《背教のドッペルゲンガー/Renegade Doppelganger》／『極黒のブリュンヒルデ』第１話

―――岡本倫の男性キャラはおよそ言行が変態じみてくる法則。いいから脇の下を見せるんだ！

　というわけでヤングジャンプ新連載『極黒のブリュンヒルデ』である。
　キーワードは「宇宙人」「死んだ幼馴染」「に瓜二つの別人」「予知能力」「魔法使い」「改造人間」、てなところ。最後のは未だ不明確だけども。

　幼馴染の脇の下にあったホクロが無いヒロイン。高校に転入してきたのに九九もわからない物知らずは『エルフェンリート』のナナを思い出す。今回それを知ったのは主人公だけ、なんだろうか。いかにも不審な彼女をそこに送り込んだ誰か、推定予知能力持ちか能力者を備える側の意図は何処にあるやら。

　他方でトラウマ抱えて約束の為にNASAを目指す主人公は、学業優秀で頭が回る。けれど自分の死を予言されたと理解したにも関わらず(信じてなかったとはいえ)助言通りに天文台に泊まらず、しかし予言通りになるならば他人を巻き込まないようにと選択。予言が嘘ならなんともないが、本当ならば一人で死ぬとわからないでもないだろうに。微妙に矛盾した行動を取っているように思う。あるいはトラウマの影響か。いやさ、謎の人物の予言を急に信じるのもおかしいが、予言の成就を前提に動くのも奇行に違いない。
　少なくとも一緒に高所から落下した幼馴染が「遺体を見ることなく」死亡したと知らされた事が、『エルフェンリート』のコウタや『ノノノノ』の野々宮ノノと同様に人格形成に大きく作用している事は疑いの余地が無かろうが。むしろ記憶も微妙に危うい可能性もある。コウタだって主観記憶を一部閉鎖してたしな。

　『エルフェンリート』と違っていきなり首が飛んだりしなかったが、冒頭カラーから崩壊した都市をバックにヒロインを刺殺する主人公と言うバッドエンディングな構図。それは推定未来の話としても、また主人公は最初からヒロインが異能を持つ常識外の存在だと知ってしまった。はたしてその正体は、その背景にあるものとは……？
　そんなこんなで第１話終了。次話以降は気が向いた時に感想書くかも。