ALORC-Bottle-Craft-512-Logbook(Ⅱ)

AよりRへ。記録を継続する。(二冊目)

《嘲るエルフ/Taunting Elf》/岡本倫『パラレルパラダイス』第122・123話(n-6)





(前回の感想はこちら) (感想記録モーメント2

死闘の行方: 続・黒のノエル

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―――本誌本編は読んでる。読んでるが……ただただ更新作業がめちゃくちゃ滞っているだけです。誰に弁解しているのか。


 前回の交尾観察の際にもちと思ったことなのだが……仁科(嫉妬深い神)の視点からルーミら現生人類は「同じ人間」「同じ種族」に見えていないのではないか。ヒトから見て他の霊長類・サル目が「動物」と認識されているように? 実際、首を刎ねられても再生する存在が同族かというのはおいても、記憶が無くなっているのにどうしてそう思えるかは謎。前回の描写を思うに記憶喪失が嘘か、二重人格状態にあるのかと単純に考えづらくもあり、陽太を助けようとするルーミを「嫉妬深いんだね」と笑う? 共感する? 様子には彼女の人格を認めているようにも見えて計り知れない。
 似たりよったりヒトのカタチをしているけれど、ヒトを同族と見なしていないという意味ではエルフほか亜人種も同じである。ただ生殖器官こそありながら男性が居ないらしいエルフと、リルドール曰くノアの「お父様」は居るらしい人魚メロウ。更に次話で猫耳はぐれエルフが「ハーフエルフ」と判明したことで……【何族と交配してハーフなのか?】という疑問も残る。異種と交配することでのみ存続する種族はファンタジー的にたまに見るけれど、そんな彼女らが「何処から来たのか」、あるいは「何者により創造されたのか」などと考えだすと果てしもない。
 また元より魔法技能を備えていたり森に親しむ性質からかか、あるいは何千年と生きるペースの緩さ故か、文明衰退著しい現生人類に比して技術力が隔絶している……ようにも見えない。彼女らなりの蓄積はあるのかもしれないが、旧世人類的なそれとは方向性が違うのか。その一方でハーフエルフ商人たちは日本語に堪能……堪能? な看板を掲げているのも何処に基点軸足があるのか判然としない。

 かねてより「人間以外の相手と対峙した場合どうなるのか」という疑問はありつつ置き去りになっていて、しかし現生人類特有の適応「接触からの欲情」(いつもの)するでもなく「交尾に夢中」になり、それがどういうことだったのか確かめる機会は邪神登場で霧散してしまった。単にあの場に居たエルフ達がケモナー(オブラートに包んだ表現)趣味だった……とか言い出すと、ハーフエルフらの猫耳が何処由来かという謎が首をもたげつつ判断要素なし。これが「全種族が全部上位者GMの趣味意図によりそのように生み出された被造物」だってなら逆に単純なのじゃがじゃが。