《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》/『極黒のブリュンヒルデ』第13話
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((コミックス第1巻は5月18日発売)
「ああ もちろんだ」
混浴できゃっきゃうふふしてる間に迫る危機!? もげろ。
おおう。学校にキャラが集中して素敵に愉快な学園パートが展開されそうでいて、同時に学校が戦場になりそうなヤバイ気配。第二章スタート前に危惧した状況が予想外の角度から始まったような。
ようやく廃村神社を引き払って天文台を寝床に。寧子の入部届を出しとくとか良太たまに手が早い()。ただ今後は部に美少女揃いってのがなにげにヤバそうな。彼女ら目当ての男子が来るかもしれんし、天文台が戦場になれば一般人を巻き込みかねない。
学園パートは寧子のボケに良太がツッコミ&フォローになるかと思わせ、良太カズミのドツキ漫才状態に。今回だけで二回も鼻血流させたぞ。でも幼児体型disり過ぎといえば自業自得……もげれ。まあ外面を取り繕ってる*1ようであるし、校内では(良太が下手な事を言わなければ)問題無い…ない?
他方で研究所所長・「
前回の密告魔女がイジェクトされたと思しき*2痕跡の洗い流しを監督してる所に「高千穂」からの入電、なんかモノリスこそないものの『エヴァ』のゼーレっぽい諮問会に出席。五つある幹部席の中央の男……確かに眼鏡キャラが登場して欲しかったが、こんなところで、しかも『ヘルシング』の「少佐」みたいな眼光の黒幕
設定面でも重要そうな単語。研究所の職務は「魔女の管理」と「“ソーサリアン”の組成」……これは
「私もあまり「人間」に無理をするのは気が引ける」
という丸眼鏡の台詞からするに、人間の少女を改造した魔女を叩き台にした、完全人造の「
あとは脱走事件の子細と現状か。脱走27人、回収されたのが8人、既に死体も残さず崩落したが5人分発見され……残りは14人。寧子佳奈カズミの他にも11人の魔女が人間社会に潜伏……問題はどれだけ薬が保つかという事だが、研究所の想定を超えて生き残りが居たとしたら犬良さんが何度となく考察していたように、依頼で鎮死剤を集めていたカズミが同胞に薬を分けている……? でも、それだと寧子佳奈よりも早く寿命を縮めかねない。
となると彼女が生きる目的……それを果たすまでは死ねない、その理由が鍵か? 唐突にハーフ設定*4が明らかになったが……つまり前歴、カズミが魔女にされる以前は何処の誰であったかが。
そして密告により送り込まれたAランク魔女……前回のカズミに関しての想像は邪推であったようだが、つまりは窮地が目前に迫っているってことである。エルフェンリートのディクロニウス達ならば疾うに互いの存在を感知して然るべき、どんなにベクターの射程が短くても「脳の血管を1ミリずらすだけ」で殺傷するには十分な距離に接近している。天文部に入部したということは寧子からカズミから全部情報は割れている、という静かに深く懐に潜り込まれてヤバ過ぎる状況。
学年は一年。巨乳。顔や性格は一見、「角が折れた“にゅう”」似。推量するにその能力は……あえて学校に転入させたことに関係があり、魔女の存在を秘匿しつつ脱走者を始末する適したものなのではないかと。そして天文部員以外に人が来ない場所で関係者しかいない*5状況なのにも関わらず、攻撃してこない理由。秘匿を重視しながら性急に事を運ばないのは何故か。
魔女はそれ専門の魔法でも無い限り、同胞の存在を感知できる能力を持たない。研究所での知己*6でなければ面と向かってもわからない。ハーネストに気づくか魔法を使っているところ見られでもしない限り……油断をした所、あるいはその場に居るのが魔女だけになる状況を狙っている? するとまずいな。「天文部員は天文台に寝泊りしてもおかしくない」んだから―――良太が帰って彼女が泊まったその日が、平穏が終わりを迎える時となる可能性が極大。そしてそれは、もう再来週に迫るのかもしれない。
寧子が天文台に寝泊りするのを渋った理由として、見つかった時に良太が諸共に殺されるという危惧があった。だが懸念通りならば、“寧子にとっては幸いにも”良太が不在のところで戦闘が開始されることになる。良太は「見つかった時にどうするかは考えてある」と言っていたが……それが明らかにする暇も無い。頑張れ、主人公。
しかし合併号につき次回は二週間後か……前回の休載に比べると比較的マシだが、喉元に短剣突きつけられた状態で待たされるのも大概、キツイものを感じる。見た目は完全に小動物系美少女だから、尚更に。岡本倫はドS。
あと蛇足。彼女の髪の隙間からのぞくハーネストからふと疑問に思ったが、カズミの髪型はハーネストをちゃんと隠せているのか? また寧子は第2話で水着を着たりなんかしているが、スイムキャップを被らなかったとはいえ気づかれないものなのか? まあその辺はご都合、と言えばそれまでなのだが。
*1:本当にハーフでドイツ語話せるからオーストリアから来たって設定にしたのだろうが、服を廃村から調達ってそんな調子で大丈夫なんだろか。いっそ村上家にホームス(ry
*2:必ずしも死んだとは限らないが、まず死んだと見て間違いなかろう……南無。ただ捕まっている時点で大量に出血してたから、それを洗浄しているだけとも考えられなくもない。
*3:無情に淡々と魔女を処分しつつ、どこか幹部達に含むところがありそうなイチジク所長が今後どういう行動を取るにせよ、彼の指揮下にある魔女たちはその影響を受けることになるとすれば……今回送り込まれた彼女がどういう行動指針を持っているor与えられているかがその試金石か。
*4:「シュリーレンツァウアー」という推定偽名の姓はスキージャンプ選手グレゴア・シュリーレンツァウアーからと思われる。オーストリア人だからか、『ノノノノ』絡みか。
*5:魔女狩り側が沙織のビーコンから盗聴した情報から寧子に協力している一般人の男が村上良太である、とまで掴んでいるは不明。わかっていない場合良太の存在が彼女のブレーキになっていると思われる。
*6:研究所内での魔女同士の交流がどういうものであったかも描写されていないが……魔女にされた時期が後か先かとか、所内での知名度とかで、「随一の力」と呼ばれた寧子とは逆に顔と名を見知ることもなかった相手も居たということか。