常の人間ではない(男に触れられても発情しない)可能性がわずかでも存在してたらと恐々を味わったのだった。そんな現在二周遅れ。